中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦前の中高年がざっくばらんに書きつける日記

経済を読む力(読書感想文もどき)大前研一さんの見解です。アップデイトされています。

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お金について悩んでいるイメージ


 経済を読む力 

2020年代」を生き抜く新常識

著者       大前研一/著  

出版者    小学館 2019.12

  世界的経営コンサルタント大前研一さんの最近の新書です。

経済に関する27のテーマについて、彼独特の新たな視点と問題の

読み解き方を、質問に答えるかたちで提示しています。

今回は目次別列挙でなく、各テーマに抜粋を埋め込むスタイルと

します。

  「はじめに」

ケインズ理論は、閉鎖経済を前提としている
ボーダレス経済では、ケインズ理論金利とマネーサプライに
対する常識は通用しない   P21
 
第一部
新聞ではわからない「株価と為替と景気」の新常識
 「円高耐性」をつけた日本は、経済全体で見れば円高円安も怖く
ない。  P37
 
ハイパーインフレへの備えは、
①資源国通貨によるタンス預金
②金または金に準ずるコモディティ
③稼ぐ力の取得        P44
 
公的マネーによって買い支えられているが、今後の成長を見込める
企業が少ないため、株価が上がらない。  P53
 
1800兆円の個人金融資産が消費に向かうようにすることがら日本の
経済政策の基本。
「心理経済学」こそが、いま求められている成長戦略の要  P62
 
「元気なうちにお金を使って人生を楽しもう」という心理にして
"死に金"をマーケットに出てくるように仕向けるのが、真の景気
刺激策   P69
 
GDPが目標になり得ない時代だからこそ、個人個人の付加価値
=「稼ぐ力」が重要    P76
 
五輪景気で沸くのは、インフラ投資が功を奏する新興国だけ
ロンドン五輪2012年も、リオデジャネイロ五輪2016年も、景気が
良くなるどころか、五輪後は大きく落ち込んだ    P84
 
中国人による日本の不動産投資は減少し、価格は下落傾向。
ミニバブル崩壊後が不動産購入の狙い目。    P86
 
年金の"流入量"を増やすには、移民を増やすか、制度そのもの
を変えるしかない。   P95
 
成熟国家の実情に合わせた制度改革とは
所得税法人税相続税贈与税の廃止とセットで
「資産税」の導入    P102
 
第2部
新しい「世界経済」と「日本経済」への視点
自国第一主義の蔓延や神風ドローンの脅威は、世界を再び「協調」
へと向かわせる。    P113
 
(米国大統領、ドナルド・トランプ氏を評して)
実は彼はビジネスの知識がなく、勘だけで売ったり買ったりして
運よく生き残ってきた不動産事業者でしかない。  P114
 
アメリカの「プア・ホワイト」は国内での競争に負けた人々。
彼らを救済するには、巨大IT企業に応分の負担をさせる必要が
ある。 P120
 
対中貿易赤字は、アメリカ企業の自主的行動の結果であり、報復
関税や輸入禁止をしても困るのはアメリカだ。   P127
 
今の韓国は、イノベーションが起こりにくい硬直した社会構造
であることに加え、自分たちの抱える問題をすべて日本のせいにし
てきたメンタリティを変えなければ、「中進国のジレンマ」から抜
け出すのは、難しい   P138
 
ジョンソン首相がブレクジットを強行したら、連合王国は分裂に向
かう。
イングランドだけがEUから離脱する”イングランド・アローン”
現実となるだろう。  P144
 
 誰かが所有しているモノや空間を複数の人間で共有する「シェア
エコノミー」や、空いているモノや空間を活用する「アイドルエコ
ノミー」は新ビジネスの主流になる。 P159 
 
著者が考えるフィンテックの「4つの原理」
➀価値があるものは何でも貨幣と置き換えて考えられる。
②価値は時間の関数である。
スマホセントトリックのエコシステム(スマホ中心の生態系)
を使えばほぼ瞬時に、世界中のどことでも誰とでも取引するこ
とができる。
④以上の3つの原理を実行するために必要な”信用”を(サイバー
空間で)提供するものが、国家や金融機関に取って代わる。
 P163
 
貨幣に依存しないスマの経済は、銀行などの従来の金融機関の
業務を侵食していく。
ICカード電子マネーに互換性を持たせて「人の動き」につなげ
れば、ビジネスチャンスは拡大する。   P171
 
