中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

大手証券の店舗経営効率化の話 厳しいが、生き残りのためには当然の方向か

1.当然ながら暗い話。

本日の話は、極めて、明確な話。結論は、

「大手証券各社が、各店舗の採算確保のため、店舗運営の効率化を競う段階

に入った」問うもの。

ハイテクやバイオテクノロジー、昨今の感染症医療の話ではなく、分かり

やすい話ですが、現実を突きつけられ、「厳しさを再認識」という感じで

しょうか。

2020/8/19 16:30日本経済新聞 電子版の

「証券大手、個人営業にメス 間接業務の人員減や支店統合」

という記事の紹介と、私の補足です。

例のごとく、( )の小見出しやコメンは、日経記者ではなく私です

 

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セールスも難しいが、相談に乗るのはもっと難しい

 

(要約)

大手証券が個人営業部門の体制や運営の改革に動き出した。

大和証券は2020年度中に営業店で間接業務を担う人員を半分にし

直接顧客と接する仕事に振り向ける。

野村証券は店舗の統合を進める一方、約7000人の人員のうち約4400人

の担当を富裕層向けなどに変更した。

リテール部門の収益が低下するなか、改革で採算確保を目指す。

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リテール事業の見直し

大和証券施策)

大和は現在全国に114支店を持ち、うち9割に相当する100強の支店で、

顧客とは接しない事務的な作業などを担う従業員約1600人がいる。

関東や関西、中部など主要地域にある支店などが他の地域の営業店の

業務も担うようにし、間接業務に従事する人員の配置を見直す。

 具体的には店頭での相続や長期での資産運用の相談など、顧客への

コンサルタントサービスに配置する計画。

間接業務の集約は関東や関西などの営業店から順次進め、20年度中

にはすべての地域で作業を終える方針だ。

この結果、間接業務は主要地域の店舗が担うようになるため、担当

者は現行の半分の800人程度まで減る方向だ。

 (デジタル化という要因)

こうした動きを可能にしたのは、業務のデジタル化だ。

大和はすべての社員にノートパソコンとタブレットの機能を持つ新

たな端末を配布。

この結果、住所変更などの手続きで書面への記入が不要になり、

支店の事務でも紙をベースにした作業が大幅に減少。

地理的に離れていても手続きの結果をデジタルデータですぐに共有

できるようになったため、特定の支店などで集中的に処理すること

が可能になった。

 デジタル化を活用した営業店業務の効率化は他の証券会社にも広

がっている。

日興証券施策)

SMBC日興証券は8月から全国141の支店で紙や印鑑がなくても口座

開設などの手続きができるようにした。

個人向け営業のペーパーレス化を推進し、今後3年で紙のやり取り

の8割を削減する。

同社の支店の来店客の約4割は書類での手続きが目的で、事務作業

が効率化できれば営業活動に注力できる。

 (野村証券施策)

一方、野村証券は地方では1県1店舗を維持しながら、都市部の店舗

は来店客数の変化などを踏まえて店舗戦略を見直してきた。

19年3月末に156あった店舗は統合により2割圧縮し、今秋までに124

店舗にする。

さらに営業部門の組織も変更。

約7000人の人員のうち4400人の担当を変え、収益を生む預かり資産が

多い法人や中小企業オーナー、富裕層のニーズに機動的に応えやすい

体制を敷いた。

 (共通要因分析)

各社が改革に動く背景にあるのは、個人部門の収益の落ち込みだ。

20年3月期の大和のリテール部門の純営業収益は1664億円で、安倍政権

の経済政策「アベノミクス」が実質的に始まった13年3月期以降の最低

水準となった。

野村でも金融費用控除後の収益が3364億円とアベノミクスの開始前を

下回った。

 

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個人部門収益の落ち込み

さらに新型コロナウイルスの感染拡大で対面での営業が難しくなり、

株式などより手数料が高い仕組み債やファンドラップなどの販売に

支障が出ている。

足元は回復傾向にあるが「元のような営業の状態に戻ることは考え

にくい」(大手証券幹部)との声が大勢だ。

 (今後の方向性)

主要顧客の高齢化などの構造問題もあり、リテール市場の拡大は

今後も期待しにくい。

20年4~6月期は野村の個人部門が増収増益となるなど、一部では

改革の成果が出始めている。

採算確保のため、各社は店舗運営の効率化を競う段階に入った。

 

2.私が思うこと

制度や規制に守られて生き延びてきた金融機関(銀行・保険含む)が

自由化の流れ、社会の構造変革、情報インフラの変革・充実によって

起業として、収益が薄くなって来のは、当然のことに思えます。

新聞取り上げるビックニュースではありますが、「意外性」は乏しく

こうやって淡々と進んで行く、と思います。

数年後から振り返ると、「金融業界」体が、大きく様変わりしてしま

った、となるのでしょうね。