1.米国大統領選挙について8月28日に「その1」を
アップしています。
米国大統領選挙に思うこと その1 対立軸が鮮明だと盛り上がる - 中高年michiのサバイバル日記
趣旨は
(1)米国大統領選は、11月3日に結果判明
選ぶ国民にとって、対立軸があるほうが解りやすいこと
(2)選挙制度の基礎として
大統領選挙人は得票数比例でなく、「勝者独占方式
winner takes all」による。
「スイング・ステート」の開票結果が、勝敗を決する、
共和党政策の列挙して論について
(4)感想として
現在に日本は、実質的な二大政党制存在せず、明確な政策の
対立軸がない中、ある程度拮抗した政治勢力同士で、議論を
戦わすことを観察していく必要あり。
2.最高裁判事指名
さて、今回は、選挙争点として急浮上の 最高裁判事指名の件を少し
書きます。
(1)最高裁判事の人事は、どうやって
そもそも、人事は憲法上の規定があって
合衆国憲法 大統領が上院の助言と同意に基づいて
最高裁判所の裁判官を任命する
とのことです。
大統領と上院の考え方が近いと、すんなりいきます。
つまり、現職大統領は共和党、現在の上院は、僅差で共和党過半数
ですから、このままならすんなりと。
(2)裁判官の日本との感覚の違い
日本の場合、裁判官も行政官同様「中立」のイメージ強いですよね。
(実態は、やや違うかもしれませんが・・・・)
米国の裁判官は、保守派かリベラル派か、政治的立場が明確です。
つまり、大きな政治的判断に、どちらが多数派かで、大きく違って
きます。
一般的に言われることは、「大きな政治的判断」の論点について
の4点があげられ、いずれの問題も
保守派は上記論点の阻止の見解、リベラル派は推進の見解です。
(3)現在の最高裁判事構成
ご存じのように、リベラル派のギンズバーグさんが、先日亡くなり
定員9名の最高裁判事の構成は、現在保守派5名、リベラル派3名で
す。
(4)それぞれの戦略
という戦略
選挙の点で、大きな支持基盤の一つキリスト教福音派を一層味方に
つけるため、保守派で人口中絶を阻止する判事を指名するでしょう。
福音派のなかの「トランプ嫌いの人々」も、保守派判事の指名を理由
に、トランプ支持を表明できます。
一方民主党は、選挙後の新大統領か指名することを強く主張
つまり、「最高裁判所の決定は国民の日々の暮らしに影響する。
有権者の声を聞くべきだ」として、議会上院は11月の選挙で新しい
大統領と上院議員が決まるまで、承認の手続きを見送るべきだ、とい
う主張。
また、 トランプ大統領の弾劾をちらつかせ、上院での最高裁判事の承
認ができなくなるようにする戦略です。
(5)9月26日午後、保守派のバレット氏指名
トランプ大統領は26日午後、ホワイトハウスで会見し、リベラル派
のギンズバーグ判事の後任として、保守派で高等裁判所にあたる連邦
控訴裁判所の判事を務める女性のエイミー・バレット氏を指名すると
発表しました。
想定どおり、キリスト教福音派は、歓迎。著名な指導者グラハム師
は、トランプ大統領のために祈りをささげ、最高裁判所の判事の指名
が今後何年にもわたりアメリカに影響を与えるとして大統領の決断が
最良のものとなるよう願いました。
(6)法廷闘争の予測?
トランプ大統領は郵便投票で各州での集計がもつれ、どちらが勝った
のか分からない状態が続いた場合、フロリダ州の集計を巡り連邦最高
裁まで争った、2000年のような状況をある程度、想定しているという
考え方もあります。
今回の選挙は「接戦」というだけでなく、郵便投票が各州制度がばら
ばらで不正選挙の温床ともいわれるよう、ルール上の問題も多い様
子です。
トランプ大統領は選挙結果が連邦最高裁判所に持ち込まれることを、
現実的にとらえているという見方です。
3.私が思うこと
なにごとも、よく勉強して知ることが必要。
政治主張の対立を、キリスト教の一神教的性格、アメリカ合衆国の成
立時から引きつぐ宗教色の強さに、単純に起因させることはできませ
んが、裁判官の政治色の強さには、私は改めて驚き。
神様はどこにでもいる。寛容、妥協、あいまいさも大切という私か
らすると、彼らの主張の強さ、妥協知らずはどうも馴染めない気がします。
とはいえ、現実アメリカ合衆国では最高裁の政治的判断の影響は、私
の想像以上に、強いのでしょう。
まずは、11月3日の大統領選挙までに、エミリー・バレット氏を上院
が承認できるかをウオッチしていきたいと思います。