自動運転の無人タクシーが、交通委インフラを根本から変えて
いくだろう       P180
 
第3部
2020年代」のための成長戦略 
超高齢社会や人口減は、ビジネスにとってマイナス要因だけでは
ない。
「空きリソース(=アイドル)」を活用すれば”商い無限”となる。
 P194
 
”新たな日本”を発見してもらうために、観光ルートや体験スポット
などの情報発信を促しつつ、宿泊施設や移動手段、飲食店などの
受け入れ態勢を整備・充実させていくべきだ。   P202
 
単純労働や定型業務の場合は、残業時間規制が必要だ。
しかし、クリエイティブなして仕事は時間で測れない。
それを時間で縛るような規制は、亡国への一歩となる。 P211
 
政府の働き方改革には”面従腹背”で、AIツールを活用して人材を
クリエイティブな非定型業務に集中した企業とAIに置き換えれない
スキルを身に着けた個人がシンギュラリティ時代の勝者となるのだ。
間接業務の生産性改革が特に遅れた日本では、この目線で先行した
企業と個人に大きなチャンスが待っている。  P217
 
政府の「望ましい電源構成」は絵に描いた餅。
速やかにロシアからのエネルギー輸入や電力消費の30%削減に
取り組むべきである。   P224
 
容積率建蔽率を緩和すれば、建物の床面積は飛躍的に拡大し、
莫大な「富」が生まれる。  P236
 
”資産を家族でなく国家に相続する”というコンセプトで、富裕層
から国への「資産寄付制度」を創設する。  P242
 
北方領土問題は、もっと大局的な視点で考えるべき。
ロシアとの関係強化により得られる経済的メリットは計り知れ
ないほど大きい。  P252
 
まとめ
大前研一さんの著書も、一通り読んでいますが、このブログで取り
上げるのは、はじめてです。
昔読んだ「世界が見える日本が見える」をふと思い出し、調べてい
たら文庫本で1989年とありました。
もう四半世紀以上前なんですね。
彼は未だ、現役バリバリ、さすがです。
容積率緩和とか、資産課税とか、当時からの一貫した主張も、盛り込
まれていますが、フィンテック、シェアエコノミーはじめ、当然アッ
プデイトされています。
今回も、一つの考え方の整理となりました。 
 

