中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

「戦争と平和」の世界史(読書感想文もどき) 茂木さん見解 現代史は白眉との私見

戦争と平和」の世界史

日本人が学ぶべきリアリズム

茂木誠/著  

出版者    TAC株式会社出版事業部 2019.7

1.概要

(1)古人類学による戦争の起源から、21世紀の東アジアの未来まで

を凝縮。

世界の戦争の歴史を振り返り、人類がいかにして戦争を抑止するシス

テムを構築してきたかを考え、今後起こりうる危機に巻き込まれない

ための方策を示す、というのが一般の書評です。

(2) 別所で書いた、茂木さんへの私見ですが

「歴史を知る」ことが「現在」を知る手がかりであり、茂木さんは、

①深く知っていることと、②自分の見解を解り易く示すことができる

こと、③立ち位置が「真ん中よりちょっと右」であり私の好みです。   

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今回、真珠湾攻撃のイラストにしました。

2.本文から

トゥキディデス「戦記」から)

「なぜ中立を認めてくれないのか、正義はないのか?」と懇願するメ

ロス代表に対してアテネの軍使が言い放ちます。

「正義とは、対等な相手に求めるもの。強者は弱者に対し、命ずるの

み」「弱者に妥協すれば、他国から侮られる。我らはそれを望まぬ」 P33 

きれいごとを言っても、実力がない者は滅ぼされ、不正義が実現す

る、というリアリズムの考え方 P34

 

敵の大量殺戮や奴隷化は古代社会の常識であり、「都合の悪いこと」

ではありません。被征服民の神殿は破壊され、戦勝国の神々が強制さ

れるのが常識です。

しかし、日本では出雲大社石上神宮のように敗戦国の神をそのまま

祀ってきたのです。これは世界史上、特異な現象といえるでしょう。

P37

 

(中世における戦争のルール)

西欧諸国や日本では、戦闘は幼少期から訓練を積んだ騎士階級・武士

階級がやるもので、民衆の多くは避難し、時には高みの見物を決め込

んでいました。戦闘に勝利した領主は、敗者の領地を奪いますが、そ

この住む人民まで殺戮してしまっては領地経営ができなくなります。

  P51

 

(宗教関連戦争の2つの見解)

セブールベタ

  アリストテレスを引用、先住民は野蛮人、生まれつきの奴隷、キ

  リスト教文明に浴させるための戦争は正当

ラス・カサス

  独自の文明を持っていた先住民は野蛮人ではなく、スペイン人に

  よる征服は不当   P81

 

 植民地化された東南アジアの国々では、大学の講義は独立後も英語

やフランス語、オランダ語で行われています。今日、日本人が、日本

語で西欧の文献を読めるのは、西周ら幕末明治期の優れた翻訳者のお

かげです。これらの和製漢語は日本語として定着しているのみならず、

中国にも逆輸出されて西洋思想の普及に貢献しました。  P144

 

榎本武揚黒田清隆の函館戦争から)

敵味方に分かれて戦う双方の中軸に、近代国際法の知識を持つ人物が

いたことは、近代という荒波に漕ぎ出す日本にとって、まことに幸運

なことでした。  P163

 

本来ならば、大正期に帝国憲法を改正し、米・英型のシビリアン・コ

トロールを採用すべきでした。しかし帝国憲法は完全無欠の「不磨

の大典」とされ、改正議論するらタブブ―とされてきたのです。

この「憲法には指一本触れてはならない」という日本独特の慣行は、

敗戦後の「日本国憲法」にも引き継がれています。  P267

 

  情報と補給の軽視ーーこの昭和期における帝国陸軍の深刻な病弊が、

作戦課の暴走、戦線の拡大、大東亜戦争の無残な敗北をもたらしたの

です。この病弊をもたらしたものは、学歴主義と間違ったカリキュラ

だったのです。  P277

 

日中全面戦争で利益を得るのは、日本でもなければ国民政府でもあり

ません。戦争を望んだのは何者か?

