中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

ようこそ地獄、奇妙な地獄(読書感想文もどき)地獄意識の変遷、でしょうか。

ようこそ地獄、奇妙な地獄

星瑞穂/著  

出版者    朝日新聞出版 2021.6

1.概要

 仏教とともに地獄の存在を知って以降、常に地獄を身近に感

じながら生きてきた日本人。

「往生要集」「日本霊異記」「平家物語」といった古典文学

や絵画をひもときながら、時代の空気の明暗や当時の世相、

日本人の死生観を説いています。

いまさらながら、自分の古文の読解力がいまいち、と強く

感じます。忸怩たる思いですが、なかなか厳しいです。 

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地獄の著名人と言えばやはり「閻魔大王

2.本分から

(往生要集の世界の在り様の7つの分け方)

まず、我々の住むこの世界は心休まることがなく、忌み嫌う

場所であり「厭離穢土」である

7つに分けると

①地獄  ②餓鬼  ③畜生   ④阿修羅   ⑤人

⑥天         ⑦惣結

①の地獄をさらに8つに分ける

統括  黒縄  豪州  叫喚 大叫喚 焦熱 大焦熱 無間

P18-19 

 

「あの世」の風景は、時代とともに変遷しているらしい。

平和ン時代の説話省などの古典文学に描かれた「あの世」

には、広大な野原や大きな川といった共通する景色はある

けれども、中世以降、人々の関心が移ろうと、それに伴って

新し設定や伝説が生まれ「あの世」の景色も大きく変化して

しまうのだ。  P135

 

義仲は「後世を弔う」はずの家臣たちを次々と失うことによ

って、来世さえ期待できない孤独な末路を迎えたのである。

人を殺したという罪を背負い、家臣からの供養もなく中陰を

彷徨い、十王の裁きを待つ。これは中世の人々にとって、最

も怖れていた死のあり方だった。  P149

 

これは筆者の推察だが、閻魔王をやりこめてしまう朝比奈は、

地獄の恐怖を人間が乗り越える時代の象徴だったのではない

か。

ただひたすら地獄に怯え、「この世」にも希望が持てず、

「あの世」に行ってからの心配ばかりしなければならない

戦乱の時代が終わろうとしていたときに、人々は仏法の功

徳を説く説話世界から離れ、「この世」の明るさを楽しむ

時代を求めていた、それをもたらしたヒーローこそ朝比奈

だったと推測するのである。  P234

 

第六章 パロディ化した地獄から

(古代から中世にかけて、日本人の侵攻に基づいた怖いモノ、

畏怖すべきものから、暮らしの中にある当たり前のものに変化

してきあたようです。川柳を須耕志引用します。)

極楽へ やるぞととえんま こをしかり

 

閻魔さま 仏師がへたで 笑い顔

 

さし引きは 閻魔も困る 医者の罪

 

又行って 来るとたかむら ちょっと死に

 

絵で見ては  地ごくのほうが おもしろい 

 

日本人は無宗教の人が多いと言われるが、実際のところは

特定の宗派に属していないだけで、毎日にように宗教的な

行動をしているというのはよく指摘されるところだ。  

(中略)

いくら無宗教といっても、日本人が地獄を完全に忘れてしま

うことは、今後もおそらくない。なぜなら、人はいつか必ず死ぬ。

死んだらどうなるのだろう」という疑問や恐怖は、宗教を越

える普遍的な人の心。  P299 

3.今日の感想

確かに地獄という切り口は、面白かったです。
古典を直接読み通せなかったのは悔しかったが、古典の流れを
追いつつ、現在につながる慣習を認識し、これを通じて、考え
方の変遷をしる、と言った具合でしょうか。
最期にまた引用します。
  日本に住んで、日本語を話しているだけで、日本のことが
  わかるわけではない。歴史書、古典文学、民俗信仰を見て
  ようやく、我々は過去に日本と対話することが出来る。
  時には、チェスター・ビーティー・ライブラリーのような
  海外の井戸に深く潜ることで初めて照射される過去がある
  ように思う。  P306 
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自分の立場を守るために過激になりがちなことは、過去も現在もよくある

