1.挑戦は素敵だ、昔も今も
何か青臭い小見出しになりましたが、「インドでカレーを売る」長繊維
昔若いころ、「北極で冷蔵庫を売る」から「エレクトロニクス本場米国で
家電を売る」といった話を聞いたのを、思い出しました。
なんちゃって創作マンガでなく、熟考を課させたうえでの経営判断でしょう
が当然、思わぬアクシデントも。
何とか、やり遂げて進んで行くところに、ほろりと、感じるものがあります。
古典引用の時に、私が良く使うフレーズですが、「人間は変わらない」面
があります。
今夏も私にとって、「ほろり」の感情でした。
2.記事案内
引用するのは 本場インドに挑む!“日本カレー“
2020年8月26日 15時22分 NHKニュース
ビジネス特集 本場インドに挑む!“日本カレー“ | NHKニュース
ベタな記事要約でなく、私が「ほろり」ときた部分を引用要約します。
( )内は、私が勝手に書いたものもあります。
①(現地ニューデリーにて)
本場に初出店
「イラッシャイマセ!」
インド人スタッフの元気なあいさつが響くのは、日本の大手カレー
チェーン「CoCo壱番屋」のインド1号店です。
首都ニューデリーから車で40分ほど。商業施設やオフィスが建ち
並ぶエリアに、8月、オープンしました。
気になるカレーの味は、基本的に日本の店舗で提供されているもの
と同じです。
「インドのカレーと違うけど、最高においしいよ」
「すしは苦手だけど、日本のカレーはいいね!」
「レシピを教えてくれたら家でも作りたいわ」
インド人客に話を聞くと、前向きな受け止めが多く聞かれました。
日本のカレーを抵抗なくおいしそうに食べる様子には、少し驚きも
感じました。
②(そもそもカレーとは)
そもそもインドなどでは、古くからスパイスをたっぷり使って野菜
などを煮込む料理が人々の間で食べられてきました。
地域によって違いはありますが、私たちが一般的に知るカレーと
いうのがこの料理のことです。
その料理が、18世紀ごろ、インドを統治していたイギリスに伝
わって「curry」と呼ばれるようになり、明治時代に日本に入って
きました。
戦後、日本ではカレールーも開発されて一般家庭でも広く作られ
るようになり、いわば国民食の一つとして定着してきました。
③(“悲願”のインド進出)
「日本のカレーで本場に挑みたい」
それは、大手チェーンにとって悲願だったといいます。
1978年に愛知県に1号店を出して以来、40年余り。
店舗網は欧米やアジアも含めて国内外に1400店を超えています。
本場インドへの進出のタイミングは10年余り探っていましたが、
このところの経済発展で道路などのインフラや商業施設が整備
されてきたことに加え、日本を訪れたインド人が、自社のカレー
をおいしいと言ったという評判を聞いたことなどから、今回の
出店に至りました。
④(独特の食習慣に対応)
インド出店にあたって、最も大事なカレーソースは日本から
運んでいます。
好みの辛さを選べるようにするなど、日本で培ってきたサー
ビスも持ち込みました。
一方で、インド独特の食習慣への対応は重要な課題でした。
人口のおよそ8割を占めるヒンドゥー教徒は牛肉を食べず、
その次に多いイスラム教徒は豚肉を食べません。
さらに、肉そのものを食べないベジタリアンも全体の3割に
のぼるとされています。
そこで、カレーソースは肉のエキスが一切入っていないもの
を使用。
キッチンも、ベジタリアン向け専用の調理エリアを設ける
など工夫を凝らしました。
メニューにはインド人になじみ深い食材を取り入れようと、
現地で試行錯誤を重ねました。
その結果、現地でよく食べられているチーズ「パニール」や、
主食のパンの一つ「パラータ」など、“ご当地メニュー”を複数
取り入れることになりました。
気になる価格は、日本円でおよそ480円から900円ほど。
中間層をターゲットにし、一般的な現地のカレーに比べると
少し高めの値段になっています。
⑤(突如見舞われたコロナ禍)
当初、予定していたオープンは、3月下旬。くしくもその頃、
インドでも新型コロナウイルスの感染者が増え始めました。
政府が全土を一斉に封鎖し、厳しい外出制限を実施。
このため、出店準備はほとんど止まってしまいました。
およそ3か月後に、本格的な準備を再開できたものの、感染
を防ぐ対策を取る必要もあり、作業は思うように進みません
でした。
多くの日本人が一時帰国を余儀なくされ、かつ、日本からの
応援も来られなくなる中、現場責任者の中村さんは、ひとり
現地にとどまってスタッフの指導などに当たりました。
⑥(定着なるか)
8月3日のオープンから数週間。新型コロナウイルス対策で座席
数を減らすなど、手探りでのスタートになりましたが、徐々に
口コミで評判は広まり、常連客もでき始めているといいます。
「インドのカレーはスパイスと油をたっぷり使うのでカロリー
が高いが、私にとってこのカレーはヘルシーだ」
私が話を聞いた客からは、近年インドで高まる健康志向を反映
した声も聞かれ、“日本カレー”の可能性を感じました。
新型コロナウイルスの感染が収まらず、外食産業を含め、経済
に大きなダメージを受けているインド。
“日本カレー”の定着に向けた奮闘が、日本とインド、双方に
とって明るいニュースになることを期待したいと思います。
3.私が考えたこと
「ほろり」とくる要素が、段取り良く並んでいますよね。
「本場に挑みたい」という野望(高い士気)、綿密な事前計画、
現地での幾多の創意工夫、想定外のトラブル(今回はコロナ禍)、
何とか開店、顧客の前向き評価、今後の展望・・・・・・・
冒頭の書いた「エレクトロニクス本場米国で家電を売る」話、一昔向
人気だったNHKの「プロジェクトX」シリーズ、古典と言われる冒険
もの等々、共通点があります。
人間の感染は「変わらない」面もありますから、同じような構成に
感動します。
海外ビジネスに限らず、幾多の人々の挑戦があります。
古今東西続くでしょう。
その感覚を、より多くドキュメンタリーで、感じられたら、と思っています。