満州の日本軍に脅かされているソ連スターリンと、国民政府との内

戦で追い詰められている中国共産党毛沢東です。  P300

 

ソ連崩壊(1991)後の情報公開で、米英の情報機関が第二次世界大戦

から傍受してきたソ連とその工作員ネットワークとの通信記録が徐々

に明らかにされています。その結果、ソ連の工作が日本のみならず、

米国政府の中枢にまで及んでいたことが明らかになってきました。

その事を無視しては、日米開戦の真実には迫れません。 P310

 

 (瀬島龍三を評した流れから)

 日本を泥沼の戦争に引き込んだ「昭和維新」の思想とは、天皇をいただく

国家社会主義北一輝の思想であり、そのモデルはソ連社会主義でした。

統制派と行動はの構想は「革命方針」をめぐる「内ゲバ」の過ぎません。 P408

 

(michiコメント)

第11章「昭和の軍部hなぜ暴走したか」 第12章 「日米戦争 破局への道」

第13章「アメリカ幕府のもとで」については、まさに現在の日本を作る「現

代史」であり特に面白かった。

随所に茂木さんの見解もちりばめられ、共感する部分が特に大きい。 

 

 3.最後に

茂木さんは文字情報より音声情報の方が多い、私には珍しいケース。

Youtubeの彼のチャンネルを、最近よく聞きます。

もぎせかチャンネル - YouTube

「世界史の講義」だけでなく、時事ニュース分析がとても面白い。

例えば、米国大統領選挙見解や、最近の「ミャンマー事件」読み込み

も気に入っています。

本書に戻ると、「考える」ためにはまず知ること、しかも正確に多方

面から、と改めて感じます。 

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先日確定申告に行ってきました。 帰路少し考えたこと。

1.確定申告は、歳時記?

(1)先日、確定申告に行ってきました。

税務署でなく、商業施設の一角が「会場」になっていました。

税務「相談」と申告書「提出」の窓口に分かれていて、「相談」

の窓口は、混雑しているようです。昨今の情勢で「相談」には、

おそらく事前予約が必要なのでしょう。

(2)私の方は例年通りです。

「作業」めくのは、外国株式税額控除、医療費の所得控除くらい

で、PCを使って、定型フォームに打ち込むくらいです。

せっかくですから、実務的な話を少し書いていますので昨年のブ

ログを引用しておきます。

確定申告でふと思ったこと2点 日本の源泉徴収・年末調整制度 今後は税務もAIが活躍 - 中高年michiのサバイバル日記

今日書くのは、窓口の若い担当者との、2,3の会話から

①今年は、源泉徴収票の添付は要らなかった。

実は確定申告書作成段階で、「添付書類」の貼り付け場所がな

かったので、電話相談で聞いていました。

確定申告書提出会場では、その確認でした。

一応源泉徴収票を、用意し持参していましたが、持ち帰り、と

なりました。

添付書類が年々軽くなってきている気がします。

(来年は対応しようと思うのですが)

スマートフォンで申告なら、そもそも「添付書類」自体がない

わけで当然と言えば、当然なのかもしれません。

ふと浮かんだのは「信義則」。

添付不要いなら、ずるをして嘘をその習慣は書くこともできる、

どうせ、相手の確認にひっかからなければ、解らない、と思って

しまうとそれまで。

そうやらないのは「真面目」というより「制度への信頼感」

「それをやっちゃーおしまいだ」というところ。

こういった「信頼感」のある組織は、結局効率的なのでしょうね。

スマートフォン手続き

窓口の例の若い担当者から、この話、も少し聞きました。

「還付手続き」がスパートフォンの方が、紙の提出より「早い」

とのこと。

これも、考えてみれば、当たり前で、一度紙に出して、また入力

して紙で提出してという作業を繰り返すより、オンラインで一気

通貫ででやれた方が、(セキュリティ等は置いといて)、事務コ

ストが、雲泥に違うのは、納得いきます。

③脱線

ふと、今回の米国大統領選に絡んで、ツイッターアカウント停止等

の情報統制のことを、思い出しました。

情報の伝達・流通が包括的、迅速、低コストなら、「情報統制」の

ほうも包括的、迅速、低コストに、確かにやれそうです。

「諸刃」といってしまえば、それまでですが、「判断者」を承認で

きるのでしょうが。

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今回も確定申告は紙でした。

2.今後の増税・インフレ?

