中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

米中経済戦争 米国政府による中国大手銀行への金融制裁の話

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米中対立のイメージ図です

1.米中経済戦争 金融制裁の話

二大強国米中の対立は、ずっと続いています。

(私の偏見かもしれませんが)中国政府による「香港国家安全維持法」

にみられる制約等と比較して、金融制裁」については、解りにくいというか

なじみにくい、というのが正直なところではないでしょうか?

その中でも、下記記事は影響が大きいし、割とわかりやすい記事、という点で

少し紹介します。

小見出しは、私が勝手につけました。

 太字や赤字も、私の主観でつけたものです。悪しからず)

米、ドルで中国締め付け 香港巡り8つの金融制裁検討

2020/7/15 7:29 (2020/7/15 7:42更新)

 米、ドルで中国締め付け 香港巡り8つの金融制裁検討 (写真=ロイター) :日本経済新聞

(1)要約

トランプ米大統領が14日署名して成立した「香港自治法」は、中国の大手

銀行への金融制裁に道を開く

②ドル調達の封じ込めに照準を定め、米銀からの資金調達や外為取引を禁じ

る8つの制裁手法を列挙。

③制裁を実行すれば世界の金融システムに亀裂が入りかねない強烈な「脅し」

となる。

 

(2)制裁の内容、二段階

①第一段階

国務省は90日以内に、香港の自由や自治を侵害した個人や団体を特定し、

ドル資産の凍結などの制裁の可否を検討する。

共和党は制裁対象として、中国共産党・最高指導部の韓正副首相(香港

担当)らを視野に入れる

②第二段階

その個人や団体と取引がある金融機関も対象となる。

香港自治法は具体的な制裁手法を列挙しており

(1)米銀による融資の禁止

(2)外貨取引の禁止

(3)貿易決済の禁止

(4)米国内の資産凍結

(5)米国からの投融資の制限

(6)米国からの物品輸出の制限――など8項目が決まった。

金融機関には個人や団体との取引断絶などの措置をとれるように制裁発動

まで1年間の猶予を与える。

 

(3)米国の出方

①同法は対象を中国の金融機関に限っていないが、中国銀や中国工商銀、

中国建設銀、中国農業銀など巨大銀行のドル取引に照準を当てる。

②実際、同法を主導した共和党のトゥーミー上院議員は「中国経済の将来

はドル取引にかかっている。

中国の巨大銀行がドルより(香港の)迫害者との取引を優先するならそう

すればいい」と言い放つ。

 ③基軸通貨ドルの封じ込めは、中国への強烈な「脅し」となる。

中国企業の貿易決済を担うだけでなく、新興・途上国でのインフラ投資

など「一帯一路」事業の資金の出し手だからだ

 

(4)決済網の現状と「抜かずの宝刀」

①米当局は国際的なドル決済を常に監視してきた。

米国内にはドル決済網として、米連邦準備理事会(FRB)が運営する

「Fedwire(フェドワイヤ)」とウォール街主体の「CHIPS(チップス)」

があり、中国の巨大銀も参加する。

両者の一日あたりの取引額は3兆ドル超と巨額で、決済網からはじき出さ

れれば途端にドルの資金繰りに窮することになる。

 ②もっとも、中国の大手銀をドル経済圏から排除すれば「中国の銀行不安

直結し、国際的な金融システムそのものが揺らぎかねない」(米財務省

幹部)。

米当局は対北朝鮮制裁で中国の丹東銀行遼寧省)をドル決済網から締め

出したことがあるが、大手銀には金融制裁を科さなかった。

中国のドル調達を締め上げられる今回の異例の制裁手段も、影響力が甚大

すぎて「抜かずの宝刀」となる可能性がある。

 

(5)日米欧の金融機関への影響

香港自治法は金融機関への制裁に1年間の猶予があり、その間に制裁対象

の個人や団体と取引を打ち切るよう求めている。

ただ、中国が制定した香港国家安全維持法には「外国勢力との結託」を禁

じる項目があり、米国の制裁に従えば逆に中国から報復措置を浴びるリス

もある。

香港を巡る米中の亀裂は、国際金融システムの弱点となりかねない。

 

2.今後を見ていくしかないですね。

再度書きますが、新聞記事としては、解りやすい説明と思います。

それでも、金融関係にあまり関心のない方は、「だから何だ、次がどう

なってそれがどんな影響になるか解説しろ」ということでしょう。

もちろん、私には予測できませんし、説明できません。

新聞記事の説明にあるように、第二段階まで、次々進んで行ったら、国際

金融システムに多大な影響があるでしょう、くらい。

(そんなことは、子供でも解る)

ハッピーエンドにしても、アンハッピーにしても、短時間で結論が出る

二時間テレビドラマや、小説ではありません。

「痛み分け」とは言いませんが、一方が「無傷」ということはないで

しょう。

金融は、そんなものだと思います。

今後、香港選挙や米国大統領選挙等々、政治ドラマも次々起こる中で、事態

の推移を見守る、としか現時点では言えないと思います。