中高年michiのサバイバル日記

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株式投資の基礎 10回目です ガバナンス(企業統治)と企業業績の関係は? 上場会社としてルールは守るのは当然

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形式論でなく、組織や意思決定過程の確りした企業は長期的に儲かりそう
1.ガバナンス(企業統治)は危機の時に生きてくる
今日の結論は、「企業統治がしっかりした企業は、中長期的には儲かる」
というものですが、あまりに「あたりまえ」とおもわれるでしょうか。
先般の東日本大震災や、今回の新型コロナ対応とか、危機管理において、
やはり「ガバナナンス(企業統治)がしっかりした」企業ほど、生き残
っていく確立高いと思います。
とはいえ今、この全容を、データをもとに、論証することなどできません。
株式市場を長く見てきた私の経験と書かいても・・・・これでは、あまり
にいい加減というか、説得性がありません。
そこで、さる雑誌に社外取締役設置が企業業績与える影響
という論説を見ましたので、これをネタに、換骨奪胎的に、少し語って
みます。
 

2.社外取締役設置は収益に影響?

結論は、大会社では、大きな影響?

 (1)成熟企業と、スタートアップで分けて考えます。
・投資機会が限られ、現金を豊富に保有している成熟した企業であれば、
取締役にもっとも求められる資質は独立性であり、
多くの社外取締役を設置することが最適である。
 ・一方で、投資機会が豊富にあるが厳禁が不足しているスタートアップ
のような企業であれば、内部情報が重要であり、事業について理解度が低い
社外取締役が増えると意思決定が非効率になる可能性がある。
 (2)海外事例紹介
英国や韓国など多くの国で最低限の社外取締役人数や比率を定める規制を
実施した結果、その規制を満たしていなかった企業が社外取締役を増員し
それら他の企業で企業業績が向上したことが報告されている。
 (3)素直に、納得
 スタートアップで「役立たずの可能性」は、感覚的に解ります。
 「事業について理解度が低い社外取締役が増えると意思決定が非効率
になる可能性」ということですね。
 
3.日本企業の取締役会の変遷
少し歴史を見てみましょう。
(1)日本企業の取締役会は取締役の人数が多く、
また、取締役のほとんどを社内者が占めてきた。
取締役就任が、生え抜きサラリーマンの「あがり」
意識は、諸先輩の時代は、強かったと思います。
(2)1997年 ソニー執行役員制を導入した。
 38人いた取締役を10名に減らし、取締役を外れたものは
 執行役員にした。
 狙いとしては「取締役会を活性化し、経営の意思決定を
 迅速に行うため」とのことです。
 (3)2003年 トヨタの張社長の発言
社外取締役は現場重視の社風になじまない
良く解ります。
本音ですよね。
 (4)1997年自民党の太田議員の見解
日本企業の取締役会に独立した人がいないのは問題だ。
日本には自己統治能力を欠く企業があり、これを常識的な形に
直すは、取締役会のありかたについても検討が必要
代表訴訟制度の見直しをみすえながら、社外取締役の法制化
の議論を進めたい
 これも、経営者サイドからは出にくい正論ですよね。
 (5)2003年4月の改正商法
新たな期間設計として委員会設置会社が創設
指名委員会、」監査委員会、報酬委員会
委員会の過半数社外取締役が占めなければならない
 (6)東証一部の上場企業の平均取締役人数は9から10人
前後で安定
社外取締役は2004年からに功コーポレートガバナンスコードが
導入される2015年まで、法的な施策はなかったが、徐々に増え
ていった
(7)2015年6月にコードが施行され、少なくとも2名以上の独立
社外取締役の選任が求められ、選任しない場合はその理由を説明
せねばならなくなると、ほとんどの企業が説明を避けて、社外取
締役の選任を進めた。
 
 4.業績比較実験の事例
やり方は、A,Bとグループ分けして
業績の変化を比較することにより、社外取締役の選任が企業業績に与える
影響を推計した。
(A)コーポレートガバナンスコード導入前の時点で社外取締役を1名以下しか
選任しておらずコード導入の影響を受けるグループ
(B)コード導入時点ですでに社外取締役を2名以上選任しておりコーポレート
ガバナンスコード要求を満たしているグループ
(結果と考察)
総資産利益率ROA)や、株主資本利益率ROE)当の業績変化は確認できず。
つまり、明確な差異は出なかった。
考察としては
・コードの導入が遅かったためにすでに社外取締役を選任すべき企業では
 選任が進んでいた可能性
・検証した年数が短い点が
・監査等委員会設置会社への意向などにより実態が変化していな企業が
 存在した。
 5. 実際効果が出たケース
一方で、機関投資家の持ち分が低い企業やファミリー企業のように資本市場
の規律付けの弱い企業では社外取締役の選任が進んでおらず、コードの導入
に伴い社外取締役の選任が進み、企業業績が改善される傾向がみられた。
 
6. 論文の主張と私見
 (主張)
社外取締役は設置しただけでは機能しない
会社側が、社外取締役が情報を取得できる体制を整え、社外取締役本人も
内部情報を獲得するための行動を率先して行うことが必要。
私見)・・・・結びに代えて
 コーポレートガバナンスコードは、経営者にとって「益々窮屈」となりすれ
「緩和」方向にはないようです。
「イヤ」とか、「耐えられない」なら。上場廃止すれば、ということで
投資家にとっては、結果として、「市場に残ってる企業」はより確りした
投資に耐えうる企業になってくると思います。