量子コンピュータについては、昨年10月29日に、少し書いています。
量子コンピュータ、何がどうすごいの? 2進法を超えた「重ね合わせ」ができる? - 中高年michiのサバイバル日記
3ケ月以上経過し、今度は、日経の記事で、量子コンピュータの記事(2020年2月
4日付け)を見つけたので、再度要約してみようと思います。
なお、文中に無い小見出しは、私が書いたもの
また、要約のため(中略)を入れたたのも私です。
1.量子コンピュータの「実力認識」と可能性
(1)スーパーコンピュータで1万年かかる問題を3分余りで
解決渋滞が深刻なタイのバンコク。
デンソーや豊田通商は渋滞予測サービスに役立てようと その数は約36万通り。
現在のコンピューターでは、全てをすぐには計算でき
ない。
だが、一部の量子コンピューターでは、1千分の1秒程度
で計算を終えた。
(2)計算能力向上の意味
歴史を振り返ると、人類は手に負えない問題を計算能力を
磨き上げて乗り越えてきた。
そこに現れたのが、今までのコンピューターとは全く違う
原理で動く量子コンピュータだ。
2011年、カナダのスタートアップ企業のDウエーブ・シス
テムズが世界で初めて商用化した。
19年10月末には米グーグルがスパコンの性能を上回る計算
能力「量子超越」を証明したと発表した。
最先端のスパコンで1万年かかる乱数の問題を3分20秒で
解けたという。
計算能力が足りないだけで諦めていた問題は、社会にたく
さん眠っている。
強大な計算能力は単なる計算機の進歩ではなく、社会に
ディスラプション(創造的破壊)をもたらす。
(3)グーグルが開発した量子コンピューターのチップ=グーグル
提供
材料や新薬の開発は、「新発見」が当たり前になるとの期
待は高い。
基礎研究で目をつけた物質が新薬になる確率は2万~3万分
の1。
病気の治療で後手に回る。
あらゆる物質の作用を量子コンピューターで洗い出せば、
特効薬にたどり着く確率は上がる。
一人ひとりの遺伝情報に照らし、自分に合うオーダーメー
ドの薬品も現実味を帯びてくる。
(中略)
するようになれば、社会や産業ばかりか、文化や文明す
ら変えうる。
(4)量子コンピューターの可能性
量子コンピューターの実現は、人類が直面する問題の答え
を見つける切り札になるかもしれない。
だが、「できない」ことが「できる」ことは歓迎すべき
だが、「できないはず」のことが「できてしまう」という
裏の顔も併せ持つ。
強力な計算能力は、現在の通信を支えている暗号をいずれ
解読し、社会のあり方を根底から揺るがすだろう。
暗号は、スパコンで解けないほど難解だという理由で安全
が担保されてきたからだ。
(5)各国の研究
量子コンピューターをはじめとする量子技術は世界各国が
研究に取り組んでいる。
米国は2018年に「量子情報科学の国家戦略概要」を発表し
た。
19年からの5年間で最大13億ドル(約1400億円)を投資
し、研究拠点や人材育成を進める
日本は量子技術に対して、19年度補正予算案と20年度
予算案に合計約340億円を計上する。
以上の要約の出典は下記です。
「超計算」答えは一瞬 量子コンピューターが変える世界: 日本経済新聞
2.どうして、計算が早い?再論
(1)私の理解できる(今回の)引用
〇原子をつくる材料のことを「素粒子」または「量子」
と呼びます。
そして量子のうち、電子は常に回転(スピン)していると
いわれています。
量子コンピュータは、この回転(スピン)を計算に生かす
ことができないか?というアイデアから生まれたもの
です。
〇ここで、現在のコンピュータに使われている「ビット」
に戻ります。
ビットは、半導体のオン/オフによって0と1を示す仕組み
でしたね。
ちょうどコインの表裏のように考えると分かりやすいで
しょう。
表なら1、裏なら0というわけです。
〇 これに対して量子ビットは、コインが回転(スピン)して
いる状態。
0でもあり、1でもある状態といえます。
たくさんの量子ビット=「0でもあり1でもある」ものが重
ね合わされていくイメージと考えばいいでしょうか。
〇過去のコンピュータでは1ビットごとに0と1というシン
プルな情報しか送れませんでしたが、量子ビットを使った
とに比較にならないほど多くの情報を送ることができ
ます。
量子コンピュータとは?|原理、背景、課題、できることを徹底解説 | コエテコ
(2)も一つの引用は、前回(2019年10月26日)のブログから
再掲載
〇古典コンピュータの「ビット」では0または1のどちらか
の状態を表すことができますが、2つ以上の状態を同時に表
すことができません。
〇量子コンピュータでは、状態の「重ね合わせ」という量
子力学的な基本性質を用います。
「重ね合わせ」とは、2つまたはそれ以上の状態を同時に
表すことができるということです。
「重ね合わせ」は理屈上は分かりにくいかもしれません
が、分かりやすく言えば「コインが回っている状態」の
ことです。
コインが「表」や「裏」だと決まっているときには、
「コインが回転をやめて、倒れた状態」のことを言い
ます。
しかし、コインが回転しているときには「表」と「裏」
が未決定の状態で、「回転中」という状態です。
いわば、観察するまでどちらかが分からない状態を
「重ね合わせ」と呼びます。
〇状態の「重ね合わせ」が実現することで、どんなメリッ
トが生まれるのでしょうか?
簡単に言えば、「特定分野での計算が効率よくできる」
ということです。
〇従来の古典コンピュータでは暗号解読に)圧倒的な時
間がかかるので現実可能性がほぼなかったと言えますが、
量子コンピュータを使えば、現在のセキュリティレベル
では簡単に解読される可能性があるでしょう。
そのため、現在では「量子暗号」と呼ばれる暗号も期待
されています。
3.「総括・まとめ」はできなくて、感想
難しすぎて、自分の頭脳では原理が理解できないものの、
何か気になるものがあります。
「量子コンピュータ」なるのも、その一つ。
掲載の日経の記事を読んで、何か解ったような感じがして、
前回に続き、まとめてみた次第です。
タイトルに引用した「創造的破壊」が、実際に何を意味するの
かは、今の私に想定できるはずはなく、世の中の動きをじっくり
見ていくだけです。