中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦前の中高年がざっくばらんに書きつける日記

史記列伝の「大史公(司馬遷)曰く」の引用とコメント その2 何より力強さを感じます

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同じイラストを使います。「古典からのインスピレーション」

司馬遷の「史記」から、「大史公曰く」を続けます。

前回紹介は4月2日です。

史記列伝の「大史公(司馬遷)曰く」の引用とコメント その1 - 中高年michiのサバイバル日記

「その2」ですが、「その1」と同じ構成にします。

1.司馬遷の「史記列伝」とは
史記」とは、著者の司馬遷、成立過程含め著名ではありますが

一度整理します。

史記』(しき)は、中国前漢武帝の時代に司馬遷によ

って編纂された中国の歴史書である。

正史の第一に数えられる。二十四史のひとつ。

計52万6千5百字。

史記』のような歴史書を作成する構想は、司馬遷の父の

司馬談が既に持っていた。

だが、司馬談は自らの歴史書を完成させる前に憤死した。

司馬遷は父の遺言を受けて『史記』の作成を継続する。

紀元前99年に司馬遷は、匈奴に投降した友人の李陵を弁護

したゆえに武帝の怒りを買い、獄につながれ、翌紀元前98

年に宮刑に処せられる。

この際、獄中にて、古代の偉人の生きかたを省みて、自分

もしっかりとした歴史書を作り上げようと決意した。

紀元前97年に出獄後は、執筆に専念する。

結果紀元前91年頃に『史記』が成立した。

史記』は司馬遷の娘に託され、武帝の逆鱗に触れるよう

な記述がある為に隠されることになり、宣帝の代になり司

馬遷の外孫の楊惲が広めたという。

 史記 - Wikipedia

 その中でも、極めて面白いのは「列伝」です。

 これも繰り返しの愛読書ですが

筆者司馬遷の論評である「大史公曰く」は、非常に考えさせられる

部分がたくさんあります。

今回も私の主観で、ランダムに取り上げます。

これに対して、私のコメントを述べるスタイルとしてみます。

 2. 引用 (その2)

 范しょう・さい沢は世にいうひとなみの弁士である。

けれども諸侯に説いてまわって、白髪まで知遇を受けなか

ったのは、その策がつたなかったためではない。

かれらの説いた諸侯の力が乏しかったからである。

二人が他国のものでありながら秦に入っては、踵を接して

けい相の位を獲得し、功を天下に示したのは、まったく国

勢の強弱のちがいによるものである。

 しかしながら士たるものに、やはり偶然の出会いはあるも

のであって賢者にしてこの二人のごときものは多いが、志

を得たとはかぎらぬこと、いちいちのべるまでもないであ

ろう。

 范しょう・さい沢列伝 第十九 二冊 P36

michiコメント

 訳者解説を読んで、二人の賞揚より司馬遷自身の不運を嘆くもの、

 司馬遷自身の身の上との対象の意図が隠れている、との説明も

 あります。

 michiも2,000年前の司馬遷の心中を推し量るものです。

 

李斯は六芸の理念をわきまえながら、政治を正しととのえ

て主君の過ちを補うという責務には努めず、禄位の高さに

とらわれ主君におもねり迎合し、権力を強くし刑罰を酷く

し (中略)世の人はおおむね、李斯が忠節をつくしなが

ら五刑を受けて殺された、と思っているが、かれのありか

たの根本を考えてみると世の見方とは違うのだ。

さもなければ、李斯の功績は、聖人周公や賢人召公とさえ

肩を並べることになろう。

 李斯列伝 第二十七 二冊 P198

michiコメント

 司馬遷は、じぶんの見方で、ちゃんと分析論評している。

  李斯が韓非の成果を横取りし、死に追いやったことも、司馬遷

 は考慮しているのかな、とmichiは思う。

 

反逆の心を抱き、失敗すると、自殺もせずにとらわれの身

となり刑罰を加えられたのは、なぜであろうか。

中くらいの人物でさえ、そんな振る舞いをはずかしいと思

うだろう。

まして(かれらは)王者ではないか。

かれらにほかの特別な理由があったわけではない。

知恵も策略をはるかに人をしのいだ。

ただそのからだをうしなうことだけが気がかりであった。

(のちに)ほんのわずかな権力でも握ることができれば、

雲がわきたち竜が変化するように、その才能を発揮して夢

を実現させたいと願ったのだ。

だからこそ、くらい牢獄にいれられてもあきらめなかった

のである。

  魏豹・彭越列伝 第三十 二冊 P246

michiコメント

 何が起ころうが、目的成就を諦めない姿勢に寧司馬遷は、自分自身

 を映し出したかったのでは、ないでしょうか。

 3.最後に

先だっての「韓非子」シリーズに続き、「史記列伝その2」です。

過去先人が分析しつくしていることではあるでしょうが、

私が改めてゆっくり読み進めていて、司馬遷の強い執念を感じます。

史記」を完成させることが、司馬遷にとって、生きている証だった

のでしょうね。