文字情報から、音と映像の情報へシフト 勝ち抜くには、やはりコンテンツか

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ネット動画配信のイメージ

1.人間は変わらない

昨年12月14日に

人間は変わらない、ただし、道具はどんどん変わっていく

という話を書いています。

情報収集が活字から動画へ、道具は変わる、人間は変わらない(大昔から) - 中高年michiのサバイバル日記

少し長めの要約をしますと、

➀人間は、楽を好む怠惰な性格があり、自分で情報を取りに行くの

は、めんどう。

これは、ずっと変わっていない。

しかし退屈を嫌い自分を興奮させる刺激が欲しいので、テレビが

典型の文字情報から映像情報へのシフトが進む、ということ。

 ②ますます情報の映像化は進む

事例として

日本人が総報道カメラマン、②「アラブの春」、③SNS隆盛、

④次世代移動通信5Gを上げました。

なお、 ⑤テレビはなくならない。なぜなら

テレビからは、勝手に情報が流れ一定の刺激を受け、退屈しない

から。

2.音と映像の情報へシフト再論

(1)本日の結論

本日の話も、基本は上記と同じ、少し加えて、

・技術革新より、インターネット通じた動画配信がますます隆盛

 となり、情報ツールとしてテレビと双璧になる。

・テレビが大きく縮小するのではなく、相対的に文字情報が、

 縮小していくのでは。

・小説、新聞、雑誌、ブログといった文字情報は、受け手の情報

 量としては、ピークアウトしたのではないか。

ということ。

(2)退屈が怖い

 当たり前のことですが、人間は楽を求めます。

 もちろん生存リスクが脅かされるのが一番怖い。死ぬのはイヤ。

飢餓、傷病、戦争、権力による抑圧等々、古今東西の歴史が示

しています。

上記はとても怖いが、それがある程度緩和され、生活の充足度が

高まると、次に来る「怖いもの」は退屈ではないでしょうか。

 退屈しのぎの王道、主役はテレビです。

長らく、不動の地位を維持していると思います。

(3)技術革新

  映画産業からテレビが取って代わったのは、やはり技術革新に

よる、 コストパフォーマンス、でしょう。

 テレビは、消費者にとっては、非常に低いコストで、広範囲な

情報を 映像と音という、主体的でなくても、楽な手段で情報が

取れるツール。

やはり、楽な退屈しのぎの、王様。

昔、ハリーポッターの映画を見ましたが、新聞の文字が動画

となり話もしてくれるシーンがありました。

まさに、近未来の映像のイメージですね。

 (4)新たな技術革新

  次世代構想通信5Gの影響は出てくるでしょう

近未来では格段に計算能力向上した量子コンピュータを搭載

した人工知能が、どんどん動画情報を作るかもしれません。

 情報発信者も、現在の文字ブログに代表される、企業や個人に

よる旧来型マスメディア市場への参入に見られるように

(すでに一部でスタートしていますが)、音と映像を駆使する

世界への参入も広がっていくでしょう。

収益求めて、生き残っていくには、音と映像の世界が主戦場と

なっていくと思います。

(5)誤解なきよう

補足します。文字情報はなくならない、と思います。

ビジュアルでは、伝達不可能な情報もあるし、文字の方を好む場合

もあります。

「古典」として生き延びている文字情報が、簡単に消え去ることは

ありません。

ただし、情報量の割合は減ってくると推測します。

要するに、小説や、新聞、文字のブログを読む人の割合が減り、

映像と音から情報を入れる人の割合が増えてくる、と言いたい

わけです。

  3.まとめ

今日の話も、これといった新規性はなく

ビジュアル情報のニーズはますます拡大するだろう、という当たり前のこと。

しかも消費者ニーズは個別化、多様化、高度化していくでしょう。

情報提供ツールは、テレビ番組に代表されるマスメディアだろうが、

「マスでない企業や個人」がインターネット中心の動画サイトだろ

うが、どれでも構わない。

情報発信者は、消費者ニーズを捉え、もしくは消費者ニーズを

創造し、相手を退屈させない、より高品質なコンテンツを作って

いかないと、淘汰されてしまいそうですね。 

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量子論の基礎的理解へ 整理メモ 最後は量子コンピュータ

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量子論をイメージしたいのですが・・・

1.長い長い前置き

(1)量子コンピュータについて2つばかり、ブログを書いています。

昨年10月29日に、下記

量子コンピュータ、何がどうすごいの? 2進法を超えた「重ね合わせ」ができる? - 中高年michiのサバイバル日記

今年2月8日に下記

量子コンピュータ再論 計算機の進歩ではなく、社会に創造的破壊をもたらす可能性? - 中高年michiのサバイバル日記

しかしながら、どうも腑に落ちない、全容が理解できていないのは

事実です。

今回、知識の整理めざし下記にトライ。

量子論のすべてがわかる本         決定版

著者       科学雑学研究倶楽部/編  

出版者    学研プラス 2019.11

「不思議でロマンあふれる量子論の世界を、わかりやすく解説」と

いう触れ込みです。

時間をかけで、読み直してみたものの、結局、全部腑に落ちるとこ

ろまでには至らず、といったところ。

書籍紹介の「読書感想文もどき」ではなく、私の理解のための整理

メモとして「社会」の分類とします。

 (2)感じたこと

キリスト教的世界観から近代科学的世界観に、考え方が移行できた
ものの、なんだか不安、という近代・現代人が感じたものと、同じ
感覚を、私が今感じているのかもしれません。
「ああそうですか、そういう考え方もあるのですね」が正直ベース
「Aとも言えるし、Bとも言える」とか「二ヶ所に同時に存在して
いる」と言われても、
古典力学の世界離れると、感覚的に受け付けない、ところです。
そういうものだ、と丸ごと、受け入れること、が必要なんでしょう。
視点変えると、なんでPC動くの、スマホ動くのと同じ、そういう
ものだ、と受け入れるいいとこ取りで納得しようと思います。
 
2.量子論の世界
常識の通用しない世界
(1)光の正体は「波でもあるし、粒子でもある。」
  一個の光の「粒子」が「波」としてふるまうことがある。 P23
 (2) 電子は坂ざまな場所に、同時に存在する
 確率的に重ね合わされている   P25
 
