中高年michiのサバイバル日記

世の中のこと、身の回りのこと、本のこと、還暦の中高年がざっくばらんに書きつける日記

今週のお題「激レア体験」やはり「死にかけた」こと。話は二つ。

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世界には、私の想像を超えた、いろんな考え方の人がいるはず


1.「激レア体験」は、「死にかけた」こと。

今週のお題の説明によると

「激レア体験」とは、 「珍しい◯◯との遭遇」「すごい九

死に一生」「めったにできないアレコレ」「わたしにとっ

て激レアなこと」など

 とあります。

多様化した現代社会ですが、世界は広いです。

ここで世界というのは、人種も民族も慣習も政治・社会体制も違う

地域をイメージしています。

日本では、変な数字解釈でメディアが煽り、冷静さを欠き、大騒ぎ

ですが、世界では、サバクトビバッタの恐怖に、おののいている人

もたくさん。

視野を広げると、Aさんにとって、「激レア」体験が、Bさんにとって

は、日常茶飯事なことも多々あるでしょう。

政治犯で処刑寸前、難民になった、飢餓状態を生き延びた、等々は

例えば90歳未満の平均的日本人にとって「極限状態」感覚でしょう

が、 時期や環境により「集団での共通体験」というのも、あると思います。

そういったなかで、共通感情は、だれしも死が怖い、ことかと。

(そうでない方は、ココでは省きます。)

そうなってくると、私の「激レア体験」もやはり、死にまつわる話で

しょう。

このブログを書いている私は当然生きているわけですが、「死にか

けた」体験はあります。

他の方には陳腐に見える体験も、当時の自分にあっては「一大事」な

わけで、それを少し綴ってみます。

 2.川に流される

小学生の時でした。

親戚と増水した後の河川に、貸しボートを漕ぎだしました。

私が小学生で「親戚」と言っても中学生だったかと。

貸しボートの「貸出ルール」はいい加減だったのでしょう。

非力そうな中学生と、同乗の小学生では、増水して河川の力に負けて

「ボートが流される」ことは、予見できたかもしれません。

今となっては、想像するだけです。

起こった事象は、極めて単純です。

①増水した河川の力に負けて、ボートは、遊び場(指定範囲)を越え

て、下流に押し流された。

②少し下流に小さな中洲があり、そこの岩の一つに、うまくボートが

引っ掛かった状態。

今は、何とか流されず、持ちこたえているが・・・

③引っかかった少し上流の、橋がり、橋の上には見物人が続々と

増えてくる。

④橋の上の見物人からは、「立つな、じっとしていろ!」のコール。

確かに、岩から外れて、ボートが動き出すと、次の展開が解らない。

もっと下流に押し流されるか、転覆するか・・・・

⑤見物人が誰かが、通報してくれたのでしょう。

その河川は「観光川下り」の仕事があり、プロの船頭さんが救出に

来てくれました。

現在、こうしたブログを書いている訳ですから、うまく救出されて

現在に至るわけです。

結果を見ると、面白くもおかしくもない話ですが、

当時の私は「死ぬかもしれない」と思ったし、実際その可能性も高

かったことでしょう。

  3.やはり水はコワイ

(1)二つ目は、大学に入ってからの話。

友人と、夏の伊豆大島に遊びに、行きました。

①ちょっと沖へ泳ぎ出て、さあ戻ろうとしたら、戻れない。

②自分では、岸に向かって泳いでいるのですが、引き潮が早くて、

沖に戻されてしまう。

それは、それは焦りますよね。

③もがいているうち、たまたま引き潮が強い場所から、やや離れた

のでしょう。

 ④必死で泳いで、何とか、自力で、海岸まで戻れました。

後から考えると、若干のライフセーバが海岸にいて、もしダメなら助

けてくれたのかもしれませんが、渦中にあると、そんなことは、思い

つきません。

この時も「死ぬかもしれない」と思いました。

(2)実は、私は小学生の頃は、よく川で泳ぎました。

いろんな管理上の問題はありましょうが、当時は、別に非合法なこと

ではなく近所の友達と、川遊びを楽しめました。

水中で足がつったとか、流れに身を任せているうち、岩にぶつかり

怪我をしたこともありますが、幸い「死」を意識したことはありま

せんでした。

4.最後に

何のことは無い、よくありがちな体験談ですが

どんな体験も、きわめて個人的であり普遍化はできないでしょう。

ただし、わたしには「激レア体験」であったのは、確かです。

 今日の紹介は、再度「科学史」の村上陽一郎さん

昨年11月20日に、同書の書評を書いています。

「死」の臨床学(読書感想文もどき) 実体験と広い教養ベースの村上陽一郎氏の深い思索 - 中高年michiのサバイバル日記

 

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史記列伝の「大史公(司馬遷)曰く」の引用とコメント その3 「古さ」を感じないのは、人間が変わらないから?