(1)確定申告書提出自体は、議論・折衝を要する話でなく、事務手続き。

その後帰り際に、いろいろと考えていました。

一つは、今後(コロナ終息後)の増税で、結果としてインフレかな?

ということ。

先日書いたブログ

ホントにインフレ来る? 新型コロナ対応財政出動で世界的にお金は溢れていますが・・・ - 中高年michiのサバイバル日記

から、私の価値な願望を、再掲載すると

インフレが、いつかは来る、では困る。

時すでに遅しの感があるが、できれば直近インフレが来て

ほしい。私のインカムは、増えないどころが今後も減って

いくでしょう。

それでも固定的キャッシュアウトが、相対的に軽くなって

ほしい、つまりインフレ期待です。

(2)誰しも身勝手なのは、今に始まった話でなく、人間の性。

税金を基に予算を付ける人が、自分のお金でないので「身勝手」

なののは、その通り。たとえ「聖人君子」がいたとしても同じ。

今回、「新型コロナ騒動」で世界的に相当なお金がバラなばらまかれて、

その回収のアテは、きうす、でしょう。

最後は「徴税権」だのみ。

日本の場合、いつから「増税」かは、まだ読ませんが、そう遠くない

将来かな、と帰路思った次第です。 

今週のお題「雛祭り」 今回も昔話に終始

1.今週のお題「雛祭り」

(1)私には女性の姉妹はいますが、子供に女性はいません。

昔の話になりますが、息子が幼稚園時代、歳時記的に5月節句や夏の

盆踊り、節分の記憶にありますが、「雛祭り」の記憶はありません。

よって、「雛祭り」は、もっと昔、私の子供時代の記憶になります。

私の育ったのは田舎であり、土地は「商業地」ですが、古い家であり

スペースはある程度ありました。

家の敷地の中の川沿いに「離れ」があり、私が幼少のことは祖父母が

住んでいました。

季節の行事として、子供の目から見て、大きな雛飾りを毎年出し入れ

していたようです。

祖父母の娘たち(父の姉妹)は、3人いましたし、雛飾りも使い出が

あったことでしょう。

私の姉、妹も、それで代用したのではないでしょうか?

少なくとも、今風(当時)の魂魄tpでおしゃらな雛飾りを、家で見た

記憶はありません。

ㇽ石宇ですが、当時の田舎はスペースがある分、雛飾りは、ある程度の

大きさがあったのではのではないでしょうか。

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昔よく見たのは、たくさん「檀」がありました。

2.女性をめぐる昨今の発言から

(1)まずは、雛飾りの続き

雛飾りのかたずけが遅くなると、婚期が遅れると聞いたことがあります。

昔は流布していた言葉のようで、複数ソースから聞いたことがあります。

そういえばクリスマスケーキと女性の「結婚適齢期」をひっかけた話も

あったようです。

時代は、変りゆきます。

この辺り(「結婚適齢期」等の用語)は、死語に近いのかな?

