中高年michiのサバイバル日記

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株式投資の基礎  7回目 市場全体の動きより大きく変動するか否か β(ベータ)価の話

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今回は市場全体の動きと貴方の投資対象の動きの関連性

1.市場全体を知る

先日は、貴方が投資する市場のお金が入ってくるか、出て言っている

のか、の話をしました。

本日は、市場全体を知る、というベンチマークの話です。

 次に、市場全体の動きに対し、特定の業種、会社の株価が、どう動い

たかの数値β(ベータ)の話をします。

 (1)ベンチマークベンチマーク)とは

ベンチマークとは、投資信託などが運用の指標としている基準のこと

です。

多くの場合、投資信託が投資対象とする商品や市場の各種指数が用い

られます。

例えば、日本株式に投資する投資信託であれば、TOPIX日経平均

価などの指数がこれに当たります。

投資信託には、ベンチマークへの連動を目指す「パッシブ運用(代表的

なのはインデックスファンド)」と、ベンチマークを上回る成果を目指

して積極的に運用する「アクティブ運用」があります。

どの市場を選ぶかは、よく考えなければなりませんが、

投資すべき、市場を選んだら、インデックスファンドが無難と思います

(2)シリーズの5回目に書いていますが、

インデックスファンドは、ベンチマークに連動することを

目指して いるので、保有すべき銘柄とその量は計算により

自動的に決まる。

 高額な報酬を求めるファンドマネージャーも調査費用も一

切必要ない。

 つまり、その分、インデックスファンド以外、いわゆるア

クティブ ファンドより、遥かに運用コストを抑えることができる。

  当たり前ですが、運用コスト、管理コストは重要です。

貴方と運用サイドで投資収益を分け合う間柄になりますから

2.市場より変動幅が小さい話

(1)感応度とは?

感応度とは、市場に対して、小さく反応するか、大きく反応するか、

ということです。

ベータ(β)値(市場感応度) といいます。

投資収益率の市場平均(ベンチマーク)の収益率に対する感応度を表

し、 市場感応度ともいいます。

ベータが1より大きいほど市場の変化に対する感応度が大きく、市場

ポートフォリオよりハイリスク・ハイリターンの傾向があり、また逆

に、1より小さければローリスク・ローリターンになります。

(2) 実例で説明します。

2019年の資料ですが

直近3年のデータによると、東証33業種のうちベータ値が1を下回るの

は15業種で内需関連が目立ちます。

東証33業種について、直近3年の日次変化率を基に、TOPIXに対するベ

ータ値を計算すると、ベータ値が1を下回った業種は15業種ありました。

最もベータ値が小さい業種は、水産・農林業で、ベータ値は0.66でし

た。

次いで、空運業の0.67、食料品の0.70が続きます。

ベータ値が1を下回る15業種をみると、総じて内需の業種の多さが目

立ちます。

「政策」対比で、もすこし詳しく書くと、

米中対立が激化した昨年後半では、低ベータ業種のほとんどがTOPIX

のパフォーマンスを上回りました。

トランプ米大統領が2018年6月15日に、500億ドル相当の中国製品に対

する制裁関税を発表したことを機に、米中両国は関税引き上げ合戦へ

突入し、主要株価指数は年末にかけて大きく調整しました。

2018年6月15日から12月28日までの間、TOPIXは16.5%下落しました

が、ベータ値が1を下回った15業種については、繊維製品と建設業を

除き、実に13業種がTOPIXの下落率を上回りました。

  3.絶対比較と相対比較

 何のために、株式投資をしようとするかと言えば、資産を増やすためでしょう。

(1)そこには、絶対比較に考えがあります

①損失は、絶対に避けたい、として、とにかく「損して」売却する

ことを極端に嫌う方がいます。

往々にして、「傷口」を広げることがあります。

② 銀行預金より、利回り高ければいい。

イヤ銀行は、つぶれる可能性あり。

国債より、利回りが高ければ、いい、変動商品はイヤだ。との考えの方もいます。

①の場合は、そもそもリスクとリターンの意味が良く解らない方に

多い。

経営も投資も、すべからくリスクがあります。

(人生もリスクの塊なんて、偉そうなことは、私には言えません。)

それゆえ、リターンが期待できるものに、投資の前に「リスク許容

度」を考えておくことは必至。

以前も書きましたが「元本保証」と株式投資は概念が合わないのです。

②の方も、株式投資に「向かない」方でしょう。

たとえば、最近はデフレ傾向ですが、長らくインフレが続いたころ

確定利回り商品で「インフレに負けて」損したことをちゃんと理解

し、許容できる人であることが必要です。

(2)今日の主題のひとつ、相対比較、相対評価の話です。

絶対利回りが大きなプラスだろうが、あにはからんやマイナス利回

りだろうが、基準値(ベンチマーク)に比べてどうだったのか?

基準値を上回ったか、否かで評価する立場です。

 プロの運用成績の評価では、当たり前のことです。

 

さて、今日言いたかったこと

繰り返しになりますが、

①まず、貴方が投資すべき市場を選ぶこと

②市場全体に合致するリターンを望むなら、インデックス投資

市場を出し抜こう、市場に勝つぞとお思いなら、市場の動きに比べ

て、業種や特定株式が、過去どういった動きになっているかを、事前

に良く調べておくことです。