現在の物理学を切り開いた二つの理論が量子論相対性理論  P27
 
3.確立された量子力学の理解
電子の位置と運動量の、両者の不確かさを同時になくす(ある程度
以上小さくする)のは不可能である
(量子世界に特有のルール、不確定性原理の説明) P122
 
いわば不確定性原理は、古典力学の世界と量子力学の世界を分
けるものでした。   P123
 
波動関数の確率解釈と不確定性原理は、「すべての物理学で記
述しうる」という考えを否定し「ラプラスの悪魔」の予言が不
可能であることをあばきだした。   P123
 
人間の行為にかかわらず、ミクロの世界には不確定性原理が存在
しているとされます。   P125
 
コペンハーゲン解釈では、電子がさまざまな場所にいる状態が、
重ねて合わさっていると考えます。  P128
 
量子論的にいって、エネルギーがゼロになることはありえません。
P134
 
真空の中で無数の粒子と反粒子が生成と消滅を繰り返している
ことを、真空のゆらぎといいます。  P135
 
すべてを場の振動へと還元する場の量子論は根本的で本質的な
理解である。
「波とは何か」「粒子とは何か」という根本的な問題を、「場の
振動である」というひとつの答えで解決しているから。 P145 
 
4.量子論の更なる飛躍
多世界解釈(エヴェレット解釈)では
「電子が場所Aにいる世界」「電子が場所Bにいる世界「電子が場所
Cにいる世界」・・・・が、分岐して重ね合わさっている。
なお、「分岐した世界どおしは、互いに完全に孤立する」とのこと。
 P155
 
5. 量子論と宇宙
南部陽一郎の提唱した「対称性の自発的な破れ」の理論が新しい
理論の創設に貢献
・インフレーション宇宙モデル
・「物質はなぜ質量をもつか」を説明するヒックス粒子
 P191-P199
 
宇宙にはたらくすべての力(相互作用)を統一的に説明できる
万物の理論として「ひも理論(超弦原理論)」が有力候補 P207
 
超ひも理論が成立するには、9次元の空間と1次元の時間、合わせて
10次元の時空が必要     P210

6.量子論が生み出す最新技術
量子ビットを用いる量子コンピュータは、複数の組み合わせを
同時進行で処理できるようになると考えられます。
同時に行える計算の数は天文学的なものになり、現在のスーパー
コンピュータを大きく凌駕するといいます。   P223
 
量子テレポーションについて
離れていても、ふたつの粒子は「セットで性質が決まる」ように、
なぜかなっている。
日常的常識からかけ離れた話の多い量子論の中でも、飛び切り奇妙
な現象のひとつ。
P225
 
以上です。お付き合いいただき、ありがとうございました。
 

世にも美しき数学者たちの日常(読書感想文もどき) 私でも美しそうなのは、なんとなく解る

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数学も数学者も美しい

世にも美しき数学者たちの日常 

二宮敦人/著  

出版者    幻冬舎 2019.4

 1.概要

 黒川信重、加藤文元など日本を代表する7人の数学者と、4人の数学

マニアに取材し、その未知なる世界に触れています。

それぞれの個性を、軽妙なタッチでよく表現していると思います。

実は、この本は昨年度読んでいて、おもしろかった記憶はあるのです

が、先日このブログで紹介したIUT理論を解説した「宇宙と宇宙を

つなぐ数学」著者、加藤文元氏(東工大教授)が、取材を受ける立場

と、改めて知りました。

私のブログで紹介してみようと、再読したもの。

それぞれの、考え方、強い個性が面白いです。

 

2.目次

美しき数学者たち  その1

1.数学者に初めて出会った日

2.問題を解くことでなく、作ることが大事

3.数学について勉強することは、人間について勉強すること

4.芸術家に近いかもしれない

 在野の研究者たち

 5.日常と数学、二つの世界

6.お笑いのネタが、真理に届く

7.ここまで好きになるとは思ってなかった

美しき数学者たち  その2

 8.数学は嫌いになるはずがない、自分そのものなんだから

9.ちょっと、修行みたいなところがあります

10.『数学とはこれである』と線引きをしてはいけないんじゃ

  ないかな

11.頑張っても、そこには何もなかった

12.世にも美しき数学者たちの日常

 

3.ピックアップ

下手な私の補足やコメントはいらないと思います。

「 」の部分は、取材対象の数学者、数学マニアの発言。

「 」でない部分は、著者のコメントです。

太字・赤字は私の編集。

 