今日の話は、単純で、タイトルの通り、昔も今もよくある話です。

ある目的達成のために集まった集団が、急進、一途、非寛容になり、

結果として,もともとの主張より過激になりがちとのこと。

 1.過去事例を少し

フランス革命時のジャコバン派をあげましょうか。

王党派や穏健なジロンド派を、潰していきながら「恐怖政治」を続行

主張や政策はより急進的になり、理想は高て一途な思いはいいのです

が裏を返すと、妥協を許さず、自分と意見が違う人々を排除していき

ます。

「排斥」の多くは。相手の命を絶つことになります。

しかし最後にはジャコバン派の首領ロベスピエールも処刑されるよう

に、「反動」を引き起こしてしまいます。

ナチス・ドイツもそうでしょう。

組織の一員である自分の立場を守るため、より温和、中立に近い考

えの人を批判する子おtになり、より過激になって行きます。

ソ連スターリンに関しては、私の不勉強と、情報不足は否めませ

んが「人をたくさん殺した」という事は、反対勢力に力で対応した

ということであり、ヒトラースターリン毛沢東ポルポト

似たように思えます。

日本の戦後のいわいる赤軍派にみられる集団リンチもそうでしょう。 

相手を認める、つまり、自分と違った考え方や行動を認める寛容さ

が欠如してします。

目的達成のためには、手段を選ばない、正義は我にあり、との思い
込みがあります。 

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いろんな考え方を、冷静に寛容に検討すべし。
2.現在を見まわしても
(1)ある新聞社の社員が、住居侵入で逮捕との報道があり、
本人は取材だと主張していますが、ルール破りの「過激」な行動。
 この若い記者にとっては、自分は「取材という正しいこと」をし
ている感覚で、「正しい報道」という正義のためには、住居侵入
という違法行為も許される、という独りよがりなのでしょう。
(2)許される、という思い込みは、大昔に、ドストエフスキー
罪と罰」でしょうか。
少し、引用しますが
 主人公は貧しい青年のラスコーリニコフ
 彼のの下宿の近所には、金貸しの老婆がいました。老婆は強欲
 で、義理の妹を女中のようにこき使っていました。
 人の生き血を吸うことしかしない老婆に、生きる価値などある
 のか。 老婆を殺せば、借金に苦労している人が救われる。
といったものでしたよね。
これも独りよがりの典型。
(3)少し大きな話をすると、米国のブラック・ライブズ・マターや
南部国境の不法侵入者への結果的緩和政策、どうも、不寛容で過激な
対応に思えます。バランス感覚の欠如を強く感じます。
中国にしても、習近平政権は、権力維持のため、より強硬路線を維持
各国と対立を深めている政策継続の気がします。
(4)北朝鮮キム・ジョンウン政権は言わずもがな、でしょう。
 
3.あなたはどうなの?
 思想的に、過激にならざるを得ない「組織」に属しているわけでは
無いので、それは幸せです。
明日のこ食料を手に入れるため、自分お立場を守るため、そうなざ
るを得ない、といった環境にはない、といえます。
とはいえ、自分と意見が違う人、一つの考え方を「思い込んで」いる人
「凝り固まったた人」に対して、ついつい不寛容になりつつある自分を
感じます。
これには、気を付けないと・・・

ワクチン接種個人論および予約は単にサーバーの混み具合?

1.ワクチン接種の話

市役所から、「新型コロナワクチン接種のお知らせ」がきました。

今回のワクチンについては、私見は縷々あります。

私の一つの考えは、打っても打たなくても同じ。

確率論です。ワクチン接種の弊害は確かに多そう。

ワクチンを打っても打たなくても、感染する場合はあるだろう。

もし、感染して、苦しんだら、その時はその時で仕方ない。

では、ワクチン接種しようと思ったのは、広義の「同調圧力」で

しょうが。

(考えると、私にとってマスク着用も同じです。)

妻と長男と度巨しているのですが、殻らは社会人であり、組織人

であり「ワクチン接種」がベターな組織のようです。

確かにヒトと接する仕事ですし。

同居する私は「濃厚接触者」ですし、彼らの目に見あぬ「圧力」

緩和のために、私も接種したほうがいいかと。

繰り返しですが、擬制的精神とか、こころいきといった高尚な

意思決定ではなく、確立論から、接種是非のどっちでもいいので、

同居家族に有利な(負担軽減)ようにとのことです。

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ワクチン効果は私には不明、家族がいるし同調圧力対応

2.ワクチン接種のインターネット予約の話

(1)書類は一通り、事前に読みました。

特定日の午前8時30分から予約開始という事で、抜け駆けせず真面目

にPCの前にいて、スタートです。

接種券の券番号や生年月日等の確認はスムーズ

接種会場を選択して、接種時間を指定して、予約完了

「なるほど、スムーズにことが運ぶものだ、」と思いきや

SQLSTATE[08004] [1040] Too many connectionsDB

Connect Error!

