株式投資において、投資収益の柱として、
(1)売買に絡む値上がり益(キャピタルゲイン)
(ご存知のように、信用用取引では、「ウリ」からはいることもで
きます。)
(2)配当金(インカムゲイン)
の2つの柱があります。
日本の上場会社は年二回配当が大半ですが、米国のブルーチップ(優
良銘柄を指しますが、もういい方が古いのかな?)は、年4回配当が
多い感じがします。
当然そこには税金も関係します。
税については、極めて重要で、下記を参照してください。
株式投資の基礎 5回シリーズ その4 切っても切れない税金の話 (売却時、配当時、確定申告ほか) - 中高年michiのサバイバル日記
2.株主優待
本質は、タイトルにありますように、投資家にとって3つ目の柱、株
主優待について、少し話をします。
個人投資家にとって、トータル利回りの点で意味があることかと思い
ます。
(1)文化的背景?
結論から言うと株主優待は、日本独特の「お土産文化」に端を発し、
海外(米国)にはない、ということです。
元々お歳暮やお中元を贈り合う風習が起源となり、企業の成長を応
援する「株主に対する感謝を込めて贈られるようになった」と言われ
ています。
(2)費用対効果
国内個人投資家に絞ると、増配(配当を増やす)よりも株主優待を新
設・拡充したほうが、選好される、との経営判断もあるでしょう。
なにごとも費用対効果ですから、自社製品の広告宣伝費みあいや、日本
が相対的に国土が狭く、配送コストが高額にならないことも、考慮した
のでしょう。
(3)注意事項
バイアンドホールドの長期投資家は別ですが、いわいる「優待狙いの
短期売買」の方は、以下に注意を。
①人気の株主優待を提供している会社の株は、優待の権利落ち日以降
に株価が大きく下がる可能性があることです。
優待価格以上に損が出てしまうことも、当然ありえます。
② 「短期売買」とは直接無関係ですが、突然株主優待が廃止されてし
まうリスクがあることです。
失望した投資家の売りで株価も大きく下がり良いことがありません。
事例を少し紹介します。
a)私が長らく保有している飲食の会社も、10年くらい前でしたが、
株主優待を廃止して、株価が著しく低迷しました。
幸い経営が頑張って、上場廃止にはならず、3、4年前でしたが、株
主優待復活で、株価もやや復活しました。
それ以降は、再度家庭では、株主優待券を利用しています。
b)もう一つは、誰でも知る某航空会社。
会社が潰れました。
当然株主優待の航空機の割引券も価値はゼロです。
(実はそれまで九州帰省には多用していました。)
財務だけでなく、個人的に、その会社の従業員の状況も少し知ってい
ました。
株主だけがリスクを負い、経営者や従業員は、あまりリスクを負わな
かった事例です。
(4)桐谷広人さん
株主優待の活用名人として、桐谷さんは、よくメディアにとりあげ
られます。
参考になるかもしれません。リンクを一つ貼っておきます。
刮目せよ!桐谷広人式「株主優待」買い方、売り方まとめ | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
3.脱線して、株主総会のお土産
別の個所でも書いていますが、株主総会が会社法の形式の中では、
会社の最高意思決定機関です。
(1)昔の「総会屋時代」、「シャンシャン総会」の時代は過去のも
の、「株主との対話」を主眼とする、株主総会運営の中で、「株主総
会でのお土産」の各社が知恵を絞る光景が、今どきの主流でした。
地方の方は、費用対効果で、残念かと思いますが、総会後の懇親会で
立派なお弁当が出たり、役員との立食パーティの事例も多々ありまし
た。
奥様に頼まれたのでしょうが、オジサンがお土産の化粧品だけをもら
ってそそくさと退散(ほかの総会会場に行く?)の事例もありまし
た。
(2)ご案内のように、今年の6月末の株主総会は「一変」
何処も「お土産は廃止、総会会場には来るな、ネットで議決権行使し
てくれ」の一色でした。
この点に関しては、「来年は元に戻ればいい」と、私も思っていま
す。
4.最後に
株主優待が、拡大しているのか、縮小していくのか読めません。
市場全体の話でなく、個別性が極めて強い話。
各社の経営判断。
一方個人投資家としては、「時間軸」を味方に投資のトータルリター
ンを目指す際に「株主優待」は一考に値します。
それこそ「本末転倒」は避けるべきですが・・・・