中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

新型コロナウイルスのニュース一色のなか、「銃・病原菌・鉄」の一部を読み直してみました

f:id:xmichi0:20200309150855j:plain

感染症はやはり「見えない敵」

1.何処もかしこも(国内だけでなく)

新型コロナウイルスのニュース一色、まだまだ続きそう。

「一色」の中には、国際的な経済・金融情報もあり、それこそ

膨大です。

時事ニュースとしての報道はいいとして、私が「煽り」と感じるも

の、非常にいい加減で非論理的で解釈も多々ありで、気分は無論

晴れません。

自分が関係する会社の収益動向は、当然一番気になります。

〇テレビやネット報道ですが、疫病の歴史を振りかえるような、

モノはほんの少し、のようです。

(テレビをほとんど見ない私の知る限りですから、実態は違うかも

知れません)

思いつくまま、ランダムに書いてみると

遣唐使以降、疫病がはやり、大仏建立の遠因

藤原道長の権力奪取の前提として、周りのライバルが疫病で

 次々脱落した

・中世ヨーロパのペストで、人口の4分の1から、3分の1くらい

 が亡くなった。

第一次世界大戦後のスペイン風邪の死者は、全世界で5000万人

 から1億人に達する

といった感じ。

 2.「銃・病原菌・鉄」から

さて、ダイアモンドの著名な作品「銃・病原菌・鉄」ですが

感染症について当然触れています。

少し、整理すると

〇定住の農耕型社会が進み人口と家畜の密度が上がるにつれて、

その民族の間である種の疫病が流行り出します。

短期的に見るとこれは災害ともいえる出来事ですが、

長期的な目で見ると驚くような利点を特定民族へともたらし

ました。 免疫です。

ご存知天然痘おたふく風邪などは一度かかると次からはかかり

ません。

他の地区(アメリカとか)の民族を攻めこむ際に、この病原菌が

想像以上に強い威力を発揮した、と著者は考察しています

書籍から引用してみると

   人間の死因でいちばん多いのは病死である。
  そのため、病気が人類史の流れを決めた局面も多々ある。
    過去の戦争において勝利できたのは、
   たちの悪い病原菌に対して免疫を持っていて、免疫のない相手
    側にその病気をうつすことができた側である。   
  上巻 P361  11章 家畜がくれた死の贈り物 
   (進化の産物としての病原菌)
 
  武器、技術、政治機構だけでは圧倒的な数の先住民が暮らしていた
  南北アメリカ大陸やその他の地域に進出していき、彼らにとって
  変わった事実は説明できない。
  そのような結果になったのは、ヨーロッパ人が、家畜との長い親
  交から免疫を持つようになった病原菌を、とんでもない贈り物と
  して、進出地域の先住民に渡したからだったのである。               
  上巻 P395 11章 家畜がくれた死の贈り物 
    (ヨーロッパ人のとんでもない贈り物)
 〇上記は、「旧世界」からやってきたスペイン人たちが「新世界 」
征服するくだりです。
一般的に戦争では、戦闘で死亡する人数よりも、負傷者が感染症
よって亡くなる人数がずっと多い、ということは、知っていましたが
この、征服のくだりはすさまじい。
 3.誤解なきように
歴史を少し振り返り、病原菌が、もたらした影響は、「社会を変
る」ほどの、大きなものであった、ということを言いたかった
だけ。
例えば、周りがバタバタ倒れていく、となりの集落はほぼ全滅状態
との情報といった渦中にあった同時代人の「恐怖」は、想像もでき
ないくらいだったことでしょう。
 〇新型コロナウイルスの、欧州他世界各地への広がりへのコメント
他の感染症との絶対的な、り患者、死亡者の数字を比較して云々、
といったことは、私見は、本日は申し上げません。
〇情報は取るようにしていますが、何が正しくて、何がそうでな
いかの判断は、できそうにありません。
「自分の頭で考える」とは言っても、、、、
先日、尾身茂氏と山中伸弥氏の対談をネットで聞きましたが、
いわいる文系人間ではない有識者でより信用できそうな人(肩書で
判断と言えばそれまでですが)の話を聞き、いままで生きた自分
の常識を働かせて判断する、これくらいしかできません。 

