中高年michiのサバイバル日記

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教養として学んでおきたい仏教(読書感想文もどき) 私にとって仏教は身近

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教養として学んでおきたい仏教

教養として学んでおきたい仏教
島田裕己 著

マイナビ出版

 1.私の仏教体験

はしがきに
「男は50歳を超えると急に宗教心が高まるが、契機となるのが
定年と親の葬式」とあります。
 個人的には、組織人としての「定年」もあまり関係がなく、「親の葬式」は義父を送り、実父母と義母は健在という状況ですが,著者の
指摘は、さもありなんと思います。
まさに私の同輩の状況です。
著者の島田裕己さんは、宗教学者、作家であり、著書のいくつか書籍も読んでいます。
 私にとって仏教は、身近です。
  父は自営業でしたか、在宅の坊さんの免許ありで、毎回仏壇に向かいます。私はそれを見て育ちました。
 祖父母、父母とも宗教心が篤く、墓参りは我が家の定例行事、
子供の私はよく墓参りのお供をしました。
 親しい幼馴染み(幼稚園から中学生までの同級生)は、我が家が
檀家である寺の住職です。
友人の家に遊びにいくスタンスで、お寺のなかを徘徊した経験もあ
ります。
 高校の時は日本史と世界史を選択、仏教の歴史も一通り学んでいますし、その後大学、社会人となってもそれなりに、仏教関係書の書籍も読んでいます。
 今回紹介の「教養として学んでおきたい仏教」は、コンパクトでありかつ深い分析で、頭の頭の整理に格好の本でした。
  2.概要とコメント
いつものように、目次にから全体像を見ると
 第1章 仏教とはどういう宗教なのか
 第2章 仏陀はどのようにして誕生したのか
 第3章 仏教はどうやって広まったか
 第4章 日本に影響を与えた中国仏教の特徴
 第5章 日本人にとって仏教はどういう意味を持っているのか
 第6章 仏教は他の宗教とどう違うのか
 第7章 新しい時代の新しい仏教
 
次は、内容要約と私のコメント、()の部分や太字は私です。
(教えが重要なキリスト教イスラム教と違い)
・仏教で重要なのは、教えでなく、釈迦が悟りを開いたという出来
の方(P41)
 
・インドでは、輪廻の繰り返しからの解放が宗教のもっとも重要
 釈迦は実在人物よりキャラクターであり、
 悟りを開いた人間の歩みを描いた物語の主人公(P69)
 
(般若心経についての解説)
・般若心経は上座部仏教に対するかなりするどい批判(P91 )
般若心経は空の教え、つまり私たちが見ていること、感じてい
ことは、実は実態がない(P94)
・般若心経で最後に「真言」登場
 真言密教の呪文のこと、真言には力がある(P96)
 
(非常に合点がいく話、中国と仏教)
・仏教は儒教道教と考え方が根本から異なる
 中国の人々に受け入れられなかったのは、インド特有の輪廻の
 考え方(P109)
・ (中国では)世俗社会では儒教道徳の実践、年老いて世俗社会
 から離れると道教を志向、棲み分けをしていて結局、輪廻を
受け入れず。
・中国の人々にとり、死の先にあるのは 道教の説く神仙の世界に
 近い好ましい来世、浄土である(P110)
 
・インドでは6世紀には(仏教の)衰退はじまる、
 中国では、繰り返し「廃仏」ただし(仏教は)消滅しなかった。
(P122)
・日本はインド仏教の直接の影響受けず(P123)
 
神道は日本人だけの宗教(P127)であり
 神道の基本は自然信仰、アミニズムに近い
神道の世界では)自然は悪い世界ではないし、生きること自体
 は否定しない、これはインド的仏教思想と対極をなす(P128)
 
・いくら高度でも完成の域に達した衰退傾向の文明は、他の民族
 や社会に受け入れられない(P131)
 
・日本人は長い間、仏教を日本人の最新トレンドとしてとらえて 
 きた。(P133 )
 
・日本人が受け入れた仏教の全体像は下記五層からとらえるべき
  神道法華経信仰、密教浄土教信仰、禅(P133)
 
鎌倉時代に生まれた宗派が広く浸透するのは、江戸時代になり、
 「檀家制度」が生まれ誰もが地域にある菩提寺の檀家になることを
  強制されるようになってから(P149)
 
(日本人と無常観)
・教えを持たない神道には、明確な世界観、宗教観が欠けている
 もし日本人が一神教の神を信仰してきたとするなら、災害が
 おこるたびに、なぜ神はこれほどの試練を与えるのかと嘆かざ
 るを得ない。
 その点で、仏教の説く無常は、日本人には受け入れやすい考え方
 (P151) 
 
  (一神教と違う神と人との関係)
一神教では、人の生き方は神によって定められていると、考える
(P156)
・人の運命をすべて定めてしまう神は、仏教な世界には存在しない
(P157)
神道では、神と人との間に越えがたい断然はない、人も祀られ
 れば神
・仏教では、仏はそもそも人間、悟りを開いたからと言っても
 人間のまま。 (P173)
 
神道が主に個人が成長していくときの通過儀礼を担う
 仏教は死後の成仏の過程を扱う(P177)
 
キリスト教イスラム教は根本部分の変容はないが)
・仏教は融通無碍、原理原則より地域の事情を優先する
・日本仏教は日本にしか見られない仏教の在り方
 そうした変容が起こったからこそ、日本では仏教が消滅せず
 現代まで受け継がれてきた。
・一時仏教と習合した神道も、依然として日本人の精神文化の基礎
(P178)
 
 ・釈迦が現在の社会で悟りを目指すとすると、どういう方向か?
(P197)
 
・仏教に救いを求めること自体が現代社会では難しい (P200)
 
キリスト教を信仰するなら、人間の存在の神に究極の根拠を求め
るが、神に求めないのであれば、どこに究極の根拠求めるか?
 仏教はそれを果敢に果たしていくべき。(P206)
 3.最後にまた感想
 ・ 日本仏教が、インド直輸入でなく、中国経由の仏教であり、
 その意味合いの解説が、よく解った。
  ・また、インドや中国で衰退した仏教が、なぜ日本で今も続いて
 いるかは、私がずっと抱いてきた疑問であり、解りやすい言葉で、
 一つの答えをまとめた貰った感じがします。
 ・激動する社会と宗教の在り方、ずっと続く大きな議論ですね。