中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

ホモ・デウス テクノロジーとサイエンスの未来 何度も紹介・引用するも「書き抜き」は初回

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昨年10月13日と同じイラスト 生き物はアルゴリズム

1.改めて紹介

ホモ・デウス

テクノロジーとサピエンスの未来

ユヴァル・ノア・ハラリ/著  

柴田裕之/訳  

出版者    河出書房新社 2018.9

一般的な、解説は、

人類は不死と幸福、神性を目指し、神のヒト「ホモ・デウ

ス」へと自らをアップグレードする。

そのとき、富む者と貧しい者との格差は、創造を絶するも

のとなる。

生物はただのアルゴリズムであり、コンピューターが人類

のすべてを把握する。

生物工学と情報工学の発達によって、資本主義や民主主

義、自由主義は崩壊し…。

人類の未来を、かつてないスケールで描く。

 とあります。

実は「ホモ・デウス」について私のブログでは何度もふれています。

少し古め、昨年の記事から2つ引用すると、

①昨年10月13日に

仕事に独創性は本当に必要か? 行きつく先はどこ、AIとどう折り合うの? - 中高年michiのサバイバル日記

ユヴァル・ノア・ハラリがいうホモ・デウスになれる人間

はごく一部であり残りの圧倒的多数は、ホモデウスに使わ

れる方(もしくは仕事がないグループ)に回るのでしょう

が、それは歴史に必然の流れであり、残念ながら「私は望

まない」といった好き嫌いで判断できるものではない、と

思います。 

 といった、暗い意見を述べています。

②昨年12月17日、主題は、違いますが、少し引用しています。

暇と退屈の倫理学(読書感想文もどき)人は退屈を嫌うのだ 頭の訓練には最適、でも疲れます - 中高年michiのサバイバル日記

歴史上、「暇と退屈」を持った人間の割合が増えてきたこ

とは、私は、喜ばしい、と思います。

 私見としては、ホモデウスの受け売りみたいですが、

「仕事をしたいのに、やるべき仕事がなくて暇である」

社会が、やってきそうな気がしています。

その際に、人間が絶望に打ちひしがれているのでなく、

人間としての尊厳を持ち、将来に希望が持てる社会で

あってほしいと思っています。

2.内容の抜粋 

各所で、触れているとはいえ、「読書感想文もどき」にあげて、抜粋

を紹介したことはありませんでした。

本日は、下巻から、改めて、抜粋します。

 

二十一世紀の新しいテクノロジーは、人間至上主義の各目を逆転さ

せ、人間から権威を剥ぎ取り、その代わり、人間でないアルゴリズム

に権限を与えるかもしれない。

この趨勢に恐れをなしたとしても、コンピューターマニアたちを責め

てはならない。

実は責任は生物学者たちにあるのだ。(中略)

生き物はアルゴリズムであると、生物学者たちが結論したとたん、

彼らは生物と非生物の壁を取り壊し、コンピューター革命を純粋に

機械的なものから、生物学的な大変動に変え、権威を個々の人間から

ネットワーク化したアルゴリズムへと移した。

(第9章 知能と意識の大いなる分離 P181 )

 

七万年前、認知革命が起こってサピエンスの心が一変し、そのおかげ

で取るに足らないアフリカの霊長類の一つが世界の支配者となった。

進歩したサピエンスの心は、広大な共同主観的領域へのアクセスを突

如手に入れた。

そのおかげで、サピエンスは神々や企業を生み出し、歴史や帝国を建

設し、書字や貨幣を発明し、ついには原資を分裂させ、月に到達する

ことができた。

私たちの知る限りでは、驚天動地のこの革命は、サピエンスのDNAに

おけるいくつかの小さな変化と、サピエンスの脳のほんのわずかな

配線変更から生じた。

だとすれば、私たちのゲノムにさらにいくつかの変更を加え、脳の配

線をもう一度変えるだけで、第二の認知革命をひきおこせるかもしれ

ない、とテクノ人間至上主義はいう。

(第10章 意識の大海  P191) 

 

生命という本当に壮大な視点で見ると、ほかのあらゆる問題や展開

も、次の3つの相互に関連した動きの前に影が薄くなる。

1.科学は一つの包括的な協議に収れんしつつある。

それは、生き物はアルゴリズムであり、生命はデータ処理であるで

あるという教義だ。

2.知能は意識から分離しつつある。

3.意識を持たないものの高度な知能を備え付けたアルゴリズムが間

もなく、私たちが自分自身を知るよりもよく私たちのことを知るよう

になるかもしれない。 (第11章 データ今日 P245)

 3.最後に

 今日は、特段コメントしません。

ノア・ハラリの著作、考え方については、今後も多々、援用、引用す

ると思います。