中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

古代ギリシャのリアル (読書感想文もどき)素直になりましょう 現代人の感覚で判断してはダメです。

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古代ギリシャ建造物と言えば日本人にはパルテノン神殿でしょうか

古代ギリシャのリアル 

 藤村シシン/著  

出版者    実業之日本社 2015.10

1.概要

 古代ギリシャの神々や人々の生活についてわかりやすく解説した本です。

今では白いイメージが強いギリシャは古代は極彩色で彩られていたら

しい。

 学校でも本でも知り得なかった、ギリシャ神話の神々と古代ギリシャ

の人々のリアルを語っています。

最初から冷水かけるようですが、

1984年生まれのギリシャ神話研究家が書いた本書は、古代ギリシャ

自分たちのルーツとするために西洋人がねつ造した古代ギリシャ観を

一新するものです。

現在のギリシャに住む人々は実は古代ギリシャ人の子孫ではありませ

ん。

春秋戦国時代の中国と、現在の共産党支配の中国が全く別物であり、

古代ローマ帝国と、現在のイタリアが全くつながっていないのと同

じ。

よくも悪しくも「過去からの積み重ねが残る日本」とは違いますね。

  2.目次

第1章「古代ギリシャ」の復元

  1 漂泊されたギリシャ

  2 「ギリシャ史」1000年の空白を超えて

第2章 ギリシャ神話の世界

  1  ギリシャ神話のリアル

  2 オリンポス12神とその履歴書

  3 神々の終焉からの世界

第3章 古代ギリシャ人のメンタリティ

  1 労働観と人間性

  2 時間感覚と宗教観

  3 恋と病、そして死と永遠

3.ピックアップ

現在ギリシャ人は一神教キリスト教徒なので、ギリシャ神話を信じ

ていた古代ギリシャ人に対しては、「異教徒で自分たちとは、全く違

う連中」と考えていました.P29

いきなり脱線ですが、この辺りは、下記が詳しいです。

(このブログ2020年2月6日アップの大世界史 現代を生きぬく最強の

 教科書 から)

 現在のギリシャは、19世紀に恣意的に作られた

ロシア帝国大英帝国グレートゲームの仇花

オスマン帝国をいかに解体していくかが課題

ギリシャ人というより、オスマン帝国ギリシャ正教

1829年に、古代ギリシアの滅亡以来、1900年ぶりに独立す

る、国民はDNA鑑定、トルコ人と変わりない、言語も古代

ギリシア語と全く違う、古代の哲学者とも無関係

古代ギリシアと関係があるかのように誤認させること、

ロシアとイギリスが合作で行ったオスマン帝国を解体する

ために西側の「出店」として作った国家

古代には「ギリシャ」という一つの国は一度たりとも存在したこと

がありません。

紀元前8世紀以降、古代ギリシャは大小1,500個の都市国家(ポリス)

という共同体ごとに独立していて、統一されたことはない   P30

 

「我々は同じギリシャ人だ。同じ血を持ち、同じ言葉を話し、同じ

神々を信仰し、同じ生活習慣を持っている 

ヘロドトス 歴史)  P32

 

パルテノン神殿について

 一般的的な「神殿」ではなく、本質的には「宝物庫」に近い

 中世にはキリスト教の境界に、その後はイスラム教のモスクに

 その後要塞に改装され、最後には破壊された。

 古代のパルテノン神殿は、白亜ではなく極彩色  P37-39

 

古代ギリシャの神々は

人間から見ると強大な力を持つ超越的存在だが、慈悲深いわけ

でもなく、ましてや人類全体を愛してもいない。

人間と同じ姿で、同じように笑い、嘆き、怒り,恋し、嫉妬し、

憎み、しかし我々亜が考え持つ書かない理由で簡単に人を殺す。

恐ろしい不死なる存在。  P48

 

ギリシャは夏の感想の間は日照りが続き、冬は嵐が多く突然の

雷雨に見舞われる気候です。

草原で牧畜を行い、突然の雷や嵐、干ばつを最も恐れる環境の中では

ほかのどの神よりも、雨を呼ぶ神であるゼウスが最高神にふさわし

い。 P83

 

393年にローマ帝国内の異教徒の神殿、聖域、聖物の破壊命令が下さ

れ、1000年続き他オリンピアの競技蔡も禁止されると、もはやギリ

シャ神話の神々に遺された場所は感傷的な物語のなかだけになりま

した。

しかし、逆に、地上の神殿のすべてを失っても神々は物語の世界

では、現在に至るまで依然ピンピンしている、とも言えます。 P203

 

 古代ギリシャの一般市民にとって、「生きるために働く」「食べるた

めに働く」「報酬をもらって働く」ことは不名誉なことだったので

す。  P210

 

古代ギリシャ人にとっての破滅の日とは、自然災害だとか、技術の進

歩だとかによってもたらさせるものではありません。

それは人間の心が崩壊する日のことでした。  P221

4.最後に

「読みやすい」、「軽い」というのは決して、悪い意味ではありませ

ん。

詳しい方でも、再認識させられることは、ありましょうし、あまりこ

の辺りの歴史に詳しくない方に、導入として、良い本でしょう。

1.概要にも少し書きましたが、平均的日本人感覚からして、現在と

全く断絶がある古代中国や、イタリア、ギリシャは、「郷愁」を持つ

と、かえって解りにくいかもしれません。

「昔からずっと続いている」という日本的感覚は、世界的に見ると

決して標準ではないと思います。