中高年michiのサバイバル日記

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株式投資の基礎 第23回 不動産にまつわる話 開発業者、家賃利回り投資 リート

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今回は、不動産関係の話です。

1.不動産投資は過去必ず儲かった?

(1)前回第22回は「あまり気にするな」として、本コーナーの投資家が直接

投資対象としない、種類株式のうち特に優先株の話と、資本政策の一環として

使う「黄金株」について、少し書きました。 

「不動産投資」は種類株式の話と違い、ある意味「投資の王道」として、捉え

る方も多々いらっしゃいます。

私が若いころ、今から30年くらい前は、

「株は下がるが、土地は下がらない」と発言する、経営者もありました。

国家経済全体が、長期の右肩上がりの段階にあって、上記発言が「結果とし

て正しかった」という、実感の、ある方も多かったでしょう。

少し、そのあたりの話をします。

(2)20年ほど前の、中国広東省の事例です。
「官民一体」どころか、政府役人である中国共産党幹部が、主役で動きます。
都市開発プロジェクトのリーダーとして、長く君臨するのですが、まずは
デベロッパー」の役割。
非常に単純に言うと、開発対象となる地区を決定し、(海上ならば土地を
造成し)、現在いる人を追い出して、自分で所有権を押さえます。
権力を握っているから、開発に伴う一連の許認可も、スムーズでしょう。
「追い出し」て、土地を造成し、建物を立て、今度は「呼び込み」です。
この一連の主役を演じると、儲かります、というか儲かってきた歴史で
した。
収益の基礎となるのは不動産を握っていることであり、収益を生み受け
皿は、法形式上形式上、直接保有ほか、公共セクター組織、株式会社、
第三セクターとか、極論すると、何でもあり、です。
(3)当然、各国で、法制度、税務、歴史や文化まで、さまざまに違い
ますので、細部を論じると、いろんな差異が出てきます。
しかしながら、基本的には、
土地を押さえて、「ヒトを追い出し」、開発して、「ヒトを呼び込み」
、当該土地建物を長く保有する、というパターンは類似でしょう。
この一体化、というか不動産をベースにした展開というのは、以前から
よく用いられた手法です
関東では、西武、東急、関西だと阪神、阪急としましょうか。
日本でも「不動産で財を成した」と言われるような、大規模で、長期間
にわたる収益を生む事業投資に、不動産が不可欠であった事例は、過去
多々ありますよね。
 
2.収益不動産への利回り投資
スケールと、時代背景を、今日の日本に戻して「不動産投資」の一例を
検討します。
「事業」と投資とは、違います。
つまり、投資家が、直接事業をおこなう訳ではありません。
しかるべき調査をして、土地付き建物を所有し、家賃収入の利回りが、
投資収益となるパターンです。
「しかるべき調査」と言っても、投資家のできる調査は、様々。
新築のワンルームマンションもあれば、競売・任売(任意・売却)の
物件を相対的安価で所有し、リノベーションをかけ・・・・
当たり前ですが「一物一価」の上場有価証券とは違います。
不動産に二つと、と同じものはありません。
「多様化」というより、本質です。
 (2)投資価格と、収入(家賃収入)が解れば、利回りがはじけて簡単
なようですが、上場有価証券の場合と違い、当初の投資価格とその後の投資
価値が違ってくる(通常、下がってきまする)ことがポイント。
「不動産の経年劣化」という言葉は、解りやすいですが、不動産の維持管理
コスト、減価償却費用をど計上していくか、等々、論点は多いです。
「小口からできる不動産投資」の情報も、山ほどありますから、参照される
といいでしょう。
 
3.リートについて
リートは、なかなかよくできた商品です。
ここでは、上場株式同様流動性があり、「上場リート」の話をします。
(セールストークめきますが)
小口で買えない、流動性がない、情報がわからないという不動産投資の
ネックを解消した金融商品とも言えます。
「その分投資収益性が落ちる」と言われると、それは、仕方ありません。
当然、仕組む側にメリットがあって、ビジネスとして成立するから、商品
組成もするのですから。
下記は、5月 24日アップの第3回で、リートについては触れたものに、
少し加筆修正しています。

不動産収益を基にしたリート(REIT)

(1)リートの説明

リート(REIT)とは、投資法人が投資家から資金を集めて複数の不動

産に投資し、賃貸収入や不動産の売却利益が配当金として投資家に還

元される金融商品のことです。

そのため、REITに投資することで、間接的に不動産に投資したことに

なります。

REITでは不動産が証券化されて、10万円程度からの小口の資金で証券

会社を通じて購入できます。

上場しているリートを前提としています。

つまり、株式と同様に、売買できますし、事業内容について「開示」

しています。

運用益以外に売却益も得られる可能性があります。

リートでの不動産投資は、「オフィスビル」「ホテル」「マンショ

ン」「商業施設」など用途別の不動産に対して行われます。

 

(2)リートのメリット

・高利回り(不動産投資よりは低いが株式よりも高い)

・不動産現物投資に比べて小口資金で投資が可能

証券取引所に上場しており、株式と同じように取引できるので

 換金性が高い

・不動産の選定・運用・維持管理・賃貸募集などを専門家が行う

 ため手間がかからない

 換言すれば、不動産現物投資に比べて、小口で投資できて、流動性

あり、収益が低くなるのは仕方ない といったところ

 

(3)リートのデメリット

・株式と同様に上場廃止になる可能性がある

投資法人が倒産する可能性がある

金利の変動や物件価格の低下で配当金が減少する。

 

別項目で、海外のリートの話もしています。

海外の不動産現物を、詳細調査することは、実務上不可能でしょうが、

投資信託の語りで、一枚かませて、複数の海外リートに投資する手法

検討に値すると思います。