中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

「全世界史」講義 2(読書感想文もどき) 出口治明さんの講義  常に「現状改善」であるべき

 「全世界史」講義 2

教養に効く!人類5000年史

出口治明/著               

出版者    新潮社 2016.1

1.概要

文明の誕生から現代まで、人類5000年の歴史を出口さんが一人で

解説します。

 複雑な歴史の流れがわかる、ひとつの要素は、本人が完全に「理解して」

自分だ咀嚼したものを、講義しているからだと思います。

2は、近世・近現代を取り上げ、「産業革命フランス革命の世紀」

「冷戦の時代」などを解説しています。

実は「冷戦の時代」は、(後半部分は)私にとっては、リアルタイムの

時事問題の継続であって、「歴史」として、捉えていなかった面があり、

ましてや21世紀はそうです。

改めて、勉強になりました。

 

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出口さんに関しては、この本棚イラスト

 2.本文からの引用

 コルテスもピサロも、少人数で比較的安易にアステカ帝国やインカ

帝国を滅ぼすことが出来ました。その理由に一つに馬と鉄砲があげ

られます。(中略)しかし、最大の武器となったのは、旧大陸の病

原菌でした。   P82

 

(18世紀の話です)

ネーションステートという求心力の強い新しい国家形態を生み出し

たこと、そして手工業から機械工業へと生産構造を変えた産業革命

を実現したことが、ヨーロッパの世紀を導きました。アジアの老大

国には、この二つが欠けていました。(なくても困りませんでした

が)  P155

 

この南海泡沫事件では、万有引力の発見者であるニュートンが多

額の投資をして、大損害を受けたというエピソードが残っていま

す。知性の塊のような物理学者も、儲け話には弱かったようです。

一方で音楽家ヘンデルは儲けたようですが。   P163

 

産業革命グレートブリテンで最初に起こった理由については

(中略)、歴史の大きな流れの中で見ていくと、やはりインドと

の関係がいちばん大きいのです。  P185

 

イエズス会の一番大きな業績は、科挙の制度をヨーロッパに持

ち込んだことだと言われています。  P188

 

 (以下は引用でなく要約)

明治維新の時、幕府軍敗北の理由の一つは金と銀の交換比率に

関する為替政策の失敗である。大量の金の海外流出。結果とし

幕府軍の中核である旗本や御家人の困窮。 P238

 

 クリミヤ戦争にかかるエピソード2つ

  ①シュリーマンが、:ロシアに武器を売却、財産築く

  ②ノーベルがダイナマイト発明。稼いだお金が賞基金

  P239

 

南北戦争の本質は、農業立国+自由貿易(南軍)か、工業立国

+(産業)保護貿易北軍)かを争うものでした。この市民戦争

の結果、アメリカは工業国への道を驀進することになります。

 P242

 

(米英との海軍力比率について)

日露戦争の後、賠償金が取れないと言って民主が騒ぎ、日比谷

公園を焼き討ちした事件と同じです。正確な情報を与えられて

いなかってことの悲劇です。国力に比べれば、日本にとって圧

倒的に有利だった海軍軍縮会議の取り決めを、日本はむざむざと

手放してしまったのです。  P296

 

スターリンヒトラーに勝るとも劣らない残忍な人柄でしたが、

ビジネス感覚は、優れていました。イデオロギーより利益優先の

人でした。 P315

 

ペレストロイカグラスノスチ、欧州共通の家、マルタ会談等)

こうして冷戦は終結したのですが、これはゴルバチョフの一連の

大胆な提案と行動が、大きく影響していたと考えられています。

P364

 

民主主義にせよ、資本主義・市場経済にせyp、戦後世界のシス

テムにせよ、それらの個々の歪なかけらを指摘するのではなく、

全体として丸く収まってるがどうかを実証的に検証し、丸く収

まっていないのであれば、それらに代わる整合的なシステムの

骨格を示すことが重要ではないでしょうか。  P385

 

 

(何度も引用する、私の好きなフレーズ)

