中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦前の中高年がざっくばらんに書きつける日記

アトキンソンさん再論、地方再生に高級ホテル50ケ所設置に賛成、という話

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地方にある高級ホテルイメージ

1.先日の中小企業の議論

先だって、アトキンソンさんの処方箋「中小企業を減らすことに

よる日本再生」に対し、

ツイッター中心の反論、および私見を述べました。

ツイッターにある処方選 いろいろでしたが、私見は、

・少子高齢化、人口減少のなか、現実的に地方中核都市への

一極集中化、全国的なコンパクトシティ化か進んでくると思う

政治や行政の役割は、時代の流れを読み、自らでしか、なし

えない、障害物 を取り除いていく業務をすることだけ。

しかも迅速な対応が必要。

といったことが主でした。

中小企業を潰して減らせ、と言ったって・・・政治と行政はリード役でなく障害物の取り除きに徹するべき・ - 中高年michiのサバイバル日記

 2.地方再生に高級ホテル50ケ所設置する案

今回のアトキンソンさんの話は、

富裕層向けの高級ホテル50カ所開発という戦略が日本経済に

どのような意味があるのかを解説した後、これに賛成という

趣旨です。

私見も大枠賛成、前回の中小企業を潰す、潰さない議論の時とは

違って、意見の大きな乖離はありません。

 ①現状分析

  日本には多くの外国人観光客が訪れるようになったものの、

 アメリカやタイなどほかの観光立国と比べると、観光客が

 十分にお金を使っていない

 具体的には、 2018年、観光収入自体は世界9位まで大きく増え

 ていますが、2020年の目標である「観光収入8兆円」は難しい

 このままいくと6兆円台にとどまる見通し。

②なぜか?

 日本に高級ホテルが少なく「乗客の取りこぼし」で、観光収入

 が少ないため

 具体的には、

 日本に、近年5つ星ホテルが増えてきたとはいえ、わずか32軒

 タイは110軒、フランスは125軒、アメリカは755軒。

 インドネシアはバリ島という1つの島だけで42軒

 国際的に見ると、日本のレベルはお話になりません。

③高級旅館での代替とは違う。

 富裕層なら一流旅館に泊まれ、と言う人がいますが、

旅館の多くは数日程度の宿泊を想定しており、その他多くの

理由で外国人にとっては使い勝手が悪いのです

(参考:外国人が心底ガッカリする「日本の旅館事情」)

④結論は、

 観光収入8兆円の目標を実現するために、日本に必要なのは

「多様性」。

 そのためには、全国の5つ星ホテルを、最低でも100軒程度に

 まで増やさなければならない。

 今回、政府が後押しをする「高級ホテル50カ所」という

 のは、日本経済のための富裕層獲得戦略を実行に移すという

 こと

 3.反論と、再反論

 ①反論

・高級ホテルのニーズは、高級ホテルに自分のお金で利用して

  いる人しか、理解できないのではないか。

  ましてや税金で高級ホテルに宿泊している人には理解不能

・ 国が融資をする」というところに引っかかっている

・日本に5つ星ホテルが足りないということは、言われるほど

 需要がない証拠だから、国がわざわざ後押しをしても成功しない

・そんなに需要があるのであれば、民間が勝手に進出するはずだ。

②再反論

・日本のサラリーマン向けに過剰開発されたホテルしかない状況

 は、 世界標準とは明らかに乖離。

 1泊3万~5万円程度簡単に払う能力と意図もあるゲストに

 対して、上位側ホテル商品群のポートフォリオ分散ができて

 いない。

・高級ホテルにおいては、賢くやれば国の後押しも有効だという

 ことは、世界の観光ビジネスでは常識。

 その最たる例がアメリカのフロリダ州オーランドの開発。

・日本人も、国内では高級ホテルに宿泊しなくても、海外旅行

 の際には5つ星ホテルに泊まるという方も多い。

 外国人観光客向けのビジネスを「日本国内の常識」で語るのは

 間違いのもと。

 

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高級ホテルの接客サービス

4.労働問題の観点から

 『中小企業白書』によると、2016年度の日本の飲食・宿泊業の

労働生産性は群を抜いて低い194万円。

全国平均の546万円の約35%にすぎない。

 当然それによって、所得水準も他業種と比べて著しく低く

 なっている。

 ・日本には数が少ないのであまり理解されていないが、

 5つ星ホテルと3つ星ホテルの最大の違いは「人材」

 部屋の豪華さや設備の充実度合いは、実は5つ星も3つ星も

 それほど大きくは違わない。

 ・富裕層は質の高いサービスに慣れており、ホテル側にもさま

 ざまなリクエストをしてくる。

 このような客に対して臨機応変に対応できる優秀な人材を多く

 そろえているホテルが、5つ星という評価を受ける。

 当然、このような人材は、3つ星ホテルで働く人よりも給料

 が高くなります。

高級ホテルが50カ所できるということは、最も高い所得が期待

 できるホテルが全国で増えていくということですので、宿泊

 業界の賃金の底上げも期待できる。

  ・海外から観光客を呼ぶなら、人数はできるだけ少なく、単価は

 できるだけ高いほうが経済的に好ましい。

 オーバーツーリズムのデメリットも少なくなる。

・それに加えて、賃金が上がって生産性が上がっていくこと

 こそ今の日本にとって最高の「国益」だ。

5.アトキンソンさんの結論

どんなに外国人観光客でにぎわっても、彼らから多くのお金が落

ちないことには、地方創生にはつながらない。

外国人観光客に最も効果的に、最も確実にお金を落としてもらう

方法は、宿泊費の単価を上げること。

それには、富裕層向けのホテルの整備は避けては通れない。

 日本の観光戦略は、人口減少という危機に対応していくという

日本特有の視点から、いかにして付加価値の高い産業へ育成

すべきかがつねに議論され、実行されてきた。

その成果がいま、着々と出てきている。 

政府「高級ホテルを50カ所」に反対する人の盲点 | レジャー・観光・ホテル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

6.結び

随所にふれていますが、私見は賛成です。

政府への過度に期待は禁物ですが、観光業も、お客様のニーズに

あわせたポートフォリオ構築は必須であり、高級ホテルはその

最右翼だと思います。

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