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同じイラストを使います。「古典からインスピレーション」

 司馬遷の「史記」から、「大史公曰く」を続けます。

前回、前々回の紹介は4月2日と4月15日です。

史記列伝の「大史公(司馬遷)曰く」の引用とコメント その1 - 中高年michiのサバイバル日記

史記列伝の「大史公(司馬遷)曰く」の引用とコメント その2 何より力強さを感じます - 中高年michiのサバイバル日記

今回は「その3」ですが、「その1、2」と同じ構成にします。

 1.司馬遷の「史記列伝」とは

史記」とは、著者の司馬遷、成立過程含め著名ではありますが

一度整理します。 

史記』(しき)は、中国前漢武帝の時代に司馬遷によ

って編纂された中国の歴史書である。

正史の第一に数えられる。二十四史のひとつ。

計52万6千5百字。

 『史記』のような歴史書を作成する構想は、司馬遷の父の

司馬談が既に持っていた。

だが、司馬談は自らの歴史書を完成させる前に憤死した。

司馬遷は父の遺言を受けて『史記』の作成を継続する。

紀元前99年に司馬遷は、匈奴に投降した友人の李陵を弁護

したゆえに武帝の怒りを買い、獄につながれ、翌紀元前98

年に宮刑に処せられる。

この際、獄中にて、古代の偉人の生きかたを省みて、自分

もしっかりとした歴史書を作り上げようと決意した。

紀元前97年に出獄後は、執筆に専念する。

結果紀元前91年頃に『史記』が成立した。

 『史記』は司馬遷の娘に託され、武帝の逆鱗に触れるよう

な記述がある為に隠されることになり、宣帝の代になり司

馬遷の外孫の楊惲が広めたという。

 史記 - Wikipedia

   その中でも、極めて面白いのは「列伝」です。

 これも繰り返しの愛読書ですが

筆者司馬遷の論評である「大史公曰く」は、非常に考えさせられ

る部分がたくさんあります。

今回も私の主観で、ランダムに取り上げます。

これに対して、私のコメントを述べるスタイルとしてみます。

  2. 引用 (その3)

もしも韓信が道理を学び、謙虚で、自分の功績を誇らず、

その才能を 鼻にかけなかったならば、ほどんど理想的な人

となれたであろう。 

漢王室に対する勲功は、周公・召公・大公など一連の人に

もくらべら れ、後の世までもおお祭りの添え物をうけられ

ただろうに。 

これらのことに努力せず、天下の大勢がすでに決定してか

ら、反逆を 企てた。

 一族が皆殺しにあったのも、当然のことではなかろうか。 

  淮陰侯列伝 第三十二 三冊 P37

  michiコメント

  韓信が大立者であったことは、実績が証明しています。

韓信のまたくぐり」はじめ、彼は一般人にも著名です。

 司馬遷の立場上、韓信の評価に関して漢王室への遠慮を感じます。

 

田横は高い節義を持った人であり、食客はかれの節義をし

たい、後を追って死んだ。すばらしい人間ではないか。

わたしはだから列伝にのせたのである。

それにしても(彼らの中に)策略の上手なものがいなかった訳

ではないのに(田横らの最期を)どうすることもできなかった

のは、なぜであろうか。

田たん列伝 第三十四 三冊 p63

   michiコメント

 好人物として司馬遷は気にいっている様子です。

「わたしはだから列伝にのせた」という表現は、他では私は

 見ていません。

 

そもそも高祖は微賤のうちから身をおこし、海内のこらず

平定したのであって、戦略と用兵については、あらゆるこ

とを知りぬいていた、と言ってよい。

ところが劉敬が車の引き綱から体を離して献策するや、万

世までも安泰となる基を築いたのであった。

やはり智謀は一人が独占できるものではなかったのであ

る。

劉敬・しゅく孫通列伝 第三十九 三冊 p144

    michiコメント

 いかに自分がすぐれ、他者も掛け値ね無しに認めているとしても

 他者の意見を聞いてみるてみることは重要、その意見を採用す

のはさらに度量・力量が必要ということでしょうか。

 これもいつの世にも通じる話。

 