 将来、世界で何が起こるかは分かりません。しかし、それに備え

る教材は過去にしかないのです。歴史を学ぶ意味は、人間がこれま

でやってきたことを、後からケーススタディとして学べるところに

あります。歴史には、5000年を生きてきた人間の豊穣なケース

(事例)が詰まっています。それを学ぶことが、これからの人生で

いろいろな場面に遭遇したとき、何かの役に立つのではないかと

思います。 P386

 

3.改めて考えたこと

最初は、反省です。

「書いてあることは一通り知っている。出口さんの解釈を聞きたい」と

僭越に思っていましたが、どうしてどうして知らない話が多々出てきま

した。

「出口さんの解釈」を求めて、読んでいるのは、ほかの著作と同じです。

 いわば「出口解釈」の私のお気に入りを、引用して書いているものです

から。

改めて感想的に書くとエドモンド・バークに倣う「現状改善」(問題点

指摘だけでなく)が大切だと思うし私自身の小さな小さな行動も、

然り、だと思っています。 

 
 

「厄介者」が一転「救世主」になる話は好きです。

1.世の中「そううまくはいかない」のが普通

(1)あちらを立てると、こちらが立たず。

世の中のおおくは、うまくいかないのが当たり前で、たまたまうまく

いくと、うれしくなります。

「やった、解決した」と思っても、仔細に氏らべると、何事も「隠れた

瑕疵」や「予期せぬ不都合発生」は、ありそうです。

単なる、「問題の先送り」だったことも・・・・

(2)うまくいった事例として

・スポーツフィッシングで、一気に広まったブラックバスを「駆逐」観点

でなく「中級・高級料理」として売りだそうという企画。

・農業関係者の天敵となっているイノシシやシカを「ジビエ料理」として

売り出したり、また食肉流通市場を作ろうとする、動き。

・やっかいものである「しらず」を土木材料に利用できたとか、の動き。

 (補足説明)

  「しらす」とは、日本の九州南部一帯に厚い地層として分布する細粒

   の軽石や火山灰子ことです。

   数十年までは、使い道がない「やっかいもの」の感じでした。

   シラスを骨材として用いたシラスコンクリートは、劣化に強い特性が

   あり、温泉の湯気・高温の地熱・強酸性の土壌などの過酷な環境下

   で建設された鹿児島県霧島市の丸尾滝橋の基礎部分に採用されて

   います。

   シラスとシラスコンクリートを混合・整形したシラス緑化基盤が、

   鹿児島市電軌道の緑化に活用されている、との情報がありました。

 

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問題が解決できずお手上げ状態

2.“やっかいもの”が海の豊かさを取り戻す!?

2020年9月3日 15時33分のNHK記事

ビジネス特集 “やっかいもの”が海の豊かさを取り戻す!? | NHKニュース

少し要約して紹介します。

(趣旨)

食卓に欠かせないアサリ。その漁獲量が激減してしまった有明海でいま、

復活に向けた取り組み開始そこで一役買っているのが養鶏会社が大量

に抱えている“やっかいもの”。これが海を救う救世主になるかもしれ

ない。

(厄介者の正体)

養鶏会社が運営する佐賀県内の鶏舎は、大量に鶏を育てているが、ひよ

こや鶏から毎日出される「鶏ふん」があり、実はこれがブロックの正体

 その量だけでなく、特有のにおいもあり、産業廃棄物として捨てるしか

ない現状。

窒素やリンなどの有機物が豊富に含まれていることに着目して、農業用

肥料の開発に取り組み、菌を使って完全に発酵させる技術を開発すること

で、大腸菌やにおいを取り除くことに成功し、農業用肥料は完成。

しかしライバル企業も多く、思うように利用者を増やすことができな

かった。

 (救世主となれるか?)

