中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦前の中高年がざっくばらんに書きつける日記

世界を知るための哲学的思考実験(読書感想文もどき)人口減少社会は私も同意見

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思考実験 考えているイメージ

世界を知るための哲学的思考実験

 PHILOSOPHICAL THOUGHT EXPERIMENTS for a deeper

UNDERSTANDINGof the WORLD

岡本裕一朗/著 

出版者    朝日新聞出版 2019.12

 私たちが直面している現代世界を理解するために思考実験を行っ

ています。

 今回は目次と、一部まとめ(例のごとく要約というより私の勝手

なピックアップあり)を順番記載とします。

プロローグ

第1章 トロッコ問題の誤解を解く

第2章 バイオテクノロジー革命はどこへ行くか

 ニューロサイエンスが発展し、脳のプロセスと心や行動の関係が

より明確に解明される。

ようになると、人間の自由意思はどうなるのか。

もしかしたら、人間観が変わるだけでなく、社会制度も根本から変

更を余儀なくされるかもしれない。

 第3章 ようこそ情報管理社会へ

 現代において、人間に対する監視技術がますます自動化され、AIに

よって機械化されていくと、やがて人間の生活全体がネットワーク

化されたAIによって管理支配されていくようになる。

そしてやがて、AIが人間に対して暴走したり、攻撃を加えるようにな

るかもしれない。

 第4章 格差をどうするか

 的な格差を是正するために、ロールズは格差原理を唱えて、最も

恵まれない人々の立場に立って、社会を形成することを提案する。

このとき、生まれつきの才能の違いにもこの原理を適用し、個々人の

才能を共通の資産を考えて、そこから生じる利益も再配分することを

主張する。

 ロールズの格差原理に対して、同じリベラリズムにたつドゥウオ

ーキンは「羨望テスト」を提唱して、最も恵まれない人だけでなく、

社会全体で不平不満が出ないような配分を目指す。

 他方、フランクファートは、「十分主義」を唱えて、格差是正

よりも、人々が十分生活していけるかどうかを問題にすべきだと

主張する。

 第5章 フェイク化する社会

 フェイク・ニュースが根強い力をもっているのは、人々が真実より

もフェイクの方に大きな関心を抱くからだ。

無味乾燥な真実はあまり興味が持たれないので、メディアは競って

フェイクを求めるようになる。

ファシズムが成立したのは大衆がそれを欲望したからであるように

、人々がフェイクを欲望するからこそ、フェイク・ニュースが流通

する。

  人々がフェイク・ニュースを求め、社会から真実が消えるとどう

なるのだろうか。

その問題を考えるために、カントのいわゆる「ウソ論文」を取り上げ

てフェイク・ニュースの行方を見通す必要がある。

いったんウソやフェイクが容認されると、途中で歯止めが効かなくな

り、社会全体に偽装がはびこることになる。

 第6章 民主主義はもう機能しない

 デジタル・テクノロジーが発展した現代では、そのテクノロジー

見合った形での民主主義を作り変える必要がある。

今までの民主主義では、個人を単位に政治システムが構成されていた

が、今後は「分人」の概念にしたがって、個人は多様な分野に細分化

されるようになる。

それに応じて、デジタル民主主義を構想するとすれば、いかなるシス

テムになるのだろうか。

  第7章 来るべき人口減少社会に向けて

 最近、日本の将来的な人口減少について警告が発せられているが、

この問題をグローバルな観点から見ると、憂慮すべきことかどうか

検討が必要になる。

地球環境問題として、世界人口が増大している中で、一部の国が

人口減少するなら望ましいことではないか。

どの国も人口が減少しなかったら、世界人口は増加するだけだろう。

 人口減少と関連するもう一つの論点として、AIロボット技術の

発展が重要である。

今後AIが進化すれば、人間の労働者に代わって、AIが仕事をする

ようになる。

そうなれば、人口が多いよりも、少ない方が失業者の数は抑えら

れる。

また、AIの発展によって、人間とよりも、AIロボットとの生活を

楽しむ人も増加する。

そうすれば、人間はますます減少したほうがいいかもしれない。

エピローグ

AIロボットたちが職場から人間たちを駆逐していくにしても、社会

システムが今のままでは、作ったモノは購入されず、社会としては

崩壊せざるをえない。

それとも、社会制度を変えて、失業者達にもモノが購入できるように

するのだろうか。

その時はもはや資本主義とは呼べなくなるはずである。

 まとめと私見(感想文)

著者は、改めて思考実験の必要性を説きます。

「到来する世界は、当然ながら未来の可能性なので、実際に実験結果

が得られるわけではない。

あくまでも、現代世界の予兆から、想像力を駆使して、極限的な事態

を考えてみることが必要」 P279 

現実には、多数の人が思考実験をくりかえしつつ、将来を「考えて

いる」と思います。

今回私見と見解を異にする部分が多いですが、

日本の人口減少については、ほぼ同意見です。 

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