中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

それぞれの立場 ちゃんと対応したのに思わぬリアクション 中国王毅さんの事例

1.それぞれの立場

今日は、最近感じた、あたりまえのことを、書きます。

仕事を継続していくうえで誰しもそれぞれの立場があります。

自分の本心でないかもしれないが、「組織として」、「上からの指示

で」発言したり、行動することがあり、結果、思わぬ反撃があり、大

変困った、という経験について、 多かれ少なかれ、組織人であれば、

誰しも、類似体験があるでしょう。

事例を、中国外相の王毅さんを例にとります。

ニュースで皆何ご存じのことで概要だけ、メモ代わりに書きます。

9月初め、かなり前の話です。

 ①チェコの議員団が台湾を訪問した

 ②欧州5ケ国を訪問していた中国の王毅外相が、チェコ

 強烈な批判をした。

 ③王毅外相が訪問した各国(ドイツ、フランス等)が、中国の恫喝

 的態度を批判

 ④結果として、訪欧に成果が台無しになった。

2.中国の戦狼外交

(1)もう少し、中国外交について書きます。

中国の外交方針とは、国(というより中国共産党)の「核心的利益」を

得ることを目的とします。

「核心的利益」の幅は広く、領土的・経済的に大きな利益を得ること

の野心を隠そうともしません。

この、「国よりも中国共産党の利益」との方向性は、いたるところ

で出てきます。

私の2月29日のブログでも、元CIA工作員の話を引用しています。

少し脱線して、新型コロナへの中国政府の対応の話です。

中国の国家安全省(MSS)は、「社会主義」(実態として

全体主義)のシステムを支えることが使命なのであり、

「真実」はあらかじめ提示されている。

真実、つまり「客観的な分析」はどうでもいい。

そんなシステムだから、未知なるウイルスの脅威に気付い

た医師たちの口を、反射的に封じてしまう。

 中国外交は、ときには国際法を利用し、ときには国際法を無視するな

ど、みずからの都合で使いわけている、のは周知のことです。

「戦狼外交」というらしいですが、

中国の歴代王朝に見られる「朝貢」外交が、背景にあります。

宗主国にあたる大国に貢物を献上することにより、王としての権威と

領土の安堵を宗主国に認めてもらう制度。

中国の「戦狼外交」は古代の「朝貢」をより獰猛にしたものとも言え

る、という説明が頷けます。

(2)王毅さんの心境

従来通りの「戦狼外交」手法を取ったが、今回うまくいかなかった。

「ちゃんと、上の指示通りやったのに・・なんでだろう」という彼の

心境でしょうが。

どうも、国際世論の対中国風向きが変わってきている感じもします。

それを読み誤ったのかな?

やっぱり、おカネの問題、実績の問題ということで、以下に引用。

f:id:xmichi0:20200921164626j:plain

3.チェコは「中国」より「台湾」を選択

小国チェコが「中国からのカネ」より「台湾との友好」を選んだ、との

コラム(一部抜粋)です。

小国チェコが「中国からのカネ」より「台湾との友好」を選んだワケ 「約束を破る国とは付き合えない」 (2ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

〇中国からの大規模投資が赤字に

中国は2014年から「一帯一路」構想を掲げ、チェコを含む沿線上の各

国に巨額の投資を行っている。

しかし、チェコ中央銀行の統計によれば、チェコの輸出額のうち、

80%はEU加盟各国向けで、対中輸出は財の輸出が1.3%、サービスの

輸出は2.3%にとどまる。

一方、輸入額で見ると、全体の15%が中国からとなっており、これは

主に電子関係の設備、モジュールや部品だという。

 チェコ経済界のみならず、国民もが中国への信頼関係を失う象徴的な

出来事は、「対チェコ向け直接投資(FDI)の不履行」だったとされ

る。2016年に習近平主席がチェコを訪問、その際に「950億チェコ

ルナ相当(約4500億円)を同年中に投資、さらに2320億コルナを5年

以内に投じる」と約束した。

 ところが蓋を開けてみたら、2017~18年の中国からの対チェコ投資

はなんと赤字で、チェコからの投資額の方が大きいという結果に終わ

った。

プラハ市長は「投資はほとんど実現していない」と批判

こうした事態について、対中強硬派で、北京との姉妹都市提携を反故

にしたプラハ市のフジブ市長は、「中国はチェコで多額の投資をする

と約束したが、ほとんど実現していない」と批判。

チェコの一部の政治家やメディアが経済的な利益を誇張し、中国に融

和的な世論を喚起しているとした上で、「中国がわが国の国内総生産

GDP)に与える影響は1%に満たない」と述べ、親中派勢力の主張を

切り捨てた。

つまり、約束を破る国とは話をする意義などない、と決めつける格好

 〇世界を席巻する「中国人インバウンド効果」

チェコの訪問客統計を見る限り、同国における中国人客は多くない。

ちなみにアジアからの国籍別トップは日本人で、次いで韓国人と続

き、中国は3番手に過ぎない。