 かれがみずから敵の軍を全滅させ、敵の旗を奪い取ったこ

とはしばし ばであった。

 「壮士」と称してよい。 

それでも死刑に処せられる期限が身にせまったとき、かれ

は奴隷に身 をおとしても、なお死ななかったが、なんとよ

く耐え忍んだものであ ろう。

 きっとかれは、みずからの才能をたのんでおり、辱めを受

けても恥とは思わず、自分の才能の生かし方がまだまだ不

十分なのだ、と考えて いたのだろう。

 だからついに、漢の名将軍とうたわれるようになったので

ある。

 まったく、すぐれた人物は、その死がいかに重要である

か、をよく認 識している。

季布・らん布列伝 第四十 三冊 P157 

   michiコメント

  何事においても「みえている」ということが、優れている人の条件

なのでしょう

   3.最後に

先だっての「韓非子」シリーズに続き、「史記列伝その3」

です。

いつもと同じ感想ですが、「古さ」を感じないのは、そもそも、人間

変わらない存在だから? 

過去先人が分析しつくしていることではあるでしょうが、

私が改めてゆっくり読み進めていて、司馬遷の強い執念を感じます。

史記」を完成させることが、司馬遷にとって、生きている証だった

のでしょうね。  

 

今回の感染症影響長期で続く予想、「コロナ前後」で世界が変る 誰しも 気概をもって 前向き 楽観的に 

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政治家やマスメディアは「今が正念場」をたびたび使いますが、私見は長期戦

1.今回も開き直り、楽観的

(1)もう5ケ月以上前になりますが、このブログで、以下をアップ

しています。

巨人の肩に乗っているんだ、気概を持って 楽観的に 前向きに 結果に拘泥せず - 中高年michiのサバイバル日記

趣旨を少し転記すると

人生は楽観的に、前向きに生きたいと思います。

楽観と悲観どっちに感じようが、「前むき」と「後ろ向

き」のどちらのスタンスを取ろうが、どうあがいたところ

で、人は死ぬまで生きるのですから、

物事を楽観的に考えていくほうが、トクであり、幸せな気

がします。

完全な開き直りですね。

今日のブログの趣旨は、

誰しも、気概をもって 前向き 楽観的にいこう、ということ。

2.コロナ対策の影響実感、海外情報も

 (1)今年2月以来、でしょうか。

新型コロナウイルスに対して、連日の報道です。

事態の経過経過とともに、確かに論点は、どんどん変わってきて

います。

報道への不満はヤマほど書いていますが、感染が拡大しているのか

終息に向かっているのか、各地域に細分化した「再生産数」くらい

デイリーに発表してほしいもの。

「累積感染者数」より、はるかに現在価値のある情報と思うのです

が・・・・・

私の知る範囲で、東京の街並みも大きく変わってきています。
2月後半と4月後半、わずか2ケ月ですが、人混み、電車、休業
店舗、営業時間短縮店舗等々、大きな変化です。
いくつかは、私のブログで、街並み風景も描写しています。
さて、各人、関心の所在の違いは当たり前のことでしょうか、
私には、ネット情報やマスメディアニュースよりなにより
「4月○○日より、5月6日まで臨時休業させて、いただきます。」
との、飲食店の張り紙が、一番、堪えます。
(2)グローバルに見ても
大変なニュースには、事欠きませんが、少し視点を変えて2つ報告
・3月18日のニュース
 中国の大気汚染物質が画期的に減ったようです。
・4月10日のニュース
インドの市中からヒマラヤ山脈が見えた、とのこと。
(別の記事で30年ぶりだそうです。)
3.少し先を見据えて
 (1)まず巨視的
以下は、もちろん私見です。
このウイルスが人類を破滅させるとは思っていません。
人工物質(出来損ない生物兵器説)か、自然ウイルスかは問いませんし、週刊誌的騒ぎ方に、あまり時間を費やすつもりはありません。
各国政治家の言うように短期で解決とは思っていません。
「撲滅」は無理で、ゆっくり減っていき、人類と共存するウイルスの一つとなるであろう、と思います。
(2)コロナ前、コロナ後で、大きく変わる
いろいろ意見かあるでしょうが、多数意見は、「日本は戦前戦後で
大きく変わった」に異論はないでしょう。
コロナ前、コロナ後で、大きく変わる面が多いと、思っています。
私は、先般以下のように、台風からの復興で、元に戻す発想は正し
いか? を問うています。

