中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦前の中高年がざっくばらんに書きつける日記

「睡眠の科学」(読書感想文もどき) 無知な私の水先案内人と再認識

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睡眠の科学

睡眠の科学(改訂新版)

なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか

著者       櫻井武  

出版者    講談社 2017.8

 1.概要

人はなぜ眠らなければならないのか? 

いまだに科学が解明できていない疑問に、覚醒をつかさどる物質

オレキシン」を発見した著者が挑んだ名著『睡眠の科学』の

改訂新版です。

睡眠と身体や脳の機能との関わり、睡眠が果たす役割、睡眠を

引き起こすメカニズムを解説しています。

2010年10月の初版から、6年余りでの最新の研究成果を大幅

加筆しています。

終章P232  から「睡眠の正体」のまとめを引用します。

1. 睡眠を奪うと精神の変調が見られる
2. 睡眠を奪うと視床下部の恒常性維持機能の失調がみられる
3. 睡眠は記憶を強化する
4. 睡眠は絶対にとらなくてはならないものだが、ある程度の
 柔軟性もある
5. ノンレム睡眠レム睡眠では大脳皮質の活動パターンが
 大きく異な
6. レム睡眠では大脳辺縁系の強い活動が観察される
7. ノンレム睡眠の深さと長さは、直前の覚醒時の脳活動の
 強さと長さに影響を受ける
8. 覚醒とノンレム睡眠レム睡眠は脳幹の広範投射系によって、
 制御されている
9. 広範投射系は視床下部視索前野のGABA作動性ニューロン
 外側野のオレキシン作動性ニューロンによって、制御されている。

 

2.目次

はじめに

第1章 なぜ眠るのか?

 いまだに解けない謎と、記憶強化に果たす睡眠の驚くべき効果

第2章 最新技術で探る「睡眠の正体」

 画像解析でわかった「レム睡眠とノンレム睡眠はこんなに違う」

第3章 睡眠と覚醒を切り替える脳のしくみ

  神経伝達物質ニューロンがつくりだす巧妙な2つのシステム

第4章 睡眠障害の研究から生まれた大発見

  覚醒をもたらす物質「オレキシン」の決定的に重要な役割とは

第5章 オレキシンが明かした「覚醒」の意味

   ヒトや動物は、なぜ目覚めなくてはならないのか患

 第6章 ヒトはどこまで睡眠をあやつれるか

   不眠治療薬の最前線と「眠らないですむ薬」の可能性

第7章 睡眠に関する日常の疑問と、これからのテーマ

   「夢」の役割、「腹時計」から、睡眠物質では解けない謎まで

終章 なぜ眠るのかーーー私の仮設

 3.ピックアップ

いつものように( )内が私紙のコメントです。 

眠りの本質を理解すれば、誰もが営む眠りの時間をもっと大切

にできる。

眠りを味方につけることにより、時間はむしろ有効に使える。
(P6)
 
睡眠には、能動的に脳のメンテナンス作業と情報の整理をする
役割があると考えられている。 (P20 )
 
睡眠にまさる「癒し」はこの世に存在しないと思う。 (P35)
 
睡眠は身体の恒常性を維持する機構の保全だけでなく、
精神の正常な機能を維持し、さらに記憶の強化に関与して
いるといえる。
睡眠は私たちにとって、眠らなければ心身に変調をきたす
だけでなく、つねに自らをブラシュアップし、その能力を向上
せるという積極的な意味でも、非常に重要な役割を果たして
いるのだ。 (P45)
 
脳の機能状態には、覚醒、レム睡眠、ノンレム睡眠の3つ 
 (P57)
 
スリープモードがノンレム睡眠、オフラインがレム睡眠
睡眠時間のうち4分の1がレム睡眠    (P60)
 
レム睡眠時、驚くべきことに脳波覚醒時よりも活発に活動
している。 (P61)
 (私も非常に驚いています。
 ノンレム睡眠は、大脳にとっての休憩で、レム睡眠は記憶
 の整理にあたりながらも、起きている覚醒時よりは、ゆっく
 りしていると、思い込んでいました。)
 
