中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

虫とゴリラ(読書感想文もどき)人間以外の自然とも感動を分かち合う生き方を求める、ですね

虫とゴリラ

養老孟司/著  山極寿一/著  

出版者    毎日新聞出版 2020.4

1.概要

人間以外の自然とも感動を分かち合う生き方を求めていけば、崩壊

の危機にある地球も、ディストピアに陥りかけている人類も救うこ

とができる、という趣旨でした。

解剖学者養老さんと霊長類学者山極さんが、日本の未来像を語ります。

養老さんも、山極さんも経歴コメントはいらないでしょう。

山極さんは、この私のこのブログで取り上げるのが、確か3冊目かと

思います。

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今回ゴリラは登場せず、「虫」としました。

 2.本文からの抜粋 

この対談では、虫が見る世界とサルが見る世界をもとに、人間の世

界をもう一度、眺めなおしてみたいですね。  P7

  

自然が変わってきたのは、虫を見ているとよくわかります。虫と

いうのは、いろいろなことのサインになる。象徴になるんですよね。

P23

 

(山極)

日本人は明治以降、西洋の形だけ真似て,技術だけを真似て、

それでも「和魂洋才」って言って、和魂は残してきたと思うのです。

それが戦後、空っぽになっちゃって・・・

(養老)

その「和魂」って言われるものはね、みんな「精神的なもの」だと

思っているんだけど、そうじゃなくて、たぶん「世間の干渉」だと

思うんです。

世間の暗黙のルールっていうのが、非常に日本は強かったので、

それが戦後、壊れたんですよ。  P37

 

 科学は、やること、手段が決まられていて、「行く先がわからない」

宗教は行く先を決めるが「どうやったら」行けるのかわからない。

そこいら辺が人間の持つ矛盾。  P65 

 

(ハラリの「認知革命」に対して)

人間がゴリラやチンパンジーの生息域から離れて、新しい土地へ

旅立とうとするとき、ゴリラやチンパンジーが持ちえない、好奇心

が芽生えたと思っているんです。未知の場所には、いいことがある

んじゃないかって。 P66

 

他人に生命を委ねることによって、人間は他紙はとの信頼関係を

築いてきた。これが人間と、類人猿、ゴリラやチンパンジーとの、

大きくたもとを分かつ部分でした。  P69

 

アメリカって徹底的にいろんな背景の人が集まってきて、州議会

でなく連邦議会になったら、そこで通用することは「普遍的な理性」

だけですよ。だから、アメリカはコンピュータが発達するんでしょう。

理性を突き詰めるとコンピュータになるわけだから。 P112

 

 縁側というのは、内でもあり外でもある場所、あるいはどちらでも

ない場所、そういう領域が我々の思想の中に、常にあるわけですね。

日本の自然にも里山があって、これはハレでもケでもない、動物も

入ってくれば人間も使う。そういう場所が必ずある。どういう意味

かというと「両方肯定していこう」って話なんですね。  P158

 

外国の映画を観いていると、それぞれの文化に、考え方の「型」

みたいなものがあるのかなって、思う時がありますね。 P174

 

奇跡ぐらい、日本人が理解しづらいものはない。ところが、キリ

スト教の勘どころ、核心は奇跡ですからね、結局。  P176

 

墓っていうのは、農耕民族主体の考え方なんですよね。狩猟民族、

あるいは遊牧民は、墓を持っていませんからね。今樹木葬みたい

なものも、すごく流行っていますよね。しかもね、先祖代々の墓

を守り切れなくなっているんですよ。 P204

 

今の人間というのは、「過去の人たちが作った問い」の上にある。

あるいは、問いに対する答えが上になる。でもそれは、非常に

抽象化された人間像であって本来の人間という幅の広さからすると、

とても狭いところに立っちゃってるんじゃないか。P210

 

未来社会っていうのは情報が共有できるわけです。流通というのも

自動化すると思いますよ。自動運転もあるし、空中も使えるし、

コストもかからない。だけど、「幸福を作りには「手間暇かけたほ

うがいい」という時代ですよね。」 P221

 