 


 

 
 

マキァヴェッリ 『君主論』をよむ(読書感想文もどき) 『君主論』は就職活動論文

 

f:id:xmichi0:20160612000058j:plain

君主論」は就職活動論文、ただいま思案中

マキァヴェッリ

君主論』をよむ

著者       鹿子生浩輝/著  

出版者    岩波書店 2019.5

 内容としては、「 祖国と家族、自由と人間を愛したマキァヴェッリが、

真に伝えたかったこととはいったい何だったのか。

君主論』を中心に、マキァヴェッリの実際の政治思想を明らかに」

しています。

 1.目 次

はじめに

第1章 書記官 マキァヴェッリ 

第2章 新君主の助言者

第3章 善と悪の勧め

第4章 フィレンツェの「君主」

第5章 フィレンツェの自由

第6章 イタリアの自由

おわりにーールネサンスの思想家マキァヴェッリ 

 2.ピックアップ

マキァヴェッリ は、政治職の獲得のためにメディチ家に自らを売り

込もうと考えてきた。

そこで思いついたのがメディチ家の役に立つ著作を執筆することで

あった。

君主論』は、いわば就職論文である。   P40

 

第一 君主は、気前が良いよりもけちでなければならい(第十六章)

第二 君主は、憐れみ深いよりも残酷でなければならない。(第十七章)

第三 君主は、愛されるよりも恐れられなければならない。(第十七章)

第四 君主は、信義、つまり約束を破ってもかまわない。(第十八章)

 P48

 実のところ、以降に見るようにマキァヴェッリは、一般的な状況を

想定した場合は有徳な行動が権力の維持にとって合理的であると認

識しており、その点で伝統的な見解と同様の見解を抱いている。

マキァヴェッリが、悪徳を勧めているのは、読者である君主が極めて

特殊な状況に直面するとみているからであり、彼の悪名高い助言は、

彼のそうした状況認識を把握しなければ、適切に判断されえないだ

ろう。  P51

 

マキァヴェッリは、極めて支配が困難な状況、つまり新君主国へと

考察の対象を絞り込んでいるのである。

デ・ファクトに支配者となった新君主は、支配の正当性がないため、

新しい臣民の自発的な服従を見込めず、彼らによる武装抵抗に直面

する。

だとすれば、そこで描かれている人間が邪悪である理由は、マキァ

ヴェッリが悲劇的な人間観を抱いていたからではないだろう。

そもそもそうした人間を想定せざるを得ない特異な政治状況にマキァ

ヴェッリが意識的に目を向けたからである。  P56

 

 新君主は、君主としての資格や権利を持たず、支配の正当性を欠い

ているため臣民からの自発的な服従を見込めない。

マキァヴェッリが『君主論』で焦点を合わせたのは、この困難な

政治状況である。   P84 

 

マキァヴェッリが力説しているのは「自前の軍隊」の形成であり、

「自前の軍隊とは、臣民か市民か部下から構成されている」

自前の軍隊は、(中略)いずれも君主ないし共和国に忠実である。 P86

 

君主は、軍事訓練を積むとともに、軍事目的から歴史書を読まなけ

ればならない。

この点にマキァヴェッリ人文主義的な姿勢、すなわち、古代を重

視し、古典から何かを積極的に学ばねばならないという姿勢が表れ

ているといえよう。  P86

 

マキァヴェッリは、『君主論」』で、権力奪取とその直後の状況を

中心的な考察対象としているため、新君主に要請される政治的資質

は、暴力や悪徳をその中核としている。   P90

 