とのメッセージが出て、PCが動かず、固まってしまいました。

いやーまいりました。

(2)2分後くらいして、画面がようやく戻りました。

ただし、さきほど入力した情報(私の携帯番号、接種会場、接種時間等)

は消えており、再入力ようとしたら先ほど入力した時間帯は、満員!

また、最初からやり直し、会場時間を選択し、あららまた

SQLSTATE[08004] [1040] Too many connectionsDB

Connect Error!

そして、何回か操作するも、この画面から動かない状態。

時計を見ると、最初から25分くらいたっています。

(3)ようやく画面がもどったと思ったら

何と、当初予約した日時から1週間分も埋まっていて「満員」表示

とはいえ、これで後日とすると、ずっと進まないだろう。午前9時

過ぎ、10時過ぎとならば、もっと混むのでは?

予約もできず、時間の無駄になる簿では?

そこで、たまたま、空いていた日曜の昼に、申し込み予約をしました。

今度は、何とか、クリアーした様子ですが、2回目の接種が4週間後

の同時間に設定されていて、また日曜の昼か・・・・。

(4)ふと思ったこと。

いやあ、想定してい増しあが、時間がかかって、大変でした。

今回の顛末は、私の入力手法腕も、PCの性能や家庭のインターネット

環境の劣後ではなさそう。

単に、市役所が使っているサーバーの混み具合に、思えます。

 いろんな方面で、インターネット予約の常連さんとか、複数回経験

している人なら「予約が大変なのは当たり前」の世界かも知れませ

んが も一つ浮かんだのは、予約キャンセルにペナルティはなさそう

だし

余ったワクチンを上手く使う(予約なしでも希望者に接種)という

発想はなさそうで、同じことが全国各地で無駄が生じているのでし

ょうね、ということ。

 

3.直近、新型コロナ対応に思う事

コロナ騒動は継続ですが、マスメディア報道は、ほとんどき気に

しなくなくなりました。

正論、真相からは程通り、煽り曲解の解釈は気にしていません。

一つ、医師会というか医療業界のさぼり、極度の自己中心主義

への不満は相変わらずです。

新型コロナがそんなに大変なら「病床」を増やせばいいだけ

でしょう

医療崩壊を叫ぶだけで、自らは対応しようとしない。

医者の自己中心、金儲け最優先は今に始まったことではない

ですがまた、相対的に楽して金儲けのために医者になるのは、

解りますが

「緊急事態」というなら、「国民の健康維持」に、少しは協力

するくらいの職業意識が欲しいものです。

七夕の話題を少し 7月7日ではなく8月7日の地域も いつもと違い歳時記的勉強

1.情報の収集

(1)最近の私のブログを見てみると、政治経済社会行事からめてち

ょっとした社会風刺というか、私見披露が多く、他は読んだ本の紹介と、

はてなブログの「お題」が定番的に入る程度です。

世相を反映し、新型コロナ感染症への、各方面の対応に対してのコメ

ントもいくつか。

以前はみそか、正月、お盆等の歳時記的なものも、書いていました。

いわいる「特化型ブログ」というのでしょうか。読者の特定の有益な

情報を整理して提供、ということは私にきていません。

(2)さて、今日は七夕について、少し。

調べると言っても、このPCで少し検索して、閲覧する程度で、ひと昔

と比べて、情報アクセスが非常に容易で、その反面「差別化」は、

とても難しい。

今どきは決まり文句のように、「地上波や日本の大手新聞では報道し

ない」とあ、「日本語ニュースでは見ない」とかの「限定」を打ち出

すようですが

「インターネットで検索しても、見つからない情報で、「紙の本や足

で歩いて情報収集」といったモノは凡人ではなかなか、難しいと思い

ます。

ひと昔前みたいに「百科事典にあたって、自分で動いて・・・という

のは、能力・予算・環境・バックアップ等が欠けると難しかろう

ということ。

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難しい話は置いといて「短冊に書いた願いが叶う」イメージ

2七夕(たなばた)について

(以下の多くの実態はネット検索で、個人的の興味部分をピック

アップしたたけのもの)