台風19号で甚大な被害を受けたローカル線に対し)

「元に戻す、現状復帰ありき」の考えはやめよう。

 長期視点をもって、事業生産性を考慮し決断しよう。

(3)生き残りのために
今回のコロナ後に、対しても同様のイメージがあります。
・変わるべくして変わった(方向性が出ていたことが一気に)
・元に戻したいけど、予算、マンパワー諸般の要因で変わった
双方の理由や複雑に絡み合った要因があるでしょうが、
「変わっていく」ことは同じ。
誰しも、生き残りをかけ、変わっていくことが必要で、
対応する以上誰しも 気概をもって 前向き 楽観的に 
というのが、私が今日言いたかった、ことです。
 (4)最後に辛口のエール
甘えてはいけない。我々には、生きる義務がある
夜と霧のヴィクトール・フランクルが言うように、

「あなたがどれほど人生に絶望しても、 人生のほうがあなたに

絶望することはない」

人生の方が、我々個々人に生き延びることを求めているのです。
  
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ホモ・デウス テクノロジーとサイエンスの未来 何度も紹介・引用するも「書き抜き」は初回

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昨年10月13日と同じイラスト 生き物はアルゴリズム

1.改めて紹介

ホモ・デウス

テクノロジーとサピエンスの未来

ユヴァル・ノア・ハラリ/著  

柴田裕之/訳  

出版者    河出書房新社 2018.9

一般的な、解説は、

人類は不死と幸福、神性を目指し、神のヒト「ホモ・デウ

ス」へと自らをアップグレードする。

そのとき、富む者と貧しい者との格差は、創造を絶するも

のとなる。

生物はただのアルゴリズムであり、コンピューターが人類

のすべてを把握する。

生物工学と情報工学の発達によって、資本主義や民主主

義、自由主義は崩壊し…。

人類の未来を、かつてないスケールで描く。

 とあります。

実は「ホモ・デウス」について私のブログでは何度もふれています。

少し古め、昨年の記事から2つ引用すると、

①昨年10月13日に

仕事に独創性は本当に必要か? 行きつく先はどこ、AIとどう折り合うの? - 中高年michiのサバイバル日記

ユヴァル・ノア・ハラリがいうホモ・デウスになれる人間

はごく一部であり残りの圧倒的多数は、ホモデウスに使わ

れる方(もしくは仕事がないグループ)に回るのでしょう

が、それは歴史に必然の流れであり、残念ながら「私は望

まない」といった好き嫌いで判断できるものではない、と

思います。 

 といった、暗い意見を述べています。

②昨年12月17日、主題は、違いますが、少し引用しています。

暇と退屈の倫理学(読書感想文もどき)人は退屈を嫌うのだ 頭の訓練には最適、でも疲れます - 中高年michiのサバイバル日記

歴史上、「暇と退屈」を持った人間の割合が増えてきたこ

とは、私は、喜ばしい、と思います。

 私見としては、ホモデウスの受け売りみたいですが、

「仕事をしたいのに、やるべき仕事がなくて暇である」

社会が、やってきそうな気がしています。

その際に、人間が絶望に打ちひしがれているのでなく、

人間としての尊厳を持ち、将来に希望が持てる社会で

あってほしいと思っています。

2.内容の抜粋 

各所で、触れているとはいえ、「読書感想文もどき」にあげて、抜粋

を紹介したことはありませんでした。

本日は、下巻から、改めて、抜粋します。

 

二十一世紀の新しいテクノロジーは、人間至上主義の各目を逆転さ

せ、人間から権威を剥ぎ取り、その代わり、人間でないアルゴリズム

に権限を与えるかもしれない。

この趨勢に恐れをなしたとしても、コンピューターマニアたちを責め

てはならない。

実は責任は生物学者たちにあるのだ。(中略)

生き物はアルゴリズムであると、生物学者たちが結論したとたん、

彼らは生物と非生物の壁を取り壊し、コンピューター革命を純粋に

機械的なものから、生物学的な大変動に変え、権威を個々の人間から

ネットワーク化したアルゴリズムへと移した。

(第9章 知能と意識の大いなる分離 P181 )

 

