タイトルの通り、人口減少の功罪を、見ていきたいと思います。
1.人口減少による労働力の不足
まず、進行中の人口減少が、労働力不足の要因になっていることは、同意論調が
多く、この点は、あまり異論がないようです
そして、労働力不足解決策としては
女性の活用、高齢者の活用、外国人労働力、AIの活用
当たりが主流
一つ引用します。
深刻化する人手不足、2030年には644万人不足の予想
その解決手法として
➀働く女性を増やす:保育サービスの充実で出産育児による離職を防ぐ
②働くシニアを増やす:働きやすい条件・環境を整備し、年齢に制限の ない活用を促す
③日本で働く外国人を増やす:働く場として魅力を磨き、受け入れ拡大ベースを維持
④生産性を上げる:AIやIOT活用による自動化で生産性を向上し、
労働需要を減らす
644万人の人手不足~4つの解決策の提言~(労働市場の未来推計2030) - パーソル総合研究所
2.日本の人口減少は、大問題である。
人口減少と超高齢社会を結びつけ、労働力不足を指摘する議論が大部分です。
人口減少は大問題のひとつである、との事例を紹介すると
➀デフレが続く
デフレの原因が人口減少だけではないにしても、この問題を素通りしては解決できない。人口減少は税収の減少をもたらし、巨額の財政赤字の原因とも密接な関係がある。
➁経済が縮小する
労働人口が減少すれば、消費の中心となる人口が着実に減少していくことになる。流行とか消費に興味がなくなった年金生活の高齢者ばかりの社会では、経済が縮小していくのは当然のことだ。
③チャレンジしない「責任回避社会」がはびこる
人口減少社会では、若者の比率がどんどん減少して、企業の管理職や政治家、行政をつかさどる官僚や役人も、すべてが年寄り中心の社会になっていく。チャレンジよりも安定志向が強く、現在の生活レベルを脅かすことには臆病になる。
④不動産価格の崩壊が示す人口減少の影響
バブル時代、あるいはその後に購入したマンションや一戸建ての値崩れ現象が、都心の一部を除いて現在も起こっている。
⑤「2018年問題」に揺れる教育現場
教育産業全体が衰退していくことになるのは間違いない。実際に、大学受験業界の現場では18歳以下の人口が加速度的に減少する「2018年問題」という課題が、業界のリスクとされている。
そして
行き着く先は社会保障制度の崩壊?
と提示し、処方箋としては、
やはり、出産による人口増加、AI、移民、を列挙しています
日本人は「人口減少」の深刻さをわかってない | 国内経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
3.人口減少は日本にプラス
➀.進化生物学者のジャレド・ダイアモンド氏の主張は以下の通り
日本における最大の問題の一つが資源不足だからです。資源に対する需要は人口に比例します。日本の外交政策にとって、1世紀にわたる難題はまさにこの資源の輸入でした。もちろん経済的にも大きな問題ですから、人口減少は日本にとってアドバンテージ(利点)になるのです。
彼は、人口減少により資源輸入絶対量が減ると見ていること。
(私見ですが)卓見とは思うがミクロで見ると、若者と老人では、同じ一人
でも必要とする資源が違うのでは?との疑問が・・・・
後述します。
では、労働力不足は、どう解決するかにつては
やはり、女性と高齢者の活用ということになります。
私が知らなかったことは、
アメリカにもかつては定年退職制がありましたが、雇用における年齢差別禁止法(ADEA)が制定された1960年代に廃止されました。
高齢者活用の結論は
日本は世界で最も高齢者が多い国です。定年退職制という馬鹿げた制度を続けるのではなく、働き続けたいと思う高齢者の雇用機会を確保し、彼らを最大限に活用する方法を見つけるべきです。
「日本の人口減少は喜ぶべき」少子高齢化の克服法をジャレド・ダイアモンドUCLA教授が語る | BUSINESS INSIDER JAPAN
② もう一つ見解紹介
「人口が減ると自体はいいこと、日本の適正人口は7,000万人から8,000万人」
という見解 、ただし、人口の返済は問題
私は、現在の日本の人口は多過ぎるので減るむしろ私は、人口減少は日本にとっていいことだとすら思います。大事なのは無理に人口を増やし続けるより、人口減少によって起きる事象の意味を考え、社会の変化に合わせた対策を実行していくことです。ほうがいいと考えていますが、「減り方」については深刻な問題があると思います。
まず、人口の偏在です。東京や大阪といった大都市への一極集中が進み、まるで打ち捨てられたような地方が増えています。おそらく東京にいると、人口減少といわれてもピンとこないでしょう。
「人口減少=悪」ではない次世代に向けて発想を転換せよ | シリーズ・日本のアジェンダ 崖っぷち「人口減少日本」の処方箋 | ダイヤモンド・オンライン
4、まとめと私見
➀ 日本の現状について人口減少の悪影響、少子、超高齢社会、
労働力不足が、あたかもワンセットのようななかに、人口減少
にプラスの面ありとの見解は、新鮮であり、
② ダイアモンド氏が言うように、明治維新・開国以来、日本が
人口増加による輸入の増加に苦しめられた観点からの指摘は、
納得がいく。
③ 脱線するが、先の太平洋戦争が天然資源(特に石油)をめぐる
争いであった点は否定できないとおもう。
④ ただ、ミクロの点で、ダイア氏の見解にもう少し多面的データ
が必要と感じた。
誰しも、自分自身の肉体から、逃れられない。
82歳(2019年11月4日WBS放送時)で、現役大学教授として、
認められているダイアモンド氏だから
「定年退職制という馬鹿げた制度を続けるのではなく、働き続けたいと
思う高齢者の雇用機会を確保し」
と、自信もって言える面もあろう。
その能力は、羨ましい限り。
みんなはこうはいかない。
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