仲間と違うことを前提に共鳴しあうのが幸福だと思えるのに、争い

合いながら均質化の道を歩んでいる。それは人間が歩んできた進化

の道から逸脱し始めているのではないか、というのが僕の抱いた思

である。  P 225

 

人が生まれながらにして持つ感性には生物としての倫理がある。

それを大切にして、人間以外の自然とも感動を分かち合う生き方を

求めていけば、崩壊の危機にある地球も、ディストピアに陥りかけ

ている人類も救うことができる。  P227

 

3.感じたこと

 幸い、話に「ついていけない」部分は、少なかったように思います。

しかしながら、それは私の勝手な思い込みかもかもしれません。

二人の深い教養、それは豊富な実務経験と広範囲な読書から、形成

されるのでしょうが、二人が発する言葉に、同じ土俵で、考え続け

たかと聞かれると、はなはだ、心もとない限り、です。

 
 

今週のお題「好きなおやつ」 非常に空腹な場合は、おにぎりです

1.おやつとお菓子

今週のお題「好きなおやつ」です。

(1)おやつと聞くと、すぐ甘いものを想像しそうですが、

おやつとお菓子は違うそうですね。

おやつとは、「午後3時頃にとる食事(軽食)」のことのようで、

お菓子に限定されてはいない、とのことです。

少しネットで引いてみると

   「おやつ」は時間の単位の一つで、「八つ時」

  (今でいう午後2時から4時頃まで)に相当し、江戸時代は、

  この「御八つ」の時間帯、午後3時ごろにおにぎりや漬物、

  果物など簡単な食事をしていました。

と、あります。 

(2)私は、男にしては「腹持ちがよくない」タイプのようです。

知人の中には、一度にたくさん食べて、10時間でも12時間でも

栄養分を取らない肉食動物のような人もいます。

軍人とか特殊訓練を受けた人ではないようですが・・・

つまり体質が違うようですね。

私の場亜、典型的な雑食サルみたいで、一定時間以上の空腹

に堪えれず、何かおなか入れるようにしています。

そうしないと、気分が悪くなりそうです。

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「好きなおやつ」の一つ、おにぎり。

2.おやつの好み

さて、お題は「好きなおやつ」ということですが、

私の場合、非常に空腹であるか、少々空腹であるかで、対象が

違ってきます。

厄介ですよね。

(1)非常に空腹な時

 おもに、炭水化物。

脂質、たんぱく質は控えています。

糖質は炭水化物が変化したものですが、あまり甘いのは苦手で、

気分が悪くなりそう。

 よって、非常に空腹な時、菓子類は食べません。

 a.家にいる場合は、冷凍庫を漁って、白ご飯をを見つけて、電子

レンジへ。 先日記載した「ふりかけ」(御飯の友)や、のり、

梅干し等が、ご飯のお供になります。

家庭での「のり」は知人から送ってもらった、高級な「のり」

を食べています。

また、いつも、家にあるわけではないですが、「茹でてある

トウモロコシ」 は、とても好みです。

 b.外にいるときは、おにぎり系統が多いです。

おにぎりの好みは、まず「おかか」です。鰹節と醤油の具合

が好きです。他にく買うのは、「辛子明太子」とか「ツナマヨ

ネーズ」でしょうか。

「邪道」かもしれませんが、小さいサイズのカップ麺を食べる

こともあります。

(2)「非常に空腹」とまではいかない時

この場合も、あまり甘いものは、好みません。

チーズや塩味のクラッカーをかじること、もあります。

なぜが。せんべいの類は、ほとんど食べません。

「甘い」ですが、バナナはよくたべます。「はら持ち」がいい

です。

そろそろ菓子類の紹介を、というところでしょうが、せいぜい

チョコレートをすこし。

クッキーも食べますが、やや甘いですよね。

いわいる和菓子、洋菓子系統は、よほどのお付き合いは別として、

食べません。いや、食べ物を「お付き合い」で食べるというのは、

食べ物に対して失礼です。

脱線ですが、「いただきます」は好きな日本語。

食事の際の感謝、「相手の命をいただきます」をいつも感じています。

 