(1)定義めくもの

七夕(たなばた)は、中国・日本・韓国・台湾・ベトナムなどにおける

節供・節日の一つ。

五節句の一つにも数えられる。星祭り(ほしまつり)という。

日本の七夕祭りは、新暦7月7日や、その前後の時期に開催されている。

 (2)歴史は割愛

 (3)現代の日本での風習

ほとんどの神事は、「夜明けの晩」(7月7日午前1時頃)に行うことが常

であり、祭は7月6日の夜から7月7日の早朝の間に行われる。

午前1時頃には天頂付近に主要な星が上り、天の川、牽牛星織女星の三

つが最も見頃になる時間帯でもある。

全国的には、短冊に願い事を書き葉竹に飾ることが一般的に行われている。

短冊などを笹に飾る風習は、夏越の大祓に設置される茅の輪の両脇の笹竹

に因んで江戸時代から始まったもので、日本以外では見られない。

 (4)時期

日本では、旧暦(天保暦、和暦)の7月7日(行事によっては7月6日の夜)

に行われ、お盆(旧暦7月15日)に入る前の前盆行事として行う意味合いが

強かった。

明治6年1873年)の改暦後は、従来通り旧暦7月7日に行う地域、グレゴ

リオ暦(新暦)の7月7日に行う地域、月遅れの8月7日に行う地域に分かれ、

特に新暦開催ではお盆との関連が薄れた

なお、旧暦では7月の翌月に閏7月をおく年もあるが、閏月に年中行事は行

わないので、閏7月7日は旧七夕ではない。

グレゴリオ暦の7月7日は夏だが、旧暦の7月7日はほとんど立秋以降である

ので、古来の七夕は秋の季語である。

 (5)現代日本

現代の「七夕祭り」は、神事との関わりも薄れ、もっぱら、観光客や

地元商店街等への集客を目当てとしたものとなっている。

神輿や山車などを繰り出す祭りと異なり、前日までに、笹飾りをはじ

めとした七夕飾りの設置を終えれば当日は人的な駆り出しも少なく、

また商店前の通行規制も少ないため、商店街の機能を低下させること

なく買物客を集められるという点で、商店街との親和性が高く、戦後

の復興期以降、商業イベントとして東日本を中心に日本各地で開催さ

れてきた。

多くは昼間のイベントと、夕方から夜にかけての花火という組み合わ

せが殆どで、伝統的あるいは神事としての七夕の風習に頓着せず行

われている事が多い。

 (6)天の川の見やすさ

グレゴリオ暦7月7日の月齢と天の川の見やすさを記号(◎→○→△→×)

で示すと以下の通り。

2020-07-07: 月齢16 ×

2021-07-07: 月齢27 ◎

2022-07-07: 月齢8 ○

つまり、昨年は「×」でしたが、今年は「◎」、来年は「〇」とのこと

です。

(7)個人的思い出

①「短冊に願いを書く」という行事は、いいと思う。

受験の絵馬や正月の初もうで然り、自分以外の「超自然の力に頼る」

傾向は人種、民族、宗教党を超え、ある程度人間に共通する願望ではない

でしょうか。

②幼稚園業jとして。

もう20年以上前ですが、二人の子供は幼稚園に通っていた、七夕限定で

なくに、5月の節句や節分とか、いろんな歳時記的行事に対応していた

ようでした。

幼稚園の先生や関係者のみなさん、ありがとうございます

③たまに行く、スーパーでも七夕飾りをやっていました。

短冊もありました。

無論ビジネスのための集客が、目的ですが、頑張ってください、と言い

たいです。

 

3.政治的な話は、今日はやめ

今年は中国共産党の結党100周年で、国際的に賛否老論のニュースが

飛び交い、7月4日は米国独立記念日で、また幾多のニュース。

敢えて無視して、七夕を書かせてもらいました。 

読書感想文もどきに至らなかった「敗戦記その27」 古典的近未来小説はじめ嗜好が全く違う4冊

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敗戦記「その27」も同じイラスト

昨年1月10日から 「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記」

というのをアップしていますが、今回27回目です。

私の現在形として、本を読める環境というのは、変わっていません。

ありがたいことです。

イラストもあえて、同じものを使用、趣旨も同じで、硬軟とり交ぜ、 

読者への何らかの参考となればと・・

1.1984

原タイトル:Nineteen eighty‐four

ジョージ・オーウェル/[著]  