アサリ不漁の原因として

海が「貧栄養」、つまり栄養不足に陥っていることを指摘する内容

である。

窒素やリンは植物性プランクトンの餌にもなることも考慮し

「海の“肥料”という発想は斬新かもしれない」と挑戦が始まる。

 しかし、海に有機物を入れるには「赤潮」の懸念。窒素やリンは

大量に海に入れると赤潮の原因となってしまう。

ポイントはゆっくりじわじわ溶け出すようにすること。

試行錯誤の末、今のブロックの形として完成した。

 完全に発酵させた鶏ふんをブロック状に固めて乾燥させたこの

製品は、3か月から4か月かけて窒素とリンが溶け出す構造。

安全性と効果を検証するために海の貧栄養化を研究している大学

名誉教授が協力した。

(要因分析)

当該名誉教授は下水などの浄化処理技術が発達した結果、海が

きれいになりすぎたことが植物性プランクトンの減少につなが

っていると指摘。

 ブロックから海に溶け出す窒素とリンは赤潮を引き起こすほど

の量ではないうえ、水質に悪影響を与える大腸菌も含まれておらず

、ブロックに含まれる微生物は乳酸菌と酵母だけであることを確認。

 このため、海の“肥料”として使うことができると判断した。

(実績はこれから)

熊本県玉名市の干潟で最初にブロックを設置してから半年。

まだ短い期間ですが、漁師たちは手応えを感じている。

アサリをふるいにかけて確かめたところ、生存数や成長の度合い

に明らかに改善が見られる 。

いま各地の漁協から養鶏会社に問い合わせが来ている。

 海に有機物の肥料を入れるという手法は斬新で期待が高まる一方、

実績はこれから。今後、実績を積み重ねていく作業を地道に続けて

いくつもり。

 

3.私が好きな話

冒頭にも書いたように、ビジネスの世界に限らず、世の中うまく

いかいのが当たり前のなかで、タイトルのように思わぬ解決策が、

見えてくる話は好きです。

ハイテク工業の分野ですが、ボトルネックとは、全体の作業工程

のうち、処理能力や容量などが1番低い部分を指す言葉です。

このボトルネックをどのようにして改善するかがビジネス効率化

のカギと、よく聞きます。

ブラックバス料理やジビエ肉の流通、この「海の肥料ブロック」

も、困ったことの解決策(ボトルネックの解消策)として、、、

考えてみると、世の中のニーズの大部分は、困ったことの解決で

しょう。

結局これができる、ヒト、組織、何らかの集まり、が勝つんですよね。

日本人の神(読書感想文もどき)神は、唯一ではなく多数存在

  日本人の神

大野晋/著  

出版者    河出書房新社 2013.12

1.概要

日本人にとってカミ(神)とは本来どのようなものだったのか。

西洋のGodや大神ゼウス、仏教のホトケとの違いは何なのか。

カミという言葉の由来を丹念にたどりながら、日本人の文化から生活

習慣、精神性までを考察するしたもの。

大野晋さんは、大正生まれ、古代日本語の音韻、表記、語彙、文法、

日本語の起源、日本人の思考様式など幅広い業績を残した、とのこ

と。

特に『岩波古語辞典』の編纂や、日本語の起源を古代タミル語にある

としたクレオールタミル語説で知られるそうです。

クレオールタミル語説は、比較言語学観点から批判が多いそうですが

私には、よくわかりません。

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具体的形のないカミは書けないので、古事記の神、大黒様のイメージ

2.ピックアップ 

日本のカミとは?

①カミは唯一の存在ではなく、多数存在した。

  (ギリシャ神話のように)恋愛したり、策略を持ちいたりなどの

   行動を自由にする人格神となるのは、記紀の神話の部分に現れ

   るカミの場合である。

   日本のカミはいろんな場所にいる。

   『古事記』の中には300以上の神

   行為そのものまでも書きとして扱われている。

②カミは具体的な姿・形を持たなかった。

③カミは漂動・彷徨し、カミガカリした。

  「カカル」とは、物に覆いかぶさるようにして、自分の重さ

   を相手にくっつけてぶら下がること。今でも「親がかりで

   暮らす」などという。

④カミはそれぞれの場所や物・事柄を領有し支配する主体であった。

⑤カミは超人的な威力を持つ恐ろしい存在である。 P15‐23

  

奈良時代の中頃には、「仏」は「神」の一種であるであると認識され

ていた。

カミは五穀の豊穣を祈る相手であり、また、家屋・殿舎・門・道・井

戸・火などの支配者として人間生活の無病息災を求める相手でもあ

る。  P42

 

従来のカミに対する奉仕者たちは、生産と繁殖に関する罪に対してミ

ソギをし、ハラエをし、カミに奉献することでそれが解除されるとし

た。ここには個人個人が戒律を守り、自ら律する考えがない。

(中略)

