1.改めて「自己啓発」について
世の中には、相変わらず、自己啓発サイト、溢れています。
そして、私の見解も相変わらず、以下の通りです。
私自身が、語れることなど、たかが知れている。
しかも「実績がないと同じ言葉でも、読み手の感じる「重み」が全く
違う」。
したがって、先人の言葉の紹介の中で、本人が「自己啓発」と感じる
部分があれば、それでよし。
と言うわけで、本日もいくつか紹介します。
6回目となります。
2.「日本人は本当に無宗教なのか」から
礫川全次/著
平凡社 2019.10
日本人が「無宗教」になった理由付け
国家権力、ないし、それに追随する知識人が「宗教」 という
ものに対して、弾圧や介入を繰り返してきた結果「宗教」に対
する民衆の意識が、 偏向した形で、固定してしまったから
なお、この「偏向した形」には3つの形がある。
➀ネガティブな形
②習俗を否定する形
③混乱を招くような形
(補足説明)
➀は権力側から見ると、自分に従わないものとして、宗教=邪宗
徳川幕府も、明治政府も、昭和初期もいろんな形態での弾圧が
あった。
あるいは現代も、ソフトに、より見えない形で存在する。
②呪術行為や習俗は、近代以前の日本においては「宗教の一部」、
「宗教の補完」であったが、呪術や習俗は、明治に入り、克服さる
べき「迷信」や「陋習」とみなされた。
③明治政府においては「国家神道」が、実質国教であったが、
これを「宗教ではない」と最後まで言いつくろったので、「宗教」
に対する混乱が生じた。
3.「敗者の生命史38億年」から
著者 稲垣栄洋/著
出版者 PHPエディターズ・グループ 2019.3
PHP研究所(発売)
この「死」の発明によって、生命は世代を超えて命のリレーを
つなぎながら永遠である続けることが、可能になったのである。
永遠であり続けるために、生命は「限りある命」を作りだした
のである。(P77)
(時代の強者から逃げ延びる過程で)
我々の祖先は海から汽水域に追われ、川へ逃れ、さらには陸上
に逃れた。(P91-95)
(隕石による絶滅前に、すでに恐竜時代のピークは過ぎていて)
末期の恐竜たちは追いやられた裸子植物ともに見つかるという
(P152)
生物学の分野でニッチは「ある生物種が生息する範囲の環境」
(P155)
(哺乳類が爬虫類や鳥類に後れを取っていることを受けて)
何かに挑戦するときに、ゼロであることほど強いものはないのかも
しれない。
何も持っていなかった哺乳類は、様々な環境にあわせてしだいに変化
していったのである。 (P165)
すべての生物は、オンリー1であり、ナンバー1でもある。
地球のどこかにニッチを見出すことができた生物は生き残り、
ニッチを見つけることができなかった生物は滅んでいった。
自然界はニッチをめぐる争いなのである。(P195)
4.「暇と退屈の倫理学(増補新版)」から
國分功一郎/著
本書の3つの結論の要約
➀本書を通読することで暇や退屈についての新しい見方を獲得
したので、もう「こうしなければ、ああしなければと、思い煩う
必要はない」自分なりの理解の仕方を見つけていかねばならない。
②贅沢を取り戻すこと。浪費することが、豊かさの条件。
現在は消費社会であり、消費は物ものではなく観念対象と
するから、いつまでも終わらず、満足も得られない。
満足を求めて消費すればするほど満足は遠のき、結果として退屈が
現れる。
ならば、物を受け取れるようになるしかない。
物を受け取るとは、その物を楽しむこと。
③「動物になること」
人が退屈を逃れるのは、人間らしい生活から外れたときである。
動物が一つの感世界に浸っている高い能力を持ち、何らかの
対象にとりさらわれていることがしばしばであるなら、その
状態は「動物になること」、と称することができる。
5.「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦 」から
著者 川内イオ
出版者 文藝春秋 2019.10
② 「阿部梨園の佐川」が「佐川友彦」 になって1年もたたずにこれ
だけの企業と提携できたのは、 佐川のポジショニングが希少だから
だ。 (P55)
(どの分野も、勝つためのポジショニングが必須)
③ 考え方やきっかけ次第で、まだまだ伸びしろがある。
(元気が出る発言ですよね。)
④ ほかと同じことをするな。自分であれ (P74)
(差別化の話です。)
⑤ 海外に市場はある。コネクションもある。
なによりヒントも持っている (P80)
⑥ 2017 年 国連砂漠化対処条約は、(中略)
地球上の植生の約20% に相当する地域において土地生産性が下落
し約13億人が劣化した農地からの生産物で生計を立てていると
推定した 。(P95)
⑦ どれだけ稼いでも自分は代替可能という現実。
ほとんどの上司の目標は、アーリーリタイア。
自分にとって一生続けたい仕事は何かを問い続けた時、道は決
まった。 (P102)
(組織人なら、誰しも感じる苦悩、それにどう対応するか、してき
たかが、各人の選択。そしてそれは結果を伴う。)
したり顔で、私がどうこう解説するより、まず、いろんな考え方に
たくさん触れることでしょう。
出来れば、ある程度の評価が固まっている書籍が、そのなかに含まれ
るといいと思います。
自分が賢くなるためには、「賢い」と思っている人の考え方をたくさ
ん知ることが、一つの道だと、改めて思います。