田内志文/訳

出版者    KADOKAWA 2021.3

言語も思想も管理された近未来世界。

過去の捏造に従事するウィンストンは、記憶と真実を留めるた

め、密かに日記を書き始めます。

伝説の反逆組織の男に声をかけられた彼は、禁断の本を入手し

ます。

歴史の真実を求めて、文字通りもがき苦しみますが、最後は

ビック・ブラザーに象徴される全体主義思想及び組織に、降伏

することになります。

極限状態になると、平均的人間の意志の力なんぞ、弱いものです。

ディストピア小説の傑作といえます。

私は本書も、数々の解説や引用で目にするものの、結果として若

いときや熟してからも通読したことは、ありませんでした。

学制から社会に出て、一通り生活の糧を得て、生きてきていまや、

「人生の最終コーナー(?)」と書くまで来て、改めて「自由」

の大切さを考えている日々です。

状況設定もさることながら、心理描写に「近未来」を感じました。

  

2.鳥類学は、あなたのお役に立てますか?

川上和人/著  

出版者    新潮社 2021.3

一般的紹介は、下記の通り。

 行く手には火山に台風、サメにハエ。それでも鳥の研究をする

 のは、楽しいから。他に理由が必要かい?

 知られざる理系蛮族「鳥類学者」の著者が、抱腹絶倒、命がけ

 の日々を綴る。

私の感想は、 

確かに、学問としては地味で派手さはない分野ですが、川上さん

の文章の面白さ、表現の面白さは、ピカ一だと感じています。 

一部引用します。  

 営利と縁遠い研究は民間企業には難しい。このため基礎研究は

 しば しば公的機関の手に委ねられる。研究者にとっては国家

 がメディチ家であり、国民がパトロンである。私たち鳥類学者

 は、ひいては基礎研究者は、科学的発見という娯楽を国民の皆

 様に提供するために召し抱えられた宮廷音楽家出ある。 P229

 

  3.福田恆存評論集 第1卷

福田恆存/著  

出版者    麗澤大学出版会 2009.9

  一匹と九十九匹と

「文芸評論家」といっていいのでしょうか。福田恆存の執筆です。

戦後の混乱の中、政治と文学の峻別を説いた「一匹と九十九匹と」

のほか、独創的な芥川龍之介論、太宰治論を掲載。あわせて、戦前

・戦中に執筆された未発表論考2編も収録した1冊です。

 読解が難しくて、「一匹と九十九匹と」を繰り返し読んだだけで

全体の通読には至りませんでした。

内容が、私には、やはり難しい。

 

保守論客としての福田恒存なのでしょうが、明治からずっと日本は

混乱している、理由は、「事実の断片のみであり、思想・哲学がな

ったから」とは、鋭い指摘と思います。

「一匹と九十九匹と」から、感じた「政治と文学の相違」について、

九十九匹の側に立って行う政治に対し

 たとえば、全体主義に取り込まれない一匹がいたとして、その一匹

側に立つのが文学と、述べています。

文学は一匹に寄り添う、やはり規範からの逸脱者皮に立つものであ

り、文学は少数者のための存在、なのでしょう。

 

 4.一目置かれる知的教養日本美術鑑賞

秋元雄史/著  ゙

出版者    大和書房 2019.5

絵巻物、水墨画狩野派、浮世絵等、最低限の教養として知っておく

べき日本美術の定番作品や作家を厳選。

日本美術の大きな流れや、世界がなぜ注目しているのかが分かる。楽

しめる鑑賞法も紹介する、という解説です。

私は下記の「プロローグ」の言葉に弱いのです。

 世界は日本美実に注目しています。本書では、最低限の強要として

 知っておくべき定番作品や作家を厳選しました。さらに、「一枚

 の絵」としての日本美術の奥深さを感じているもの選んでいます。

 1760年まれの葛飾北斎のエピソードから引用

  88歳の長寿で他界するまで、生涯にわたって絵を描き続けた北斎

  は、死を前に市得t「せめてもう10年、いや、あと5年でもいい。

  生きることが出来たら、私は本当の絵を描くことが出来るのだが。」

  と嘆いたと言います。 P160  

以下少し抜き書き

〇知的な鑑賞手法から

「空間の連続性」を好む  「ミニチュア」を好む

「対」を好む

〇日本美術は、「ファンタジー

〇3つの味わい方

「余白の美」を楽しむ 「線」を楽しむ

「振り幅の大きさ」(両極端の表現)を楽しむ

 

