美を見極める力
古美術に学ぶ
著者 白洲信哉/著
出版者 光文社 2019.12
西洋美術との大きな違いは、実際に使うことで「美」を育てていく
ところにある、という見解。
「特異な美」の深みへといざなう、目利きになるための入門書
なのでしょう。
私は、無論目利きにはなれませんが、カラー写真も豊富に掲載
され、普段と違う世界を楽しめます。
本棚から読む平成史
岡ノ谷一夫/著
梯久美子/著
牧原出/著
読売新聞社文化部/編
出版者 河出書房新社 2019.6
書籍は時代の「かたち」をつくっている、と私も思います。
政治・経済から、文学、ノンフィクション、科学書まで、平成31年
間に刊行された名著の数々を一挙紹介しています。
文学、科学書には、私が全く知らないものもあり、良いブックガイ
ドとなりました。
紹介の「倚りかからず」(茨木倫子)を、さっそく読みました。
『読売新聞』連載に加筆修正、とのことです。
著者対談部分からピックアップします。
日本の紙の出版物の売上は、平成8年(1996年)の2兆6500億円
をピークに減少、平成の中期には、インターネットに押されて
衰退傾向がはっきり
出版科学研究所によると。平成30年(2018年)は、1兆2900億円と
半分を割り込んだ。
書店の数も、かつては2万件以上あったのが、1万2000件程度 P84
倚りかからず
著者 茨木のり子/著
出版者 筑摩書房 1999.10
ある紹介では、
静かに激しく紡ぐ、7年ぶりの詩集。
書き下ろしを含む15篇を収録、とのことです。
「倚りかからず」ですが、
倚りかかりたくないものとして、出来合いの思想、宗教、学問、権威
江列し、自分の耳目、二本足のみで立ち、
「倚りかかるとすれば それは
椅子の背もたれだけ」 と締めます。
シニアひとり旅
バックパッカーのすすめ アジア編
著者 下川裕治/著
出版者 平凡社 2017.7
歳を重ね、知識や経験が深くなったシニアだからこそ味わえる、
ひとり旅の良さ。
アジア各地を旅してきた著者が、シニアに合った旅先を紹介して
います。
台湾の章から、ピックアップします
歴史に翻弄されて、蒋介石の像が集まってきた公園がある P58
日本人にとっての台湾のイメージは、漢民族で形づくられている。
しかし、枋寮から台東、花蓮の間の、小さな駅に泊まると、先住民の
世界が待っている。
台湾がもつ、もう一つの顔である。 P71
終章に「シニア世代に必要な旅のノウハウ」を記載
格安航空券・シムフリーを使いこなす・日本語が通じる病院・
老舗ホテル、お勧め、の記載あり P190 から
教養としての「国名の正体」
著者 藤井青銅/著
出版者 柏書房 2019.11
日本は“ニホン”? “ニッポン”?
オーストリアとオーストラリアは何で似ているの?
世界196か国&5地域の「名前」の起源を探っています。
すこし乾いた感じのユーモアのある文体は、私は「お気に入り」
です。
字引的に閲覧するのでなく、通読も面白いもので、勉強になります。
今昔物語集 天竺篇
全現代語訳
著者 国東文麿/訳
出版者 講談社 2019.11
12世紀初頭の成立といわれる巨大説話集のうち、天竺(インド)の地に
仏教が発生、展開する壮大な物語を収録。
釈迦と舎利弗、文殊ら弟子たちが苦悩し活躍する様を、簡明な現代語
訳で綴っています。
私は、外国語はダメ、古文も漢文もダメですが、現代語訳なら何とか、読めます。
古典を読んで、よく感じるのは「人間は変わっていないな」ということ。
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