1.今も昔も同じこと
ガチガチの組織が「守ってくれる」代わりに「滅私奉公」が当然
というのは、極めて特殊な環境でのごく一時的なものではないか、
と改めて思います。
ギブ・アンド・テイクの方が、より一般的。
昔歴史で習った鎌倉時代の「一所懸命」もこのギブ・アンド・テ
イクの典型に思えます。
第二次世界大戦後の復興から高度成長を経て、今や「働き方改革」
の渦中にある役人含む「サラリーマン」というのは、長い日本の
歴史で見ると声高に叫ばれるほど一般的ではなかったもでしょう。
「先が見える」「安定が見える」数少ない事例でしょう。
それゆえ「モーレツ」にも「会社のため」にもなれます
一方、
話を広げないで、私の身近だった地方の田舎を見ると、昔も今も、
元々組織=会社、に守られない人々はたくさんいました。
(確かに地方に田舎も役所や学校と行った「公」はあります。)
農業漁業の第一次産業や、小売業店主、サービス業等の自営業者
はこれ。
それぞれ「職」を持ち、自らに頼み、リスクを追って生きてきた
ようです。(当然、絶えざる創意工夫でその「職」をどう維持して、
どうやって食べていけるかが、一番の問題です。)
ただし、現代日本社会で、被雇用者は大多数であり、「しっかり
した」組織に属する方も多々。
下記は、非常にうまい説明かと思います
2.今後は、自分が属する「コミュニティ」を作っていくこと
2月26日に紹介した「武器になる哲学」の一節です。
武器になる哲学(読書感想文もどき) 哲学は、状況を正確に洞察に役立ちます - 中高年michiのサバイバル日記
会社という「タテ型構造のコミュニティ」が、自分にとっ
てもはや安全なコミュニティではありえない、ということ
を認識した上で、
自律的に自分が所属するコミュニティを作っていくのだ、
という意思を持つこと。 P244
もう少し詳しく説明します。
会社の解体、家族の解体が進んだ場合、社会のアノミー化を防ぐ策と
して3つ挙げます。
①家族の復権
②ソーシャルメディアへの期待
③会社という「タテ型社会コミュニティ」に代替される「ヨコ型社
会コミュニティ」へ。
以下③について書きます。
「ヨコ社会」を換言すれば、「ギルド」の復活ということ
「会社」という枠から「職業」という枠へのコミュニティの転換
ある共通の仕事をするグループに所属することで、その集団内に
自分の居場所を作っていくことが重要。
(厳しいことも言っています)
家族もソーシャルネットワークも職業別のギルドも、それを作り
上げる、あるいは参加してメンテナンスするという意思がなけれ
ば成立しません。
3.改めて思うこと
(1)上記「武器となる哲学」での、著者の解説は「現役で活躍
する経営コンサル」のしっかりした分析・提言かと思います。
度の処方箋も、「対象」が明確でないと説得力がなく、ココでは
確りした組織で今まえ働いてきた、今後も働き続けるであろう人々
が、対象でしょう。
(2)一方冒頭に私の身近な田舎で書いたように、組織がないか、
もしくは極めて緩やかな組織に属し、自分の「職」を武器に自分
でリスクを負って様々なコミュニティをかかわりを持ってきた人々
もいます。
彼等(彼女ら)にとっては「当たり前」のことであり、今後も続く
だろう、ということ。
タイトルに書いた「昔も今も同じ」について(今日セーフティーネ
ットが整備されてきたことは認めますが、)自分の「職」を頼りに、
様々な複数のコミュニティを維持してきたのは、変わっていない
ということ。
いわいる安定した「サラリーマン」も、こちらの分野に移動する要素
が大きくなってきた、ということだけの気がします。