 

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今週のお題「住みたい場所」 住んだことのない場所には、願望、妄想は仕方ない

今週のお題「住みたい場所」です。

タイトルは、いきなり斜めに構えているようですが、私の場合、

済みたい場所は、過去からコロコロ変わっています。それは年齢

や嗜好の変化というより、その場所や世界を取り巻く環境等々

情報のせいによる部分が大きいようです。

とはいえ、いろんな前提を置かないと、「住みたい場所」は特定

できないので、ライフステージや、経済状況、家庭状況を無視し

て願望、妄想をつづっていきます。

1.台湾の高雄、または台南

このおブログでも、台湾のことは何度か書いています。

個人的に一番好きな外国でしょう。

台湾のことは、歴史も現在の政治刑事軍事状況も、それなりに把

握しているつもり。

出張、旅行ベースでは時代を変えて、何度も台湾各地に行ってい

ますが、長期滞在したことは、ありません。

では、台湾南部の高尾や台南の居住状況をどれだけ把握している

のかと聞かれると、それは疑問符です。

願望、妄想でいうと

ある程度の経済力があると生活インフラが、充実している

湿度はともかく、気温の点で、暖かで良さそう

中国(中共)との軍事的緊張、被占領の危機と言った政治状況は、

私が個人的に心配してもどうなる者ではないので、地震、台風と

いう自然災害と同じレベルと、仮定します。

「対日感情」も、私が接したごく限定された人々や、旅行者と

しての体験、書籍やインターネットからの文字や動画の情報です

から、それは仕方ないことです。

さて、言葉は?仕事は?医療体制は?教育は?と考えると、もう

「住みたい場所」の選定が困難になるので無視します。

還暦過ぎた現在の自分状況が、スライドされるとしての、妄想で

した。

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「住みたい場所」ですが、地球儀イラストにしました。

2.若い独身の頃、滞在した札幌

今度は、日本の都市を取り上げます。

まず、日本国内の住むとしたら、最低限の生活インフラが確保され

ているという前提です。「国民皆保険」のもおt、最低限御医療サー

ビスは、どこに住んでいても享受でき、それが今後も(少なくとも、

自分の存命中は・・・)

継続できるであろうとの願望込みで。

さて、札幌は30年以上前ですが、実際住んだことがあります。

「地理感がある」なんて、僭越なことは言いません。

ただ、当時住んでいて、いい思い出は沢山あります。

(単に、イヤな思い出は、意識無意識双方で忘却しているだけ

かもしれませんが)

当然当時の状況とは、自分の内部も外部も様変わりではあります

が現在の札幌の状況も、ある程度把握しているつもり。

まあ、現在の私で済めないことは無いだろう、として、リストに

しました。

 

3.熊本県の人吉盆地

何のことは無い、故郷です。

情報は沢山、あります。日本国内では「熟知」している地域の

一つです。

一族の「墓」も、ここにあります。

古い知人も、まだまだたくさん存命で。情報インフラ、生活イン

フラも、ある程度把握済み。

しかしながら仮に住んだら住んだで、昔の思い出とついつい、比較

しそうで、不満点が続出は、想定できます。

 

4.米国のハワイですが、郊外の方

海外に戻ります。

今日のお題が「生きたい」ではなく「住みたい」ですから、ある程

度情報があるところ、になります。

旅行者情報でなく、私の友人の学者(日本の大学の法学部教授)の

話ですが彼の知人の学者(法律系の学者で米国人)は、ハワイの大

学で仕事をして、数年住んだが、毎日のランニング含め真摯な規則

正しい生活習慣だったとのこと。

私が住んだ場合、もっともっと甘い生活を送って、やはり長くは

滞在できそうにないです。

 

5.短期滞在ならいけそう

2から3シーズンの短期題材なら「住めそう」と思うところが、

いくつかあります。

ここでも現役バリバリのビジネスマンではなく、ある程度現在の

私の境遇に近いことを前提とすると、

ベトナムホーチミンハノイでなく、旧サイゴンと言われた

あの町)

