本年1月10日から 「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記」と
いうのをアップしていますが、今回9回目です。
イラストもあえて、同じものを使用、趣旨も同じで、硬軟とり交ぜ、
読者への何らかの参考となればと・・・
1.おとなの青春旅行
著者 下川裕治/編著 室橋裕和/編著
出版者 講談社 2018.7
海峡料理、ベトナム戦争跡、ジャズの聖地、シルクロード、モザイク
画。紹介場所は、多様です。
団体旅行に疲れた人へ贈る、自由で冒険的な、極上の「海外ひとり
旅」15選です。
失敗しない旅行術も、地に足がついた良いノウハウ集となっています。
私と感覚があう描写を以下に、引用します。
観光地とは必ずしも限らない、人々の生活の場をじっくりたど
っていくこと。
それが本「旅」であるように思うのだ。
その道のりは平坦ではない。異なる文化、異なる顔立ちの人々の
中を歩く、ふしぎな高揚感。さまざまな発見や驚き。自分がただ
ひとりの外国人だという心細さや不安。言葉の壁。毎日のように
起きるトラブルーーー。
一筋縄ではいかない。だからこそ、人は旅に手ごたえや生きがい
を感じ、のめり込んでいく。前に進んでいく。 P4
2.『釣魚大全』大意
アイザック・ウォールトン
椎名重明/著
出版者 つり人社 1998.6
釣りの古典であり、世界中で愛読、とありますが、私は手にしたこと
がありませんでした。初版は1653年のイグリス市民革命のころであり
今回も、原典でなく「大意」です。
著作「人気の秘密」について、引用。
経済的発展においては、イギリスに遅れをとったとはいえ、哲学的な
ドイツ人たちが、迷走する完全なる釣り人の『釣魚大全』にいち早く
共鳴したとすれば、我が国の釣り人たちも、急速に進む工業化と近代
化の荒波の中で、その多くは、釣果を競い、お祭り騒ぎするよりは
静かな釣りを、心のどこかで追い求めてきたのかもしれない。 P14
内容は、具体的にはマス釣りが中心です。
マスの種類、エサ釣り、ルアーフィッシング、フライフィッシング、
夜釣り等々と続きます。
もう一つ、本文から、少し引用します。
ウォールトンによれば、職業としての魚釣りだけでなく、レクリェイ
ションとしての魚釣りも、聖書にかなうものでありうるのである。
そしてそれが「完全なる釣り人」の釣りの仕方、スタイルなのであ
る。 P121
3.世界は素数でできている
小島寛之/[著]
出版者 KADOKAWA 2017.8
「素数とは、1と自分自身以外では割り切れない数のこと。
模様、未解決問題リーマン予想まで、素数のすべてを総合的に解説
する。」というのが、一般的解説。
私の能力、体力、興味他いろんな要素が重なっていると思うのですが
いまは、読んで生きてどうもピンとこない状況、という意味で敗戦記録。
一つ引用とコメント
(暗号が破られないことに関して)
「巨大な整数の素因数分解は、うまいアルゴリズムが見つかってお
らず、高速のコンピュータを使っても100年以上かかってしまうの
です。」P138 との記述があります。
私にコメントは、
「量子コンピュータ」が実用化されると、もっと短時間で解析できる
のでしょうか、聞きかじりの思いつきです、悪しからず。
小川榮太郎/著
出版者 飛鳥新社 2019.2
『新潮45』休刊全真相、モリ・カケ野党とメディア、「ポスト安倍」
徹底批判、働き方改革のおかしさ…。
左派がもっとも黙らせたい論客が、言論タブーに挑む。『月刊
Hanada』ほか。雑誌掲載論文に加筆し書籍化。
私がいつも書く「自分が見たいものを見て、聞きたいたものを聞く」
の典型事例のようです。
少し引用します。
「マスコミに言論の自由はない。
では、マスコミにあるのはなにか。
言論の責務である。」
5.銀の匙
著者 中勘助/作
出版者 岩波書店 2001.1
少年時代の思い出を中勘助(1885-1965)が自伝風に綴った作品
ですが、ここは和辻哲郎の解説と行きましょう。
「漱石がこの作品を高く評価したのは、この作品の独創性を誰より
も強く感じたからであろう。実際この作品には先人の影響が全然認
められない。それはただ正直に子供の世界を描いたものであるが、
作者はおのれの眼で見、おのれの心で感じたこと以外に、いかなる
人の眼をも借りなかった。」