「京大の望月真一先生がABC予想というものを解いたと騒ぎに
なったんですが、これもずっと審査が続きていますね
どれくらいの期間になるんですか
もう5年になりますね」   P15
 
数式に人柄がでるんですか?
「はい、でますよ。たとえばリーマンの数式はちょっと
暗くて、内向的なんですね。対してオイラーなんかは明るくて
、自信がにじみ出ているんです。」   P23
 
「数学はある意味で、のんびり考えて楽しむものなんですよ。
三時間が与えられて、その中で五問解くとか、点数で競争するとか、
そういうのは数学の本来の趣旨ではないんです。
難しい問題だと、五年とか十年とかの時間じゃ、どうしようもない
こともある。
だから人生設計なんかと同じで、十年くらい回り道をしてもいい
わけです」   P38
 
「数学はお金がかかる学問です」 
もちろん工学系のように実験器具を買うということはありません
、お金かからないわけでもない。
実は旅費がかかるんです。
どこかに行くでもよし、来てもらうでもよし、いろんな人に頻繁に
会うということが数学ではとても大事なんです」   P46
 
数学を通して、大昔の数学者が挑んだ決闘に思いをはせることもでき
るし、一人では扱いきれない概念を、世界中の人とディスカッション
することもできる。
数学は、言語も国も時間すら飛び越えて人間と人間をつなぐ、世界に
開いた扉でもあるのだ。   P63
 
 「解けたこと自体はそんなに重要じゃないんですよ。
(中略)それより解くために僕が新しく作った理論のほうが重要で、
これが別の数学に役に立つ。そこが評価されるんです。」  P86
 
「やっぱり、数学はどんなレベルの人でも楽しめるからだと思い
ます。僕は僕で、すごく数学を楽しんでいるので」 
「しかもどのレベルの人も、『難しい』って言っていると思います。
みんなそれぞれのレベルで『難しい』し、『数学、わからない』
思っているはずです。
『数学わかる』って人がいたら、その人は多分解っていないと思
ますね。
ある意味みんな、同じ土俵に立っているんです。」    P151
(学者でなく「在野研究者たち」と銘打った数学教室講師の発言)
 
「実験室とか研究室とかいうと、”外にあるもの”だと思いますよね。
 でも数学という学問では、頭の中に実験室があるんです。
他の学問と比べても、内側への意識が強い、自分の中に向かわざる
を得ない。
人付き合いが悪い、と言われても致し方無いところがあるんです
よね。
だから時々変わった人はいます。」    P174
 
「直観とかひらめきだとか。そういうもんがないと数学はできない
んですね。もちろんそういうものを兼ね備えたコンピュータが、
後出てこないとは限らないけれど。
すくなくとも数学は、同じやり方をずっと続けるだけで進むもの
じゃない。
だからある意味では、どこまでやってもまだできるかもしれない、
そういうより、可能性があるわけですね。」 P216
 
自分の能力の範囲で、できることをやり続ける。
数学に限らず、人が生きるということはそういうことなのかも
しれない。   P227
 
「数学というのは、演繹的に積み上げていった結果『ここに何か
あった』という感じではないんです。
まず『ここだな』という。
そして『そこに行くには、こうだ』と、ピョンとアイデアだけで
わかっちゃう、みたいな」  P254
 
「僕はね、古典の数学を復原したいんですよ。つまり岡先生のよう
な数学ですね。
共感する人がいないかなと思って、古典を翻訳したり、本を書い
たりしているんです。
でも同好の士はなかなか現れないですねえ、、、」 P278
 
「うん。だから、数学というのは一つの言語だと思いますね」
 P289
 
  4.最後に感想
前回の(読書感想文もどき)の数学者加藤文元さんの「IUT理論」
の解説とは違います。
数学者とは、こんなもんだろう、イヤちょっと違うぞと、いろんな
意見が出てきそう。
一層読みやすい文体で、自分が知らない世界を知る、読書のひとつ
醍醐味でした。
  
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挑戦を続けます、いつまでも 「薩摩の教え、男の順序」から