スウェーデンストックホルム(冬の外が寒いのは覚悟の上)

イタリアパレルモシチリア島の都市です。これは以前仕事で

短期滞在)

 

というわけで、願望、妄想つづったものになりました。

また電車内に傘を置き忘れた・・・・転じてブランド価値のこと

1.また傘を置き忘れた

(1)私は公私とも移動時は電車の乗り換えをよくやります。

遅い時間の今朝の出来事ですが、座席に座って傘を横に置い
ていたのに、到着駅で降りる時は、存在を忘れていて後で、
しまったと、気づきました。
その後も、(乗り換え等で)電車に乗る訳ですが向かいの座席
の人々は、皆いつものスマホ姿ですが、確り濡れた傘を手にし
っかり持っている、いやはや・・・・。
(2)「注意力がちない」「意識が低い」と言われると、まさ
にその通り。傘案件に限らず、指摘が「正論」であっても、言
い方、感じ方次第で、トラブルのもとになるのも世の常。
今日は、言い訳を書きます。
ちょうど、著名人のエッセイを読んでいて、意識がそちらへ、
というもの。
私とレベルが違いますが、出口治明さんも、読書中、ついつい
電車の下車駅をのりすごすことがある、と何かに書いていまし
た。
物事に集中すると他が見えなくなることは、よくありがちです
が、これが「美談」として歴史上も残っているのは、何らかの
成果を残した人でしょう。
 

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香港の「雨傘運動」のことは、今日は書きません。

2.ブランド価値の話
(2)さて、傘置忘れ事件の時、読んでいたエッセイですが、
なんの変哲もない、とは失礼ですが、軽めの割と、よく見か
ける論調。
無論駄文では、ありませんが「著者名を隠したら、売れない
だろうな」と思ったりします。
過去の実績があり、それなりの地位を確立している人の文章だ
から、読んでみようか、という人が多くて、売れるのでしょう。
内容に書かwらず、本を買いそうな「ファン」を形成するのは、
すごいことで、「ブランド価値」と言えるのでしょう。
(2)ブランド価値はすごい、として思い起こすのは、「コカ
コーラ」です。ジョージア種跡乱打本社の、あのグローバル企
業です。
今日は、米国株式市場の観点から、企業財務、のれん価値しての
コカ・コーラのすごさは、論じません。
私の昔話から。
今を去ること、40年以上前。
若い私は、タイの南部を一人、旅していました。
暑い気候で、冷たい飲み物が欲しくなります。
ある旅の先輩から、以下の話を聞いていました。
「氷入り飲料は危険だ。どんな水で作っているか不明、
やられるぞ。少しおカネを出しても、未開封コカ・コーラ
を買え。そして自分で開けて、その場で飲め」
なるほど、「安全」というブランド価値の大きさを象徴して
います。
今でも、よく思い出すのは、言いつけ守らず私が「当たった」
から。つい、氷入りのうまそうな飲料を飲んだわけですが、
「下痢」となりました。
幸いバンコクへ戻る途中であって、その後医者に駆け込みまし
たが、もともと英語ができないうえに、医者に医学用語を説明
されても、さっぱり理解不能で、往生しました。
隊の名誉のために再度言うと、今から40年前の話です。
 
3.金儲けの神様邱永漢の話
(1)40年前のタイの旅の思い出のアロ、作家の邱永漢が浮かび
ました。「金儲けの神様」も、はるか前にに故人です。
思い出したのは、彼の息子の一言
「父は、すごいです。私の結婚式・披露宴は長いと言ってもたか
だか数時間です。父は、その様子やお土産をネタに連載記事で、
3回くらいに渡って、書いていますから・・」
(2)邱永漢は、私の好きな「台湾人」の一人なのですが、今度は
娘さんの言葉を引用しましょう。

そこで、娘の邱世嬪の評価も交えて、彼の実態を書くと、

 自分でも認めているように、作家としては小結クラスであ

り、(P281)、 実際はビジネスは下手で、「金儲けの神様」

というのは自分で作った虚構、イメージ(P286)である。

 短く評すると、

欲と理想が1人の人間の中に矛盾なく共存する、好奇心の塊、

大人になれなかった子供(P292) です。  

「タイワニーズ」(読書感想文もどき)金儲けの神様「邱永漢」について少し - 中高年michiのサバイバル日記