3.おやつの危険

これは、上記 2.(1)「非常に空腹な時」の話。

ついつい食べ過ぎて、しまいます。

胃に食べ物を入れた後、満福中枢神経を刺激するまで、時間がかかる

ことは、頭ではよく知ってはいるのですが、一時の欲望に負けて・・

というわけで、楽しい夕食の鬼門の一つが、「おやつの食べ過ぎ」と

なります。

同じく、会合等でのアルコールの飲みすぎ(実は個人的な飲酒の際ほ

とんど食べものは取りません)は、翌日の朝食の鬼門となります。

 

CMのお気に入り ウイスキーとコーヒーから 人の感性は変わらない

1. 私は、テレビはあんまり見ません。

ニュースや、天気予報を少し見る程度です。

家事をやりながらテレビの「ながら見」というのは、ありません。

昨年の9月から10月は、このブログでラグビーのことをかなり書き

ました。

実は個人的にハイレベルのラグビーが好きで、昨年のワールドカップ

はよくテレビで試合をました。

その後は、あまり見ていません。ドラマ系やショービジネス系は、もと

もと皆無です。

さて、今日書くのは、お気に入りのテレビCMのこと。

今は、スマートフォーンで、いろいろ動画を見ることができて、

便利です。 Youtubeは便利ですよね。

はるか以前のこと、GoogleYoutube買収は、「米国株投資」の観点から、

よく知っていましたが、実際Youtubeをよく見るようになったのは、ずっと

あとでした。

日本の子供のなりたい職業で「ユーチューバー」というのが出てきてから

現実に、よく知った、という顛末。

一部の若者からすれば「化石」や「絶滅危惧種」の範疇かもしれません。

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ラグビーは例外、テレビを見ました。

2.気にいっているCM(コマーシャル) 

(1).サントリーウイスキー シリーズ

まずは、「夜が来る」の音楽が好きです。

銘柄では、サントリーオールドでしょうか。

昔の「トリス」は、世代が少し違いますし、今どきのハイボールや、

ローヤル系の物も、嫌いではないですが、

サントリーオールドのCMは、作品が多い(と私が勝手に思うだけ?)

し、どれも味がある。

話し戻して、テレビCMを追っかけているのではなく、PCやスマホ

検索できます。

具体的にいくつか挙げると、

〇「働いているお父さんが好きですか、遊んでいるお父さんが好き

ですか」のコピーで始まる、シリーズがありました。

〇下記に「娘の相手」をアップしましたが、この男優(すみません、

名前を知りません。)が、主人公のシリーズが気に入っています。

 

www.youtube.com

 

 

2. 缶コーヒーボス 宇宙人ジョーンズ  シリーズ

 私は「飲んべい」であり、ウイスキーや焼酎は、私の生活に欠かせません。

一方、缶コーヒーを買って飲むことは、ありません。

こちらもテレビで知る、というよりPCで遊んでいるうち、たまたま知って

はまってしまった、というもの

〇 トラック運転手の悲哀でしょうか。

等距離トラック運転手が、同窓会出席の話から始まります。

BGMによく合っていて、ぐっとくるものを感じました。

下記に挙げておきます。

〇 同じシリーズで、地方の個人経営すし屋の息子が、後継ぎせず、

飛び出したものの、結局回転ずし店で働いている。そこの父親がお客で

来店するシーンが、あります。

こちらも、お気に入りです。

www.youtube.com

 

3. CMについて、勝手に思うこと

人の感性は、年をとっても、あんまり変わらないと思います。

月日を経て、いろんな体験をし、喜怒哀楽を感じますが、いったん

出来上がった感性は、あまり変わらなくて、「民族性」や「国民性」

と、なりように思います。

CMは、当然ビジネス媒体ですから、購買のターゲットとして狙う層の

「平均的」感性に訴える手法は、変わらないでしょう。

ただし「飽きっぽい」のも、人間の本性ですから、基本軸は変えなくて

表現んいそれこそ「手を変え品を変え」手の創意工夫の勝負となります。

もう一つ、「時代の変化」を感じ取ることは重要。

 

