1.先ずは日本の現状から
思いつきとはいえ、「食糧安全保障」なんて、たいそうなタイトルですが、
直近何かのビッグニュースも孫引きでなく、常日ごろ思っていることを、
つづってみます。
(1)世界の食糧問題、つまり自然災害や極度の貧困、需給バランス崩壊
といった要因に、どう対応すべきかといった、とても大きな話は、今日は
触れません。
どれ一つとっても、膨大なデータと議論があり、発言者の立場等により、
処方箋には見解も分かれるところです。
もちろん、日本の食糧問題も、大きな話ではあります。
(2)日本の問題
①日本の食糧自給率は、たしかカロリーベースで38%、先進国最低
と聞いています。
このデータが、下記を考慮しているのかわかりませんが、農業含め、
多くの産業で石油を使います。
トラクターはじめ農機具は石油がないと動きませんが、この石油は、
ほぼ100%輸入ですよね。
農薬や化学肥料は「国産だ」といったところで、これも石油はじめ
輸入原材料あってのこと。
コメは100%自給だといっても、上記「動力」がないと、そもそも
成り立ちません。
も少し足元見て、豚肉、鶏肉卵等の自給率は相対的に高いぞと言っても、
飼料穀物は輸入に頼っている部分が多いでしょう・・これが38%要因かな?
穀物の輸入が断たれると、当然、家畜の生産量は落ちます。
② 上記の輸入が断たれる要因を挙げると以下が考えられます。
・新型肺炎による各国の生産量低下
・サバクトビバッタの大量発生
(こちらの付いては、この私のブログでも何度か取り上げちます。
直近では
サバクトビバッタの再論です。前回5月10日のアップ 6月下旬現在も沈静化しているわけではない - 中高年michiのサバイバル日記
③各国の食糧輸出制限
(新型肺炎や、サバクトバッタの影響だけでなく、政治的要因もあります
よね。冷たいい方ですが、食糧「戦略物資」です。)
④米中関係の一触即発のリスク
2.日本の食糧問題対応策
下記記載の対策は、何も独自なものはなく「総論としては共通認識」か
と思います。
当然実際どうやって、が問題となります。
(1) 国家規模の備蓄拡大
(上記の新型コロナ、サバクトビバッタしかり、相手国が従前どおり、
「お金を払えば必ず売ってくれる」とはならない場合も。
「まずは、飢えている自国民の胃袋から・・・」とか。)
(2) 農業生産力の拡大政策
(生産力の拡大には、継続した技術革新もありますが、労働力の問題
もあります。
労働人口の一次産業へのシフトも、あの手この手で)
(3) IT技術と一次産業の融合
(その通りですが、具体的に自分の言葉で解説できません。
以前紹介した「農業新時代」から事例2つあげます
「農業新時代」(読書感想文もどき) 日本農業はポテンシャルの宝庫、「地に足」 読後元気が出ます - 中高年michiのサバイバル日記
a. 農業の見える化に必要なこと 3つ
・環境と生体のセンシング
・栽培状況のモニタリング
・データの管理分析と制御 (P142から143)
日本の農業全体を知的産業化して輸出できるようになると
思います。(P149)
(4) 耕作放棄地の利用拡大
(上から目遠的コメントですが、「放棄」した理由を精査して、細やか
に対応していかないと、なかなかうまくいきません。)
(5)地産地消による消費拡大
(地産地消は、モノの移動コストは減りますが、一歩進めて「人」に
移動してきてもらって消費拡大)
3. まとめと私見
世の中いつの時代も、そこに生きている人にとっては「大変な時代」です。
「第二次世界大戦後」の限ると、私の知る限り、日本では「餓死者続出」
のような事態は避けられています。
ありがたいことです。
しかし、昨日までの世界が、明日以降も延々と続く、とは無論限りません。
陳腐な表現かもしれませんが、「安全保障」こそ国家存立の基礎。
治山治水もそうですし、軍事バランスの世界情勢を生き抜くこともそう。
「食糧の自給率を高め、有事に長期間耐えられる食糧備蓄」を基礎とした
「食糧安全保障」も必須でしょう。