中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

読書感想文もどきに至らなかった「敗戦記その6」 今回もまた多数紹介

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敗戦記「その6」も同じイラスト

本年1月10日から 「読書感想文もどき」に至らなかった「敗戦記」と

いうのをアップしていますが、今回6回目です。

イラストもあえて、同じものを使用、趣旨も同じで、硬軟とり交ぜ、

当ブログ読者への何らかの参考となればと・・・

1.小川洋子と読む内田百間アンソロジー

内田百間/著   小川洋子/編  

(「ひやっけん」は門構えに「月」なのですが、私があつかえなくて

門構えに「日」としました。)

出版者    筑摩書房 2020.2

あえて一般的な紹介をすると

  現実と幻、笑いと恐怖、彼岸と此岸、あらゆる境界をするりと越

えて、不思議な光を放つ内田百間の珠玉の24篇。

百間をこよなく愛する作家・小川洋子と一緒に楽しむアンソロジー

 となります。

実は「小川洋子さん」のネーミングに惹かれて取り上げました。

小川さんみたいに「こよなく愛する」までは深く読み切れず、

「敗戦記」の典型みたいになりました。

 

  2.親日台湾の根源を探る

台湾原住民神話と日本人

諏訪春雄/著

出版者    勉誠出版 2019.4

また、私の好きな「台湾モノ」です。

台湾にとって日本人とはどのような存在であり、日本と日本人を

どのように語り伝えてきたのでしょうか。

台湾人の多くが日本に抱く愛着心の根源を明らかにします。

 少し引用します。

1949年、蒋介石の国民党が台湾を支配し、
戦前から台湾で暮らす本省人を日本の共犯者として差別した。
この事実が、本省人の意識を「日本=悪者」から「日本=台湾
近代化の功績者」に変えていった。  (P17)
  
(日本による統治が)上手く行ったのは清朝との差異
マラリアコレラなどの伝染病抑止
〇法に厳格、腐敗なき治安
〇農業改革  (P194)
 
台湾と沖縄の神話に神として登場してくる日本人は、台湾では
近代化に貢献し、沖縄では稲作や鍛治文化を伝えた恩人たち
である   (  P200)
 
台湾と沖縄の創世神話に登場する日本人こそ、現実にその地に
足跡を記してきた日本人の行動の歴史そのものを反映した、
本来の日本人の姿なのだ、と。
台湾から見える日本こそが真実の日本なのである。   (P201)
 

3. 海底の支配者底生生物

世界は「巣穴」で満ちている

清家弘治/著  

出版者    中央公論新社 2020.2

地球の表面の7割を占める海底に穴を掘って暮らす底生生物。

波乗りして移動する底生生物とは?

東日本大震災前後で三陸の海底生態系に何が起きた?

 巣穴研究の最前線に立つ著者が、底生生物の生態と海底の神秘

を綴る、というものです。

少しずれますが、今年2月15日に取り上げた「土地球最後の謎」

「土 地球最後のナゾ」(読書感想文もどき) 100億人を養う土壌を求めています - 中高年michiのサバイバル日記

 を思い出しました。

ということで、私の好きなフレーズを引用

この世の中「わかっていないこと」のほうが「わかってい

ること」よりも遥かに多いといって過言ではありません。

いや、何が「わかっていない」のかさえ、正確には誰も答

えることができない状況、と言った方が正しいのかもしれ

ません。

そして、その「わからないことがわからない」ものの一つ

が、私が研究している海底に住まう生き物たちなのです。

P24

 自分の全く知らない世界を垣間見せてくれて、私の理解力で「そこ

そこついていける」という、分野でした。

 

4.地図と写真でわかる江戸・東京

 西東社編集部/編

出版者    西東社 2020.4

江戸・東京の10大事件、江戸の町づくり、江戸城、名所、地形、寺社…。

江戸・東京の歴史を、約100枚の現代地図と古地図、豊富な写真で紹介

しています。

東京在住でない方には、なーんあだ?かもしれません。

友人の不動産会社社長は根っからの東京人でよく私の東京地形のレク

チャーをしてくれていました。

その甲斐あり断片的知識はあったのですが、「第7章江戸の地形と発

展」がよい整理となりました。

 

5.歴史人口学事始め

記録と記憶の九〇年

 速水融/著  

出版者    筑摩書房 2020.2

歴史人口学の泰斗、速水融の遺著です。

戦中の勤労動員、ヨーロッパの先端研究の導入、網野善彦梅原猛

の出会い、時刻表をヒントにしたデータシートの考案など、90年間の

学問人生を回顧し、人口減少社会の未来を考察しています。

勤勉革命」の引用 P282から抜粋

(17世紀後半の濃尾地方の村の調査がヒントであるが)

 もし長時間激しく働いて、それが自分たちの生活水準の向上になっ

て帰ってくるなら、みな一生懸命に働くだろう。

私は人が「勤勉になった」と言う表現のほうが適していると思う。

働くことに一つの道徳性が与えられる。

産業革命」に対して「勤勉革命」と名付けた。

なお、日本が人口減少社会となったのは必然として

これをチャンスにするのもしないのも我々しだい、である。

( P304)

 

6.セロトニン

ミシェル・ウエルベック/著  

関口涼子/訳

出版者    河出書房新社 2019.9

私は、小説は、ほとんど読みません。

その中では、ミシェル・ウエルベックは「素粒子」、「ある島の可能

性」、「服従」と少し読んでいます。

今回も、未消化感は否めません。

内容としては、

巨大化学企業を退社し、農業関係の仕事に携わる43歳のフロランは、

恋人の日本人女性ユズの秘密をきっかけに<蒸発者>となる。

過去に愛した女性の記憶と呪詛を交えて、現代社会の矛盾と絶望を

描く、と言った具合です。