レム睡眠時には高次視覚野は活発に活動していて、この分野
で視覚イメージがつくられているためと考えられる。 (P68)
 
(以下の「こうした現象」とは、外部との情報のやりとりが
ない、「オフライン状態」で活発に活動している部分が多い中、
何をやっているかの認識機能は、著しく低下していること)
レム睡眠にみられるこうした現象は、一種の精神障害に似た
部分がある。
われわれはそれを毎晩それを体験することにより、逆に正常
精神を維持しているのかもしれない  (P71)
 
覚醒とレム睡眠は、脳幹からの刺激によってお引き起こされ
る大脳皮質の活動という点で類似。  (P84)
 
睡眠負債は眠ることのみによって返済可能である。
それ以外の方法で解消することは今のところ不可能。
(P101)
 
ナルコレプシーの特徴として、寝入りばなにすぐにレム睡眠
に入ってしまうという異常がみられることがある (P121)
 
現在では、90%以上のナルコレプシー患者で、オレキシン
作る神経細胞が変性、脱落していることがわかっている (P125)
 
オレキシンが、覚醒制御システムを適切なタイミングで刺激
することにより覚醒状態が発動され、必要なだけ維持される。(P131)
 
ハングリーな時に、心身の機能を目標に向けてた行動をとる
ために変換する。
オレキシンは「ハングリー精神を担う物質」という言い方をして
もよいかもしれない。(P159)
 
(10年くらいかかるだろうが)
オレキシン作動薬が開発されると
ナルコレプシーの根本治療が可能になる
・日中の眠気・疲労をともなう種々の睡眠障害の改善に役だつ
 可能性が高い
・もしかしたら、肥満やメタボリックシンドロームの予防・治療
 に役立つかもしれない  (P178)
 
(日常生活でもできる「眠り」の操作の事例として)
 食事は多岐料を睡眠の4~5時間前に取る
 体温調整をする
 体内時計をうまくコントロールする
一方
GABAを経口で摂取しても、血液脳関門に阻まれ、ほとんど
脳内に入らない。脳は必要なもの以外、やたらと中に入れない
ようにできている。
 (栄養食品、健康食品とかの、営業妨害をするつもりはないが、
 ある程度ただしい知識は必要かと思う。) (P181)
  
一般的には7時間前後が多いが、「あなたが翌日、眠気を感じず
に、すっきりと過ごせるだけ眠ればよい。」 (P187)
 
夢は大脳が前頭前野の管理体制から放たれて、自由を満喫
するときなのかもしれない。
これを夢の本来の機能とは言えないかもしれないが、副産物的
に人類の想像力や創造力を高めているともいえるのではない
だろうか。 (P201)
 
夢遊病とは、深いノンレム睡眠状態と、一部の脳機能の部分的
覚醒が混乱した状態である。 (P207)
 
意識が心身のすべてを管理しているというのは間違いである。
むしろ意識が管理しているのは、ごく一部なのだ。 (P208)
 
脳機能が低下したノンレム睡眠中に清掃を行う
(P216)
  
はっきりしているのは、睡眠は「脳のメンテナンスのために必要」
ということだ。
そのメンテナンス過程庭の詳細を知ることが睡眠科学の次の課題
である。 (P228)
  

4.まとめと私見

 脳の話は個人的に好きで、読み漁っているのですが

何せベースとなる素養に乏しく、読んでみるとすぐ

そうなのか、と思い込んでしまいます。

睡眠の話も断片的な知識はあるのですが、つねづね、ちゃんと

した一つの見解を読んでみたいとは、思っていました。

一流の読書人みたいに、短時間で読むべきか、そうでないかを

判断することはあまりできません。

(むろん趣味的に判断しますが)

誰だって、情報の蓄積の少ない分野はそうでしょう。

そこで大切なのは水先案内人で、この本は

リーダーの教養書(幻冬社文庫)の医学の紹介ブックリスト

記載であったこととBlue Backsの一冊であったことです。

なお、あとがきに、「そうした実務的な観点は他所に譲る」とあり

ますが、アルコールと睡眠の関係を櫻井さん自身に少し、書いて

もらいたかったです。

  


 

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