彼の想定している政治状況は 、現代の多くの先進国のような比較的

安定した状態ではない。

それを現在で探すとすれば、革命や内戦が続く過酷な国家や地域の

見出さねばならないだろう。

 マキァヴェッリは、『君主論』で、従来の論者たちが例外的として

いた状況を正面から論じていることになる。   P100

 

議論の4点まとめ(私の要約)

➀ 『君主論』の独自性は権力簒奪を想定し、そこでの君主の振る

舞いを本格的に構想

世襲君主においては、徳が必要資質。新君主国やその他の非常時

には君主は悪徳を行使せざるを得ない

③助言の内実は、さほど衝撃的でなく、常識的である。

④権力簒奪の特殊状況を脱した場合には、臣民との信頼関係構築を

勧める       P117 

 

 『君主論』が想定している統治対象は、二種類あり

 教皇領の新君主国群と、フィレンツェ共和国である。

当時の知識人も、メディチ家が二種類の統治対象を獲得していた

ため、この二種類の国家を論じている。P148

 

 市民軍を組織せよという主張は、マキァヴェッリの生涯一貫した

持論であった。    P181

 

マキァヴェッリが一つの共和国によるイタリアの帝国的支配を理想と

していたことが確認できよう。  P203

 

(「あとがき」から)

自分にとって自明となっている価値や思考を反省的に問い直すためには、

自分とは異なる他者が必要であり、歴史的著作は、そうした他者の見解を

現代人に忌憚なく主張しているゆえに意義がある。  P248

3.感想文

いろんな読み方がありますが「岩波新書」からでているからと言って

「入門書」とみるのは、私もどうか、と思います。

君主論』を読んだ前提がないと、難しいと感じるはずです。

ある程度、マキァヴェッリを読み込んでいる人に、さらなる背景の理解、

考え方を深めるものとして、役立つ書籍かと思います。 

 

 

p>

今週のお題「卒業」 今回卒業の昔話と、卒業したハズなのに舞い戻る話、の二本立て

f:id:xmichi0:20200306155754j:plain

卒業式は何回も経験しました

今週のお題「卒業」です。

私の場合どうしても昔話中心になるので、今回は卒業して戻ってこな

い時間つまり昔話と、「卒業」したと思ったのに、舞い戻り、また同

じ失態を繰り返す今に続く話、の二本立てで行こうと思います。

1.卒業して、戻ってこない時間

(1) 田舎の公立中学を卒業しました。

つまり、同級生は、塾通いを含めて準備し、試験を受けて合格した

という「ふるい」をかけるわけでなく、一定の地域の二つの小学校

の卒業生のほとんどが、集まったという公立中学でした。

その意味では、地域社会の縮図、親の職業もいろいろ、男女比率

も半々くらい、だったかと。

今どきの言葉で言うと、多様性があるダイバシティ―の学校だ

ったと言えるでしょう。

(いや、地域限定で多様性は?との議論もあります。

集まった仲間は、結果として学力も趣味嗜好も様々です。

その意味でも、楽しい時期でした。

前述のように、公立中学でエスカレータではありませんので、

(ほとんど進学でしたが)高校は、それぞれ試験を受けるし、進路が

それぞれ別れることととなります。

私の場合は同じクラスから、同じ高校に進学した、クラスメイト

はありませんでした。

友人の一部は、大人になって、家業を継ぐ、自営を始める、教職員、

住職とか、卒業した中学のある、地元で生活しています。

たまに、帰ると、現在の立場を超えて、いろんな話ができます。

ありがたい限り、です。 

(2)大学(法学部)を卒業しました。

たびたび、いろんなところで発言を引用していますが、出口治明さん

の言葉は、頭が痛い面も多々あります。

  大学時代に、しっかり勉強したか?

  たくさんの本を読んでよく考えたか?

