1.総括:コロナが影響、ネットのテレビ超え継続
昨年2020年3月11日のリリースされた2019年の資料から、考え
ましたが、本年2021年2月25日のリリースから再度考えます。
2020年 日本の広告費 - ニュースリリース一覧 - ニュース - 電通
要約すると、
・日本の総広告費は、6兆1,594億円(前年比88.8%)となり、
東日本大震災の2011年以来、9年ぶりのマイナス成長
・インターネット広告費は、社会のデジタル化加速が追い風と
なり、前年に続き、プラス成長
概況を転記すると
・2020年の総広告費は、通年で6兆1,594億円(前年比
88.8%)
・3月以降、新型コロナの影響により国内外の人の動き
が制限され、4月に発出された緊急事態宣言以降、日本
経済は大きく減速。
・前年までのインバウンド消費がほぼなくなり、外出
自粛により外食、交通・レジャーを中心に大きなダメ
ージを受け、広告業界もその余波を受けた。
・政府や自治体主導の経済対策・感染対策が取られて
いく中、7月以降は徐々に回復の兆しを見せ始め10-12月
には前年並みに戻りつつあったが、通年では前年を大き
く下回った。
・東日本大震災の2011年以来、9年ぶりのマイナス成長。
かつリーマン・ショックの影響を受けた2009年以来、
11年ぶりの2桁減少となり、1947年の「日本の広告費」
統計開始以来、2番目の下げ幅となった。
2.マスコミ四媒体広告費
想定した通り、となりました。
ネットである有識者も言うように「報道姿勢」も、広告費が取れ
ない大きな要因だと、同感します。
①新聞広告費 3,688億円(前年比81.1%)
②雑誌広告費 1,223億円(前年比73.0%)
③ラジオ広告費 1,066億円(前年比84.6%)
④テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メデ
ィア関連) 1兆6,559億円(前年比89.0%)
◇地上波テレビ 1兆5,386億円(同88.7%)
・新型コロナ拡大に伴う広告費削減などの影響により、
地上波テレビ広告費は1兆5,386億円(前年比88.7%)
◇衛星メディア関連 1,173億円(同92.6%)
・新型コロナによる巣ごもり需要の高まりにより
通販市況は堅調だっ
たものの、通販以外の広告出稿は減少傾向。
3.インターネット広告
これも、想定通り。
視聴者が、テレビ・新聞から「流れた」割合は、継続してい
ると思います。
コンテンツの問題でしょう。
また、「新型コロナで物販系ECプラットフォーム自体が社会
的にも大きな役割を果たし」というのも良く解ります。
①インターネット広告媒体費 1兆7,567億円(前年比
105.6%)
・新型コロナによる消費の低迷および広告出稿減少の
影響を受けたが、他メディアよりも早く回復基調となり、
前年比105.6%となった。
・インターネット広告媒体費のうち運用型広告費は
1兆4,558億円(同109.7%)。
巣ごもり需要によってSNSやEC、動画配信サービスへの
用型広告の需要が高まった。
また、マスコミ四媒体由来のデジタル広告における運用型
広告の活用がさらに進んだ。
②「日本の広告費」における「物販系ECプラットフォーム
広告費」1,321億円(同124.2%)
・これまでの継続的な成長に加え、新型コロナで物販系EC
プラットフォーム自体が社会的にも大きな役割を果たし、
それに連動して物販系ECプラット
フォーム広告費も引き続き高い成長率を見せた。
③インターネット広告制作費 3,402億円(前年比101.4%)
・コロナ禍によるインターネット利用の変化、企業活動の
デジタルシフトへの動きが、インターネット広告の制作需要
増につながった。
4.プロモーションメディア広告費
①屋外広告 2,715億円(前年比84.3%)
②交通広告 1,568億円(前年比76.0%)
③折込 2,525億円(前年比70.9%)
④DM(ダイレクト・メール) 3,290億円(前年比90.3%)
⑤フリーペーパー 1,539億円(前年比72.9%)
⑥POP 1,658億円(前年比84.2%)
⑦イベント・展示・映像ほか 3,473億円(前年比61.2%)
5.最後に
(1)ちなみに昨年の要旨は、 以下の通り
・日本の総広告費は、6兆6,514億円(前年比101.9%)となり、
8年連続のプラス成長
・インターネット広告費は、1兆7,589億円(前年比116.5%)、
6年連続の二桁成長となり、テレビ広告費を超え、初めて2兆円
を上回る。
(2)確かに新型コロナの影響は、大きいですが、一気にパラダ
イムシフトが起こったというより、近年起こり通大きなうねりに
「拍車をかけるきっかけ」のように思えます。