栄養状態、衛生環境、安全をめぐる国内・世界情勢、ほんのこの50年で

確かにホモサピエンスとしての日本人は変わったともいえるでしょうし

これにつれ、価値感が変わった部分もあるでしょう。

(2)「女性」を武器にする功罪

 先般、次回の東京オリンピックの重職にある人が「女性」をめぐる

発言から、辞職しました。マスメディア中心に大騒ぎとなり、この

サポート意見や反論、別論で、大いに関係者は盛り上がったようです。

「煽り」サイドの方も、ある程度の期間、情報を持続できたようです。

 

 私見は、以前から変わりません。 

冷静に、いろんな意見戦わせて、ケースバイケースで都度都度判断し

ていけばいい。

社会環境は変わるとしても、生物である以上「性区別・性差別」は、

存在するのであり、生物学的な「無理な」議論は、やはり持たないと、

思っています。

(3)別論的になりますが「女性問題」を問題にするとき、「人権問題」

をちゃんと考えた方がいいと思います。

こちらも情報、理論、数字を踏まえて、冷静な議論を。

香港、ウイグルチベット内モンゴルに限った話でなく、人間である

以上必ず差別意識が・感情が存在します。

それが社会現象として表れた場合に、どう対応していくか。

「人の話をちゃんと聞く」ことは、基礎中の基礎に思えます。

  

3.3月3日の思い出 

 本日は、どうも昔話に終始で、ココもそうです。

3月3日と言えば、大昔は、大学入試の季節だった記憶があります。

しばらく前、「新型コロナ騒動」で、大学の秋入学、一時浮上しました

が、消えたようですね。

夏目漱石の「三四郎」が熊本あkら上京してくる時代態とは、違います。

私の頃も、今と変わらず、春入学です。

当時の自分いは「大学入試」が大問題であり、自分なりに真剣に取り組んだ

記憶があります。

その直接的効果や、その後の自分への影響を、書こうとは思いません。

その時は、相当の時間と労量を費やし、それなりに真剣であった、という思い

出話の一つです。

第三者でなく当事者である実務家の話には、実感がこもっている、と感じたこと。

先日、ある上場会社の株主総会に行ってきました。

11月決算締めの不動産会社です。現在の社長がオーナーであり一代で築き

あげてきた会社です。

会社は成長していますが、環境に翻弄されながらも、まず生き残ってきた

こと自体が素晴らしいことだと思います。

未公開会社含め、10年、20年と生き続けるだけでも、困難なのが「普通」

に思います。

1.株主総会から

(1)当該株式は、長年持っていますがサラリーマン社長でなく、「経営

結果責任」の中にあって、「実績」を残しているところがお気に入り、

です。

今日書きたいのは、不動産レポートでも、投資銘柄紹介でもなく、タイ

トルの通り、「当事者である実務家」の話は、実感がこもっているな、

ということ。例えば、

このブログで、私は新型コロナ対応について、たびたび触れ、第三者

あるマスメディアについて、報道姿勢を批判し、当事者意識の欠如を指

摘しています。

これとの対比で、株主総会での「当事者である実務家」の代表の話に、

なるほど、といったところです。

(2)いい意味で私の予想が外れたのは、

不動産事業の落ち込みが、予想より軽傷で済んだこと。

総会での言葉を借りると「新型コロナの影響が相対的に少なかった」と

認めています。

発言の背景にあるのは、当然実績数字のなせるわざですが、少し具体的

に書くと六つの事業のポートフォリオが上手くいったようです。

1.不動産流動化事業   2.不動産開発事業、
3.不動産賃貸事業  4.不動産ファンド・コンサルティング事業、
5.不動産管理事業  5.ホテル事業
の6つのバランスですね。
たしかに、ホテル事業は、このところの新型コロナの影響で稼働率
大きく下がり,売上半減も、納得がいきます。
また、売り上げ確保したものの不動産開発事業で、大きな評価損を計上
(実際実現損質ではない)したことも良く解ります。
一方、今回の世界の主要都市を巻き込んだ新型コロナ騒動で、東京が
世界で一番影響が少なかったことは納得がいくし、世界のお金が集ま
ってきているとの、説明には、一定の説得せいが。
とかく、『悲惨なところを集中的に見せて「恐怖心を煽る」目的』の
マスメディア報道にはないものでした。