個人的な戒律を守ることが修道者としての自己保証となる。こういう

考え方は当時のン本陣にとっては、新しい思想であって、これまでの

カミに仕えることだけを考えていた人々の中にはないものだった。

P55

 

「権現」:インドのホトケが仮に姿を現したもの

本地垂迹」:インドの仏菩薩を「本地」といい、それが仮の姿を

取って表れたものが「垂迹」    P67

 

中世の神道が、神のみとを明らかにしようとしながら、結局、仏の枠

組みの中へ神を押し込むことになっていたのに対し、近世になってカ

ミをホトケから分離しようとする動きが現れ始める。   P80

 

契沖は全て文献にみられる事実に基づき、実証を先にした。これは

古典の解読によって古代を知ろうとする場合には、そのまま世界に通

用する方法である。  P87

 

本居宣長は『古事記伝』の中で、「道」ということを通して儒教の聖

人と日本の神々との相違を明らかにし、言葉としての「神」を考究

し、日本の神の特性をとらえることによって、仏との差をおのずか

ら分かるようにした。  P99

 

(日本語との共通性が一番高いタミル語

インドの最南端に、現在500万人の使用人口を持ち、BC200年~AD200

年間の、詩2400首を持つタミル語がそれである。     P132

 

当時新来の文明であった水田耕作の耕作地や作物や食品および関連す

る技術についても、単語そのものにタミル語と日本語との間に次の表

のような共通がある。これは物や技術と一緒にタミル語が日本に入

ったとみなければならないだろう。         P135

 

「幽霊」は恨みを持つ人がなるものであり、「化け」は相手をたぶら

かし脅かすもので、本質的に違う      P156

 

「日本文化」は日本という土地で、その時代の文明のもとで、日本人

が文明とその風土性との適合を求めながら生活を営んでいく間に生じ

た生活態度であり、美意識であり、それの産物というものと考えられ

る。  P190

 

日本人は特別自然に優しいのではない。日本の自然が人間に優しいの

である。日本人はその自然の恵みの中で、自然の運行に順応していけ

暮らしやすく、生きていられた。  P191

 

日本におけるキリスト教の信者が人口の1パーセントをなかなか超え

ないという理由は、キリスト教的なカミの根本的な考え方・ありかた

が、日本人の基本的な生活意識とそぐわない点にあるように思われ

る。   P193

 

私の思っていることが正しいならば、日本人のカミ観念、あるいは

カミ信仰の原点は古代の南インドに発していることになるのではな

いか。

それは日本語の系統研究と並んで、日本人の精神史、あるいは日本

思想史の研究の基本姿勢に一つの変革をもたらすだろう。  P197

 

3.最後に

 大野晋さんと言えば、「折々のうた」を少し知るくらいで、ほとんど

読んではいませんでした。

言語学国語学に対する、アレルギーというか苦手意識がありました

、というか今でもあります。

そのくせ、歴史は思想史は、好きな部類です。

言語学的な話は置いといて、タミル語説には、私にとって非常にロマ

ンを感じますし、面白かった。

一方、日本の「カミ」についての定義は、大枠理解していたことが、

スッキリまとまった形で、私には、受け入れやすかったです。   

 

 
 

リモート会議から、思うこと 「情報革命」進行中だが「行く末」は現在生きている我々は不明か 

1.リモートからもはや後戻りできない?

9月にはいり、涼しく感じるときもありますが、まだまだ残暑厳

しい関東では、あります。

私にしては、大掛かりなリモート会議に参加しました。

50人弱参加の会議で、事務局が用意したツールは Microsoft Teams

でした。

何とか指示通りにやれば、チャンと会話で議論もできて会議目的

は達成できます。

資料をPC上に映して、説明者の話お聞くのは、もう違和感を感じ

ないのは、私みたいな中高年も同じでしょう。

感じることはいつも同じで、会議場全体を(ある意味思考をさぼ

って)を鳥瞰できるわけでないので、雰囲気がつかみずらい(参加

者の表情が読みにくい)こととと、音声が聞き取りにくい。

マイクをミュートにしてしゃべっているというような初歩的なミス

は置いといて、PC内蔵マイクに頼っている場合、話し手の位置で、

聴き取りづらいことが、多々あります。

まあそうなモノで、「慣れて改善していく」しかないのでしょう。

ただ、システムは、一度使うと、「後戻り出来ない」ことになり

そうです。

 

