中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

「敗者の歴史」の人間版、左遷で時間ができたので古典を残せた、という話

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左遷や追放されたイメージ
1.今回言いたいことは、以下の通り
・今に残る古典名著は、ある程度時間がとれないと書けない
 もが多いと感じる
著者に不遇の時代があり、時間があるから書けたと思う。
・いつも現役最前線、実務で超多忙なら、書けなかったはず。
一歩引いた見方・考え方、冷静さ、大局観があったからでは
 ないか
2.追放・左遷され、時間ができた事例
(1)ダンテ・アリギエーリ

ダンテ・アリギエーリ(イタリア語:Dante Alighieri、1265年 - 1321年9月14日)は、イタリア都市国家フィレンツェ

出身の詩人、哲学者、政治家。

 代表作は古代ローマの詩人ウェルギリウスと共に地獄

(Inferno)、煉獄(Purgatorio)、天国(Paradiso)を旅

するテルツァ・リーマで構成される叙事詩神曲(La

Divina Commedia)』

ネサンス文化の先駆者と位置付けられている。

 ということですが、今日言いたいのは下記です。

政争に敗れてフィレンツェを追放されたダンテは、北イタ

リアの各都市を流浪し、政局の転変を画していた。

その中で方針の違いから白党の同志とも袂を分かち、

「一人一党」を掲げる。

この体験はダンテにとって非常に辛いものであり、

神曲』中にも、「他人のパンのいかに苦いかを知るだろ

う」、と予言の形をとって記されている。

ダンテの執筆活動はこの時から本格的に始まり、『神曲

や『饗宴』、『俗語論』、『帝政論』などを著していっ

た。 

 つまり、追放というつらい立場ですが、結果として第一線を退き、

時間があったから、「神曲」が書けた、ということでしょう。

なお、私は、簡単な要約を読んだくらいで「神曲」の原典には

当たっていません。悪しからず。

 (2)少し時代が下ってニッコロ・マキャヴェッリ

 君主論は、「就職論文である」とは別ブログで紹介しています。

マキァヴェッリ 『君主論』をよむ(読書感想文もどき) 『君主論』は就職活動論文 - 中高年michiのサバイバル日記

ニッコロ・マキャヴェッリ(イタリア語: Niccolò achiavelli,

1469年5月3日 - 1527年6月21日)は、イタリア、ルネサン

ス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。

 著書に『君主論』、『ティトゥス・リウィウスの最初の

十巻についての論考(ディスコルシ)』、『戦術論』が

ある。

理想主義的な思想の強いルネサンス期に、政治は宗教・道

徳から切り離して考えるべきであるという現実主義的な政

治理論を創始した。

   ということですが、ダンテ同様、今日言いたいのは下記です。
 43歳にして隠遁生活に入らざるをえなかったマキャヴェッ
リは、昼間は農業に勤しんだり、近くの庶民と交わり賭け
事等をして時を過ごし、日が落ちると読書、執筆三昧の
日々を送った。

当時の生活ぶりは、1513年12月10日に、ローマ法王庁フィレンツェ

政府より大使として赴任していた、親友のフランチェス

コ・ヴェットーリへの一通の手紙から窺える。

イタリア文学史上、最も有名で美しい手紙の一つとされて

いるが、になると官服に着替えて『君主論』と題した小

論文をまとめていることを述べている。

執筆活動は政治・歴史・軍事から劇作までに及び、喜劇は

大好評を博して著作家としての名声を得た。

  つまり、彼も隠遁生活を余儀なくされ、時間がある中、就職活動の

一環で、君主論を書いた、ということです。 

3.不遇な例は、ヤマホドあります。

今、私が読む古典の著者で、不遇な最期を遂げた例は、たくさんと

いうか、本人が満足する順風漫歩な一生を終え、同時代人から理解

され、惜しまれるという方が、むしろ少数派では?

例えば

司馬遷宮刑の屈辱に耐えて、「史記」を完成させたことは

 誰しも知る話だし

韓非子を書いた韓非は、才能を妬んだ李斯に讒言されて投獄され、

 最後は自殺で生涯を終えたし、

・「戦史」を書いたトゥキディデスは将軍としてベロボンネソス

 戦争に参加したが、失敗、追放され執筆時間ができた

・せん淵の盟をリードした寇準は、讒言により宰相を追われ、雷州
 司戸参軍に左遷され、任地で63歳で没した、とあります。
たまたま4つあげましたが、「残念、残根」と感じた例も多々ある
でしょう。
4. 最後に自分に引き直して 
 もちろん紹介した彼らと、自分の力量を比較しても全く仕方ない
わけですが、私は、何度も浪人生活があり、実務を離れた時間があ
りました。
自分が不遇の時代だ、と感じたこと多々。
これを、僭越にも彼らと共通点だと勝手に思い込みます。
そこで、わが身に引き直して考えて
 これからも自分に、やれることやるだけ。
 そもそも、人生の最終結果は、生きている自分には解らない
 のだからら。
 と、変に自分にいい聞かせて、自分を鼓舞しているところです。
 
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