中高年michiのサバイバル日記

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株式投資の基礎 第20回 自主規制法人について 裏方と言えば怒られそうな

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日本取引所自主規法人
1.市場の「番人」
(1)裏方などというと当事者に怒られてそうですが、「市場の番人」
の立ち位置にある日本取引所自主規制法人のことを、少し書きます。
まさに「基礎」的理解の件であり、いわいるジャーナリステック的な
ものは、触れません。
取引者自主規制法人は、あまり、株式投資の紹介文章には出てこない
でしょう。
(2)社長、取締役、主幹事証券、メインバンク等は、当然お聞きに
なったことがあるはずです。
 当然、顧客ニーズを掴み、付加価値を創造し、必要な資金手当てをして、
継続的に収益を出していくことに、直接的な責任を負う部署です、
それにより株価は堅調に推移し、資産形成に資する動きとなるわけです。
 また、直接の収益の源泉となる商品やサービスは、投資家として熟知し、
購入、活用含め分析研究していることでしょう。
(3)上記と違い、取引者自主規制法人「市場番人の業務は不可欠」
と言われても、直接自分の収益向上に、かかわりが浅そうだし、
そもそも、「かたい」話で、面白くないし・・・
と言ったところが正直来なところでしょう。
さらりと目を通して、もらうとありがたいです。
 
日本取引所自主規制法人「2018年次報告」から、業務を抜粋、紹介します。
金融商品取引法に基づき、取引所の自主規制業務を専門に行
うために日本取引所グループに設置されている法人です。
 当法人の属する日本取引所グループは、わが国の最も中心的な
マーケットとして国内外における資産運用及び資金調達を支える
重要な機能を果たしています。その中で当法人は、東京証券取引
所及び大阪取引所が皆様に信頼され、安心して取引できる場であ
り続けられるよう、いわば取引所の品質管理センターとしての重要
な役割を担っています。
 そのような役割を担う当法人では、
・市場の公正性・信頼性を維持するために、上場を希望する会社の
適格性を審査する「上場審査」
・上場会社の情報開示や企業行動をチェックする「上場管理」
・取引所市場への仲介役となる証券会社等の業務の信頼性をチェック
 する「考査」
・相場操縦行為やインサイダー取引等の不公正な取引を監視する
「売買審査」
といった自主規制業務に日々取り組むとともに、
市場関係者の皆様に、イベントやセミナーの開催、刊行物の発刊等を
通じてコンプライアンスを支援する活動を実施しています。
 
3. 取引所の自主規制業務

(1)自主規制業務とは

自主規制は、金融商品取引法(金商法)において定義されており、株式

取引をはじめとした金融商品取引の市場運営を行っている取引所に欠か

せないものです。

また、その業務は調査・審査、処分の決定だけでなく不正の未然防止

など多岐にわたり、対象も上場会社、上場を希望する会社、証券会社や

投資者の取引など広範に及んでいます。

 (2)自主規制業務の重要性

①機能発揮のためのルールとその関係者

取引所では、果たすべき役割・使命を円滑・安定的に発揮するために、

法令に加えて様々なルール(規則)や仕組みを定めています。

取引を成立させるための価格の決定の規則を定めることはもちろん

のこと、取引所に注文を出すことができる者を、取引に参加できる

資格(取引参加者資格)を有する証券会社に限定したり、株式を上場

できる基準を設けたりしています。

 ・取引所では、法令や取引所規則を十分に理解し、それを守る体制が

 整備されている証券会社に取引参加者資格を与え、その取引参加資格

 を持つ証券会社(取引参加者)にルールを守らせることを通じて、

多くの投資者の取引の注文を円滑・安定的に成立させる仕組みを設け

ています。

 ・また、上場株式については、その価値の源泉である会社に関する

 基準を設け、それに適合すると認められる会社の株式のみを上場

 しています(上場株式を発行する会社を上場会社といいます)。

 そして、上場廃止基準を設けて、上場会社が投資対象となりえない

 状況にあり、廃止基準に抵触していると認められれば上場廃止

 しています。   

  このように、ルールを設けてそれに沿った運用がされている、

  と投資者から信頼されることによって取引所の機能や使命が

  果たされます

 ②取引所に対する投資者からの信頼を損なわないために

反対に、例えば以下のような状況が放置されていれば、投資者が

不測の損失を被ることになりかねず、安心して投資できなく

なります。

   取引参加者がルールを違反している

  悪意を持った投資者が不正な取引を行っている

  上場基準を満たしていないような状態の新規上場会社が存在

  投資者が投資判断するうえで最も考慮する会社から開示される

  情報に虚偽、重要なことが開示されていない状態

取引所が投資者からの信頼を損なうようなことになれば、取引所

の機能や使命を果たすことができなくなり、最終的には経済の発展

に悪い影響を与えるおそれが出てきます。

 こうしたことが起きないように、「品質管理」を行うことが機能

や使命を発揮するうえでとても重要なことです。

取引所が提供する機能の「品質管理」を自主規制業務といいます。

取引所を取り巻く環境、取引参加者や上場会社の状況は日々変化

しています。

そうした変化を常にチェックし、投資者に不測の事態をもたらす

ようなことがあれば即座に対処することが、取引所の公正性と

信頼性を維持し向上させることにつながります。

 

(3)自主規制業務の概要

 ①当法人は、その両取引所から自主規制業務を受託し、“取引所の品質

管理センター”として、我が国の資本市場の公正と信頼を守っています。

 ②当法人としては、今後も市場の公正を確保し投資者の皆様に信頼して

いただけるよう、市場環境や法体系に即して、引き続き実効性の高い

自主規制業務を遂行していきたいと考えています。

 ③当法人では、マーケットの参加者である取引参加者及び上場会社等

との対話を重視するとともに、国内外の行政当局や関連機関との連携

を重視しています。

 ④当法人では、市場利用者の法令等に関する一層の理解を促すとともに、

市場にとって望ましくない行為を未然に防止するため、取引参加者や

上場会社に向けたコンプライアンス支援活動を重視しています。