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「不動産」といっても、対象は千差万別です
2.事業環境認識
せっかくですので、不動産マーケットの「コロナ前」と「足元」の認識
を少し書きます。
「コロナ前」が晴れ、「足元」は曇り
 ①コロナショックを機に空席率が上昇に転じる。
 ②テレワークの拡大で、オフィスでの働き方を見直す企業アリ。
  ただし、小規模企業、狭い賃貸スペースでの影響は軽微な傾向。
ここで、私が言いたいのは「煽り」なら「テレワーク→オフィス需要
激減傾向」の報道でしょうが、実帯に根差すと少し違うぞということ。
(2)ホテル、商業施設
「コロナ前」の曇りから「足元」雨、は良く解ります
(3)分譲マンション
「コロナ前」の曇りから「足元」薄日がさしてきた
「事業戦略説明会」資料によると、2020年は前年比21.9%減少で、2021年
は前年比31.1%増の3.2万戸この見通し 
(4)物流施設
「コロナ前」「足元」ともに晴れマーク
 ①首都圏の賃貸物流施設は、空室率低く、募集賃料も上昇
 ②外出自粛等の影響により、ECを通浮いた商品購入も増加
冷静に考えると、納得のいく説明が、多いように感じます。
 
3. 改めて感想
最近とみにいろんな環境で、「偏向、煽り、数字無視、ネジ曲げ、比較
感なし」といった、いやな報道が目に付きます。
(実は昔からそうだったのかもしれませんが・・・・)
いや、これが「アタリマエ」であって、物事を判断する「眼」を養うこ
が重要といったしまえば、それまででしょうが、何かと疲れます。
とは言って、現実から逃げてはダメで、何事も深く考え状況を正確に
洞察する姿勢がなによりだと、自分を奮い立たせているところです。

読んでもらうには、関心を引くこと 原則は良く解るがその手段は?

