中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

自己啓発の観点から書籍通じて先人に学ぶ その3 今回も沢山の視点あり すべては本人の受け入れ方

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何を自己啓発と感じるかは、本人次第(時期や環境含めて)

1.改めて「自己啓発」について

 世の中には、相変わらず、自己啓発サイト、溢れています。

そして、私の見解も相変わらず、以下の通りです。

私自身が、語れることなど、たかが知れている。

しかも「実績がないと同じ言葉でも、良い手の感じる「重み」が全く

違う」。

したがって、先人の言葉の紹介の中で、本人が「自己啓発」と感じる

部分があれば、それでよし。

と言うわけで、本日もいくつか紹介します。

イラストの脚注に書いているように「まさに本人次第」

 2.単純な脳、複雑な「私」から

もう少し、詳しく書くと
➀私たちは、ものごとの正しさや好き・嫌いを判断するとき、知
らず知らずのうちにこれまでの経験や環境の影響を巻き込んでし
まっている。
しかも、私たちはそれを意識していない。
我々は、自らの意志で自由に判断、行動しているつもりでも、
実は行動しようと思う前に、脳がすでに動く準備を行っている。
「自由」は行動よりも前に存在するのではなくて、行動の結果も
たらされるものだ。
③「意志」や「意図」は、簡素なルールに従って創発されている
だけなのではないか。
 
(ここから「ひらめき」を失いつつある、もしくは失った中高年
である私に強いエールとなっている話)
 P91
直感は「学習」なんですよ、努力の賜物なんです。
直感は訓練によってみにつく。
(中略)理由が本人に解らないとしても、直観によって導き出され
た答えは、案外と正しい。
 
P95-96
脳の機能からいれば、年を取ることはいい側面もたくさんある
(中略)直観力は年齢とともに成長していく。
若いころは直観が不足していて、もう一つの能力=「ひらめき」
を頼りにする。つまり、論理的思考を重ねていってアイデァを
絞るという戦略。
 
 P120
何が正しいか、何が間違ってているかの判断基準は、脳にはない。
「正しい」という感覚を生み出すのは、単に「どれだけその世界
に長くいたか」というだけ。
 
(その生物が)「今生きている」ということは、かつて経験した
ものは安全だった可能性が高い、決定的に危険なものだったなら、
すでに死んでいるはずだから。
 
(脳は孤独、外界を直接知ることはできないことの説明)
 P204
すべての情報は「体」を通じて脳に入ってくる。(中略)
「体あっての脳」を忘れてはならない
「脳のない生物」は実在するけど、「体のない脳」はSFの
世界にしか存在しない
  3.「バタフライ」から
思い通りにならないことが起こるのが、この世だ。
人は死ぬときは死ぬ。
お前も覚悟しておきなさい (P70:著者の父の言葉)
 
訳者あとがきに同感の文言ありで引用します。
難民問題というと、とかく難民を受け入れる国々の側に立った
報道が多いが難民側の事情も合わせて理解することによって、
よりバランスの取れた見方ができるのではないだろうか。   
 4. 哲学の解剖図巻 から

一般的な哲学入門書の「編年体スタイル」に対し、本書は、

身近に思われる出来事含め、これまでの哲学で、どのような思索

が繰り広げられたかを、概略的に紹介しています。

➀「理解」

デカルト:方法論的懐疑論は人間同士の相互理解へ至る道

ウィトゲンシュタイン:正しい言葉だけを用いれば、コミュニケ

ーションの問題はなくなる

ガダマー:コミュニケーションはつねに途中から始まり、どこまで

も途上にとどまる。完璧は相互理解はない。

 ②「死」

ブッダ:死の苦痛から逃れるには執着を捨てて解脱せよ

ソクラテス:死は夢ひとつ見ない熟睡した夜のようなもの

ハイデガー:一回きりの死と主体的に向きあって生きる

 ③「戦争」

カント:戦争は根絶できない、折りあうことが大切

クラウゼヴィッツ:戦争は他の手段をもってする政治の継続

カール・シュミット:人間の根本は悪人、敵に対抗するため戦争

は必要  

④「歴史」

ヘーゲル:歴史は自由の意識が発展する過程

マルクス:あらゆる人間のいとなみは物資的な土台に支えられて

いる。ヘーゲルはモノを無視している点で「逆立ちしている」

カッシーラー:歴史に客観的真理はない、シンボルの記述だ

 5. 教養として学んでおきたい仏教 から

(教えが重要なキリスト教イスラム教と違い)
・仏教で重要なのは、教えでなく、釈迦が悟りを開いたという出来
の方(P41)
 
・インドでは、輪廻の繰り返しからの解放が宗教のもっとも重要
 釈迦は実在人物よりキャラクターであり、
 悟りを開いた人間の歩みを描いた物語の主人公(P69)
 
(般若心経についての解説)
・般若心経は上座部仏教に対するかなりするどい批判(P91 )
般若心経は空の教え、つまり私たちが見ていること、感じてい
ことは、実は実態がない(P94)
 
・日本人が受け入れた仏教の全体像は下記五層からとらえるべき
  神道法華経信仰、密教浄土教信仰、禅(P133)
 
・いくら高度でも完成の域に達した衰退傾向の文明は、他の民族
 や社会に受け入れられない(P131)
 
・日本人は長い間、仏教を日本人の最新トレンドとしてとらえて 
 きた。(P133 )
 
 (日本人と無常観)
・教えを持たない神道には、明確な世界観、宗教観が欠けている
 もし日本人が一神教の神を信仰してきたとするなら、災害が
 おこるたびに、なぜ神はこれほどの試練を与えるのかと嘆かざ
 るを得ない。
 その点で、仏教の説く無常は、日本人には受け入れやすい考え方
 (P151) 
 
  (一神教と違う神と人との関係)
 
 
神道では、神と人との間に越えがたい断然はない、人も祀られ
 れば神
・仏教では、仏はそもそも人間、悟りを開いたからと言っても
 人間のまま。 (P173)
 
神道が主に個人が成長していくときの通過儀礼を担う
 仏教は死後の成仏の過程を扱う(P177)
 
キリスト教イスラム教は根本部分の変容はないが)
・仏教は融通無碍、原理原則より地域の事情を優先する
・日本仏教は日本にしか見られない仏教の在り方
 そうした変容が起こったからこそ、日本では仏教が消滅せず
 現代まで受け継がれてきた。
・一時仏教と習合した神道も、依然として日本人の精神文化の基礎
(P178)
 
今回は、「哲学の解剖図鑑」と「教養として学んでおきたい仏教」
を下記に紹介します。