1.「しがみつく」のは悪いこと?
(1)「しがみつく」という言葉は、どうもマイナスイメージが強い
ようですね。
人の考えは、千差万別であり、私の主張を決して強要するつもりは
もち論ありません。
ネットで下記のような、見解をみつけました。
➀「会社を辞めたい、辞めたい」と、グズグズ言っている人は、
仕事や上司、お客さまが気に入らないくせに会社にしがみついて
いるから。
気に入られなければ、辞めればいいだけです。
自分がイヤな人にしがみついているのです。
② お金のある人に、お金が集まります。
お金のない人に、お金は集まりません。
しがみつかない人には、人もお金が集まってきます。
しがみつく人からは、人もお金も逃げていきます。
(2)上記の➀は「しがみつく」をイヤなことがあるのにその場にい
ることのマイナスイメージで、②はお金と「しがみつく」の関係が、
良く解りません。
私は「しがみつく」をタイトルに書いたように、本能的な面もあり、
明るく前向きにとらえていこうというもの。
本当に、心底自分で「離れていい」と思うまで、(強制的でなく
許されるなら)しがみついていけばいい、というものです。
2.「しがみつく」事例から
➀母親にしがみつくお猿の子供
イラストや写真が無くて恐縮ですが、木と木の間を移動する母ザル、
振りおとされないように、必死でしがみついてる子ザルをイメージ
してください。
当該子ザルにとっては、母ザルが「全世界」の大部分を構成しており
彼女に「しがみついている」しか、生存できないわけで、生物の本能
的行動でしょう。
本能的行動と社会的行動は違う、との見解も大ありですが、それは
後述とします。
②絶叫マシーン
新型コロナ感染症対応は、至る所で皆さん創意工夫、ですよね。
先日、思わず笑ってしまったのは、遊園地の絶叫マシーンの最近
の「心の中で絶叫してください」。
絶叫マシーン愛好家には、「思い切り叫んでストレス解消」もあ
るでしょう。
しかし、それこそ本能的に、思わず声がでしまうことも。
その際、レバーをしっかり握りしめ、「しがみついて」恐怖心を克
服しようというもの。
「物理的に叫ぶのでは、心の中で絶叫しろ」とは、また難しい課題
を出されるものです。
③生きていくために組織にしがみつく
これは、とても大切なことです。
たとえば、テレビのコメンテイターという職業があります。
そもそも、テレビ番組をどう評価するかは、置いといて、
ある自分がよく知る世界の話題となると、このコメンテイター
なる者の発言に、首をかしげることがあります。
はっと思うのは、自分がこのコメンテイターと同じレベルで
ものごとを評価しようとしていたこと。
彼(彼女)も、生きるため、生活のために、そのテレビ部番組
に出演し、いくばくかの報酬を得るのでしょう。
番組作成者の意図を組んだ「やらせ発言」もあるでしょう。
コメント内容を判断するのは、あくまで、こちらの方。
相手には、温かい目が必要かと思います。
④営業手法として、相手に「しがみつく」
売り上げ確保(収益確保)のために、対象を逃さないように
するのは定石です。
スッポンのように「食い付いたら放さない」との表現をとるこ
ともあります。
ここでは、触れませんが、もっと高度な営業戦術もあり、相手に
「しがみついている」ことを見せないそぶりもあります。
本質は、同じです。
相手を「よい気分」にさせて、結果を出し、最終的に自分の報酬を
得ることです。
⑤もっと単純に
せっかく得た利権(ひと様に迷惑かけない合法的なもの)なのだか
ら手放すのは、もったいない。
最後まで、しがみつきたい!
以上、上記1(しがみつくのは悪いこと?)の結論のフォローで
した。
総じて、「しがみつく」ことは、前向きな大切なことだと、私は
言いたいわけです。
3. まぜっかえすようですが・・・
少し離れて、精神状態の別の議論の話。
しがみつこうとすると、よけいしんどくなる場合もあります。
仏教で言う「執着」ですね。
「全ての苦しみは執着から生まれるので、しがみつかない大人になる
ことが大切です。」という見解もあるでしょう。
この見解には、賛成です。
ただし、上記で述べてきた「積極的なしがみつき」ではなく、「囚わ
れの結果のしがみつき」の感じがします。
後者からは離れて「解脱」に向かうのは、私も大変良いことだと
思います。