いずれも、「否」の回答。

そんな素養では世界で戦って、負けるぜ、と言われるとその通り。

現在まで、昔の不勉強は、尾を引いているようです。

 

なお、末尾の、ダスティ・ホフマン主演の映画「卒業」、

キャサリン・ロス可愛いですよね、とかなんとか言えば、まさに世代がバレますね。

 2.卒業したハズずなのに、舞い戻り、同じ失態の話

 (1)卒業したハズなのに、舞い戻り、同じ失態を繰り返しているも

のはそれこそ、数知らずあります。

典型の一つが「飲酒」です。

もともと、私は遺伝的にも高血圧であり、生活習慣の不摂生もあり、

なんと二度も入院する顛末となりました。

その度、「残念ながらアルコールはもう卒業」、と自分に誓ったので

すが、数年もたつと結果として、元の木阿弥となりました。

アルコール再開のへ理屈は、なんとでも作れます。

しかし、敬愛する私より10歳以上年上の仕事上の先輩は有名な大酒飲

みだったのですが、組織のある地位についた時、熟考の上、スパッと

辞めたした。

立派です。

一報、私は結局卒業と出戻りの繰り返し。

また、出口治明さんの引用ですが、「酒に飲まれない」、「周りと調

和する」グローバルスタンダードな飲み方、を目指しています。

今の私に、禁酒は、難しそうですし。も作れます。

(2)なお卒業した成功例は「タバコ」でし。

若い頃の一時期、格好つけてたばこ経験してみましたが、もともと

好きじゃなかったようです。

健康上、経済面も禁煙を後押し。

ということで、これは、成功事例。

(家族皆禁煙で、自宅マンションも車も塩害はありますが、煙害は

無しです。)

 以前お仕事ですが、愛煙家営業マンの営業車に同伴で乗ったとき

車内に染み付くタバコのにおいに、閉口したことがあります。

  

 
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

卒業 (講談社文庫) [ 東野 圭吾 ]
価格:649円(税込、送料無料) (2020/3/7時点)

楽天で購入

 

