「超」独学法
AI時代の新しい働き方へ
野口悠紀雄/[著]
出版者 KADOKAWA 2018.6
1.概要
AI時代の新しい働き方を実現するために最も重要なスキルが、「超」
独学法。経済学、英語、ファイナンス理論、仮想通貨、人工知能な
ど、縦横無尽に独学した著者が見出した「独学」マニュアルです。
また、野口悠紀雄さんを取り上げます。このブログでは7月26日の
「だから古典は面白い」で、紹介しています
だから古典は面白い(読書感想文もどき)今回は野口さん 深読みと独自見解はさすがです - 中高年michiのサバイバル日記
野口さんの広義の「勉強マニュアル」は、一世を風靡した超勉強法シ
リーズ以来でしょうか。
2018年6月刊行ならもう1年半前差し古くないか?
さにあらず。「基本」はいつも同じ。
道具としての通信インフラやソフトが一層進展して、利用しやすく、
といったところでしょうか。
2.ピックアップ
(いつものように、なるほどと感じた部分を五月雨式に取り上げま
す)
独学とは別に大げさなことではない。このように「知りたいこと
を調べる」ということなのである。 P36
自動的に敵が味方に変わることはない。こちら側で何らかアクション
をとらなければならない。そのアクションが独学なのである。 P42
(独学はノスタルジーではない、という議論)
・独学者は環境にめげなかった。彼らは権威ではなく、自分の力を信
じた。
・独学者だからこそ新しい発想ができた。 P68
時代の変化が激しければ、独学を続けないかぎり、最先端に追いつけ
ない。AIの時代になれば、知の世界はさらに根本的な変化にさらされ
る。それに拠って、独学への先祖返りが起きるだろう。 P70-71
(野口さん自分自身のこと)
こうした仕事をしている人間が、独学をしないということはあり得
ない。学生として勉強した知識が仕事の基礎になっていることは事実
だが、仕事の受けで直接役立つ知識のほとんどは、その後に独学で学
んだものだ。 P81
新しい分野であれば、教えるほうも独学で勉強するしかないのだ。P82
大学の教育は、少なくとも学部レベルに限っていえば、やる気になれ
ば独学で習得できる。 P84
人間の生物的条件から言えば、殷代年齢が70~80歳にならなければ
ならない。仕事をする期間が長くなり、働き方も画一的ではなくな
る。 P99
フリーランサーとして仕事をするためには、インターネットを通じて
情報発信することが不可欠だ。 P111
(社会人向け学校は)、授業料を稼ぐために行っている営利事業で
ある。そのため、勉強をしたい人のニーズに本当に応えているかどう
か、疑問である。 P114
継続のために必要な4つのこと
① はっきりした目的を持つ
② 強いインセンティブを持つ
③ 勉強の楽しさを活用する
④ 時間を確保する P131
日本が勉強の必要がないユートピアになっているのなら話は別だが、
長期的に経済的地位が下落し、勉強の必要性が非常に高いにもかか
わらず、勉強しない。これは悲劇である。 P141
「人に見せたいから、あるは自慢したいから努力する」というのは、
決して悪いことではない。「政治家は、偉くなるほど能力が高まる」
と言われる。それと同じことである。 P142
「そう言われても、教える機会などない」「本を書けるのは一部の
人だ」との意見があるかもしれない。
しかし、そんなことはない。今で名、ブログで誰でも同じことが
できる。 P148
電車の中での時間帯の過ごし方を見ていると、その人の未来が見
える。本を読んだりメモを取ったりしている人が最近では減って
きた。スマートフォンを見ている人が多いのだが、何を見ている
のだろうか? P153
全体を把握すれば、ここの部分がどのように関連しているかが分
かる。とにかく最後まで行ってしまえば、何が重要かが見える。
なぜある概念が必要だったのか分かる。個々の概念がどのように
つながっているかが分かる。 P164
実用英語におけるもっとも重要な目的は、正しく聞けるようになる
ことだ。
正確に聞くことができれば、ほぼ自動的に話せるようになるという
ことだ。 P184
「聴き取ろう」とする意識がない限り、何度聞いても外国語の勉強
にならない。しかし、聴き取ろうとして聴いて入れば、聴く能力が
無意識のうちに向上していく。そして、長い時間の間には、大きな
変化が生じるはずである。 P194
英語の勉強は独学、のまとめ
①仕事で必要なのは専門分野の英語、英会話学校では、提供でき
ない
②英語の勉強には文章の丸暗記が必要。一人でしかできない
③居材となる音源の入手が容易になった。 P198
独学では、知りたいことのおおよその体系を最初に把握する
必要がある。そうないと、情報の大海に溺れてしまう。 P204
AI時代において重要なのは、「私が知りたいことは一体何なん
だろうか?」あるいは、「私のすべきことは一体何なんだろう
か?」ということである。 P228
3.読みながら思うこと
情報インフラが、手がるに使えるいい時代になったんだから、
ますます「逃げ口上」が難しくなります。
「時代の変化が激しいので、勉強しなければ、時代について
いけない」とは、解ってはいるんですが・・・・・
私の場合明確な目的意識の欠如でしょうか。
抽象的ですが、「自ら情報発信したい以上、しっかりしたものを
書く、そのためにしっかり独学をする。」という意識でしょうか。