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いくつになつても挑戦者
1.鹿児島と私
私の出身は、九州の真ん中あたりの盆地、熊本県の南です。
熊本県といえば、熊本城であり、加藤清正でしょうが、
私のところは、地理的に近い鹿児島県の方に親近感があります。
憧れは加藤清正に代表される戦国武将でなく、明治維新前後の
薩摩隼人群像です。
実際子供の頃に、親戚等に遠出に連れて行ってもらうのは、
鹿児島や宮崎の方が多かった気がします。
別件ですが、私は以前から大久保利通のファンです。
(あれ、西郷でないの?批判は覚悟の上、ひとそれぞれですから)
私は割と歴史は好きな方で、いわいる世界史含めかなり冷静に、
古代から現代まである程度把握しているつもりです。
しかしながら、歴史認識と「ファン意識」はべつもの。
詳細書きませんが、「大久保利通の目的意識の強さへの憧れ」と
いったところでしょうか。
 
2.薩摩の教え、男の順序
さて、有名な「薩摩の教え、男の順序」の5段階評価ですが、
再度記載しますと

1、何かに挑戦し、成功した者

2、何かに挑戦し、失敗した者

3、自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者

4、何もしなかった者

5、何もせず批判だけしている者

 解説記事は、ヤマ程ありますし、5段階評価そのものも、理解に難渋

する というわけでもないでしょうから、ここでは簡潔に。

1.に関して

  「本当の成功というのは、継続して結果が出ている状態のこと。」

  という、厳しいですが、正確な評価でしょう

  つまり、単発での成功ではなく、成功し続けているという意味

 2.に関して

 新しいことに挑戦したときに、失敗するのが当たり前

  大事なことは、失敗を恐れず挑戦すること。

  通常、ほとんどの人は、傍観者になって挑戦しようとしないので、

 失敗したとしても、挑戦すること自体、大いに評価すべきだ。

 3.も良く解ります。

自分が直接挑戦しなかったとしても、

他者のチャレンジを支援することは、評価に値すると言える

 

3.私の場合
実体験や、個人の感想を書くのがブログのブログたるゆえんでしょう。
(1)振り返り
自分のことは、贔屓目解釈ですが「2」でしょうか。
挑戦する場合、自分なりに勝算があってのことですが、
甘い前提であったり、想定外のことが起こったり、様々な要因が複雑に
絡みあって結果が生まれるのでしょう。
今振り返っても、単一要因とは思えないことばかりです。
2の一般的なコメントで書いたように、
一時的に結果が出たことも、ありましたが継続して、結果が出て
いないという意味で「何かに挑戦し、成功したもの」とは言えない、
ことでしょう。
(2)第二の人生
客観的に、年齢からすると、「第二の人生」でしょうか。
しかしながら、私の場合「楽隠居」「悠々自適の余生」というわけ
ではありません。
頑張ろう、といっても前途は多難、覚悟しています。
周りと競争、グルーバルな競争、AIとの競争、エトセトラ
「負ける理由」を探したら、枚挙にいとまなし。
までよ、でもこれって、いまの私だけが直面している問題ではありません。
有史以来ずっと当事者・本人にとっては、大変な由々しき問題のはず。
皆、同じように、苦悩してきたのでは?
(3)健康寿命まで
さすがに、健康寿命を超えて、頭脳、心身が全く機能しなくなったら、
さすがに白旗ですが、まだまだ、時間はあります。
挑戦し続けなければならない、と思っています。
際がは、いつものセリフ
「これからの貴方の人生で、今の貴方が一番若い」
とはいえ、残された時間は有限です。
ゆっくり、急げ。
 
 