存在を知らない世界を減らしていく姿勢が大切 結果は認識不可能 

f:id:xmichi0:20200303150207j:plain

いくつになっても、世界は知らないことばかり

何やら、訳の解らないことを・・・・、との批判はお受けします。

直近、書いていなかった抽象論です。

本日は書評でも名言引用集でも社会現象コメントでもありません。

話としては、シンプル、取り立てて新機軸はありません。

要は

①世界を3つに分けよう

②自分では、存在すら知らない未知の世界がたくさんある

③いろんな手段で、情報にアクセスし、未知の世界を知っていこう

 その姿勢が大切だ。

④未知の世界が、なくなることはあり得ない。

恐らくどんどん増えていくのでしょう。

具体的に、どれくらい自分が未知の世界を知ったかは、定量

に認識できないでしょう。それは仕方ないこと。

以上ですが、補足説明していきましょう。

1.世界を3つに分けよう

①自分が知っている世界

 知っている程度・深さ・幅当は問題にしません。

 とにかく、「知っていること」です

②自分が「知らない」ということを知っている世界

 世界は、自分の知らない世界で満ちみちています。

 ソクラテスの「無知の知」を持ち出すまでもなく、「自分が知ら

 ない世界がたくさんある」と、認識しておくことはとても大事

③自分が存在すら知らない世界、認識していない世界

 実は、この世界が、誰にとっても一番大きいハズ。

 自分が存在すら知らない世界については、ヒトとでも本でも

 意思疎通が働かない、ということになります。

2.存在を知らない未知の世界を知っていこうとする姿勢

(1)生まれてから、人間社会で育てられ、一定の教育を受けていく

中で半ば強制的に「自分の知っている世界」は広がります。

 しかし、ある程度の年齢になり、一定の居場所を見つけると、

この強制力は、ぐっと弱まってきます。

とはいえ大多数の人間は、何らかの形で社会に働きかけて、なにがし

かの生活の糧を得ることが必要で、「自分の知っている世界」を、広

げていかない訳にはいきません。

 (2)年齢と共に、無理して「自分の知っている世界」を広げなくて

も、「生き延びていける」可能性威は高まっていくでしょう。

そこで、今日の私の「言いたいこと」です。

世界は、自分の知らない世界で満ちみちていて、この存在すら知らな

い世界については、コミュニケーションができない。

それでは、いけない。思考実験的表現になりますが

大多数の人間が、自分の知っている世界に閉じこもって、しまったら

全体としての社会は、うまくいかないのでは、と私は思います。

タイトルに書いた

存在を知らない世界を減らしていく姿勢が大切

 と、私は思っています。

(3)何度も引用していますが

佐藤一斎の著作『言志四録』から

少くして学べば壮にして成すあり。

壮にして学べば老いて衰えず。

老いて学べば死して朽ちず

今日は、ココ・シャネルも入れましょう。

 私のように、年老いた、教育を受けていない、孤児院で

育った無学な女でも、まだ1日にひとつぐらい花の名前を

新しく覚えることはできる

 3.未知の世界は、広がっていく

(1)ホモ・サピエンスが、地球上に存在している以上

情報量は増えてていくでしょう。

グローバルな人口増加、AIのサポート等もあり、情報量は加速度的に

増加する感があります。

よって、「自分が知らない世界」を減らしても、決して無くなるは

ずはありません。

(2)「存在を知らない」ことはクリアしたが「理解できる」は、

全く別問題。

結果は認識不可能であり、構わないというか、仕方のないこと。

私のブログでも、いろんな書評で、量子力学や、数学のIUT理論、経済

学、宗教、哲学、心理学等々の考え方を紹介していますが

私が「理解できた」かは、全くの不明です。

言えることは、「存在を知らない世界」から「存在を知っている世

界」に移行した、ということだけ。

4.今日の最後に

こんにちの我々は、食料のほかに、「情報を食べて」生きています。

どういう情報を食べて生きていくか、

「知らない世界」を減らしていこうとするのか、現状への安住で生き

延びられる(と想定できる)から、「知らない世界」には踏み込まな

いのか、それは個々人の選択、私はあくまで私の主張です。

 

 

「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記その3」 今回もまた多数紹介

 

f:id:xmichi0:20200102231336j:plain

「敗戦記」はこのイラストにします。

美を見極める力 

古美術に学ぶ

著者       白洲信哉/著  

出版者    光文社 2019.12

 白州さんと言えば、あの白州次郎小林秀雄が出てきます。

西洋美術との大きな違いは、実際に使うことで「美」を育てていく

ところにある、という見解。

「特異な美」の深みへといざなう、目利きになるための入門書

なのでしょう。

私は、無論目利きにはなれませんが、カラー写真も豊富に掲載

され、普段と違う世界を楽しめます。

  

本棚から読む平成史 

岡ノ谷一夫/著  

梯久美子/著  

牧原出/著  

読売新聞社文化部/編  

出版者    河出書房新社 2019.6

 書籍は時代の「かたち」をつくっている、と私も思います。

政治・経済から、文学、ノンフィクション、科学書まで、平成31年

間に刊行された名著の数々を一挙紹介しています。

文学、科学書には、私が全く知らないものもあり、良いブックガイ

ドとなりました。

紹介の「倚りかからず」(茨木倫子)を、さっそく読みました。

『読売新聞』連載に加筆修正、とのことです。

著者対談部分からピックアップします。

日本の紙の出版物の売上は、平成8年(1996年)の2兆6500億円

をピークに減少、平成の中期には、インターネットに押されて

衰退傾向がはっきり

出版科学研究所によると。平成30年(2018年)は、1兆2900億円と

半分を割り込んだ。

書店の数も、かつては2万件以上あったのが、1万2000件程度  P84

 

倚りかからず 

著者       茨木のり子/著  

出版者    筑摩書房 1999.10

 ある紹介では、

静かに激しく紡ぐ、7年ぶりの詩集。

書き下ろしを含む15篇を収録、とのことです。

「倚りかからず」ですが、

倚りかかりたくないものとして、出来合いの思想、宗教、学問、権威

江列し、自分の耳目、二本足のみで立ち、

「倚りかかるとすれば それは

  椅子の背もたれだけ」 と締めます。

 