「老舗の味」とは、実は看板商品の味を少しずつ変化させている、つまり。

「品のいい高級和菓子」が、30年前と同じ佐藤の両ンおレシピなら「甘すぎ

て食べられない」ように。

世界がわかる宗教社会学入門(読書感想文もどき) まず基本的なことを網羅的に知ること

世界がわかる宗教社会学入門

著者       橋爪大三郎/〔著〕  

出版者    筑摩書房 2001.6

1.概要

この本は、東京工業大学学部2年生向け「宗教社会学」講義に基づく

そうです。

「それだから」というわけではないですが、どれれもわかりやすい

記述です

人の行動・考え方の多くは宗教に根差しているのだから、世界各国

を理解するための最低限の知識を盛り込んだ宗教社会学の“教科書”と

なっています。

講義形式の10章たて、基礎分野が網羅的に分かります。

1. 宗教社会学とはなにか

2. ユダヤ教とはなにか  契約と律法

3. キリスト教とはなにか  福音と愛の思想

4. 宗教改革とはなにか  ルターとカルヴァン 

5. イスラム教とはなにか ウンマイスラム法 

6. 初期仏教とはなにか  サンガの思想

7. 大乗仏教とはなにか  菩薩・般若・極楽浄土

8. 中国と日本の仏教  仏教の伝播と変容

9. 儒教とはなにか  孔子の思想・朱子学

10. 尊王攘夷とはなにか  山崎闇斎学派と水戸学

再び宗教を考える

 

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神の姿を描かない宗教イメージ



 2.本文からの引用

学生の講義メモや勉強ノートではありません。

著作の骨格を着刺したものでなく、私が事前にあまり知らなくて個別

に「なるほど」と感じたことを、ピックアップしていきます。

悪しからず・・・

 

日本社会はなぜ宗教を拒否するのか、この社会の構造はなぜ宗教に

よって与えられないのかを、他の民族、他の社会と比較するなか

から解明することにほかなりません。日本人が自分たちの社会を自己

理解する、それが、宗教社会学を学ぶ本当の目的です。 P23

 

民衆の間から出てきて権力者に反対する知識人などは、たいていすぐ

殺されてしまうので、社会的に影響を持たないことが多い。ところが

ユダヤ教の場合には、神こそ本当の支配者であるという考え方がある

ので、神の声を聞く預言」を、簡単に殺すことはできない。むしろ、

預言者が王様を批判する。このダイナミズムが、一神教の特徴です。

権力と知識が分離しています。これは近代合理主義にも通じますが、

それが可能になるのが、一神教預言者のシステムなのです。 P41

 

キリスト教にあって、ユダヤ教にない考え方 2つ

1.契約の更改

   キリスト教は、紀元後は、イエス=キリストへの信仰を契約とす

   る時期

   絶対王政をくつがえした近代市民革命も、資本主義社会を打倒す

   る共産主義の革命も、契約の更改から派生した考え方 

2.個人救済の考え方

   ユダヤ教は原則として、救済御単位はユダヤ民族

   人間は自己努力では救われず、神に愛を信仰する「マナイタの上

   の鯉」状態に自分を投げ出すのが、キリスト教徒の在り方 P71-74

 

宗教改革が、プロテスタントを生みました。宗教改革がなければ、アメリ

という国家も、近代社会も生まれなかったでしょう。そして大事なことは、

宗教改革キリスト教、それも西方教会(ローマ教会)に特有な現象である

ということです。  P78

 

ムスリムの構成する人類大の社会が、ウンマイスラム共同体)です。

すなわち、ウンマとは唯一神アッラーを究極の主権者、その使徒預言者

ムハンマドを地上における代理人と認めるムスリムたちの組織する、宗教

共同体です。

ウンマは世界に一つしかありません。  P110

 

日本人は、復活や輪廻を信じてもいないし、現世中心主義に徹するほど

合理的でもないので、なんとなく死後の世界があるような気がしている。

(中略)宗教を信じる世界の人々が、日本人と同じような感覚(死生観)

を持っているだろうと勝手に思い込むのだけはやめましょう。P122

 