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打製石器のイメージです。

2.時代の変化は、後から振り返って

今日、書きたいことのひとつは、「聴き取りづらいリモート会議」

のことではなく、道具や制度、仕組みが、いったん動き出すと、

元にもどることは、難しいのでは?ということ。

冷たい言い方をすると、打ち負かされたほうが、滅びていくし

かないということ。

以下大風呂敷を広げます。

(1)磨製石器を使う新石器時代

打製石器を使う人々と、磨製石器を使う人々が遭遇したら

(時間軸は置いといて)後者が勝ち、前者は、淘汰される

のでしょう。

(2)鉄器と青銅器

戦争にしても、農作業にしても、「武器としての強さ」や

「農地開墾の効率性」を考えたら、必ず鉄器に軍配でしょう。

(3)産業革命により、機械工業生産へ

 先日、出口治明さんの本を読んでいたら、グレートブリ

テンで産業革命が 最初に起こった一番の要因は、インドで

ある、との説明あり。

なるほどと感じました。

 産業革命を制した、グレートブリテンが世界史の中心に

おどり出ますよね。

上記(1)から(3)は、後世の我々だから、講釈できる話で

「当事者」にはよくわからない面が多々あったでしょう。

(4)情報革命

これは、現在進行形でしょうか。

個人的には無線通信が、始まった時が一番不識でした。

  今の若い人失笑を買いそうですが、「有線」の中を

 「情報」が流れるのは、画像だろうが、音声だろうが、

 感覚的に無理やり納得出来たのですが、「無線」になる

 と、「不思議だな」

の感覚。

それも今となっては「昔のオジサンの変な感想」でしょう。

空間を越えて、情報が流れるのが当たり前で、多くの人の

「生活」にかかわるる部分にまで影響を与えるのが、当たり

前と感じてしまいます。

 

3.周りに、流されてしまっていい

 上述の「情報革命」は、まさに進行中であり、後世の人が振りか

えって「あの頃が産業革命以来の変化の時った」と、思うのが、

いやいや「振り返る」ことができるのが、AI駆使した一部の「ホモ

デウス」だけなのかAIそのものなのか・・・・・

いずれにしても、現在に生きるわれわれには、論評できないこと

だと、思います。

それは仕方がない。

 

「オマエは、この駄文で何を言いたいモウヒトツとは?」ですが、

「仕方がないことは悩んでも仕方ない」ということ。

もっと話を広げます。

 これも先日読んだ生物学関連の本から。

生物が、生きていくために、「死」を生み出したということ。

この点から考えると、一個体が少し長く生きていること自体は、

あんまり意味がない。

勝手に自分で意味づけして、生きていくだけが、よい。

「死よりも小さい仕方がないことで、悩んでも仕方ない」と感じ

た次第です。 

読書感想文もどきに至らなかった「敗戦記その9」 今回もまた多数紹介

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敗戦記「その9」も同じイラスト

本年1月10日から 「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記」と

いうのをアップしていますが、今回9回目です。

イラストもあえて、同じものを使用、趣旨も同じで、硬軟とり交ぜ、 

読者への何らかの参考となればと・・・

1.おとなの青春旅行

著者       下川裕治/編著  室橋裕和/編著  

出版者    講談社 2018.7

海峡料理、ベトナム戦争跡、ジャズの聖地、シルクロード、モザイク

画。紹介場所は、多様です。

団体旅行に疲れた人へ贈る、自由で冒険的な、極上の「海外ひとり

旅」15選です。

失敗しない旅行術も、地に足がついた良いノウハウ集となっています。

 私と感覚があう描写を以下に、引用します。

  観光地とは必ずしも限らない、人々の生活の場をじっくりたど

  っていくこと。

  それが本「旅」であるように思うのだ。

  その道のりは平坦ではない。異なる文化、異なる顔立ちの人々の

  中を歩く、ふしぎな高揚感。さまざまな発見や驚き。自分がただ

  ひとりの外国人だという心細さや不安。言葉の壁。毎日のように

  起きるトラブルーーー。

  一筋縄ではいかない。だからこそ、人は旅に手ごたえや生きがい

  を感じ、のめり込んでいく。前に進んでいく。  P4

 

