中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

本離れの原因は、嗜好変化でなくやはりお金の余裕?(海外との相対比較も)

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電子書籍で、読むイメージ
1.言いたいこと
今日言いたいのは
「本離れの実質的要因は,若者の読書離れというより、オトナの経済
余裕がなくなってきたから」
とのくらい結論です。
ほどんど下記紹介論説の受け売りですが、
加筆すべき私見は、・・・・
〇貧すれば鈍すではないが、緊急性の低い支出である書籍の購買低下
につながっていて、ひいては「心の余裕」が低下しているようでコワ
〇図書館の利用は高まっていて、読書量自体はそんなに減ってない
では? とも思う
〇自分が不要不急と考え得ていることと、家族のそれとは違うこと
があり、結果として書籍代が影響受けることはある。
 というものですが、私見を補完するいわいる数値検証は、できて
おりませんので中高年michiのつぶやき程度です。
 
 2.幼児から大学生まで
これは、大学生生協のデータから、考えます。
出典は

第54回学生生活実態調査の概要報告|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)

(1)大学生協の要約

読書時間について

1日の読書時間「0」は48.0%と引き続き半数近くに読書習慣なし

中学から高校時代の読書習慣の延長が大学生の読書傾向に

記載の成功の分析コメントを一部ピックアップすると

・大学入学までの読書傾向を今回初めて調査した。

・小学校入学前は「全く読まなかった」と「30分未満」が31.8%と

31.7%と多くを占めているが、小学校低学年から高学年まで「全く

読まなかった」と「30分未満」は減少し、「30〜60分」「60〜120

分」「120分以上」と読書時間が長い層が増加する。

・小学校高学年では読書時間が30分以上だった層が54.1%であるが、

高校時代では33.0%までに減少し、「全く読まなかった」が31.0%、

「30分未満」も29.6%と、ほぼ小学校入学前の状態に戻っている。

・小学校入学前と高校で120分と長時間読書している層は現在の読書

時間も長い傾向がある

 

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時系列読書時間データ
(2)私の見解
・データ見ても、幼児から大学生まで、読書時間は、昔とそう変わらない。
・「120分以上読書時間に充てる割合は、2004年5.8% 2017年5.3%
 2018年7.2% 明確なトレンドなく「横這い」
 つまり、読書を習慣としている人は、一定割合いて、傾向は変わっ
ていない、と思います。
私の独断ですが、読書は「考える」ツールと思っていて、そのツール
使う割合は減っていないと思います。
読書の媒体が、紙からネットに代わってきている分が、一見「本を
読んでいない」ととられるのかもしれません。
読書時間ゼロが増えているのは、コメントしません。
いろんな楽しいツールが増えていますから。
  
 3.大きな変化は、大人の読書
上述の加谷珪一さんからデータいただきます。
 (1)海外との数値比較
 2017年における米国の書籍市場(電子書籍含む)は約368億ドル
(約4兆円)となっている。
2013年から2017年にかけて市場規模は5.8%拡大しているので、日本
とは正反対の状況といってよい。
(もう少し分解しています。)
米国における書籍市場の牽引役は電子書籍である。
4年間で35%の伸びを示し、これが市場全体の拡大に大きく寄与し
た。
だが、もっとも注目すべきなのは紙の書籍で、同じ期間で、ほぼ横
ばいの水準を維持している。
つまり米国では電子書籍の増加で書籍市場全体が拡大しているが、
紙の書籍も健闘しているという状況なのだ。
今後は徐々に紙の比率は低下していくと予想されているが、販売額
の絶対値はまだ増える見通しである。
ちなみに、中国やインドなど新興国も似たような市場予測となって
いる。
 
(2)お金の問題
(結局、日本のオトナに、お金の余裕が無くなってたから、という
結論ですが以下のように分析しています。)
日米の違いをもたらしているのは、結局のところマクロ的な経済
動向である可能性が高い。
日本のGDP国内総生産)は過去20年間、ほぼ横ばいで推移してき
たが、同じ期間で諸外国はGDPの規模を1.5倍から2倍に拡大させた。
それに伴って1人あたりのGDPも大きく伸びているのが実状だ。
1人あたりのGDPは、その国の平均賃金に近いと考えてよいので、
相対的に見ると日本人の購買力はこの20年間で3分の2から半分に
低下したことなる。
日本経済研究センターが行った長期経済予想によると、2060年に
おける日本の1人あたりGDPはあまり伸びず、米国など諸外国との
格差はむしろ拡大する見通しである。
OECDが行った長期予想では、2060年時点において、1人あたり
GDP国内総生産)で韓国に抜かされている
 
(3)私のコメント
日本が昔に比べて、「きれい」で、「小さく」て、「安い」国に
なってきているとは、最近私がよく話すことであり、そんな国は、
魅力的、たしかに海外からたくさん人は来るでしょう。
(特に「安い日本」は大きな魅力)
裏返すと、「外国人はお金もち」との感覚は、30年前とはずいぶん
違います。
日経平均は、未だバブルの頃の高値の6割くらいです。
NYダウはじめ海外の株式指数で、30年以上も高値を更新してい
ない、主要市場は極めて少ないですよね。
 
 (4)シワ寄せは若年層
加谷珪一さんのコメントを続けます。
政府は70歳までの雇用を企業に求めている。
このままいくと総人件費は膨れあがる一方であり、そのシワ寄せは
若年層社員の年収低下という形で顕在化する。
あらゆる年代において経済的余力がなくなっており、これが緊急性
の低い支出である書籍の購買低下につながっている可能性が高い。
電子書籍は紙と比較すればコストは安く済むが、それでもコンテンツの購入にはお金がかかる。
消費が弱い状況では、電子書籍であっても伸びる余地は少ない。
 
 4.まとめ
今回も新機軸コメント何も展開していなくて
・過去比較、横比較(周りの世界)で日本の大人が、経済的余裕が
減ってきた。
・しわ寄せの一つが、本の市場に現れている。
・悲しいかな、傾向は、あまり変わりそうにない、というもの。
とはいえ、少しは明るく締めましょう。
日本経済の土台は深い。すぐには、日本国家はつぶれない。
ゆっくり確り、自分の生き残る手法を考えていこう。
(いや、明るくくないかな?)