 シニアひとり旅 

バックパッカーのすすめ アジア編

著者       下川裕治/著  

出版者    平凡社 2017.7

    歳を重ね、知識や経験が深くなったシニアだからこそ味わえる、

ひとり旅の良さ。

アジア各地を旅してきた著者が、シニアに合った旅先を紹介して

います。

台湾の章から、ピックアップします

 歴史に翻弄されて、蒋介石の像が集まってきた公園がある P58

  日本人にとっての台湾のイメージは、漢民族で形づくられている。

台北、台南、高尾、台東、花蓮・・・・・どれも韓民族の街だ。

小籠包や牛肉麺にしても、漢民族の料理だ。(中略)

しかし、枋寮から台東、花蓮の間の、小さな駅に泊まると、先住民の

世界が待っている。

台湾がもつ、もう一つの顔である。 P71

終章に「シニア世代に必要な旅のノウハウ」を記載

 格安航空券・シムフリーを使いこなす・日本語が通じる病院・

老舗ホテル、お勧め、の記載あり   P190 から

 

教養としての「国名の正体」

著者       藤井青銅/著  

出版者    柏書房 2019.11

  日本は“ニホン”? “ニッポン”?

アメリカ合衆国はなぜ「合州国」ではないの?

オーストリアとオーストラリアは何で似ているの?

世界196か国&5地域の「名前」の起源を探っています。

すこし乾いた感じのユーモアのある文体は、私は「お気に入り」

です。

字引的に閲覧するのでなく、通読も面白いもので、勉強になります。

 

 今昔物語集 天竺篇 

全現代語訳

著者       国東文麿/訳  

出版者    講談社 2019.11

 12世紀初頭の成立といわれる巨大説話集のうち、天竺(インド)の地に

仏教が発生、展開する壮大な物語を収録。

釈迦と舎利弗文殊ら弟子たちが苦悩し活躍する様を、簡明な現代語

訳で綴っています。

私は、外国語はダメ、古文も漢文もダメですが、現代語訳なら何とか、読めます。

古典を読んで、よく感じるのは「人間は変わっていないな」ということ。

  

 
 
 
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

倚りかからず (ちくま文庫) [ 茨木のり子 ]
価格:638円(税込、送料無料) (2020/2/9時点)

楽天で購入

 

「万能の天才空海」すごさを感じますが、嫉妬はなく、強いて言うと「淡い憧れ」

f:id:xmichi0:20200304233055j:plain

空海は、日本の生んだ「万能の天才」です


1.空海について、書きたいこと

今日の話は、弘法大師空海です。

一般的解説は、

空海(くうかい、774年〈宝亀5年〉- 835年4月22日〈承和2

年3月21日〉)は、平安時代初期の僧。弘法大師(こうぼう

だいし)の諡号で知られる。

真言宗の開祖である。

 言いたい内容は、極めてシンプル

空海は万能の天才でした。すごいの一言。

・余りに自分とかけ離れていると、嫉妬はなく、学べるとも思えない
・彼の業績を読んでいる時間は、私には完全に暇つぶし、強いて言う
 と淡い憧れ。
以上でおしまいです。

2.湯川秀樹が、空海を天才と評しています。

空海は単なる宗教の開祖ではなく、語学、書芸などの文化

的なものから、土木技術、鉱山開発、薬草、医学の知識ま

で持ち、日本初の庶民のための学校を作り、大規模な治水

事業を行なうなど、人間離れした活躍をしていました。

ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士は、生前、空海

のことを「世界的スケールで見ても、上位にランクされる

べき万能の天才で、アリストテレスやレオナルド・ダ・ヴ

インチをもしのぐ存在」と称しています。

 湯川秀樹と言えば一般的に「賢い」、「天才」との評価でしょう

から、、その彼が、言うんだか、ら・・・、となりますよね。

 3.業績

これが非常に多岐に渡すところが「万能の天才」たる由縁ですが

1.密教の開祖

密教と言えば真言宗天台宗ですよね。

2.書道の天才(三筆の一人)

