1.想定通りの報道
この日の試合をニュージーランド・ヘラルド紙(電子版)は「この世の終わり!オールブラックスが驚くべきイングランドに気絶させられる」との見出しで速報した。
同紙は「横浜の輝かしい夜空の下、3連覇するというオールブラックスの夢は沈んだ」とする一方、イングランドのパフォーマンスを「圧倒的だった」と称えた。さらに「ニュージーランドでは今後数週間、数カ月間、何が悪かったか非難が湧き起こるだろう」と予測。「ニュージーランドよ、涙をこらえてやじを鎮めよう」と呼び掛けた。
NZ紙、オールブラックス敗北に「この世の終わり」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ
どこも類似の報道です。
確かにイングランドの出足が素晴らしかった。
マイボールラインアウトで、こんなにボールを失うオールブラッスは近年記憶がありません。
さて、10月26日の試合話は、以下では、もう触れません。
2. 「ニュージーランド」とは
(私のコメントでなく引用、太字は私です。)
南西太平洋のオセアニアのポリネシアに位置する立憲君主制国家であり、ニュージーランド王国を
構成する最大の主体地域である。
島国であり、二つの主要な島と、多くの小さな島々からなる。
北西に2,000km離れたオーストラリア大陸(オーストラリア連邦)と対する。
南方の南極大陸とは2,600km離れている。北はトンガ、ニューカレドニア、フィジーがある。
ニュージーランドの面積は、268,680 km2である。
ニュージーランド列島は環太平洋造山帯に属し、北島と南島の二つの主要な島と多くの小さな島々で構成される。
北島と南島の間には、クック海峡がある。
2017年7月時点での総人口は約451万人と推定されている。
人口密度(1 km2当たり)は約17人である。
ニュージーランドの合計特殊出生率は2.05人(2012年)で先進国の中では高い水準である。
ニュージーランドは多民族国家である。
2013年の国勢調査では、ヨーロッパ系74.0%、先住民族マオリ人14.9%、アジア系11.8%、太平洋諸島系7.4%、中東系・ラテン系・アフリカ系1.2%、その他1.7%である。
3.「ラグビーとNZ関係」に類似した関係は他国にあるか?
次は私の独断と偏見、引用なし。(類似のすぐれた分析はあるでしょうが、読んでいません。)ごめんなさい。
➀スポーツ大国といえばアメリカ合衆国でしょう。
アメリカンフットボール、バスケットボール、ベースボールどれも、関心があることを超えて、精神面で人々に深く浸透しており、また経済的にもビッグビジネスですね。
「人々を精神的に束ねる」という意味では、州単位、地方自治体単位であり「国民を束ねる」スポーツではないように思います。
2億人以上の「国民」を一つに束ねるというのは無理な気がします。
そもそも「合衆国」ですから、「意識としての私の国」の単位は「州」なのでしょう。
法律も州単位で違いますしね。
②5か国(ファイブネーション)対抗
ラグビーの話です。5つとは、アイルランド、スコットランド、ウエールズ、イングランド、フランスです。
日本人には「イギリス」であり、フランス除く4つは「グレートブリテン」「連合国」の一部の意識かもしれあませんが、当事者には、違います。
それぞれが自分の国であり、この意識は、NZに近い気がします。
しかし、NZより相対的な人口の多さ、サッカー他のスポーツとの「人気度分散」考えると、やはり、類似とは、いえなそうです。
オーストラリアでも、南アフリカでもラグビーは「人気度分散」の範疇と思います。
③日本の場合
野球、相撲、柔道でしょうが、やはり多様化しています。
「国民が一体となって」の構図とは、なっていないでしょう。
話ずれますが、「北海道」、「本州」、「四国」、「九州」がそれぞれ全く違って「私の国」意識があれば、違ってくるでしょう。
明治維新前の「藩」の時代は、②の5か国のイメージは湧きます。
④経済的に非常に困窮
していて、サッカーやボクシングとか、スポーツでの成功が、貧しさから抜け出る手段、一族郎党を幸せにするツールというのとも違います。
⑤宗教
かつてのキリスト教の一部や現在のイスラム教の一部にみられる
「宗教」がすべての生きる前提、最優先事項である、とのケースはあります。
しかし、NZ国民にこの「宗教」の代わりが「ラグビー」というのでは、絶対にありません。
4. 私見の結論、類似した関係はほかにない。
先日のブログでラグビーが人気NO.1スポーツと引用しましたが、まさにその通りで
ラグビーはNZ国民にとってスポーツです。
しかし、意識は「スポーツ」のレベルではない。
国民のアイデンティティ、つまり他の何者でもない、代替できないもののように感じます。
いちスポーツの国別対抗の一つの敗戦が「この世が終わってしまった。」
と国民が感じるほどのアイデンティティなのでしょう。
5. 処方箋
幸いこの世は終わっていません。
しかし、オールブラックスに取って代わるアイデンティティが、存在しない以上
立ち直りの処方箋は、「勝ち続けること」しかないでしょう。
小松左京の「日本沈没」ではないですが、地理的に今「ニュージーランド沈没」の話は、
聞きません。
政治的、経済的安定度から、今「国を失う」とか「難民化する」こともない、と思われます。
国家は大丈夫です。
月末のハロウィンの余韻があるかとうかは、解りませんが、まず11月1日金曜にウエールズ
に勝つこと。
そして、来るべき、次の国別対抗のイベントで優勝すること。
つまり、また勝ち続けることです。
終った過去の試合を公開しても問うても仕方ない(反省は必要ですが)。
頑張れオールブラックス。