中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦前の中高年がざっくばらんに書きつける日記

日本のイスラーム(読書感想文もどき) こちらも知識の整理に最適でした

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日本のイスラーム

 日本のイスラーム 

歴史・宗教・文化を読み解く

著者       小村明子/著  

出版者    朝日新聞出版 2019.12

  1.概要

 イスラームについて、宗教や歴史的な面、世界経済の中での状況

等については書籍、TV等のメディア、現地に駐在した個人・家族

含めた友人知人等からの情報により、ある程度把握しています。

一方、現在日本での位置づけ・現状把握は、私に決定的に欠け

いる部分でした。

本書は、この部分の整理に、役立ちました。

 概要は、    

 日本とイスラームの歴史的関係を通覧します。

また、日本に住むムスリムイスラーム教徒)である移民、留学生、

日本人改宗者などへのインタビューを豊富に収録しています。

これにより、地域交流やハラール・ビジネスの実情と課題を浮き彫

りにしています。

目指すところは、真の共存への道を探る、ところでしょうか。

 著者は、

都留文科大学卒業

立教大学社会学部兼任講師。

上智大学アジア文化研究所所員

上智大学グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻

 博士後期課程単位取得満期退学、博士(地域研究)

と、あります。

 2.目次

 はじめに

第1章 イスラームとはなにか

第2章 日本におけるイスラームの歴史

第3章 日本人ムスリム

第4章 日本国内の外国人ムスリム

第5章 外国院ムスリムと「難民ビザ」

第6章 日本におけるハラール・ビジネスの実態

第7章 日本とイスラームの共存に向けて

おわりに

3.ピックアップ

いつものように、引用をページで明記し、括弧書きで私のコメント

 彼らの多くは非常に穏やか。
ムスリムに対しても寛容  P5
 (直接というより、私も書籍からの知識ですと、「穏やかで寛容」
なのですが、メディアからのニュースだけの人は、ムスリムは、
「激しい性質で、非寛容」の意識が世界中に強いような、印象を
受けます。
 
12
「六信」と呼ばれる信仰箇条がイスラームの振興の根幹
2.  マラーイカ (天使)
3.  キターブ (啓典)
  「クルアーン」のみならず、ユダヤ教の啓典「トーラー」や
 「ザブール」、キリスト教の「インジール」も啓典
4. ナビー (預言者)
   ムハンマドのみならず、モーゼやイエス・キリスト預言者
 含まれる
5. アーヒラ (来世)
6. ガダル (定命)                            P12
 
「五行」というムスリムに義務付けられている宗教行為
 女性がムスリムの場合、男性配偶者はイスラームに改宗しな
 ければ結婚できない。
2. サラート  (1日5回の礼拝)  
3. ザカート  (喜捨)
    ザカートはラマダーン月に行われる
4. サウム  (断食 )
5. ハッジ  (巡礼 )                 P15
 
これら六信五行を守ることがムスリムとしての最大の義務
となる  P20
 
イスラームは地域や時間を超えて一貫性の強い宗教である。 P36
 
1980年代後半からの外国人ムスリムの存在は、結婚をきっかに
した日本人ムスリムを多く生み、日本国内でムスリム家族が形成
されてムスリム第2世代の誕生を見るに至った。 P70
 
2019年時点の日本人ムスリムの人数は、約一万人で、正確な数字
がでていない  P81
 
1980年代後半からの日本人改宗ムスリムの改宗理由について
・日本人ムスリムの大半は第一世代の改宗者
1980年代後半から1990年代にかけtア滞在した外国人ムスリム
  を配偶者にもつ日本人女性の改宗者
・(特徴として)なかにはムスリムになることを深く考えずに
     改宗する者もいる
・近年では、イスラーム圏である北米やヨーロッパ各国の留学
    先でムスリム知り合ってイスラームを知り、改宗する若者も
  多くなっている    P85
(日本人改宗ムスリムの、改宗後の生活ぶりを詳細に記載して
いるが、5人の事例を比較しても、多様性があるようです) 
P92-104
 
ムスリム第2世代については、ムスリムである親の在り方に
 影響される
・親が母国で行っていた教義の実践がそのまま受け継がれ
・親が依拠しているイスラーム法学派によって教義の解釈も
  微妙にことなる
・(著者は)一概に事例を挙げて考察しない。長い目でみる
P105 
 
戦前の日本のイスラームは、先日の亡命タタール人と政府に
招聘されたイスラーム知識人によって築かれた。  P119
 
1980年代後半からの外国人ムスリム労働者
外国人労働者の問題は、同時に文化の問題
当時すべての日本人がイスラームに対して非寛容であった
わけではない  P121-123
 
ムスリムの結婚観は、日本人女性が夢に描いているような愛が
中心になったものというより、むしろ契約である、という考え
基づく。価値観や文化の違いである。 P135
(著者の文章を私の方で若干要約。
 この「価値観や文化の違い」というのは、古今東西、時代を超え
 地域の広さを超え、いろいろ軋轢を起こしてきたと思います。
 
日本社会は如何に到来する移民社会に対処すべきなのか。
以前のように奴隷のように働かせて、仕事がなくなれば使い捨
てる。
そんな形で彼らを切り捨てることはできない。
今、日本社会は岐路に立たされている。P177
(移民の問題も難民の問題も大変。以前私がこのブログで取上げた
を思い起こした) 
 
ムスリム観光客への対応のためにムスリムの日本人たち
イスラーム的な環境をみずから積極的に整備し始めるよう
になった。 P196
 
新たに創作されたハラールマークを付けた食品が店頭で販
売されていることに対して困惑し、不信感を募らせている。
 P196
 
日本のハラール事情がここまで複雑になる前に日本国内のイス
ラーム団体が、イニシアティブをとってハラール認証に対応すべ
きだったのではと筆者は考える。  P202
 
ムスリムハラール認証に協力しなかったというよりはむしろハ
ールに対する認識のずれが生じた結果である。 P205
 
実際はムスリムとの価値観がずれており、いずれは日本国内のム
スリムと非ムスリム双方の間で軋轢が起きる可能性がある。 P225
 
4.まとめ
この問題も、考えれば、考えるほどほど重いですね。
価値観や文化が違う中、生きている以上ビジネスも絡みます。
最後も引用をもって、私の見解にさせてもらいます。
「共存社会においては多様性を理解してお互いに平等な立場を
とって認めあうことが必要なのである。」(P240)
 
 

 

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