1.当たり前の一般論

動画でも文字でも絵画でも音楽でも、視聴してもらうには、自分の

作品に関心をもってもらうことが始まりでしょう。

(1)関心を持ってもらうには、いろんな手法があるでしょうが、

一つは「恐怖心を煽ること」。

まずは、感情に訴え、理論はその次です。

言わずとしれたマスメディアの「新型コロナ報道」は、その典型。

いくら、数字だ、理論だと言っても仕方がないところがあり、自分

の「感情」を煽られるのに、どうしても弱い。

人間ですから・・・・

しかし、ここでは、私含む「個人」の書き手から見ています。

恐怖心「煽り」の絶大な効果は認めますが、大きな組織と資金が

あると別ですが個人では無理っぽいし、「煽りに便乗」手法も、

ココでは省きます。

 (2)もう一つは、割と一般的なというか多数の関心を引きそう

なのは、芸能、スポーツといったエンターテイメント系とか、生

きていくのに不可欠な「食」に関すること等でしょう。

どちらも一定ニーズの母集団がありそうです。

ありがたいことに、豊かで多様化した現在日本では、「関心」の

あることは多岐にわたっています。

 客観的にみると、「いい時代」です。 

飲まず食わずで餓死しそうとか、戦争で死ぬかもしれないこと、

また政治的・宗教的他各種の「弾圧」で生存の恐怖にさらされて

いる人もかなり少数でしょう。

つまり、母集団の多そうな市場を狙うのは、一つの原則。

(3)お悩み解決型

上記(2)後半で述べたように、客観的に「生きていける」とし

ても、人間である以上「悩み」は尽きません。

この「悩みを解決」する手段を提示できれば、これは一定ニーズは

アリでしょう。

しかもマスメディアと違う、「双方向性」を実現できればさらに、

いいと思います。

もちろん「競争相手」が多いことは覚悟の上、です。

(4)一方、「表現しやすい」立場に立つと、

 自分の考え、感情の吐露の場として動画や静止画、文字情

報等のブログ等は、割とやりやすい(制作しやすい)かもし

れません。

ただし、これが、読者の「共感」を得て、多数を惹きつけられ

るか否かは、別問題です。

そこでは、「共感」が軸でしょうが、普通の人、一般的な(広

義の)経験が少ない人では、共感を得ることは難しい(文章力、

というのも重要な要

素でしょうが)面もあるでしょう。

 やりようは、あります。「プロ級」でなくても「趣味」が一歩先

んじているとか。

具体性に富む「優しい解説」や「自分の失敗談」も一定レベルで、

受けるかもしれません。

足元の個人(自分)の体験、はそれなりに面白いかもしれませんが、

内容で、つまり分析力で読ませるには、難しそうです。 

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個人ブログを読んでいる人のイメージ

 2.少し具体論、と言っても「想い」だけ

(1)用語として、趣味はじめ情報を、深く書き込んだ「特化型ブログ」

 というのもあるようですが、これができる人は、まず有利かと思います。

次には、1(3)で書いたような「お悩み解決」型ブログでしょうか。

この「お悩み」も国家や行政が、法律・制度等で情報発信者を縛った、

医療、税務、金融、国土計画といったものばかりでなく、それこそ多岐

にわたるでしょう。

おかたずけ、整理整頓、料理等々「身近」と思われることも、「お悩み

解決」は、多々ありそうです。

自分を振り返って、この「お悩み解決」に、何等か発信できると、いい

のでしょうが、自分の無力さにそこで立ちすくんでしまう日々です。

 

(2)多言語での情報発信

補足は、言葉の問題です。内容・コンテンツについては触れません。

誰しも、解るように、世界規模でみると、日本語は「マイナー言語」で

はありま

せんが、「母集団」を考えると、使用する人間の数に左右されるわけ

ですから、英語・北京語には劣後するでしょう。

寂しいことですが、現実は現実です。

自分の主張・情報を、日本語と同様レベルで、英語や北京語で発信

できれば、「関心」のすそ野は、広がるでしょう。

誰が、できるかは、書けませんし、AI利用の翻訳機能のレベル、コスト等は

現状私が無理のため、触れません。

武器になる哲学(読書感想文もどき) 哲学は、状況を正確に洞察に役立ちます

武器になる哲学

人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

山口周/著

出版者    KADOKAWA 2018.5

無知の知」「ロゴス・エトス・パトス」「悪の陳腐さ」「反脆弱

性」哲学・思想のキーコンセプト50を、ビジネスパーソン向けの新し

い視点で解説しています。

つまりアウトプットの解説でなく、むしろアウトプットを主張するに

至った思考のプロセスや問題に向き合う態度をストーリーとして紹介

する、という視点です。

現役で活躍する経営コンサルがまさに、「哲学の使い方」を書いてい

る、と言えます。

 哲学・思想を学ぶメリットを4つ挙げていますが、同感です。

①状況を正確に洞察する

②批判的思考のツボを学ぶ

アジェンダを定まる

④二度と悲劇を起こさないために     P6 

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「武器になる哲学」のイメージイラストはありませんでした。

2.50のキーコンセプトから

知的戦闘力を最大化するコンセプトを「人」「組織」「社会」「思

考」に分けて解説しています。

私のお気に入り文章のいくつかを、紹介します。 

07 報酬

一般に欲求系は快楽系より強く働くため、多くの人は常に何らかの

欲求を感じて追求行動に駆り立てられているのです。(中略)

なぜソーシャルメディアにハマるのか?それは「予測不可能だから」

というのが、近年の学習理論の知見がもたらしてくれる答えだという

ことになります。  p96

 

09  悪の陳腐さ

ナチスアイヒマンのこと)

人類史上でも類を見ない悪事は、それにみあうだけの「悪の怪物」が

なした訳でなく、思考を停止し、ただシステムに乗っかってこれを

クルクルとハムスターのように回すことだけに執心した小役人によっ

て引き起こされたのだ、というこの論考は当時衝撃だった。  P105

 

11  認知的不協和

人間は主体的存在であり、意識が行動を司っているという自律的人間

像をフェスティンガーは覆します。社会の圧力が行動を引き起こし、

行動を正当化・合理化するために意識や感情を適応させるのが人間だ

ということです。  P120

 