七万年前、認知革命が起こってサピエンスの心が一変し、そのおかげ

で取るに足らないアフリカの霊長類の一つが世界の支配者となった。

進歩したサピエンスの心は、広大な共同主観的領域へのアクセスを突

如手に入れた。

そのおかげで、サピエンスは神々や企業を生み出し、歴史や帝国を建

設し、書字や貨幣を発明し、ついには原資を分裂させ、月に到達する

ことができた。

私たちの知る限りでは、驚天動地のこの革命は、サピエンスのDNAに

おけるいくつかの小さな変化と、サピエンスの脳のほんのわずかな

配線変更から生じた。

だとすれば、私たちのゲノムにさらにいくつかの変更を加え、脳の配

線をもう一度変えるだけで、第二の認知革命をひきおこせるかもしれ

ない、とテクノ人間至上主義はいう。

(第10章 意識の大海  P191) 

 

生命という本当に壮大な視点で見ると、ほかのあらゆる問題や展開

も、次の3つの相互に関連した動きの前に影が薄くなる。

1.科学は一つの包括的な協議に収れんしつつある。

それは、生き物はアルゴリズムであり、生命はデータ処理であるで

あるという教義だ。

2.知能は意識から分離しつつある。

3.意識を持たないものの高度な知能を備え付けたアルゴリズムが間

もなく、私たちが自分自身を知るよりもよく私たちのことを知るよう

になるかもしれない。 (第11章 データ今日 P245)

 3.最後に

 今日は、特段コメントしません。

ノア・ハラリの著作、考え方については、今後も多々、援用、引用す

ると思います。 


 


 

少し離れて、一層冷静に考える コロナ感染症問題 政策は厳しいトレードオフ 美点凝視も必要

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冷静に、論理的に、考えようという意味合いでこのイラスト

1.私の雑感 4月21日現在

連日、各方面で話題の新型コロナ問題ですが

私も結局、ニュースを負う形で、いくつかコメントしています。

日々刻々と、情報は入ってきますし、時事的問題にコメントしよう

とすると、材料は尽きないわけですが、あえて今日は少し古い情報に

コメントと、末尾に私の素朴な疑問。

(1)山中さん

2020年4月1日のノーベル賞受賞の京都大学の山中さんの記事

山中教授が「批判を恐れず」5提案 

コロナ対応「ペースダウン」に危機感

2020年04月01日14時10分

というタイトルで、具体的には 

3月31日には、

「批判を恐れず、勇気を振り絞って5つの提言をします」

として、国などに

▽今すぐ強力な対策を開始する

▽感染者の症状に応じた受入れ体制の整備

▽徹底的な検査(提言2の実行が前提)

▽国民への協力要請と適切な補償

▽ワクチンと治療薬の開発に集中投資を

ーーの5項目を求めた。

 山中さんの意見は正論、全く正しいと思います。

皮肉では決してありません。

(2)問題は、それができるかの優先順位の判断

政治判断、経営判断に限らず、なにごとも優先順位で動いているのは

実体でありそしてそれは、トレードオフ

一つの選択をすると、別の選択は選べない。当たり前のことです。

現在の政府の判断、指示に私見は非常に懐疑的。

「高度な政治判断」なのでしょうが、説明責任はあるはず。

一連の今までの行政対応が、一貫性に欠けるし、お粗末な面多々と

いうのが、私の感想です。

(3)報道のお粗末ぶりは、輪をかけて・・・・

一般的な報道は以前書いたように「数字無し、根拠不明、一方的」

というのが私の感想。

新型コロナウイルス PCR検査の「陽性率」 全国的に上昇か

2020年4月18日 19時55分、

というのがあって、内容は

厚生労働省によりますと、公表されている検査の実施人数

は、東京都など、保健所を通さない民間の検査機関での検

査は含まれていないケースなどがあるということで、陽性

率はあくまで目安の数字となっています。

 新型コロナウイルス PCR検査の「陽性率」 全国的に上昇か | NHKニュース

割と丁寧な記事で

「陽性率はあくまで目安の数字」

言っていますが、一人歩きさせて、誘導しよう、利用しようとする

輩もたくさんいそうです。

煽る方が、冷静になれ、というより視聴率は取れるでしょう。

②感染者や死亡者数字を海外と比較すると、「あおれない」ためか

国内情報で対応

2020年4月20日 22時53分のNHKニュースですが

タイトル:国内感染確認1万1152人 20日の死者 23人で最多に

記事内容が

東京都で102人の感染が確認されるなど、20日午後10時半

までに30の都道府県で合わせて345人の感染が新たに発表

れました。  (中略)