仏教は輪廻を前提にしており、輪廻を信じなければ仏教は理解できない

のですが、日本人は信じていません。輪廻を信じるなら、祖先崇拝はあり

えません。仏壇に"先祖の位牌を祀る”のは、仏教でなく道教のやり方です。

P124

 

中国人は、プライドの高い民族で、あまり他国の文明を受け入れることが

ありませんが、(仏教については)インド人の哲学的・抽象的思考能力は

真似のできない優れたものだったので、中国人の受け入れるところとなり

ました。反対に中国からインドに伝わったものが特にないのは歴史の皮肉

です。  P168

 

仏教は哲学であり、思想であり、薬学や建築や美術、天文そのほかの実用

知識だけれども、要するにそれだけと割り切って、現実政治はいままでど

おり儒教で行うこととにします。  P172

 

宗族は、父系血縁集団です。日本にはないので理解しにくいですが、祖先

崇拝を行う数百~数万人規模の集団と考えてください。中国では血縁関係

が強力です。強力過ぎて、それと官僚機構を絶縁するため、科挙や宦官が

導入されました。そのどちらも日本に入りませんでしたが、それは日本に

宗族がないからです。  P198

 

日本では儒教が、実質的な主教に転嫁することが可能になってくる。これが

天皇制と言われるものです。将軍の、さらにその上の主君が天皇だから、

将軍に反乱するという政治的運動を、儒教の名のもとに、行うことができた

のです。 P233

 

ゾロアスター教イスラム教、キリスト教、いずれも火葬を好まない。

前者は火を神聖視するため、後者二者は、最後の審判の観念の関係から。

P239

 

3.最後に

著者の「日本の学生は、宗教についての知識があまりにも不足している。

このまま卒業して外国での生活がとても心配」との見解には同感です。

これは、今の学生だけでなく、私を含む、いわいる戦後教育の時代は、

ずーっとそうであったような気がします。

まかりなりにも、日本が今までなんとかやれているのは、宗教問題に

関して個々人が壁にぶつかったときの泥縄式または付け焼刃式の猛勉強、

苦悩のたまものでしょう

とはいえ、若いうちに網羅的体系的に学ぶ訓練をするのは、とても良い

ことかと思います。

 

