中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦前の中高年がざっくばらんに書きつける日記

「哲学・宗教の授業」(読書感想文もどき)佐藤優さんの解りやすい講義

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哲学・宗教の授業


今回取りあげるのは、

「世界のエリートが学んでいる哲学・宗教

  の授業」

佐藤優 著

発行書 PHP研究所

 

前回に続き、佐藤優さん著書は2冊目です。

今回は、 筑波大学の連続講義「哲学的訓練」を紙上で再現した

ものです。

読みやすかったのは事実です。

哲学と宗教が、人間が生きていく上で不可欠な基本原理であることは、私も良く解っていますし、

史書を読んでいても、記載してある歴史の当時の現場の、哲学と

宗教の基本感が解らないと、全体の理解にいまいち欠けている部分

があるように感じます。

一方、名前は知っている概念ですが、私自身がよく理解できないこと

が多々あります。

というのは、自分の言葉でうまく表現できないのです。

その概念や事象を、私自分が理解できる言葉で、佐藤さんが要約して

いる文言を見ると、そうだろうな、とついつい思ってしまいます。

本来は「著者の佐藤さんの見解を論破できるくらいにならないと」、

とは思うのですが

勉強も進まず、「日暮れて途遠し」、なかなかうまくいかないもの

です。

 

いつものように章立てを示すと

第1講 なぜ哲学を学ぶのか

第2講 真理へのアプローチ

第3講 建設的な議論のために 

第4講 人間の認識のしかた

第5講 時代の後退ーーー20世紀は18世紀

第6講 「怖れ」と「笑い」について

第7講 閉塞感がもたらすもの

第8講 この世界はどうやってできたのか

第9講 ナショナリズムについて

第10講 神話に囚われる人たち

第11講 信頼の研究

第12講 キリスト教を知らない日本人

第13講 バチカンの世界戦略

第14講 救済のシステム

第15講 ムスリム自爆テロはいかにして生まれたか

第16講 「アラブの春」とIS

第17講 物事の本質をつかむ「類比」の思考

 

それぞれ対話形式でコンパクトかつ解りやすいコメントだし、講義

末尾に「Point」として要約したあり、記憶の定着の一助となります。

 

さて、私がなるほどと、思った部分を少しピックアップします。

4講

「共同主観性(間主観性)とは、自分と他人との間に共通の認識が

あるから、物事や世界が成り立っているという考え方

廣松渉は他者との関係がモノのように見えてしまう現象を「物象化」

と呼んだ。

この「物象化」により常識が生まれ、社会システムが作り出される。

 

6講

罰への恐れが、人の行動を固定化させる。

人間は、自分の論理で理解できることと理解できないこととの境界線に触れた時に笑う

 

7講

ナチズムは優秀なアーリア人を増やしていくという単純な考え方

それに対し、ファシズムは皆で支えあい、仲間を束ねていくとい

う発想

 

8講

存在論」がある欧米の人たちは、日本人に比べ世界の成り立ちに

関心が高い。

仏教観では、自然界は(ひとつでなく)多数存在する

仏教(阿毘達磨愚舎論)では、業の働き、関係性によって自然界が生
み出されたと考える。
 
9講
(道具主義の説明部分)
道具主義とは、
「概念、理論はいかに精緻でも仮説とみなされるべきであり、それ
は道具である。
道具の価値は、それ自身の中にあるのでなく、その使用の結果、現れ
る作業能力(有効性)の中にある」として、アメリカの哲学者ジョン・デューイの考え方を示しています。
 
10講
人間の作り出した神話に、人間が囚われてしまう「物神崇拝」その
ポイントになるのは、貨幣。
日本にも様々な神話がある。知識人は、常に物事を冷静に見る目を
養わなくては、はならない。
 
12講
カトリックでは訓練を受けていない人は勝手に聖書を読むべきでないとするがプロテスタントは誰でも読んだほうがいいとする。
 
13講
バチカンの世界戦略は
 ➀対話によってイスラム穏健派を味方につけ、イスラム過激派と
戦わせる
 ②中国に対しても対話によって内側から崩す。
 
14講
今の日本では、現場を大事にしようとする「現場主義」の名のもとに、反知性主義が広がっている。
 
といった具合です。
10講にある、「貨幣」について
マルクス資本論を取り上げ物心崇拝から著者の佐藤さんは論じて
いますが
近代経済学は、貨幣がどうしてできているかについて、あまり
研究しません」と述べています。
後日、近代経済学岩井克人さんの貨幣論について、コメントでき
れば、と思っています。