12  権威への服従

これ(多数で行う広義の悪事)を防ぐためには、自分がどのようなシ

ステムに組み込まれているのか、自分のやっている目の前の仕事が、

システム全体としてどのようなインパクトを社会に与えているのか、

それを俯瞰して空間的、あるいは時間的に大きな枠組みから考えるこ

とが重要です。  P128

 

15  マキャベリズム

リーダーはそれがビジネスであれ、他の組織であれ、家族であれ、自

分が長期的な繁栄と幸福に責任を持つのであれば、断じて決断し、あ

るいは行動しなければならない時がある、ということをマキャベリ

ムは教えてくれます。  P148

 

17  ゲマインシャフトゲゼルシャフト

戦前には村落共同体が、高度成長期からバブル期までは企業

ゲマインシャフト的要素を担っていた。

今後、鍵になるのは「ソーシャルメディア」と「2枚目の名刺」P162

 

19 カリスマ

支配の正当性の担保   歴史的正当性、カリスマ性、合法性の3つ

私たちは、この数少ない「カリスマ性を持った人物」をどれだけ「人

工的に」育てられるかどうか、にチャレンジしなければならない。

P176 

 

29 自然淘汰

自然のそこかしこに見られる「偶発的なエラーによって進化が駆動さ

れる」という現象は、私たちの社会にも大きな示唆を与えてくれるよ

うに思います。P238

 

 30 アノミー

デュルケームが言っているのは「社会の規制や規則が緩んでも、個人

は必ずしも自由にならず、かえって不安定な状況に陥る。規制や規則

が緩むことは、必ずしも社会にとってよいことではない」というこ

と。 P241

 

会社という「タテ型構造のコミュニティ」が、自分にとってもはや安

全なコミュニティではありえない、ということを認識した上で、自律

的に自分が所属するコミュニティを作っていくのだ、という意思を持

つこと。 P244

 

36  差異的消費

私たちがどのような選択を、どれだけ無意識的に、無目的に行ったと

しても、そこには自ずと「それを選らんだ」ということと「他を選ば

なかった」ということで、記号が生まれてしまう、ということです。

この窮屈さから逃れられる人はいない、私たちはそのような「希望の

自学」に生きている、というのがボードリヤールの指摘です。P278

 

42 弁証法

何の足がかりもないままに「未来を予測しよう」と考えても、白昼夢

を見るように空想するしかないわけですが、昔からあったものなの

に、非効率ゆえに一時的に社会から姿を消したものが、別の形態とっ

て社会に発展的に復活してくる、と考えれば具体的なアイディアが浮

かんでくるのでは無いでしょうか。 P315

 

45 反証可能性 カール・ポパー

本当の意味での「科学的である」ということは、「反論の可能性が外

部に対して開かれている」ということであり、さらに言えば、科学理

論というのは「搬送可能性を持つ仮説の集合体」でしかない。 P331

 

46 プリコラージュ

この不思議な能力、つまりあり合わせの良く解らないものを非予定調

和的に収集しておいて、いざというときに役立てる能力のことをレヴ

ィ=ストローズはプロコラージュと名付けて近代的で予定調和的な道

具の組織と対比して考えています。 P335

 

 3.最後に

 看板(冒頭のプロローグ)にたがわず、良い頭の整理となり、とても

役に立ちました。「個人的な有用性」の触れ込みも、その通りとなり

ました。 

「言葉」によって「考える」という当たり前のこと。複数言語ができる人は、やはり不思議。

1.自分が解っていることを話す
最近、哲学概論を、youtubeで聞くことが、よくあります。
語りての本職は、英語講師のようですが、話しぶりも、内容
もお気に入りです。
テーマを決めて、15分から、30分くらいで、背景や歴史を含
む概要説明や思想の通説のみならず、私見を含めた解釈ありと、
よく解ります。
大学、大学院生の頃から哲学書を後半に読み通していたのでし
ょう。当該思想、書籍に内容を本質的に把握しているのみなら
ず、「教える」プロであることも、話の解り易さの一役かと思
います。
4年間以上話をしているようで全部でどれくらい(400話以上?)
あるのでしょうか。
まだ全部は聞き及んでいません。
いずれにしても、自分が解っていないことは、いくら話しても、
相手の心に響かない、ことがよく解かります。
 