それぞれの立場 ちゃんと対応したのに思わぬリアクション 中国王毅さんの事例

1.それぞれの立場

今日は、最近感じた、あたりまえのことを、書きます。

仕事を継続していくうえで誰しもそれぞれの立場があります。

自分の本心でないかもしれないが、「組織として」、「上からの指示

で」発言したり、行動することがあり、結果、思わぬ反撃があり、大

変困った、という経験について、 多かれ少なかれ、組織人であれば、

誰しも、類似体験があるでしょう。

事例を、中国外相の王毅さんを例にとります。

ニュースで皆何ご存じのことで概要だけ、メモ代わりに書きます。

9月初め、かなり前の話です。

 ①チェコの議員団が台湾を訪問した

 ②欧州5ケ国を訪問していた中国の王毅外相が、チェコ

 強烈な批判をした。

 ③王毅外相が訪問した各国(ドイツ、フランス等)が、中国の恫喝

 的態度を批判

 ④結果として、訪欧に成果が台無しになった。

2.中国の戦狼外交

(1)もう少し、中国外交について書きます。

中国の外交方針とは、国(というより中国共産党)の「核心的利益」を

得ることを目的とします。

「核心的利益」の幅は広く、領土的・経済的に大きな利益を得ること

の野心を隠そうともしません。

この、「国よりも中国共産党の利益」との方向性は、いたるところ

で出てきます。

私の2月29日のブログでも、元CIA工作員の話を引用しています。

少し脱線して、新型コロナへの中国政府の対応の話です。

中国の国家安全省(MSS)は、「社会主義」(実態として

全体主義)のシステムを支えることが使命なのであり、

「真実」はあらかじめ提示されている。

真実、つまり「客観的な分析」はどうでもいい。

そんなシステムだから、未知なるウイルスの脅威に気付い

た医師たちの口を、反射的に封じてしまう。

 中国外交は、ときには国際法を利用し、ときには国際法を無視するな

ど、みずからの都合で使いわけている、のは周知のことです。

「戦狼外交」というらしいですが、

中国の歴代王朝に見られる「朝貢」外交が、背景にあります。

宗主国にあたる大国に貢物を献上することにより、王としての権威と

領土の安堵を宗主国に認めてもらう制度。

中国の「戦狼外交」は古代の「朝貢」をより獰猛にしたものとも言え

る、という説明が頷けます。

(2)王毅さんの心境

従来通りの「戦狼外交」手法を取ったが、今回うまくいかなかった。

「ちゃんと、上の指示通りやったのに・・なんでだろう」という彼の

心境でしょうが。

どうも、国際世論の対中国風向きが変わってきている感じもします。

それを読み誤ったのかな?

やっぱり、おカネの問題、実績の問題ということで、以下に引用。

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3.チェコは「中国」より「台湾」を選択

小国チェコが「中国からのカネ」より「台湾との友好」を選んだ、との

コラム(一部抜粋)です。

小国チェコが「中国からのカネ」より「台湾との友好」を選んだワケ 「約束を破る国とは付き合えない」 (2ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

〇中国からの大規模投資が赤字に

中国は2014年から「一帯一路」構想を掲げ、チェコを含む沿線上の各

国に巨額の投資を行っている。

しかし、チェコ中央銀行の統計によれば、チェコの輸出額のうち、

80%はEU加盟各国向けで、対中輸出は財の輸出が1.3%、サービスの

輸出は2.3%にとどまる。

一方、輸入額で見ると、全体の15%が中国からとなっており、これは

主に電子関係の設備、モジュールや部品だという。

 チェコ経済界のみならず、国民もが中国への信頼関係を失う象徴的な

出来事は、「対チェコ向け直接投資(FDI)の不履行」だったとされ

る。2016年に習近平主席がチェコを訪問、その際に「950億チェコ

ルナ相当(約4500億円)を同年中に投資、さらに2320億コルナを5年

以内に投じる」と約束した。

 ところが蓋を開けてみたら、2017~18年の中国からの対チェコ投資

はなんと赤字で、チェコからの投資額の方が大きいという結果に終わ

った。

プラハ市長は「投資はほとんど実現していない」と批判

こうした事態について、対中強硬派で、北京との姉妹都市提携を反故

にしたプラハ市のフジブ市長は、「中国はチェコで多額の投資をする

と約束したが、ほとんど実現していない」と批判。

チェコの一部の政治家やメディアが経済的な利益を誇張し、中国に融

和的な世論を喚起しているとした上で、「中国がわが国の国内総生産

GDP)に与える影響は1%に満たない」と述べ、親中派勢力の主張を

切り捨てた。

つまり、約束を破る国とは話をする意義などない、と決めつける格好

 〇世界を席巻する「中国人インバウンド効果」

チェコの訪問客統計を見る限り、同国における中国人客は多くない。

ちなみにアジアからの国籍別トップは日本人で、次いで韓国人と続

き、中国は3番手に過ぎない。

読書感想文もどきに至らなかった「敗戦記その11」 今回もまた多数紹介

 

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敗戦記「その11」も同じイラスト

本年1月10日から 「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記」

というのをアップしていますが、今回11回目です。

イラストもあえて、同じものを使用、趣旨も同じで、硬軟とり交ぜ、 

読者への何らかの参考となればと・・・

  1. 火花

又吉直樹/著 

出版者    文春文庫  文藝春秋 2017.2

奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩

徳永。

芸人の2人が運命のように出会い。笑いとは何か、人間が生きる

とは何なのかを又吉さんなりに描いています。

私が全く知らない芸人の世界ですが、「必死に生きている」ことは

同じです。 

私は小説はほとんど読まないのですが、特定の人が推薦すると手に

取ってみようかと思います。

付和雷同というか、昔の言葉でミーハー的ですよね。

今回、文芸評論家の小川榮太郎氏が、現代作家として又吉直樹氏を

高く評価しており、

ベストセラー小説など、手に取らない私が、読んでみました。

ほんとに彼の評価が固まるのは、私が死んだ後かもし得ませんが、

それは、解りません。

気にかかった文言を二つほど引用。

・好きなことをやって、面白かったら飯が食えて、おもしろくな

かったら淘汰される。それだけのことやろ。     P114 

・(漫才に関して)世界の景色が一変することを体験してほしい

のだ。

自分が考えたことで誰も笑わない恐怖を、自分が考えたことで誰か

が笑う喜びを経験してほしいのだ。  P151

 

