昨年1月10日から 「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記」
というのをアップしていますが、今回30回目です。
私の現在形として、本を読める環境というのは、変わっていません。
ありがたいことです。
イラストもあえて、同じものを使用、趣旨も同じで、硬軟とり交ぜ、
読者への何らかの参考となればと・・
1.外交感覚
時代の終わりと長い始まり
高坂正堯/著
出版者 千倉書房 2017.2
1977年4月~1995年3月の18年間に『東京新聞』『中日新聞』
などに掲載された、中国、米国、国際社会、そして日本政治や
外交に関する時論を収録です。
高坂さん著作もっぼちょ先も、書籍の上での出口治明さんから
の「紹介」でいくつか、読んでいます
哲学素養が必要なものは、なかなか読み通すのが難しく、こう
いった政治事件解説は、何とか大丈夫のようです。
「常識」に当たる部分を一つ引用「政治亡命」です。
内政不干渉という原則は冷たい原則なのであり、その冷たさを
緩和するために政治的亡命者を受けいれ、それに対して当事国
は異を唱えたり、外交関係を変更したりしないことが国際社会
でのルールになっているのである。 P186
もう一つ1995年の論文から
(アメリカ)は、外国にはそれぞれの事情があることを忘れて
自国の原則を振り回すが、その結果は影響力の低下であり、
それで面白くなくなってアジア離れすることがありうる。
この危険を避けるには、他の国々がアジアの国際関係の在り方
についての提案をしなくてはならないし、好むと好まざるにか
かわらず、大国日本にその責任は大きい。 P593
2. コロナが教えてくれた大悪党
シリーズ名 変見自在
高山正之/著
出版者 新潮社 2021.1
菌をばらまいておきながら厚顔無恥な中国。国内感染第一号を
日本人に仕立てる大新聞。私腹を肥やす米国の新大統領…。
世に蔓延る噓と悪を斬る! 『週刊新潮』連載の超辛口名物
コラム傑作選です。
上記高坂さんの著作に比べて「軽め」に読めるのも、それは
それででいい事、に思える。
同感なのは「漢人の後進性」で漢、明に続く三度目の王朝
中国共産党政権で「国政が苛酷」というのも当たっている、
と思う。
3.良いデジタル化悪いデジタル化
生産性を上げ、プライバシーを守る改革を
野口悠紀雄/著
実は2021年7月13日に、単独でアップしているのですが
最終章の「日本のデジタル化が進む道」の個所で、紹介し
たいところがあったので、再度取り上げます。
デジタル化が進まないのは、単に「古いものを使い続けて
新しものを拒否する」という事が原因である場合が多い。
ところがIT化を進めるかどうかについては、価値観が強く
影響している。手段的な利益よりは個人の自由のほうが
重要であるということだ。
しかし、これじゃ、高度成長以来の日本お社会を規定して
た価値観とは正反対のものだ。したがってこのような方向
付けを実現するのは、決して簡単なことではない。
デジタル化を勧めつつ、個人のプライバシーを守るのは、
本人確認の手段に何を用いるべきか
答えは中央集権型IDではなく、分散型の仕組みが必要
その条件として
1.クラウドの導入
2.ブロックチェーンの導入
3.開かれた社会の創設
4.政府の信頼獲得 P245ー246
4.砂の女
安部公房/著
出版者 新潮社 2003.3
久しぶりに読み返しました。あらすじは、要らない
でしょう。
今回特に印象深かったのは、
住居の下にある水を保持することを発見し、「溜水
装置」を創作改良しつつあり、生きがいを感じ始めて
いること。
そのため、蟻地獄である住まいからの脱出を引き延ば
しにするほど。
つまり「底辺」と思える世界にも、そこに生きがいを
見つけ、だんだん外の世界に見向きもしなくなるのは、
自分自身も含めて、なんか暗示していますね。
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