 書を吟味する力も私にはありません。

 しかし「弘法も筆の誤り」くらいは知っています。

3.語学の達人

空海が、漢語・梵語に通じていたため、密教の受法は瓶の水を

他の瓶に移しかえるようにすみやかに行われた、とのこと)

留学はわずか2年くらいでしたが、吸収した知識量の豊富さは、

本来の「賢い」ことに加え、この「語学の達人」の要素があった

のでしょう。

私の勝手推測ですが、おそらく、文字を書けない人々とも交わって

彼らの「言葉」から吸収した知識もあったのは?

4.文学の才人

彼の著書『十住心論』には、「あなたの中には、無限の力

が秘められている。

そのことを忘れてはいけない」という言葉が登場します。

 とのことですが、私は、こちらも評することはできません

5.詩の才人

「性霊集」はじめ、いろんな漢詩があるようですが、私はこちらも

読めていません。紹介するのに、申し訳ありません。

6.土木技術

行基にても、空海にしても、当時の最先端の知識人である坊さんが、

土木技術を指導し、土地の皆に感謝されたこと、私も聞いています。

また、孫引きですが

この空海は、生まれ故郷の香川県にある国内最大の農業用

ため池、満濃池(まんのういけ)の災害復旧で活躍したことで

も知られている。

700年頃に築造されたといわれるこの池は、818年に

大洪水により決壊し、周辺の田畑に被害をもたらした。

この豪雨災害の復旧に際し、立ち上がったのが、すでに

仏教界のヒーローだった空海であった。 

7.美術プロヂューサー
 8.エコ思想の元祖

といったところが一般的です

 4.タイトルに書いた「淡い憧れ」

 「憧れ」をひいてみると

 「理想とする物事や人物に強く心が引かれたり、思い焦がれること」

 「まだ実現していない自分が理想とする物事に強く心がひかれたり、

理想とする人物に強く心が引かれたて、思い焦がれること」

とあります。

同じ人間ではありますが、 あまりに自分の能力から、掛け離れている

存在だと、「自分の磨くべき武器、作るべき武器を強化する際には、

自分のベンチマークとなる人物像」なんて、僭越なことは、言えま

せん。

だた、すごい人間もいるものだ、と感心するだけ。

強いて言えば、絶対自分がないっこないという無責任さの上に立った

「淡い憧れ」みたいなものでしょうか。

  5.脱線 天才のランキングについて 一考
人間はランキングが好きですよね。
「世界」を理解するのに、ランキングは、断定的かつ数字表現の
明白さがあり「解りやすい」という好都合な面があります。
ちょっとネットを引くだけで、IQ比較のランキングがすぐあります。
どの記事も、よく調べている、モノだと感心します。
ご丁寧に、世界とか、日本とか、時代を限定とか・・・
ただ、私見を言うと所詮個々人の時代環境が違うので、IQ比較は一見
科学的にみえますが、正確性は、担保できないと思います。
しかし、比較できないのは、それはそれでいいし、記事を素直に楽し
めばいいと思います。
 

今回は、特定の書籍というより、いろんなところから拝借

参照したサイトの一部は、以下の通り

  空海はどれくらい天才だったのか調べてみた - 草の実堂

 土木界のヒーロー空海 | | ツタドボPRESS365

 

 

 