2.第二次世界大戦と米国のユダヤ
上記の「哲学講座」を聞きながら、話はずれて、タイトルのこと
を思いつきました。つまり第二次世界大戦前、ナチスドイツによる
「迫害」で、ずいぶん多くのユダヤ系の哲学者やその関連学者が、
米国に流れたのだろうと思います。人文科学、社会科学者の一部しか、
私は、知りませんが、自然科学系の学者やその関連の方も多数いたこ
とでしょう。
単身もあれば、家族ずれも。
「移民の国、アメリカ合衆国」なのでしょう。別件ですが、現在
ユダヤ系の人口が一番多いのが、イスラエルでなく、アメリカ合衆
国だと聞いたことがあります。
著名な子孫もたくさんいて、今般歴史的な中東和平を実現したトラ
ンプ政権のジャレッド・クシュナー氏は、ユダヤ系のようです。
 

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「言葉」を使って「考えている」こと
 3.翻訳と造語に注力した明治の先人 
(1)言葉の言い換えから、また脱線して、明治の先人の話。
 西周(にしあまね)が「哲学」の言葉を作ったと聞きます。
明治維新を迎え、海外から一気に流入した新概念に対し、明治の
先人が苦労しつつ翻訳し、対応する日本語がない場合は「造語」
したのでしょう。
当たり前ですが、概念は「ことば」によって、構築するのです
から、「ことば」は、とても大事です。
考えるに、高等教育(ここでは大学教養過程くらいをイメージ
しているのですが)において、我々は、数学、物理、化学、科学、
世界史、哲学、法学、経済学等々かなりの分野を日本語で勉強し
ていますよね。
ある程度の高等教育をすべて母国語でできる、ということは、世界
を見渡して「あたりまえ」ではなく、素晴らしいことだと思います。
間違いなく言えるのは、私は抽象的な概念を含み、ほどんど100%
日本語で、考えています。(読む本もほとんど日本語です。)
(2)先人の努力に感謝、幸せではありますが、その分、用が足り
ていて外国語ができない、と開き直ります。(これは甘えですね。)
大学や大学院で、「原語」で講義や演習をする場合も多々あると思い
ますが、考えてみれば、当たり前の話であって、該当する概念が
母国語になかったら、当該原語で、進めるしかないでしょう。
同じく、「研究成果」の発表部隊も、「原語」でないと、困るの
でしょう。
遡ると、明治初期の「日本語やの翻訳」がまだ未熟であった時代も
同様だったと、思います。
先人は、今の我々より凱個億語ができた、というのはある意味「必要」
だったのでしょう。
(3)「必要があると対応」の話
仕事上の知人が、海外赴任中の話で、いわく「子供は英語のマスターが
早かった、何故なら言葉が解らないと仲間に入れてもらえないから。
とのこと。
仕事上、とかの悠長な話「仲間」という切実さがあったようです。
 (4)「夢で話す言語」の話
私にも以前、バイリンガルトリリンガルの知人がいました。
何語(複数言語?)で、思考しているのが、不思議でしたが、「夢は、
何語で見るの?」と聞いたことがあります。
この章で言いたかったのは、
諸々の概念を日本語に置き換えてもらった、明治の先人の方々、あり
がとうございます。
といったところです。 
 
4.まとめ的に
哲学から始まって、「言葉」について、思いつくままに書いてみま
した。「よく考えよ」と何気なく使っていますが、「言葉」がないと
「考えること」が出来ないのだ、改めて確認した次第です。