中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

還暦からの底力(読書感想文もどき) 死んだら星のかけらに戻るだけ 自分にできる貢献を

還暦からの底力

歴史・人・旅に学ぶ生き方

出口治明/著  

出版者    講談社 2020.5

1.概要

また、出口治明さんを取り上げます。

本書は「人生100年時代をパワフルに行動するためのポイントを指

南」というのが、一般的な紹介分のようです。

確かに還暦でライフネット生命を開業し、古希でAPUの学長に就任と

いうのは、受けるかもかもしれません。

今回もまた、私のお気に入りの、言葉を取り上げていきます。 

f:id:xmichi0:20200209220121j:plain

出口さんの著書には、いつものこの本棚イラスト

2.本文よりの引用

人の能力は個人によって異なりますが、もちろん貴賤はありません。

リーダーがえらいわけでは全くなく、リーダーやフォロワーという

のは組織の機能なのです。   P66

 

死については古来、哲学者たちが「人間はどこから来て、どこに行く

のだろう」と考えてきました。しかし、今は自然科学の進歩でもう答

えがわかっています。私たちは星のかけらから誕生した生物の一種

で、死んだらまた星のかけらに戻るだけ。

すなわち、死んだら物質に戻り土に還る。そこに感傷の入り込む余地

は全くありません。      P76

 

人間は「世界経営計画」の中で生きています。(中略)一人ひとりの

人間にできることは「サブシステム」を担うことだけです。世界をよ

りよく変えるために貢献していくしかありません。  P78

 

人とのつながりは「自分」というコンテンツ次第   P84

定年廃止について的外れな批判が生じるのは、不勉強なメディアが

「定年制廃止は高齢者の虐待」のような伝え方をするからです。

 P99

 

教養=知識×考える力        P153

 

大久保は鄧小平のような実務家です。第二次世界大戦後、中国の発展

がなぜ遅れたかといえば、権力欲の強い毛沢東が死ぬまで権力に執着

し、詩人の夢想に基づいた大躍進政策文化大革命を引き起こしたか

らです。

もしかしたら、日本でも、西郷隆盛がずっと権力を握っていたら、毛

沢東の中国のように混乱が続いていたかもしれません。

しかし鄧小平にあたる大久保利通が早くから権力を握り、その後に伊

藤博文という第二の鄧小平を用意していたので明治維新はうまくいっ

たのだと思います。  P171

(michiコメント)

生きた時代準は逆ですけど、大久保利通も鄧小平も、大きく評価して

おり「好き」な歴史上の人物です。

「世の中の評価」 や「一般的なイメージ」が違っていてもそれは仕方

がないでしょう。

後々の人が、今のマスメディアの報道と事実関係を突き合わせていった

ら、びっくりするでしょう。それと同じ。

 

800年もの間、イベリア半島ではイスラム教、キリスト教ユダヤ教

が共存して華やかな文化が咲き誇っていました。ダイバーシティの真

逆の政策を取ったことで幸福なスペインの時代は過去のものとなり、

大植民地を獲得していたにもかかわらず、スペインは早々に没落して

いったのです。  P174

 

歴史や世の中を理解する基本の6冊

 1.ベネディクト・アンダーソン  「想像の共同体」

2.ウォーラースティン 「近代世界システム

3.アダムスミス  「国富論

4.アダムスミス  「道徳感情論」

5.ジョン・ロック 「統治二論」

6.ダーウィン  「種の起源」       P181

 

「人間はしっかり勉強すれば賢人になれるという人間観」と

「人間は勉強したところで所詮はアホな存在であるという人間観」

がある。

出口さんは後者で、「うまくいっている理由はわからないけれど、

みんなが満足していてさほど不満がないのならそのままにしていい」

という保守主義の基本的考え方です。

 必読書が、エドマンド・バークの「フランス革命省察」 P183

 

悲観論や極論、陰謀論で人々を脅かす方が大きな反響を得られる

で、そう言う本や過度に悲観的なことを主張する人が後を絶ちませ

ん。しかし、歴史を振り返れば悲観論は全敗しています。これは劇的

か科学や技術の進歩を、人間のあまり賢くない脳みそでは想像できな

かったからです。    p197

 

アフリカで一番の人口大国であるナイジェリアイスラム過激派との

間で内戦状態になっているなど心配な要素や課題は多々ありますが、

今後はアフリカの国々の成長と安定が国際的にみて、極めて重要なイ

シューであり、長い目で見るとアフリカがいかにサスティナブルに発

展していくかが世界の運命を握ると思います。  P204

(michiコメント:私も世界地理の中で、アフリカ情勢は弱いところ

  しかしながら、世界全体への今後の影響度を考えると「弱い」では済

まされないのでしょうね。)

 

 3.最後に

私は、出口さんの視点とは「大幅なずれ」というものは、ほどんどあ

りません。

当該記載を含め、過去読んだ彼の書籍から換骨奪胎して、「自分の言葉」

みたいに、使っている部分が、多々あります。