今週のお題「大切な人へ」対象は家族 そして自分がやるべきこと

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家族のイメージ 妻、子供、父母


今週のお題「大切な人へ」少しコメントします。

今回も重いテーマになりそうです

1. 対象となる大切な人
(1)まずは妻
 よくぞここまでお互い生き抜いてきたな、というのが正直な感想。
 彼女には、「感謝」ですね。
 敬愛する、ある先輩は、私より10歳以上年上ですが、「妻は戦友」
と言っていました。
 私は戦友感覚とは、ちょっと違います。
別におしどり夫婦というわけでありません。
いろんな波風は、過去にもあり、現在も波風は吹いています。
また「共通の趣味がある友人」感覚とも、違います。
妻に「怒られる」ことはよくあります。
問題山積ながら、日々を何とかやり過ごしている。これが日常で
しょう。
一言でいうと、やはり「感謝」でしょうか
(2) 次に子供
 このブログでも、何度か書いていま須賀、私には子供が二人、
いずれも男性です。
 本人と、子供を取り巻くすべての環境とまずは感謝です。
 というのは、生まれてか成人するまで精神的肉体的にも、普通と
いう範疇です。
大病、大事故、皆無とは言わないがちゃんと生きています。
少なくとも現在までテロや戦争、政治圧力の犠牲になっていません。
これって、歴史を振り返りまた現在の世界を見ても決して「普通」
ではないでしょう。まずは、「感謝」です。
母親との関係はともかく、私との関係は精神的に親離れ子離れは、
もう済んでいます。
いよいよ経済的に自立してほしい、と望むところ。
親として、一先輩として、彼らを応援しています。
 (3)そして親
私の実父母は、健在です。とはいえ二人とも高齢、80歳代後半で
心身ともに「健康」という状態では、当然ありえません。
よくある老人の典型ではあります。
こちらも、今湧いてくる感情は「感謝」です。
「経済的に心配するな、私が面倒をみる」、とは言えないのが
苦しい限り、です。
 (4)脱線
友人知人、書籍の中の人は、知的解釈だけでなく、感謝、負い目
、憧れ、色々な感情渦巻きます。
大切な人と書くには、誤認招いたり、僭越であったりするので、
今回は割愛 します。
 
2.私がやるべきこと
お題は「大切な人へ」ですから、主語は私となります。
つまり、大切な人に、私が何を思い、何をやるかということです
(1)妻には、継続して経済基盤の維持です。
このブログでも、何度か触れていますが、
経済基盤の維持は大変、必死でもがいています。
私が、闘える間中は、戦っていくことになります。
(2)2人の子供には、今後は社会人の先輩としてのエールです。 
とにかく、自力で生きていくことを、応援しています。
(3)親に対しては、なんとか経済支援ができるようにすること。
親の身の回りは実姉妹に依拠しています。
大変感謝しています。
また、近くに巣も親戚(父の実弟)にも、日々大変世話になって
います 。
 
 3.まとめ
何らの新規性もない文章です。
このお題で、読者をあっと言わせることは、私には、できません。
平平凡々の中に、真理がありそうな気がします。
今日は、短めの文章となりました。
  
 

宇宙と宇宙をつなぐ数学(読書感想文もどき)悲しかなIUT理論は私は消化不良でした

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IUT理論が十分理解できない

宇宙と宇宙をつなぐ数学

IUT理論の衝撃

並列タイトル       Mathematics that bridges universes:

The shock of IUT theory

著者       加藤文元/著  

出版者    KADOKAWA 2019.4

 1.概要

 いろんな書評をみてみると、

「  フェルマーの最終定理ポアンカレ予想などに続く数学の超難問

ABC予想」。

日本人数学者望月新一教授が、この予想を解決に導く「IUT理論」

を公開する。

この望月教授と議論と親交を重ねてきた数学者加藤文元教授が、

理論の斬新さと独創性、その核心をわかりやすく伝える。」

とあります。

著者の加藤さんが「わかりやすく」解説してくれた、と思いますが、

私の頭で充分理解できたかどうか?

オマエの頭の中は、冒頭イラストの、とおりだろう。

本来「敗戦記」での紹介でないの?

と言われてしまえば、その通りかもしれませんが、長めの「ピック

アップ」含めて、書いてみます。 

  2.目次

第1章 IUTショック

第2章 数学者の仕事

第3章 宇宙際幾何学

第4章 たし算とかけ算

第5章 パズルのピース

第6章 対称性通信

第7章 「行為」の計算

第8章 伝達・復元・ひずみ

 

3.ピックアップ

(IUT理論とは、一言で言うと・・・・と、以下望月さん本人の言葉ですが、

私はまず面食らってしまいます。)

自然数」と呼ばれる「普通の数」の足し算と掛け算からなる「環」

と呼ばれる複雑な構造をした数学的対象に対して、その足し算と掛け

という「二つの自由度=次元」を引き離して解体し、解体する前の

足し算と掛け算の複雑な絡まり合いの主だった定性的な性質を、一種

の数学的な顕微鏡のように、「脳の肉眼」でも直観的に捉えやすくな

るように組み立て直す数学的な装置のようなものです。

P7

(本社を通読したあと、再度読み直しても、悲しいかな私の能力では、

未だ、すっと理解できていない)

 