東京都で6人が亡くなるなど、20日は11の都道県で23人の

死亡が新たに発表され1日の死者数としてはこれまでで最

も多くなりました。 

恐らく4月12,13日が感染者数のピークで、4月20日は減少して

いるはず。

これでは「あおれない」ので、死者数増加を強調する記事。

感染者も東京都で、増えていることを強調して、全国では減少して

いることは、報道しない

「片手落ち」の典型のように、私はに思います。

③報道を変に思うことは尽きないのですが、

私の素朴な感想を少し上げると

・「新型で解らないから怖い」というが、新型と言うが昨年12月

 から感染が広がっていて、データはある程度集まっており、対応

 も進んでいるはず。

・これから、最悪イタリアや米国を上回るスピードで感染が広まるの

 では、との主張の根拠がよく解らない

・大きく構えると、ウイルスと共存しつつ、ここまで生き延びてきた

 ホモ・サピエンスが今ここで、ウイルスに完敗して滅び去るとは

 思えない。

「報道」にある程度の倫理を、と言うのが、私の願いです。

2.いい方向では?

変異ノーテンキでなく、冷静にかつ美点凝視も必要かと思います。

ここでいい方向と言っているのは、世界的に公衆衛生概念が、少し

進歩したかなということ。

(1)まず、日本ですが「手洗い、うがいの徹底」が一層進展

もともと、公衆衛生概念は、日本はとても進んでいたと思います。

今回、さらに徹底された感じ、です。

(2)世界的にもいいいこと

感染症対策に、手洗い、うがい、マスク着用」といった公衆衛生

概が、少しは広まったかなということ。

風俗、慣習、考え方が世界中で違うのは当然ですが、上記はとて

もいいことと思います。

精神論でなく、今年のインフルエンザで死亡する人が、世界的に

少ないのは、この成果もあるかと思います

 

 

知略の本質(読書感想文もどき)「二項動態」的なとらえ方 本質直観を競争 シリーズの長い旅の締めくくり

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確り学び考え、選択・決断して、ちゃんと行動するイメージ

知略の本質 

戦史に学ぶ逆転と勝利

 野中郁次郎/著  戸部良一/著  

河野仁/著  麻田雅文/著  

出版者    日本経済新聞出版社 2019.11

 1.目次

序章  四度目の挑戦

第1章 独ソ戦

   勝利を呼び込んだ戦略と戦術の変化

第2章 イギリス 1941~1943

   守りから逆転へ

第3章 インドシナ戦争

   ゲリラ戦と正規戦のダイナミックス

第4章 イラク戦争と対反乱(COIN)作戦

   パラダイム・シフトと増派(サージ)戦略

 終章  知略に向かって 

2.概要

勝者に共通する知略とは、なんであろうか。

独ソ戦、英独戦、インドシナ戦争イラク戦争をケースに、

圧倒的不利を打破する戦略と指導力を「知略の本質」として解明

しています。

「序章」に、目的意識の記載があり、概要の補足とします。

戦略の本質を洞察し理解するためには、それがもともと軍

事の分野で実践されてきたことに立ち戻る必要がある。

そして、その本質を十分に洞察・理解すれば、戦略の本来

の実践分野である軍事や安全保障でも、組織運営や企業経

営でも、スポーツやゲームでも、戦略を賢く実践すること

ができるようになるだろう。

本書はこのような問題意識から出発している。   P3

 

たとえば、軍事戦略をめぐっては、従来、攻撃と防御、機

動戦と消耗戦、直接アプローチと間接アプローチといった

ような二項対立的なとらえ方があるが、われわれは、そう

したとらえ方よりも「二項動態」的なとらえ方こそ、戦略

の本質を洞察していると理解している。

戦略現象を「二項動態」的に把握したうえで、情況と文脈

変化に応じて具体的な戦略を実践していくことが重要な

のである。

そのような戦略を、本書では「知略(Wise Strategy)」と

呼ぶ。   P7

 3.ピックアップ

第1章 独ソ戦 から 

(何が勝敗を分けたか、について)
一つの答えは、補給である。 P79
 
(ソ連の)兵士たちを立ち上がらせたのは、
愛国心だけでなく、味方に処刑されかねないという恐怖心で
あった。   P80
 
スターリングラードにおけるソ連軍の逆転要因三つ
    耐え忍ぶ
   作戦の変更
   軍事の専門家である将軍たちへの権限委譲  P81
 
ソ連は敗北に学び続けた。  P83
 
第2章 イギリス 1941~1943 から
イギリスの戦略は極めて単純明快であり、戦争に勝つため
には「新大陸がその全力を挙げて、旧大陸の救援と解放に
立ち上がる」ことすなわちアメリカの参戦を引き出すことが
必須の条件であり、そのために戦争を継続することであった。
 P176
 