高貴かつ不屈の精神が必要 いつも折れそうになる私 今日は「木を植えた人」から

f:id:xmichi0:20200221135554j:plain

植林が実って森になるイメージ

1.いつも、折れそうになる私

幾多の人や書籍に助けられて、何とか日々をやり過ごしています。

書籍で言うと、古今東西のモノがあり、分類も、哲学、歴史、

宗教、生物学に物理学、数学等々さまざまです。

今日はさるメディアで紹介受けた、「木を植えた人」の紹介です。

私が使ったのは

木を植えた人

 原タイトル:L'homme qui plantait des arbres

著者       ジャン・ジオノ/著  

原みち子/訳  

出版者    こぐま社 1989.10

話はシンプルです。

不毛の地に木を植え続ける男の物語です。

ある羊飼いは、水も枯れ果てた地で、命の水を求めて1日100粒

のどんぐりを植え、3年で10万個植えますが、しかし生き残れる

木は約1万本くらいです。

再生への熱情をひとり燃やして黙々と励んでいき、戦争も乗り

越え、再生への道が開けた街は、木だけでなく、水も、人も、

街も変えていくきます。

たったひとりのたゆまぬ努力がすばらしい実りをもたらします。

  2.「木を植えた人」から抜粋

冒頭の著者の言葉

「ある人が真になみはずれた人物であるかどうかは、幸運にも

長年にわたってその人の活動を見続けることができたときに、

初めてよくわかる。」   P3

 

男は口数が少なかった。孤独な生活の故であろう。 しかし、

いかにも己を知っておちついている、という感じがした。 P10

 

目指す場所に行くと、羊飼いは鉄の棒を地面に突き刺した。

こうして穴ができると、ドングリを一つ入れ、上をふさいだ。

樫(カシ)の木を植えているのだ。  P16

 

羊飼いは、もし神が命を預けててくだされば、30年の間に今の

1万本が大河の一滴等しくなるほどのたくさんの木を植えている

だろうと、静かに答えた。  P19

 

次の年に第一次世界大戦がはじまり、私は五年間兵役に服した。

一歩兵の身で、木のことなどほとんど考えることもできなかった 

 P21

 

羊は植林を台無しにするので処分してしまった、戦争など気に

ならなかったから、とその人はいい、私紙もそうだろうなと

思った。

そう、この人はひたすらに木を植えていたのだ。  P23

 

ウサギやイノシシを追って無人の高原に登ってくる猟師たちも

若木が増えていることには気づいていたが、自然の気紛れがこの

地にも起きたくらいにしか思わなかった。 

それゆえこの人の仕事はだれにも邪魔されることがなかった。 

 P27

 

容易に想像がつくであろうが、成功をもたらすためには、それを

妨げようとするものに打ち勝たねばならない。

情熱が勝利を得るためには、失望と戦わねばならない。 P28

 

なにも知らぬ森林保護管は木を植えた当人に向かって、ひとり

でに森が出現したのを見たのは初めてだといった。   P29

 (1935年の話)

私たちが通ってきた側は、6、7メートルに育った木が一面に

茂っていた。

私は1913年にこの地方がどんな様子であったかを思い出した。

見渡す限り、ただ荒れ地・・・・・。   P32

 

希望をもたないときには決してしないような仕事に人々がい

そしんでいるようすが見られた。

それなら、ここには希望がもどっているのだ。  P37

 

たった一人の人が、自分の肉体と精神力だけで荒地からカナン

を起こす事が出来たことを思うと、さまざまな事があるにせよ、

人間に与えられている力は、大したものだ。   P41

 

しかし、その力は、常に魂を高貴に保ちり、ひたすら無私に

与え続ける寛(ひろ)い心をもちつづけて、初めて完全に発揮

されるものであることを考えると、神にも似つかわしいこの見事

な仕事成し遂げた素朴な老農夫に、心から尊敬を覚えずには

いられない。    P41-42

  3.さいごに

 私がコメント挟むのは止します。

訳者の原みち子さんの「あとがき」から抜粋で締めます。

人と共有することのできない深奥に語りかけるその存在を通じ

てのみ、私たちは一人で静かに立ちつつ、他の人と真につながり、

ジオノが「人間に与えられている力は大したものだ」というその

を発揮することができるのです。