中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

コロナという「非日常」を生きる(読書感想文もどき) 今度は曽野綾子さんに乗っかり

0.新型コロナ感染症

に関しては、何度も書いていますが、直近の論点整理として松田学

さんに乗っかりました。

1月26日アップで、下記を載せています。

2021年1月末時点で、新型コロナ論点整理、松田学さんに乗っかり - 中高年michiのサバイバル日記

今回曽野綾子さんに乗っかります。

 コロナという「非日常」を生きる

曽野綾子/著

出版者    ワック 2020.10

1.概要

(1)一般的な解説は

B29の空襲からコロナの恐怖まで、「死」に直面した時、人は何かを

学ぶ。作家・曽野綾子が、コロナという非日常、人生の持ち時間、二

番手の愉しみなどについて綴る、となります。

(2)コロナについて、すでに彼女の文章をすでにいくつか引用して

ますが、本日は、コロナに縛った観があります。(当然脱線は込みで

す。) というわけで、読み始めましたが、私が浅はかでした。

いつもと同じ広い視野と深い考察を感じます。

「コロナ」に限定された見解ででないことが解ります。  

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2.本文から

コロナは呆気なく終わるだろうが、日本人は時々、日常性の範囲にな

い暮らしをする方がよい。殊に十代、二十代の若者には「非常事態」

を体験させる方がいい。「いざという時」を全く知らない若者たち

は、実は「教育貧民」なのだから。  P16

 

気温は自然のままの中で生きるのがいいのだが、一つ私たちには難問

が残る。日本人の習慣になっている「思考する」という性癖は、気温

に左右される。三十度を越すと、私たちは動物的に生きることだけは

できるが、思考する生活(読書、複雑な計画を立てること、深い感情

の推移を見守ること)の機能は著しく減ってしまう。  P26

 

私は新聞を読むのが好きだが、この頃しばしば部外者の正義が果たし

て答えになっているのだろうか、と思うことが多くなった。(中略)

しかしどんな暗い世界にも、死なずに生きていこうとしていた人はま

ちがいなくいた。暗い社会ほど、その弱弱しい光は、貴重品だった。

それが人間の自然とすれば、私はまだ決して失望しなくていいわけ

だ。  P45

 

嘘のような話だが、世界中で、自分の家で日常使っている燃料で、お

湯を沸騰させることが難しい国というものは、かなり多い。 P66

 

 国のために戦って死ぬということはどういうことなのか。平和を唱え

続ければ、こうした戦いをしなくて済むのかどうか。教師は腹をくく

って厳しい人生を教えなければならない立場に立つだろうが、やはり

硫黄島はそれらの矛盾を強烈に突きつける土地なのである。  P75

 

沖縄戦の際、生き残った人の体験談から)

一つは、人間は、自分の冷静な選択で生き延びているなどと思わない

ことだ、ということである。思考によって身の安全を図っていること

も事実だ。しかし偶然に助けられることもある。

もう一つは、人間は思わぬところで運命に使われている、ということ

だ。   P94

 

(中米での、車旅行で武器の携帯が「常識」をうけて)

命の危険にさらされると疲れるから、私は好きでない。

人生はしかし、その危険を受諾すれば、巾の広いものになる。安全

か危険かどちらを取るか、決めるのはいつも自分なのだ。 P103

 

人間が見物する車両は、時々寝そべっているライオンにわざと突っか

かっていく。そうでもしなければ、毎日決まった餌を与えられるライ

オンには、全く刺激がなく、健康に悪いのだそうだ。人間にも生きる

のにいい刺激と、生きることを妨げるような要素に二つが身辺に周辺

にあって、そのどちらも必要なものだという。   P121

 

私は人生が公平であると信じたことがなかった。人生は、へたくそに

詰めたカバンの中身のように,幸か不幸どちらかが、不当に固まって

詰まっているものであった。  P201

 

自由を得るには、必ず何かしら代価を払わねばならないというのが私

の考え       P207

 

友情の手初めは尊敬である。そのためには、国民一人一人が、尊敬に

値する人間にならなければならない、ということは、意外と忘れられ

ている。  P222

 

長い目で見ると、周囲の誉め言葉はその人の人生にあまり大きな力を

を持たない。それより、当人が辛抱のいいこと、ほんとうにその作業

が好きなこと、などの方がずっと大きく継続する基本的な力を与え

る。  P262

 

 「ドン」つまり鈍について、世間はほとんど評価していないようだ。

確かに感じのにぶい鈍な人は、困った存在と思われていることが多い

のだが、実は鈍は、ものごとを継続できる最大の才能である。 P274

 

 3.最後に

 いつもながら、曽野綾子さんの文章に「人間の強さ」を感じます。

「時間は無限いあるわけではない、私もしっかりしなきゃ」と読み返

すたびに思います。 

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