 2.『釣魚大全』大意

アイザック・ウォールトン

椎名重明/著  

出版者    つり人社 1998.6

釣りの古典であり、世界中で愛読、とありますが、私は手にしたこと

がありませんでした。初版は1653年のイグリス市民革命のころであり

今回も、原典でなく「大意」です。

著作「人気の秘密」について、引用。

経済的発展においては、イギリスに遅れをとったとはいえ、哲学的な

ドイツ人たちが、迷走する完全なる釣り人の『釣魚大全』にいち早く

共鳴したとすれば、我が国の釣り人たちも、急速に進む工業化と近代

化の荒波の中で、その多くは、釣果を競い、お祭り騒ぎするよりは

静かな釣りを、心のどこかで追い求めてきたのかもしれない。 P14

内容は、具体的にはマス釣りが中心です。

マスの種類、エサ釣り、ルアーフィッシング、フライフィッシング

夜釣り等々と続きます。

もう一つ、本文から、少し引用します。

ウォールトンによれば、職業としての魚釣りだけでなく、レクリェイ

ションとしての魚釣りも、聖書にかなうものでありうるのである。

そしてそれが「完全なる釣り人」の釣りの仕方、スタイルなのであ

る。  P121

 

 3.世界は素数でできている

  小島寛之/[著]  

出版者    KADOKAWA 2017.8

素数とは、1と自分自身以外では割り切れない数のこと。

素数のよもやま話から素数の歴史、素数にハマった数学者の人生

模様、未解決問題リーマン予想まで、素数のすべてを総合的に解説

する。」というのが、一般的解説。

私の能力、体力、興味他いろんな要素が重なっていると思うのですが

いまは、読んで生きてどうもピンとこない状況、という意味で敗戦記録。

一つ引用とコメント

(暗号が破られないことに関して)

「巨大な整数の素因数分解は、うまいアルゴリズムが見つかってお

らず、高速のコンピュータを使っても100年以上かかってしまうの

です。」P138  との記述があります。

私にコメントは、

 「量子コンピュータ」が実用化されると、もっと短時間で解析できる

のでしょうか、聞きかじりの思いつきです、悪しからず。

 

4.真正保守の反論 左巻き諸君へ!

小川榮太郎/著  

出版者    飛鳥新社 2019.2

新潮45』休刊全真相、モリ・カケ野党とメディア、「ポスト安倍

徹底批判、働き方改革のおかしさ…。

左派がもっとも黙らせたい論客が、言論タブーに挑む。『月刊

Hanada』ほか。雑誌掲載論文に加筆し書籍化。

私がいつも書く「自分が見たいものを見て、聞きたいたものを聞く」

の典型事例のようです。

少し引用します。

 「マスコミに言論の自由はない。

 では、マスコミにあるのはなにか。

 言論の責務である。」

 

5.銀の匙

著者       中勘助/作  

出版者    岩波書店 2001.1

 少年時代の思い出を中勘助(1885-1965)が自伝風に綴った作品

ですが、ここは和辻哲郎の解説と行きましょう。

漱石がこの作品を高く評価したのは、この作品の独創性を誰より

も強く感じたからであろう。実際この作品には先人の影響が全然認

められない。それはただ正直に子供の世界を描いたものであるが、

作者はおのれの眼で見、おのれの心で感じたこと以外に、いかなる

人の眼をも借りなかった。」

 
 
 
 

今週のお題「読書感想文」読んだ本を理解するのが前提でしょうが・・・

1.読書感想文と書評

今週のお題「読書感想文」です。

改めて考えると、難しいお題ですね。

一般的には、

読書感想文は、

「その本を読んだあなたの心がどのように動かされたか」を述べる

こと。

読書感想文の読み手の、関心事は、筆者の感想ですよね。

一方書評とは、書籍の内容を読者に紹介するために論評したもので、

主に読者が書籍を選ぶ参考にする目的で書かる、と言われています。

つまり、読書感想文は自分の感想を述べるのが目的、

書評は本を紹介するのが目的。

 