2. 歴史は「べき乗則」で動く

種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学

ハヤカワ文庫 NF358 〈数理を愉しむ〉シリーズ

マーク・ブキャナン/著    水谷淳/訳

出版者    早川書房 2009.8

まず、一般的な書評を紹介します。

混沌たる世界を支配する、究極の物理法則「べき乗則」。

それは砂山の雪崩、地震、絶滅などの自然現象だけでなく、株価変動

や流行といった社会現象にさえ見出せる。

自らの発見を可能にした科学の進歩過程にも現われるこの法則を、人為

と偶然の蓄積である「歴史」全般に敷衍したとき、私たちが手にする

驚くべき洞察とは。

統計物理の基本から壮大な応用可能性までを語りつくす、という触れ込み

で菅、残念ながら、今一つ、理解がついていかない感じでした。 

  

3.鳥獣戯画の国

  たのしい日本美術 シリーズ

   金子信久/著   出版者    講談社 2020.7

改めて、じっくり絵を眺めてみます。

かわいい、愉快、どこかおかしい。国宝「鳥獣戯画」が生まれるべく

して生まれた日本という国を眺め、伝説的なおかしな動物の絵がどの

ように日本人の心を捉え、動物絵画のスタイルとして定着してきたか

優しく解説しており、よくわかりました。

 私は、美術雑誌はそんなに読むほうでもないし、美術館も年間に数回

行く程度。

昔、祖父が日本画の収集家であり、子供のころから若干日本画に親し

んだくらいです。

普段の読書では「眺める」ことを、ほとんどしないので、その意味では

新鮮な体験でした。

 

4.感染症、AI新時代を生き抜く科学知識の身につけ方

竹内薫の「科学の名著」案内

竹内薫/著  

出版者    徳間書店 2020.6

常識やこれまでのやり方では通用しないとき、科学や数学的発想があな

たの道標となる。 脳、医学、AIといった分野を中心に、いま読むべき本を

紹介しています。

大きく区分すると

1 新型コロナウイルス科学リテラシー

2 やはり触れておきたいノーベル賞受賞者と最先端頭脳の世界

3 目まぐるしく変わり続けるゲノム編集、AI、AIを考える

4 竹内薫の「科学の迷著」

5 もっともっと科学書を楽しもう

おまけ・私の読書遍歴

読書感想文的には、著者なりに読み解いた幾多の書籍紹介があり、

解りやすい科学解説が、とても役に立ちました。

なお2020年6月刊であり、新型コロナのこともいくつが紹介してい

ますが、この部分は私と「彼及び紹介著者」とはかなり見解が相違

します。

個人的には「おまけ」の彼の読書遍歴がとても、面白い印象です。

 

5. 素粒子の探究で宇宙がみえてくる

波場センセイのとっておき50話

 波場直之/著  コダマアキコ/挿絵  

出版者    丸善出版 2020.6

     ものを小さく小さく砕いていくと、どこまで細かくできるのか。

万物の源である「素粒子」を探るうちに、なぜか大きな宇宙へと話

はつながっていく。ミクロの世界を50話でわかりやすく解説。

まず書評を読んで、『山陰中央新報』連載を単行本化とありました

し、挿絵が柔らかそうだったので、割と楽に読めるかと思いきや

どうしてどうして。

私のレベルでは、理解に再読を要するようなデータも多々の50話でした。

 

 
 
 
 

