中高年michiのサバイバル日記

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フェルドマン教授の未来型日本経済最新講義(読書感想文もどき)デジタル化は加速

フェルドマン教授の未来型日本経済最新講義

ロバート・フェルドマン/著

出版者    文藝春秋 2020.8

1.概要

フェルドマンさんは、ワールド・ビジネス・サテライトを見ていて、

少し知っていました。彼のコメントは、基本的に私にとり違和感は

ありませんでした。

本書は日本経済について5年ぶりのコメントとのこと。

確かに5年たつと世界は変わるし、特にのこの5年は・・・

AI、技術革新、働き方改革、地方再生等を話題とします。

彼は、モルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーで、東京

理科大学大学院の教授も務めるそうです。

本書は、ポストコロナの経済を分析&解説し、いまここにあるビジ

ネスチャンスを伝える趣旨です。 

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デジタル化の面では、日本経済も必然的に右肩上がり

2.本書の引用紹介と私のコメント

私がこのブログで取り上げている書籍になかでは、超難解というもの

ではなく、今回私のコメントを挟みながら紹介します

 気候変動を抑制するための支出は、極めてリターンの高い投資です。

世界各国は日本より積極的に動いています。  P30

(michi コメント)

私は地球温暖化かと人間の活動要因について、今一つ確信が持てて

いません。

二酸化炭素排出量が問題であれば、日本でも欧州でもなく、米国と

中国でしょう。「世界各国は日本より積極的に動いています。」と

いうならそれは結構。

「極めてリターンの高い投資」であるなら、米国や中国の企業が

参入しているはずで、私は「お手並み拝見」かと思っています。

 

大きな企業は解体してしまえ、という過激な意見もあります。

2020年のアメリカ第k統領予備選挙で、民主党の左派候補がこの

先を提案していました。私はこの方法も支持できません。規模の

経済がなくなってコストが上がれば、やはり消費者のためになら

ないからです。  P81

(michi コメント)

これも難しい問題です。著者が後述しているように「新規参入を

促す。ネットワーク接続の接続の権利を誰に対しても保証する」

ということが必要だと同感。

しかし寡占化・独占化によるメリット、魅力には抗しがたい面を

感じます。

歴史を振り返ると、鉄鋼や石油、通信等で独占を解体してきた

経緯が米国にはあります。結果として成功だったと私は思料します。

メディアやフラットフォーマーの「権力独占」も解体も視野に入れ

検討するには、遅くはない時期かと思います。

 

全体的に、日本企業の取締役会は透明になって来ているといえるで

しょう。「今までの我々のやり方が正しいんだ」とこだわることな

く、状況に応じて改革できるところは、日本の大きな強みです。 

P117

 

生産性を高くする8つの能力

  ①分析力

  ②プレゼン力

  ③人間力

  ④言語力

  ⑤数字力

  ⑥自己管理力

  ⑦商売力

  (顧客にニーズを知りどこのビジネスチャンスがあるかを

   察知して把握する力)

  ⑧結合力 

   (①~⑦のちかっを組み合わせ、さまざまな種類に情報の

    なかから、見えない関係を密手出す結合力)

フェルドマン氏によると

日本時に劣るのは②プレゼン力、④言語力、⑦商売力であり

解決処方箋は、「海外留学を必須」にすること。  P133

 

私の提案は、2041年までに基準退職年齢を76歳にすることです。

3年ごとに2歳ずつ、段階的に引き上げていけば年金勘定が合いま

す。 (中略)

76歳と聞くと急進的に思えますが。実はかなり穏やかです。

そこまでやらなければ、この先年金と医療費は危ないのです。 P181

 

平均寿命は1950年から2025年まで約25年延びているのに、定年は10歳

しか伸びていません。65歳で退職して90歳まで生きれば、25年もあり

ます。 P184

 

世界経済が向かう先として、いくつか提言をしています。

①企業はレジリエンシーが問われる。

  大きな困難に直面した時に影響の及ぶ範囲をできるだけ抑え、

  通常通りに製品やサービスを提供する能力、のこと。

②インフレはやってくるか

  現時点ではインフレ気味になっていく予測

③脱化石燃料が加速する

④労働と教育のインセンティブが高まる

⑤なんでもデジタルの世界になる。

  変化をもたらすというより、加速させるという言う方が正しい。

 

3.最後にまた感想

今回、本文引用の後に、二つほど個別論点にコメントを入れています

が、全体としてひとこと。

まず、実務家として地に足のついた分析・提言は、私は好感が持てま

す。高齢化対応にしても、デジタル化対応にしても、起りうる近未来

ではなく、すでに起こっている現実が「加速」しつつあることを、再

認識したものです。