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 2.読書感想文のむずかしさ

今も昔も、読書感想文が難しいのがよくわかります。

どのように心が動かされたかを

  〇把握することも、

  〇それを表現すること

も、双方とも極めて難しいですよね。

難しいこと、苦手なことが嫌いになるのは、人間の心理。

私は、子供のころも、現在も「読書感想文」は苦手です。

 脱線

  感想文を書くのが「苦手」であることと、趣味の読書は別。

  ある程度の年月生きてきて、それなりに読書ををしていると、

  一定の知識の蓄積の部分があります。

  そこでは、々の書籍が「繋がって」くることもあり、それなり

  に面白い体験です。

さて、読書感想文を書こうとして、

もう一つ、本質的な話、理解力の問題があります。

誰でもみな、一流になれるわけではないのは芸術でも、スポーツでも

そうでしょう。

理解力も、人それぞれでしょう。

あるコラムを読んでいたら

読書感想文作成にあたり

「きっかけ→あらすじ→心が動かされたこと→まとめ」

の構成をしろ、とあります。

そのとおり、正しい指摘かと思います。

問題は「あらすじ」が、書けるか、ということ。

書くというのは、大変な作業で、理解している、解っていることが前

提とならないとできないし、相手に伝わるように正確な表現をしなければならない、と思います。

笑い話的に、極端な例を書くと、

  数学や物理学の世界で長らく解けなかった難問を、ついに証明し

  たと宣言したとします。

  ところが、その証明が正しいか否か解かる人が世界に十数人か

  ら、数十人しかいない。

私が言いたいのは、あらすじが書けるほど、理解できる文章は、人

によって違う。

私の場合、理解できる文章の分野がかなり限定されていて、正しく理

解して「こころが動かされた」ことは、そんなに多くはないのでは

、無いか、と不安です。

今更不安がっても仕方ないですが・・・

 

3.「もどき」で逃げる。

私はこのブログで「読書感想文もどき」という表現をよく使います。

ちゃんと書いてあることを理解して、それに対して「心を動かされ

た」ことを書けば、立派な読書感想文でしょう。

私の場合、勝手な読み方をして、実は著者の意図を充分理解しないま

ま、自分が考えていることを、書いてしまう、事がよくあります。

恐らく、著者の意図とずれているのでしょう。

それは、「書籍の内容を読者に紹介するための論評」とも違います。

ある書物をネタに、自分勝手に書いている意味で「もどき」を使うよ

うに、しているだけです。

 

 

 

 

 

 

「読書感想文に関する思い出」から「大人の本気の読書感想文」まで

「超」独学法(読書感想文もどき) 再び野口悠紀雄さん 読みながら反省しきり

「超」独学法

AI時代の新しい働き方へ

野口悠紀雄/[著]  

出版者    KADOKAWA 2018.6

 1.概要

AI時代の新しい働き方を実現するために最も重要なスキルが、「超」

独学法。経済学、英語、ファイナンス理論、仮想通貨、人工知能

ど、縦横無尽に独学した著者が見出した「独学」マニュアルです。

 また、野口悠紀雄さんを取り上げます。このブログでは7月26日の

「だから古典は面白い」で、紹介しています

だから古典は面白い(読書感想文もどき)今回は野口さん 深読みと独自見解はさすがです - 中高年michiのサバイバル日記

野口さんの広義の「勉強マニュアル」は、一世を風靡した超勉強法シ

リーズ以来でしょうか。

2018年6月刊行ならもう1年半前差し古くないか?

