中高年michiのサバイバル日記

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38億年の生命史に学ぶ生存戦略 人間のビジネスも、地球の大先輩生物に学ぶこと多々

38億年の生命史に学ぶ生存戦略

並列タイトル       Learned from Life History

稲垣栄洋/著  

出版者    PHPエディターズ・グループ 2020.9

PHP研究所(発売)

1.概要と著者の前作

(1)植物や生き物たちは、勝ち抜き、生き抜くための「戦略」を発

達させてきた。「GAFAの雑草戦略」「コウモリのずらす戦略」「タン

ポポたちのドミナント戦略」など、38億年の生命史から企業の生存

戦略のヒントを読み解く、とあります。

(2)著者の稲垣栄洋さんは、農学博士で、植物学者・生物学者ですが、

著作(話)がとても、面白くてうまい。

1年半前に取り上げた、「敗者の生命史38憶年」もとても良かったです。

「敗者の生命史38億年」(読書感想文もどき) 生き残り次の時代を作るのは、いつも敗者 - 中高年michiのサバイバル日記

ここでの趣旨は、

38億年に及ぶとされる悠久の生命の歴史の中で、最終的に 

 生き残ったのは常に敗者の方だった

 私が感想として書いているのは

我々人類も、いつか滅ぶのでしょう。

「地球の覇者」となったのは、38億年の歴史からすると、

ほんの短い期間であって、その人類が、「地球を守ろう」

「生物を守ろう」というのは、上から目線の実に僭越なこと。

というものでした。 

今回の「生存戦略」も、納得のいくことが多かったです。 

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植物の生き残り戦略も、なるほどの連続でした。

2.本文から

ナンバー1しか生き残れないしぜんかいに、どうしてさまざまな

生き物がいるのだろうか。(中略)

すべての生き物は、「ナンバー1になれるオンリー1の場所」を

持っている。このナンバー1になれるオンリー1の場所を、生物学

では「ニッチ」と呼んでいる。  P19-20

 

ニッチを獲得できなかったものは、滅びていく。それが自然界の厳し

い掟なのである。  P21

 

他の生物とニッチをずらしながら、自らのニッチを確保する。これは

ビジネス世界の「ポジショニング戦略」そのものである。  P31

 

思い出されるのは、「唯一生き残ることができるのは、変化できる者で

ある」という進化学者ダーウィンの有名な言葉だ。  P39

 

生物にとって、住み慣れた環境が変化するということは恐ろしいこと

である。しかし、変化こそが、埋め尽くされたニッチに新たなニッチ

を生み出す最大のチャンスなのである。  P60

 

今から数万年前、生物の歴史上、最強にして最後の、どう猛な生物が

現れる。そして、その生物が次々に環境を破壊するようになったので

ある。

その生物こそが、人間である。

この人間の創り出した変化する佳境に適応して進化した植物が、「雑草」

と呼ばれる植物なのである。   P74

 

失敗することを恐れずに、失敗することを前提として、小さなコストの

小さな趣旨をたくさんばらまく。まさに雑草の戦略だ。

そしてたくさんの失敗になかで、大きな成功を収める。小さな挑戦をし

続け、変化し続ける。これが予測不可能な時代に大きな成功を収めてる

GAFAの戦略である。 P97

 

じつはギャップ植物は深い森が出来上がる前から、そこに生えていた。

そして深い森が出来上がると、後は種子となって土の中で眠り続ける

のである。

深い森の中で目を出しても、光の無い森の底では枯れてしまう。

そのため、無駄な戦いはせずに、土の中でやり過ごすのだ。そして、

ギャップが出来上がると、素早く目を出して花を咲かせ、種子を散布

する。 P111

 

 生物の世界では、圧倒的にスペシャリストの方が、ジェネラリストよ

りも数が多い。微生物も然り。

分裂を繰り返す微生物は、環境の変化に適応して、速やかに変化する

ことができる。そのため、スペシャリストやジェネラリストという性

質も、環境に合せて変化することがある P180-181

 

同じものを目指せば、同じゴールにたどり着く。差別化を図るので

あれば、違うものをめざさなければならないのだ。  P207

 

小さな単細胞生物でさえも、小さなバクテリアと助け合う「共生」

という戦略を編み出した。そして「共生」という戦略を実現した

真核生物が、現在の地球の覇者となっている。

「競争より共生」それ場、厳しい競争の世界で数十億年を生き抜

いてきた生物の戦略なのである  P236

 

もしかすると厳しい変化を生き抜くために、能力の異なる者がコ

ラボレーションする「共生」という戦略が海だダレたのかもしれ

ない。 P237

 

3.最後に

 今回も、とても面白かった。植物と、ビジネス現場での「戦略」の類

似性に、「なるほど」を連発。

現在の自分に引き直すと、大きな組織や小さな組織の歯車(は僭越で

一パーツですね)の時期も、すでに通り過ぎ、自由度があり、小さな

挑戦をひとりで、小さな挑戦を、継続して仕掛けてていける時期です。

恐らく、挑戦は大部分失敗どころが全滅の中で、生物としての命が絶た

れるかも知れない。

それはそれで仕方がなくて、いつもの「諦観と寛容」が生きるベースで

す、と今回も再認識。

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