中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

良いデジタル化悪いデジタル化(読書感想文もどき)組織のトップのでデジタル化意識の低さがやはり問題

良いデジタル化悪いデジタル化

生産性を上げ、プライバシーを守る改革を

野口悠紀雄/著  

出版者    日経BP日本経済新聞出版本部 2021.6

日経BPマーケティング(発売)

 1.概要

野口悠紀雄さんの新しい本です。

まさに彼に書けそうな文章かと思います。

禁輸政策、経済政策には、私は異論がありますが、勉強法や

システムに対する深い見解には敬服しています。

「デジタル化」論点は、まさに野口さん向き。

内容としては、

日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」「オンライン教育」

「オンライン診療」が進まない官民双方のデジタル化の遅れ

根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れ

るデジタル化への道を示しています。

論理と実務が良く解った文章です。彼は1940生まれとあり

ますから御年80歳越。

彼ほどのITリタラシーを身に着けるのは難しいですが、私も前

向きに、といつも思います。 

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今日は「デジタル化」にサーバーのイラストを使います。

2.本文から

オンライン診断が導入できない本当の理由は「診療報酬が低く

設定されているため、経営面を考えると導入を控えざるをえない」

ことではないだろうか。

(中略)

多くの患者がオンライン診療を望んでいるのであれば、病院が

それに対応できるよう診療報酬の体験を見直していくことが必要

だろう。アメリカで保険適用対象を広げたためオンライン診療が

広がったという事実も参考にすべきだ。  P51

 

緊急事態宣言下では、営業自粛が要請されたり、飲食店に対する

時短要請がなされたりする。(中略)民間事業者の生活の基本で

ある営業に制約を加えようというのだ。そうした犠牲を強いよう

というのだから、政治家は自らの行動も見直すべきだ。

(中略)オンライン化に必要ななのは、意識を変えるだけのこと。

コロナ下で、多くの人々が対面からリモートへと意識を切り替

えた。

本来であれば人々に模範を示すべき国会議員が、最も遅れて

いる。信じられないほど遅れていると言わざるを得ない。P61

 

本来は、議会活動そのもののデジタル化が考えられるべきだ。

(中略)

日本でも、地方議会が員会や本会議をオンライン化できるよう、

国に対して法改正を求めている。

デジタル化を言うのであれば、こうしたことが当然考えられな

ければなるまい。P62

   

 PCを使わない人には現在のシステムのどこに問題があるのかは

わからない。それが問題なのだ。

(中略)

歴代の経団連会長はPCを使っていなかった、サイバーセキュリティ

担当大臣もそうだった。これではITシステムの方向付けなど、でき

るはずがない。

そして「組織のトップはITの細かいことなど知らなくてよい」と、

多くの人が考えている。これでは、日本尾現状が変わるはずが

ない。  P119

 

 繰り返そう。日本のデジタル化を成功させるための最重要

の条件は、政府が国民から信頼されることだ。  P276

 

 3.感想です。

本文の見解にほとんどに賛成です。

僭越ながら、同様のことを自分も考えているわけですが、理論

構成や実務体験、文章表現力では、及ぶべくもなく、「自分が

思っていることを読めて、とても参考になった」程度の陳腐な、

感想になりそうです。

ヒトの能力は年齢性別比較でそう変わるものでなく、意識の問題

は、やはり感じます。必要に迫られるかの問題でもあります。

東京都の首長が、過労とかの理由付けで一時仕事を離れたと思っ

たら回復したとやらで、早々に登庁とのこと、テレワ―ク推進を

言いながら、ちょうどいい具合で、得意のパフォーマンスを見せ

ればいいのに、登庁とは、何事?

自分がテレワークを守らないこと、本気で言っていないという実態

如実に示したわけで、これでは、現場や、国民が、改めて「しら

けて」しまいます。

別件で、野党党首が、新型コロナ対策とかで、臨時国会の召集を請求

するとのニュースあり。

臨時国会をリモートで開くべく提言、と少しは建設的なことを言うと、

少しは支持率が上がりそうなのですが・・・

野口さんみたいな80歳越えの方は別として、

もう20から30年もすると、ITリタラシーが極端に低い人は絶滅して、

逆にいうとそのときで、日本は、世界の潮流に追いつけないような、

気がしています。

第二次世界大戦後すぐに、上の世代が一気に減った時代とは、なら

ないでしょう。