そもそもバトル・オブ・ブリテンの目的は、戦略的持久戦に
あった。    P184
 
 第3章 インドシナ戦争 から
マクナマラ自身は、アメリカ軍の最小の犠牲で敵の戦闘
遂行能力を破壊する、という戦術レベルの効率性追求の
戦争指導は、ベトナム人民の民族独立戦争の本質を見誤
っていた。
ホー・チミンには、いかなるコストを負ってでも、戦争を
遂行する大義があり、それを成し遂げる不屈の意思と実行
力があることを洞察できなかった。  P251
 
アメリカ軍のベトナム戦争は、陸軍の消耗戦と、中南米
おける国内安定への支援経験をもつ海兵隊の平定作戦との
二項対立が止揚されないまま、「不名誉なる」撤退に向
かっていったのである。 P254
 
第4章 イラク戦争と対反乱(COIN)作戦 から 
イラク戦争では   (中略) 「フセイン政権打倒」という
政治目的を軍事的手段によって実現しようとする戦争目的
体に、当初から難があった。
イラク民主化という究極の政治目的を達成するため
大戦略が欠落していた。  P341
4.まとめ 「終章 知略に向かって 」

 「知略」とは「知的機動力」で賢く戦う哲学であり、過去ー現在

ー未来の時間軸で、共通善のために、「何を保守し何を変革するか」
の動的バランスをとりつつ、つねに組織的な本質直感を共創しながら
行動し続ける戦い方を指す  
知的機動力とは、共通善に向かって実践知を俊敏かつダイナミック
に創造、共有、錬磨する能力である。 P373
 
 (二項対立をうまく制御することが勝利のカギであること自体は、

孫子クラウゼヴィッツも指摘していますが、その制御に仕方が

問題で著者は以下に、まとめます。)

実践知リーダーたちに共通する6の能力
共通善
現実直感
場づくり
物語り化
物語り実践  
実践知組織化    P380
 
知略が機能するための4つの要件
共通善ー何のために戦うか
共感(相互主観生)
本質直感
自立分散系ー実践知の組織化     P385
 
(終章末尾の文章を引用します)
変化する現実で、組織内外の人々との相互作用を高次のレベルで止揚
させながら、戦略を定め、文脈や情況に応じて実行するプロセスに、
今こそ正面から向き合わなければならない。
いかなる環境変化にも能動的に対応する国家、組織であるためには、
リアルタイムで「物語り」を紡ぎ、実践するしぶとさが求められる
だろう。   P408
5.  最後に
タイトルに、「長い旅の締めくくり」と書いていいますが

「失敗の本質」→「戦略の本質」→「国家経営の本質」→「知略の本

質」と続く4部作のことです。

未読の方のために、「失敗の本質」も紹介します。

締めは著者の野中郁次郎の言葉(「おわりに」P416 から)

戦略を二項動態的にとらえ、「いま・ここ」の本質直視にもとづいて

プロットとスクリプトをつくり物語る実践的リーダーを、いかにして

早急に育成するかということこそ喫緊の課題である。

 

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WHO(世界保健機関)の基本整理 直近の米国拠出金停止の動き 「米中対立は続く」という私見

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今日はWHOについて、少し考えます。

新型コロナウイルス対応をめぐって、WHOと各国政府(特に米国)の
対立の様相ですが、WHOについて、少し整理してみました。
何をが「客観的記述」か否かは、難しい問題ですが、取り急ぎ
wikipeida  を使います。