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」 私は子供のころ同居でした。

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

はてなブログを書いている人の平均的な年齢を私は存じ上げ

ませんが、ゼロ歳から10代は、少ないだろうと思います。

ということは「おじいちゃん・おばあちゃん」が、現役バリバリ

の方は少数、多かれ少なかれ「昔話・思い出話」になるかと思い

ます。

私の場合もそうです。

父方祖父母ともに、当時の日本人の平均寿命を超えた「大往生」

だったかと思います。

母が他の祖父母は、いろいろありました。

以下、この父方祖父母の思い出話を、つづっていきます。

 

1.私は祖父母と同居でした

私の父は、長男で生まれた家に住んで、私の祖父母に育てられ

ました。

父には、弟妹が合計六人もいます。

当時としては、驚くほどの大人数ではありません。

農家ではなく、父は自営の小売業で生計を立てていました。

私は、そこで生まれ育つわけですが、祖父母は同居状態です。

田舎ですがら土地は安く、我が家もある程度の敷地はあります。

「同居」といっても、敷地の一角に離れがあり、祖父母はそこに

住んでいます。

現在は、その土地もないので、わかりませんが、

昔は代々「現役」夫婦が母屋に住み、隠居夫婦が「離れ」に住む

慣習だったのかもしれません。

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現実には祖父母はいつも和服でした

2.おじいちゃん

さて、お題の「おじいちゃん」です。

祖父は、明治の人間です。確か80歳台後半まで生きたと思います。

若いころは、親戚の呉服店の丁稚奉公だったようですが、祖父の兄の

急死により、実家に戻り、家業を継いだようです。

材木商はもうやっていなくて、私の記憶では、祖父の年齢とともに

縮小した質屋業だったようです。

叔父が、暑中で酔った時に、よく祖父の話を話をしていましたが、

「怖い怖い親父」だったそうです。

孫の私が知るのは「やさしいおじいちゃん」です。

冒頭書いたように同居ですから、「帰省した際のみ会う祖父母」

とは違います。

孫ながら、父母と祖父母の溝や対立を、感じることもありました。

「これも人間関係の勉強」というと、変にとられるかもしれませ

んが「核家族」とは違った経験は、たくさん下、ということで

しょうか。

祖父で、思い出すのは、庭掃除をしている姿、仏壇の前でお参りを

している姿、夕食に日本酒を飲んでいる姿です。

彼の趣味な美術鑑賞、特に日本画です。

前日に「離れ」の床の間に、掛け軸をかざし、その日本画を見る

のが楽しみだったようです。

家には土蔵があり、そこにたくさんの掛け軸をしまっており、それ

を代わる代わる掛けて、虫干し含め管理維持していくのが、楽しみ

だったのでしょう。

 

3.おばあちゃん

前述の叔父からの、祖母の話は、あまり覚えていませんが、叔父も

母親からそれなりに、怒られたし、気が重くなる体験はあるので

しょう。

私の場合は孫ですし、直接利害関係があるわけでなし、やはり

「やさしいおばあちゃん」の印象です。

彼女は、彼女よりもっと長寿、大人になって帰省した折、100歳

の誕生記念の市長発の賞状が、家に飾ってありました。

最も、最後は長らく痴ほう症を発していたようで、対応にあたる

父母は大変だったろうと、推測します。

もともと、女学校を出たインテリで、教壇に立ったこともある

ようですが、「勉強好き」のおばあちゃんでした。

当時の途方自治自治体?の「老人大学」があり、何回も入学と

卒業を、繰り返していたようです。

「学ぶ生徒」だけでなく、長らく「茶の湯の先生」をやってい

ました。

離れの一室の茶室があり、そこで教えていました。

詳細説明できませんが、湯を沸かす窯や茶わん他、茶室で見る

「セット」は当然完備していたようです。

昼間ですが、子供の私から見て「きれいなお姉さん」が、何人も

茶の湯を習いに来ていました。

私も「お点前」の抹茶を飲ませたもらったことがあります。

決して、甘いものではありませんが、私には、いける味でした。

 

3.最後に

小学生の日記みたいになりましたが、まさに子供の思い出話

ですからこんなものでしょう。

繰り返しましが、私が育つ頃同居していたわけですので、情報は

たくさんあります。

敬老、とか少子高齢化とか、経済視点からの一般論でなく、今日は

昔話に終始しました。