なぜ、数式や数学記号に強いはずの数学者が圧倒されてしまうので

しょうか?
それは、繰り返しになりますが、要するに「慣れ」ていないから。
P29
 
数学者にとって「正しい」ということは「証明が存在している」
いうこと。
その証明には、いかなる論理の飛躍があってはならない。  P40
 
 IUT理論は、一般的な数学のパラダイムの枠内では語れない、
まったく新しいフレームワークと言語・概念体系を基盤にして
構築されている。  P51
 
数学は決して「完成された学問」ではない。
代数学といえども、それは決して完璧なものではなく、常に
新しいたらしい発展に対して開かれている。     P56
 
数学の論文にとって大事なこと 3つ
新しい、正しい、興味深い         P66
 
(数学は役に立つか?に対する著者加藤さんのお見解)
これほど価値観が多様化し、数学の「使われ方」も多様化して
しまった現代にあっては、もはやどんな数学でも、それが「役に
立つ」のは当たり前としか言いようがないし、それを疑うのは、
もはや無意味になってきている      P84
 
現代ほどに価値観が多様化し、科学技術が成熟し洗練されている
社会にあっては、もはや(昔風の言い方では)「使えない」数学を
指摘することすら困難です。  
望月教授の、宇宙際対比ミュラー理論ですら、将来何らかの応用に
供されることだって十分にあり得ます。   P95
  
(理論構築に必要な)「自然な方向性」を手に入れる手段 2つ
➀啓示、ひらめき
②「アナロジー(類似)」  P130
 
ABC予想の証明には失敗しても、IUT理論を残すことが重要  P151
 
(「予想」とは何か?)
「正しさが留保されている定理」が「予想」     P153
 
 19世紀の天才数学者リーマンの
リーマン予想」は、未解決、解決の糸口もつかめていない
(とのことです。)  P168
 
IUT理論がどのくらい革命的な射程をもった理論なのかということ、
それが数学の世界に革命を起こそうとしていること、
要するに、それが目指すことがどのくらい「凄いこと」なのかと
いうことを、読書の皆さんにわかりやすく示すことが、この本の
もっとも大事な使命     P173
 
2種類の数学があり、
「学校で教わるる数学は」 完成図のあるジグゾーパズル
「研究における数学は」 完成図のないジグゾーパズル P178
 

(第6章 対称性通信   第7章 「行為」の計算からのピックアップ

は割愛)

 

(IUT理論の特徴の説明)

➀異なる数学の舞台を想定することで、欲しい状況を、まずは
同語反復的に」作り出す。
②舞台間の限られた通信手段を用いて、計算方法を伝達する。
③「対称性通信」によって生じた「不定性・ひずみ」を、定量的に
評価することで、不等式を導く。  P291
 
従来の数学は、単一の舞台で、ものごとを実行する。
IUT理論は複数の舞台で作業することで、それまでになかった柔軟
な状況、つまり、従来の数学の視点からは「非常識な」柔軟性を
手に入れる        P292
 
4.感想

ページ数自体は、300ページ弱、そんなに多いとは思えません。

著者は、解りやすく書いてもらっていると思います。

しかし、私が悪戦苦闘、普段の読書より相当時間がかかったたのは、

もちろんその内容です。

ある程度の地理感があるというか、書いてあることの7割から8割を

既に理解し知っていて、新規発見が2から3割くらいが、読みやすし、

面白いと思います。

これが、すでに知っていることが9割以上となると、あまり面白み

は・・

逆に、前提の素養がない、話の全体が半分も事前に理解していない、

ことには、苦労するものです。

本書は、当然、こちら後者です。

フェルマーの最終定理なのか、ポアンカレ予想なのか、忘れてしま

いましたが、ある人が証明したと主張し、その「証明」が正しいか

否かを判断できる学者が世界中に30~.40人ほどしかなく、しかも

検証に数ケ月かかる、という話を読んだのを、思い出しました。

人は誰しも、自分に無いものへの憧れがあり、私の場合、「知性への憧れ」はその一つ。

しかも、あまりに自分からかけ離れると、「憧れ」を通り越して

「笑ってしまいたくなる」のですが、上記のケースはそうです。

全く別件です。

ある知人のお父さんは、90歳代前半で亡くなる直前まで、病

院のベッドの上で趣味として数学の問題を解いていました。

知的好奇心に敬服です。