世界保健機関 - Wikipedia

1.WHOとは、定義、組織、人事

世界保健機関略称WHO)は、人間の健康基本的人権

の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合

専門機関である。

1948年設立。

本部はスイスジュネーヴ

設立日である4月7日は、世界保健デーになっている。

WHOでは「健康」を「身体的、精神的、社会的に完全な

良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことで

はない」(WHO憲章前文)と定義しており、非常に広範な

目標を掲げている。

そのために、病気の撲滅のための研究、適正な医療医薬

の普及だけでなく、基本的人間要請 (basic human needs,

BHN) の達成や健康的なライフスタイルの推進にも力を入れ

ている。

また組織の肥大化と共に企業との癒着構造が問題として指

摘されている。  

組織と人事としては

WHOの最高意思決定機関は総会である。

総会においては3分の2の多数によって条約や協定を制定

することができる。

総会においては34カ国の委員を3年任期で執行理事会理事

に選出し、これによって構成される執行理事会が総会の

執行機関となる。

また、常設の事務局があり、総会の議決に基づき通常

業務を行う。

事務局長がWHOのトップとなる。

 参加国の中に「2つの中国問題」から台湾は外れており、下記7代目

マーガレット・チャン事務局長の時代に、台湾はオブザーバ―参加

不可となっています。

直近の事務局長の      氏名、  就任日、   退任日、   出身国/

地域を記載すると

7代目     マーガレット・チャン    2007年1月4日       2017

年7月1日               香港

8代目     テドロス・アダノム      2017年7月1日      (現職)

エチオピア

2.功績はあります

WHOの功績の中でももっとも輝かしいものは、天然痘の撲

滅に成功したことである。

天然痘は非常に高い致死率を持ち世界各地で多大な死者を

出した病気であったが、症状が明確に判別できるため対処

しやすく、ヒト以外に感染することがないため人間のみの

対策で対処でき、さらに種痘による完全な予防法が確立さ

れていたことから、撲滅は原理的には可能であると考えら

れていた。 (中略)

患者が発生しなくなってから3年後の1980年、WHO総会は

天然痘の撲滅を正式に宣言した。 

そのほかの功績として、「ポリオやその他感染症の撲滅計画」および

 「多剤耐性菌の警戒リスト公開」を上げています。

 3. 論争となった出来事

論争となった出来事のついて、wikipedia記載は

(1)新型インフルエンザ、パンデミック誤警告と企業癒着問題

(2)IAEAに従属 (WHO議長が「WHOがIAEAに従属している

  ので、健康は原子力に従属する」と発言)

(3)直近の問題は下記記載

COVID-19 をめぐる対応の遅れと政治性の指摘

2019新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患の対応をめ

ぐり、流行が始まった2019年12月の時点でヒトからヒトへ

の感染が起きた可能性があるという報告を台湾から受けて

いたにも関わらず、台湾によるWHO総会への参加が認めら

れていないことや情報を国際社会に示さなかったことへの

批判がある。

4.私見
(1)まず、この文章の趣旨は、WHOを少し整理たかったこと。
何だ、コピペだけじゃないかと言われると、そのとおりです。
時事的なHOTな話題、メディア露出の多い話題を考える際、
基礎的なこと、歴史的なこと、周辺情報をまず知っておきたい
というのが、趣旨です。
私の不勉強で、ウラを取っていない情報ですが
・WHOの活動資金拠出の現状として 拠出金は米国25%で筆頭
 続いて中国、日本の順
・中国21億ドルを臨時拠出したが、「口止め料」とのうわさ
・日本も3月13日前ですが「オリンピックやりたい」ため多額の
 臨時拠出、
というのが、あります。
(2) トランプ大統領はじめ、米国議会サイドが、 
  WHOの中国寄りの姿勢、隠ぺい工作加担に非常な不快感
  結果、テドロス事務局長辞任(ほかの中国寄り幹部含む)や
  米国の拠出金一時停止発言等のニュースが入っています。
   この「トランプ vs. WHO」話題は、刻々と入ってくるでしょう
  し、日本のマスメディアが流さない情報も、SNS通じて日本語で
  解説する方もあるでしょう。
   私は、当然そういった一次情報は持っていなくて、各情報解説
   をマメにいれて、自分で考えるだけです。
 (3)感想を少し
 そもそも、国家間の争い、国と国際機関の紛争も、すべて勢力維持
目的と、争いと力の均衡の産物だと、私は思っています。
米国・中国間の争いは、ずっと続くでしょう。
古代のアテネとスパルタの勢力争いに、当てはめる見解
トゥキディデスの罠、とか)もありました。
私に、先は読めません。
私が子供のころは米ソ対立冷戦構図でしたが
この米中覇権争いや、「代理戦争意味合い」は、私が生きて
いる間は、続きそうきそうに感じています。
ふと、国際政治学者のハンス・モーゲンソーを思い出しました
電子書籍にて、紹介します。