敗戦記「その15」も同じイラスト
本年1月10日から 「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記」
というのをアップしていますが、今回15回目です。
次回は、来年2021年でしょうか?
イラストもあえて、同じものを使用、趣旨も同じで、硬軟とり交ぜ、
読者への何らかの参考となればと・・・
1.座右の古典 今すぐ使える50冊
鎌田浩毅/著
出版者 筑摩書房 2018.9
時間をかけて読む価値が十分にある50冊の古典を紹介。
あらすじや、覚えておきたいフレーズ、学びのポイント
などを解説する。
P337
ラクに読みこなすためのお薦めの方法に「解説やあとがきから読め」
という古典の読解法がある。
本文に取り組む前に、先に巻末の解説を読んで「教えて」もらうの
だ。というのは、解説やあとがきにはその本に収められている思想の
エッセンスが丁寧に説明されているからだ。
2.気候と人間の歴史 1
E.ル=ロワ=ラデュリ/[著]
稲垣文雄/訳
出版者 藤原書店 2019.9
各巻事項 猛暑と氷河
「気候」そのものを初めて歴史学の対象とし、自然科学と人文科学の
総合を果たした嚆矢の書『気候の歴史』の著者の作品です。
ロワ・ラデュリは「アナール」第三世代の第一人者であり、本書は、
氷河の規模の記録、年輪、ブドウの収穫期・品質、小麦の作況等の
データを駆使して、気候の変動が人間社会に与えた影響を緻密に追跡
しています。
「シリーズの1」は、小氷期を含む13~18世紀を取り上げています。
読み通す気力が続かなかった、典型的な敗戦記です。
3.時間と自由
シリーズ名 白水Uブックス 1100
アンリ・ベルクソン/著
平井啓之/訳
出版者 白水社 2009.1
時間を、時計のような区切られた点の集まりではなく意識の内的持続
の中に見ています。
19世紀実証主義哲学を批判し、人間の意識と科学の法則における因
果律の違いを説いた、ノーベル文学賞受賞哲学者の代表作と、いわれ
ています。
P227 からの結論、「常識へ戻ること」「カントのあやまり」を数度読
みましtが、自分の言葉にならない、つまり理解が進まないという意味
での、敗戦記でした。
【ベルクソン】
小林秀雄が、ベルグソンんを読む取り上げていましたが、下記の経歴
のようです。
1859年パリ生まれ。高等師範学校卒業後、リセ教授をへてコレー
ジュ・ド・フランス教授。
1914年アカデミー・フランセーズ会員。28年ノーベル文学賞
受賞。フランス人哲学者。
代表作に「物質と記憶」「創造的進化」がある。41年死去。
【平井】
1921年生まれ。48年東京大学文学部卒。
19、20世紀フランス文学・思想専攻。
主要著書:「テキストと実存」他。
主要訳書:サルトル「創造力の問題」、ジル・ドゥルーズ「差異に
ついて」他。
4.啓蒙とは何か 他4編
シリーズ名 岩波文庫 33-625-2
カント/著
篠田英雄/訳
出版者 岩波書店 1989.9
内容: 啓蒙とは何か
世界公民的見地における一般史の構想
人類の歴史の臆測的起源
万物の終り
理論と実践
以上5つの小論文ですが、最初の「啓蒙とは何か」について
啓蒙とは、「人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでる
ということ」であり、未成年の状態とは「他人の指示を仰がなけ
れば自分の理性を使うことができないということ」、これは理解
できた。
また、「人間はみずからの責任において、未成年の状態にとどま
ってしまいがち」であり、「自分の考えを、自分以外の人々に、
自分の言葉で伝えることが教養である」というのも、納得がいき
ます。
次からの4編、特に「 理論と実践」は、どうも集中力が切れがち
でした。いろいろ工夫しますが「古典が解る」のは、やはり難題です。
シリーズ名 講談社+α文庫 E63-1
林望/[著]
出版者 講談社 2018.3
一般的な解説を引用すると
『自在な現代語訳で解き明かす世阿弥の至高の芸能論です。
「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」という誰も知る名言。
現代人の心にも響く名言が散りばめられた名著が、古典・能楽とも
に造詣深い著者の手で若返る。人生論としても最適。」
ということです。
現代語を読み通すと、理解できますが、原文では、意味がつなが
りません。難解です。同じ古典でも、イリアスもオデッセイも、
訳文だから読めます。
以下、解説部分から、ひとつ引用
彼(世阿弥)が八十を超えるほどに長生きしたことで、その結果、
愛する息子にも先立たれ、みずから生涯をかけて育ててきた観世座の
衰滅を看取るという破目になったことである。 P222
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