さにあらず。「基本」はいつも同じ。

道具としての通信インフラやソフトが一層進展して、利用しやすく、

といったところでしょうか。

 

2.ピックアップ

(いつものように、なるほどと感じた部分を五月雨式に取り上げま

す)

独学とは別に大げさなことではない。このように「知りたいこと

を調べる」ということなのである。 P36

 

自動的に敵が味方に変わることはない。こちら側で何らかアクション

をとらなければならない。そのアクションが独学なのである。 P42

 

(独学はノスタルジーではない、という議論)

・独学者は環境にめげなかった。彼らは権威ではなく、自分の力を信

じた。

・独学者だからこそ新しい発想ができた。 P68

 

時代の変化が激しければ、独学を続けないかぎり、最先端に追いつけ

ない。AIの時代になれば、知の世界はさらに根本的な変化にさらされ

る。それに拠って、独学への先祖返りが起きるだろう。 P70-71

 

(野口さん自分自身のこと)

こうした仕事をしている人間が、独学をしないということはあり得

ない。学生として勉強した知識が仕事の基礎になっていることは事実

だが、仕事の受けで直接役立つ知識のほとんどは、その後に独学で学

んだものだ。  P81

 

新しい分野であれば、教えるほうも独学で勉強するしかないのだ。P82

 

大学の教育は、少なくとも学部レベルに限っていえば、やる気になれ

ば独学で習得できる。  P84

 

人間の生物的条件から言えば、殷代年齢が70~80歳にならなければ

ならない。仕事をする期間が長くなり、働き方も画一的ではなくな

る。 P99

 

 フリーランサーとして仕事をするためには、インターネットを通じて

情報発信することが不可欠だ。   P111

 

(社会人向け学校は)、授業料を稼ぐために行っている営利事業で

ある。そのため、勉強をしたい人のニーズに本当に応えているかどう

か、疑問である。   P114

 

継続のために必要な4つのこと

①  はっきりした目的を持つ

②  強いインセンティブを持つ

③  勉強の楽しさを活用する

④  時間を確保する     P131

 

日本が勉強の必要がないユートピアになっているのなら話は別だが、

長期的に経済的地位が下落し、勉強の必要性が非常に高いにもかか

わらず、勉強しない。これは悲劇である。  P141

 

「人に見せたいから、あるは自慢したいから努力する」というのは、

決して悪いことではない。「政治家は、偉くなるほど能力が高まる」

と言われる。それと同じことである。  P142

 

「そう言われても、教える機会などない」「本を書けるのは一部の

人だ」との意見があるかもしれない。

しかし、そんなことはない。今で名、ブログで誰でも同じことが

できる。   P148

 

電車の中での時間帯の過ごし方を見ていると、その人の未来が見

える。本を読んだりメモを取ったりしている人が最近では減って

きた。スマートフォンを見ている人が多いのだが、何を見ている

のだろうか?  P153

 

全体を把握すれば、ここの部分がどのように関連しているかが分

かる。とにかく最後まで行ってしまえば、何が重要かが見える。

なぜある概念が必要だったのか分かる。個々の概念がどのように

つながっているかが分かる。  P164

 

実用英語におけるもっとも重要な目的は、正しく聞けるようになる

ことだ。

正確に聞くことができれば、ほぼ自動的に話せるようになるという

ことだ。     P184

 

「聴き取ろう」とする意識がない限り、何度聞いても外国語の勉強

にならない。しかし、聴き取ろうとして聴いて入れば、聴く能力が

無意識のうちに向上していく。そして、長い時間の間には、大きな

変化が生じるはずである。  P194

 

英語の勉強は独学、のまとめ

①仕事で必要なのは専門分野の英語、英会話学校では、提供でき

ない

②英語の勉強には文章の丸暗記が必要。一人でしかできない

③居材となる音源の入手が容易になった。  P198

 

独学では、知りたいことのおおよその体系を最初に把握する

必要がある。そうないと、情報の大海に溺れてしまう。 P204

 

AI時代において重要なのは、「私が知りたいことは一体何なん

だろうか?」あるいは、「私のすべきことは一体何なんだろう

か?」ということである。  P228

 

3.読みながら思うこと

 情報インフラが、手がるに使えるいい時代になったんだから、

ますます「逃げ口上」が難しくなります。

「時代の変化が激しいので、勉強しなければ、時代について

いけない」とは、解ってはいるんですが・・・・・

私の場合明確な目的意識の欠如でしょうか。

抽象的ですが、「自ら情報発信したい以上、しっかりしたものを

書く、そのためにしっかり独学をする。」という意識でしょうか。